雲南市は、出雲市の南側、奥出雲町の西隣に位置する。“ウィキペディアから引用すると”、2004年(平成16年)11月1日に、大原郡大東町、加茂町、木次町、飯石郡三刀屋町、掛合町、吉田村の6町村が新設合併して誕生した、とある。4_0069
 私事だが、丁度4年半ほど前に神奈川から山陰に入り、鳥取砂丘から野宿旅行を始めて次に島根県に入ったところで回ったのが、大東町の棚田を観て加茂町にある加茂岩倉遺跡だった。この銅鐸が発見された加茂岩倉遺跡と銅剣が発見された荒神谷遺跡は以前から来てみたかったところだ。
 そして鍛冶屋と和鉄が好きな自分としては、踏鞴製鉄の地域、安来、奥出雲、吉田なんてまさに聖地みたいなもの。

 そんな雲南市さんにご縁が出来て、市民による森林資源の搬出講習を担当させて頂いている。此れも県の林業普及スタッフのS氏のお陰。ここ雲南市さんにはチップボイラーを運用している温泉施設が二つもあり、その熱源供給の為にも市民の方々の取組みが重要となっている。
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【木質バイオマス資源活用・農都交流・体験講習・定住化】

 それだけでなく、農都交流事業プログラムという自然が豊かで農林の資源豊富な雲南市と都市部の企業を結ぶ事業や、農山村で暮らしたい若者達の定住化の為に体験講習などのプログラムを展開しようとしている雲南市さん。担当部署も農林だけでなく地域振興や定住対策の担当者が部署を超えクロスオーバーして連携を図ろうとしているのだ。

 市を上げて市民レベルで森林資源活用に取り組める様に体制作りを行なっている今や、林は農にも住にも関わる大事な要素。

 そこで、市の担当者の方々も、自分自身で現場体験してみないと有効なプログラムを展開するのにもイメイジが湧き難いだろうから、是非担当職員の方々の体験講習を実行しようと提案したら、やる気のある雲南市さんでは直ぐに通ったのだった。
【先ずはチェンソーワークの基本から】
 農林振興課の3名。森林バイオマスグループのKリーダーとY氏、T氏が参加。当日は雨だったので、グリーンパワーうんなんさんの建家をお借りしてチェンソーの安全運用から、構え方、ポジショニング、玉切り各種、突っ込み伐り、受け口、追い口づくりまで行なった。
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 玉切りも上からと下からと両側から切っていって真ん中に1cm厚さだけ残して上下の鋸道を合わせる練習を繰り返す。これは正確に刃が入っているかを常に確認する癖をつけるため。希望的観測で依存的に行なう当てモノの様な捉え方で刃を入れても何時まで経っても上手にならない。
 チェンソー自体がスケール(メジャー)になったり、バーを振る際に支点になる機能をもったスパイクなどがあるのだから、其れ等を活用したり、身体の各部を支点として使ったりして、鋸道がぶれない様にする考え方を身につける。最初が肝心ね。
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 Y氏は、一回ジット島根(別ページをご参照)の講習を受けているし、T氏は運営側で講習風景を見ているはず? Kグループリーダーは、今年の春に前任のS氏と交代したが長年人事課に居られたとの事でチェンソーに触るのも初めて。でも、上手にやっていた。
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 直ぐ横ではGPうんなんさんが薪割りを行なっている。

【搬出から積込み】

 2日目は午前中しか時間が採れない政策企画部地域振興課、うんなん暮らし推進課の若手の方々にPCウィンチを使って搬出を体験して貰う。参加者は地元の民谷交流センターのH氏。うんなん暮らし推進課のA氏とS氏。総合センター自治振興課のT氏(雲南市では地域自治組織の活動がサポートされている)。そして地域振興課のF氏、昨日からの農林振興課の三名の方が引き続き参加の以上8名となった。
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 先ずは1本伐倒を行ない道上に引き上げる準備。牽引用のロープを方向転換する為のアンカーを採るのにラダー梯子で木に登る。
 梯子2段で目線は5m半位だが、慣れない人はちょっと怖い。毎回講習で希望者を募ると、大抵女性が手を挙げるが男性は殆ど受け身状態。女性はチャレンジャー?

 でも、今日は男しか居ないので、、、と、思ったら地域振興課のイケメンF本氏、難なく登って作業完了。高いところが好きだそうだ。農林振興課のY本氏がアンカーの設置などについて解っているので、目通しのベルトスリングの向きやスイングサイドのプーリーの設置、スチールカラビナのネジの戻しなどについてF氏に指示を飛ばしている。

 イケメンF本氏は今度行なわれる農都交流プログラムの担当者なので、ぜひ高所体験をと、ちょっと意地悪な気持ちで梯子登りを指名したが肩すかしをくらってしまった。(^-^; 的確に指示に従って設置していた。いやいや、素晴らしい! じゃあ、今度は梯子3段で8m樹上の枝打ち体験もやりましょか?

 さて、倒した木にスキッドコーンというキャップを被せてからロープをセット。これは、障害物避けの優れもの。此れがあると材の頭が地面や切り株、岩などに引っかからないので引き上げが一気に楽になる。

 当然、前述の様に高いところにアンカーを採って、材の頭は上げているのだが各機材に負担を掛けない様にするには付けた方が良い。山仕事を力づくで機械にばかりに頼って作業すると、破綻した時の反動が大きく出るから、何事も無理しないで作業が出来るシステムを構築した方が、一般の人達が取り組む、この自伐型には良いだろうと考える。
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 PCウィンチを木に設置して、途中二箇所にベルトスリングにプーリー(滑車)を設置したアンカーで方向転換してロープをウィンチに巻く。
 下の左写真のPCウィンチから、右写真の1番目のアンカーへ併行にロープが走ってから、樹上のアンカーを通してリダイレクトで材を引っ張っている。
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 太い材を初めて動かした職員の人たちは、自分たちにも出来るんだと実感してもらえた様子。ちょっと前だったら、一般人が山から太い樹をそのまま引っ張り出せるなんて考えられなかった。
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 その後は、時間がないので、ロープを使った重量材の楽々積込み体験を行なう。この方法は、ほんと楽勝なので、思わず微笑みが溢れる。

 そして、お昼まで少し時間があったので、ロープワークのデモを行なう。枝打ちをしてある木にロープを打ち上げるウェイビングと、枝打ちしていない木や広葉樹の上方にロープを掛けるスローイングノットなどの使い方。あとはスローバッグとスローラインを使ってより高い樹上にロープを回す方法などを行なった。

【午後はフリー伐倒?】
 お昼の食事は山のすぐ下の、木造校舎の小学校跡を使った民谷交流センターでお弁当を食べながら農都交流プログラムの内容の打ち合わせ。

 ここ木造校舎はやはり素敵で、湿気の多い山陰にはピッタリだと思う。と言うのは、コンクリや金属などで作られた学校はどこも黴びたり苔が生えたり、錆びて色が悪くなり雰囲気が悪くなるのだが、木造校舎は呼吸をするせいかそういった腐敗サイクルに入らないみたいなのだ(私の出身地の神奈川県では、山梨の道志村に接する青根地区に木造の小学校が残っていて、結構町中から移住転校して来る子が居る為に、数人の学童でも木造校舎が活用されている此処も素敵な木造校舎です)。

 さて、午後は農林振興課の3名と総合センター自治振興課のT氏が残って研修を続ける。先ずは総合センターのT氏がスローラインを枝上に掛ける初体験。直ぐに上手に出来てスローラインからロープを繋いで樹上を幹にグルッと回し斜面上の立木に末端を結ぶ。
 もう一方の端は、他の立木にアンカーを採ってプーリーを介してリダイレクト。方向転換して安全な立ち位置でロープを引ける様に農林振興課のT氏が準備。Y氏が初めての伐倒なので、万が一の事を考えて、伐倒方向の制御の為にロープを使う事にした。
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 上方伐倒。農林振興課のY氏が伐る。先日、ジット島根のE藤先生にしっかり教わったし、昨日はわたしも受け口と追い口のつくり方の復習をしていたので、今日はもう何も言わないからね、と言って監督。
 その代わり、経験者の総合センターのT氏が丁寧に教えていた・・・
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 そして無事伐倒。此処は混み入ったところなので掛り木が前提。ロープを引いて倒す体験も完了。枝を処理して、今後の体験や搬出講習に使える様にしておく。

 次は場所を変えて山の上に上がりケースワークを行なう。最初は作業路脇の根が弛んで路に傾いていた木を倒す事に。此の場合も、総合センターのT氏がスローバッグ投げを覚えたので樹上の枝に掛けてから幹に回してロープを設置。 
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 ロープの設置方法も覚える。
 受け口は重心方向の90度右に。道路沿いに倒す様にしてロープで補助する。
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 無事予定通り木が寝てくれた。
4_0095 伐倒は総合センターのT氏。持っているチェンソーはハスクバーナの357XPに13インチバーのピクセルチェーンというマニアックなもの。
 市の職員としては珍しい方。聞くと、子供の頃から薪作り担当なのでT家ではチェンソーは当たり前にみんな使うとの事。聞けば林内作業車からスキッドコーンも持っていると言う本格派。雲南市すごい!

















【それぞれ自由課題を】
 二手に分かれて其々危なくないところで伐倒の練習。わたしはK氏と一緒。初めての伐木。どうなるでしょう?ワクワク・・・
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 この木は最初からちょっと傾いている。他の木の枝が空いている方向に向かって伐倒。ちょっと掛かってしまったので、先ずは人力て押して無事伐倒。
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 Kグループリーダー氏の初めての伐倒は如何だったでしょうか。初めての事ばかりだったと思われるが、緊張しながらも前向きに取り組んで居られた。他の3人も教えながら教わりながら伐倒を行なっていた。最後に必要な材は軽トラに積んで搬出。
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 作業路には水切り用の丸太が埋めてあるので、材を積んだ軽トラだと腹を擦ってしまう。細い丸太を何本か敷いて乗り越えて行く。
 と言うことで、無事体験講習を終了。

Y職員:『いやいや、結構大変ですね。やっぱり実際に自分でやってみないと解りませんね。』
わたし:「でしょ〜? 市民さんに、頑張ってもっと一杯出して!なんてよう言われんでしょ?」
職員さん達:『もっと講習を充実させて、安全に楽に出せる様なやり方を覚えて貰える様に色々整えて行きたいですね。』
 と、雲南市さん、まだまだ色々な企画を考えている様子。また、後日追記する予定だが、住民の搬出量としては県下で一番多いのが現在は雲南市さん。今後、連携して充実した研修体制を作って行く方向で企画しているので、またレポートを書いて行きたいと思う。
以上
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【仮告知】4kakinoki50625-10
 11月には信州からアウトドアショップKさんに雲南市に来て貰い、民家裏の大きなエノキの枝降ろしを行なう特殊伐採の講習会(講習費はODSKさん規定の通り:有償って当たり前だけど:此方々は補助金での無料講習が多いので、只で教われると思っている人が多いので念のため)を21日、22日に開く予定。2日目には枝下しを行なうが、参加者の状況によっては、リギングだけでなく、ツリーワークの為のクライミングから行なう可能性もあり(要相談)。

 雲南の株式会社きこりさん、ArborhythmのHさん達、邑智郡森林組合のMさん、フリーサポートイナオカさん達。お待ちしておりますので是非ご参加下さい(詳しくはちゃんと連絡しますね)。

 やっと開催の目処が立ったので、近いうちに本ブログかオフィシャルサイトで告知する予定でいるの今暫くお時間を頂戴したい。
 場所は、雲南市の吉田地区。松江自動車道も無料で通れるので、山陽側からでも来易くなっているので近県の方も参加可能。

 三日目23日には、島根県林研グループ会員対象の搬出研修で、スローバッグやポータラップの活用を含めたメニューをアウトドアショップKさんに行なって貰う予定。此れは飯南町を予定。