幅広丸太を製材した最新記事は此方です。
個人的にもイベント的にもやったり、また仲間の手伝いで製材作業に行っていたりしている。
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オイルタンク容量が0.28L。ガソリンの比重をざっと0.75にして、オイルの比重もざっとだけど0.85で計算すると、、、
ガソリン重量:375g
オイル重量:238g
と、なる。
これに本体の乾燥重量が、4.7kgで、前回の記事に載せたオレゴンの16インチのスピードカットシステム(バー&チェーン)の重量が762gだから、
全部足すと、「6.075kg」という装備重量に・・・
あと、オイルの滲みた切り粉がくっついたりしていて、ざっと6.1kg?ということになるので、共立(新ダイワ)の50ccが最軽量で、計算上ではこんな重さになる。
でも、枝を落とせるだけで、伐倒方向に自由度が高まります。大きな広葉樹が他の広葉樹の枝の間にガッツリとハマってしまったらどうしようもないですから。
広葉樹の枝が落とせるだけで、他の作業が楽になり、また安全性も高まります。
そうでなくとも、植生のための母樹として残しておきたかったり、マザーツリーの様なその地域の出来事を何百年来も記録してきた守り樹であったりして、枝の剪定だけで済ませたい場合もありますものね。
と言うわけで、このWランヤードを活用したポジショニングは、樹上伐採のプロのみならず、山づくりや森林資源活用をしている方達には、結構大事な手法かと思われます(ただし、低木の枝を何も考えずに落とすと枝のたわみで、元が作業者に向かって飛んできたりする場合もあるのでしっかりとした対策の上の作業が必要です)。
こちらは、4歳のお子さんの頭にマダニが食いついていた話。原因は、ワンちゃん経由。
> 昨日のマダニの続きですが、夜中の2時頃起きて手に違和感があり見たらかたい黒いものが!!
> うちは犬も飼ってるし、旦那が林業なので、マダニとはすぐ想像がつました。
> むやみに抜いてはいけない、感染症があるとの知識はありましたが、何しろこんなものが体にくっついていることが気持ち悪くて何とか取り除く手はないかと検索しまくりましたが、やはりむやみなことなせず、皮膚科にかかることにしました。
> マダニとともに起きて、マダニとともに朝食を作り、弁当を作り、掃除洗濯をし、皮膚科に行きました。
> 皮膚科でもかなり待たされ暇なので、写真撮って友達に送りまくり共に過ごしました。
> 検索しまくって見た動画と同じ用具で簡単にマダニが取れました。
2020年1月24日追記:オフィシャルサイトのページに載せてある掛かり木処理のためのロープシステム&機動的集材用の道具類のリストを更新しました。ロープ牽引に必要なフリクションノットについて追記してあります。また、pdf形式だけでなくエクセルファイル形式のものもアップロードしてありますので、アイテム数を変えることで合計金額をご自身で計算することができる様にしました。
※他の記事にも書く様にしましたが、わたしはODSK(アウトドアショップK)さんのアイテムを販売している訳でも、また皆さんが購入されるとマージンが入る様なシステムにしている訳ではないので悪しからず。ODSKさん、みな良い方たちばかりで多々お世話になっており、わたしはODSKさんのお陰で、樹上伐採の道具類を転用して一般市民の方々の安全で楽な掛り木処理の手法や集材搬出のための方法の模索が出来ております。そのお陰でこんな記事も書けています。そしてそういった最新道具と技術の講習会を行えているのでサイトやブログでフォローしています。ご理解ください。
さて、皆さんは、山仕事のときにどんなロープを使っていらっしゃるでしょうか? 勿論、山仕事と言っても様々ですから、用途によって違いますよね。ここでは、自伐型の林業、木の駅プロジェクト、薪ストーブ用の薪材採集などなど、プロ以外の方々の小さい林業、山仕事のお役に立つかも知れない話を書いてみます。
四年くらい前に、全林協さんの本、“New自伐型林業のすすめ”に書いた小さな林業のための搬出技術の項のもっと突っ込んだ話、高強度の繊維ロープについて本記事でフィーチャーしてみます。
神奈川から島根に移住した2011年末に、“小さな林業で山を守ろう”、をテーマに匹見・縄文之森協議会を立ち上げて一般市民向けの山仕事の技術講習を行なっており、林内作業車&土佐の森軽架線からポータブルなPCウィンチ各種、ロープ架線など様々な機材が揃っています。
そういった活動の中で、“New自伐型林業のすすめ”にも書きましたPCウィンチや、高強度の繊維ロープの活用が、新しく参入する方々が集材・搬出を取り組む際の敷居が低いので、此れらの運用をメインに講習を行なっています。
また繊維ロープを使ったシステムは、安全性も比較的高い上に、適正なシステムを組めば、女性一人でも長尺材を搬出できる様になります。
右上画像は、全林研さんの助成によって2017年の秋に行なった“女性のためのロープワーク研修”の一コマです。
元口が30cm程、10m強の長さの檜をPCW3000のウィンチを使って2倍力のシステムの地引きで、山仕事は未経験だけど林業関係の女性が一人で集材しています。
この時の講習では、木に登らないで樹上にロープを掛ける方法各種や、小型滑車を使った倍力(2倍力〜9倍力で綱引きをやった)のセットの仕方、掛かり木の処理方法、PCウィンチによる搬出、メインロープとプルージックループを使った、急斜面の登攀、下降時の安全確保法などを行ないました。
この様に初めて集材を経験した女性でも太くて長い材を動かすことができますけれど、それでも基本的な安全管理の知識がないと危ない要素は沢山あります。
当協議会は、樹上伐採(特殊伐採)の優れた道具、用具類を扱う長野県伊那市のアウトドアショップKさんの協力を頂き、PCウィンチやロープ、関連用品の現場での実践的活用法のテストや応用に取り組んでいます。
また、樹上伐採のエキスパートが揃っているアウトドアショップKさんのアドバイスは、小さな林業や薪材採集のに関して新鮮な知見を得るものであり、自分のステージを押し上げてくれるものであります。
自分的な考えでは、チェンソーも同様ですが、安い販売者ばかりを探すのではなく、メンテナンスと智慧付きのお店とお付き合いした方が、人間関係など、そこで広がる世界はお金に代えられない価値があるものではないかと思っています。
こんな話を後述する全林協さんの手道具の本にも書きました。職人仕事の道具を、ネット上の安い販売者“だけ”から買っていては、自分自身の世界が広がりません。
もちろん、皆さんの周りが経験も豊かな人格者のエキスパート揃いだったらそれも良いかも知れませんけれど、周りに本物の人が居ないのだったら、また自分で道具を工夫して作り出す位の智慧と経験がないのだったら、職人向けの道具を売っている販売者を大事にして互いに育て合うことが必要ではないでしょうか。
前述の本では、日本の職人と鍛冶屋とのそういったせめぎ合いのなかで手仕事のレベルを高め合って来た話を書きました。道具を作る人、売る人たちは、レベルの高い顧客の要求に応えながら自分自身の技術や知識を高め、道具を供給するネットワークを広げていくわけです。
そうやって創り上げられて来た精神的土壌を文化といい、今はそういった質の高い日本古来の文化が崩壊した時代というのが現実です。素人が素人に売っているだけ・・・
お金だけが基軸のそんな粗い文化に染まった人たちには山造りという国土や自分たちが住まわせて貰っている大地を守る職人的な仕事はできないでしょうね。
当協議会は、機材の販売には関与しておりません(受講者に何を使えば良いかと言われるので、後述のリストを作って渡しています)けれど、樹上伐採にも使用される優れた道具類を適正に運用することで自伐型の林業や薪材の採集において安全性と効率を高めることと思い、本やオフィシャルサイト、そしてこのブログでオススメしている次第です。
【ロープの大きな特性2種】基本的な話
例えば、岸壁に岩茸を採りに行く場合はクライムダウンだから懸垂下降をする時は良しとして、登り返しの際に、ロープのテンションが緩んでいる時にもし滑落したらどうでしょう。
100kgのものが1m自由落下すると止まった時に掛かる瞬間荷重は1000kgになると言います。すると、50kgの体重の人が1m墜落して止まると500kg!
だから、クライミング用(あっ、ツリークライミング用でないですよ。山用のものの話)のロープはその衝撃を和らげるために30%以上も伸びる構造になっています。これをダイナミックロープという呼び方をします。
(右画像はイメイジです:この時は群馬の山奥にギョウジャニンニクを採りに沢沿いを遡行している時のこと、6〜7m程度の下降でしたが、垂直の壁を確保器具なし、8mmロープを立木に掛けて降りて行った女性二人の画像です。勿論、順手でロープを握っているだけでは垂直の壁を安全に下降ができません。でも、足さえ壁に着けばごぼう握りというフリクションを使った握り方で安全に降りられます。勿論、こういった確保器具がない場合には、肩絡み懸垂下降という方法もあります。わたし?わたしは臆病なので、保険を掛けてプルージックループを使って右手の手首に通し、そしてゴボウ握りでおりました....)
反して、木を倒す時に引いたり、また伐採した木を曳くのにロープが伸びる様では力が働かずに労力が掛かります。ですから、伸縮率が数%の伸びないロープを使います。これをスタティックロープ(リギングロープを含む)と言います。
そういった知識なしに、伸びるロープを使っていて重たい材を引っ張り、もしその時に切れたらどうでしょう。伸びることで溜まっていた力が一気に放出されればロープだって痛いです。シャックルなどの金具が付いていたらシリアスな事故につながります。
これがワイヤーロープだったら死亡事故につながることが多いですよね。巻きグセやキンクが入ったワイヤーロープが切れた時には、周囲を広範囲に破壊しながら飛んでいきますから。
わたしも18mmの主索が破断して、危うく〇〇そうになったことがあります。ワイヤーが切れて事故になるケースは結構あります。
なんでかと言うと、大抵は自分の道具ではないので、油を染みさせたりちゃんとしたメンテナンスをしていない使い捨てみたいな使い方をしているからです。
だから、芯線が飛び出ていたりして危なかったり、扱いが難しいワイヤーロープではなくて、高強度の繊維ロープを一般の人たちに勧めるのは理解して頂けるでしょう。
詳しく後述しますが、ロープは軽いこと、些細な怪我に繋がりにくいこと、撤収の際の片付け・収納がロープバッグを使えば超楽なことなどがあり、体力のない初心者でも扱いが楽ですから、ひいては安全性の確保に繋がります。
その上、ここで紹介している高強度の繊維ロープは、10mmで破断強度が2.8トンというタフなロープです。ですから、チルホール牽引の延長線上に使えますし、動力ウィンチにも使用できます。
勿論のこと、地面や岩、木肌を擦ってしまう様なシチュエーションではワイヤーしかあり得ません。が、前述のロープであれば強度がありますから、擦れて傷みそうなところだけワイヤーに繋いでコンビで使うという手もあります。
さて、そのワイヤーの件ですが、脱輪・スタック車両の牽引の際も同様です。チルホールで牽引する際に車両側のフックが千切れたらどうなるでしょう。
それも、途中にリダイレクト(方向転換)のアンカーが設置出来ない様な場所で直引きしていたら作業者に向かってワイヤーやフックなどの金属類が飛んできます。それで事故が多いんですね。
どうしても、そんな車両レスキューを行わなければいけないケースでは、ワイヤーロープの中間点に目立つ色のジャケットなどをぶら下げるという知恵もあります。飛んで来るワイヤー自体を認識するのは非常に難しいけれど、ジャケットが飛んだら飛び退くか?体の急所を守る体勢をとるためです。
わたしだったら、デリカには(チルホールやエアジャッキなどの脱出道具以外にも)野宿用の座布団や毛布を積んであるので、重たい其れ等を掛けますね。多少のバッファにはなるでしょうし・・・
これは、ワイヤーロープ、繊維ロープに関わらず、レスキューに使う場合の基本的智恵ですね。
【ロープウィンチ用のロープについて】
ところで、PCウィンチ(カナダ製)というロープを摩擦で牽引するエンジンウィンチがあります。大分広まってきたので使っている人たちが増えましたが、売っている人たちには実際の現場のことをあまり知らない人が多いかもしれません。
使い方は簡単に見えますから、素人(プロでも知らない人は知らないよね)が、素人に教えているケースを此方の地域でもよく聞きます。が、教えている本人たちは聞きかじりでしかないのでかなり危ないことをやっています。
聞いた話では、このウィンチで材を牽引していて突然ロープが破断。腕を複雑骨折したそうです。また、キャプスタンドラムとロープの間に指を挟まれて切断したとか。
ロープウィンチは、スムーズに巻けている時は良いですが、障害物でテンションがウネった時に乱巻きが起きたり、長尺材を上げて来て、材の頭を降ろそうとする際に、材の重量バランスが変化することで突然荷重が掛かってロープが急激にドラム側に引き戻されることがあります。
また、高荷重を掛けて牽引しながら巻き取ったロープは捩れが入っていますから、使用後にロープをしごいて伸ばし、ストランドをニュートラルな状態に戻しておかないと、上記の様なことが発生した場合に現象が増幅してしまいます。その様な現象に対しての処置方法を知らない人は、結構シリアスな事故につながってしまう可能性があります。
様々なケースの現場作業を知らない販売者だと、ただロープを持つところをドラムから離せとだけしか教えられません。
ここには書ききれないケースワークが他にもあります。
また、アウトドアショップKさんの様に、実際に現場をやって来た人たちが販売しているところでは、機能が足りない部分や未成熟な部分に対しての補完的なノウハウを持っています。
例えばツリーワークで重たい材をウィンチングで空中移動させている時に振れて戻ろうとした時。または素人がPCウィンチで掛かり木処理をしていて、外した途端に材がバウンドして斜面を下に走った時。
そういった場合には、逆戻りを防止する機能があると機材を壊したり、作業者が危険に晒されることを防ぐことができます。
そういったところまで予想して対策を採れるかどうかが事故に繋がるかどうかの境目ですよね。要するに想像力の問題ですが、これは経験値によって異なってきます。