panfu-1【雲南市さんの農都交流プログラム発進】
 島根県雲南市に於いて10月の体育の日の三連休には学生さん達を中心に農都交流が行なわれた。11月には企業向けのプログラムが計画されている。
 農は農山村のある雲南市の各地域。そして都は、都市型企業から若い人たちに来て貰うという意で、双方のマッチングを図って其々の課題解決に向かうもの。

 今回の交流プログラムの内容を概略書いてみると、初日のワークショップは古民家の土壁の補修体験。そして意見交換会。2日目の体験メニューは三つ。花農家作業体験、竹林伐採体験、森林バイオマス体験となる。その後は地域のお囃子への参加がある。

 参加者は早稲田大学の建築学の院生達、島根大学からは社会文化学科、地域環境学科、建築・生産設計工学コース、機械・電気電子工学科、物質科学科、機械電気電子工学科、物質科学科の学生さんと先生。また企業からは、京都移住計画の方々ほか、沢山の方の参加があった。


 其の中で、森林バイオマス体験というメニューで、チェンソーワークとPCウィンチによる搬出、掛け縄によるトラックへの積込み、そして土場へ持ち込んで地域通貨券への交換というプチ山仕事体験を担当した。このメニューへの参加者は早稲田の理工学芸術院の建築学専攻の院生たちと京都移住計画の方。

【雨の森林バイオマス体験?】
4IMG_0414 朝、現場の準備をしていたらポツポツと雨が。誰が連れて来たのか。参加者は腰が引けたのか雨の中を遅れて来た。昨夜の山のコテージでの交流会は可成り遅くまで続いていたらしい。ま、若者はそれじゃなくてはね。

 それは良いけれど、本日の体験メニューは午前中の2時間半、スタートが遅くなったので実質2時間で一通りの体験をして貰う為に大分端折った内容になってしまったかも知れない。

 で、スタート。最初に能書きを少し...ではなく、このブログを見た人は直ぐに見抜ける位の能書き好き。(^^;; だもんで、、、小規模な木質バイオマス資源活用の意義などと、社会情勢の変化に対応する為の話などを少々。雨降っているし・・・
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【どきどき!チェンソーワーク】
 昨晩飲みながら早稲田の女の子が『チェンソーやりたい!』、と言っていたことと、予定では雨がこんなに強くなるはずでは無かったこともあり、それではと雨をしのげる林の中でチェンソーワークをやって雨雲が動くのを待とうと考えた。
 それで、メニューに入れていなかった全員のチェンソーワーク講習を行なう事に(保険は加入してある)。
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 また、搬出作業を行うとなると、森の屋根が守ってくれない雨の中での作業になるので、いきなりずぶ濡れになってしまって都会の人たちの心が折れてしまうかもと、ちょっと心配したから。

 勿論、大雨になるようだったら建家の中で別メニューが行なえる様に準備をしておいたのだが、予報では軽く降るだけとなっていた。ところが、実際には時々強く降る天気になってしまったのだ。

 さて、気を取り直して林の中でチェンソーワークの基本から。安全な運用と構え方から始める。先ずは女性陣から。T内さん、S原さんとM町さんの三名。建築学を行なって居る人には先ずは現場作業の基本的なところから体験。
 何故、女性からかと言うと言い出しっぺだから。女性の名前を覚えているけど男性達の名前を知らないのは、前の晩に女性達とは挨拶したからで、けっしてすけべオヤジという訳ではないと思う。もうちょっと時間があれば男性陣とも話が出来たんだけどゴメンね。

 始めてみると皆さん結構(教え方が良いのか)上手なんだよね。でも女性の方が男性よりも勢いがあると市職員のY本氏。エンジンの回し方に切れがある?
 わたしは次の搬出準備の為にY本氏やT波氏の職員さんにチェンソーワーク体験を任せた。彼らも実際にチェンソーワークを行なって来ているしジット島根のチェンソー講習に立ち会っているので流れも要領も結構理解しているので心強い。
 でも、今度は教える段になると、ちょっと次元が違う。逆に自分が勉強になるので、他人に教えるのは良い機会にもなる。


【搬出体験---やっぱり生木は重たかった〜】
4pcwinch 慣れたところで、前日に伐倒しておいたヒノキをPCウィンチで移動して玉切りの準備をする。男子学生が人力で動くかとチャレンジ。『重たぁ〜!』、と降参。
 ウィンチングは参加者が交代で行なう。引いては枕にする丸太の上に材を載せて2mに玉切る作業を繰り替えす。PCウィンチを立木に設置して直引きする(PCウィンチの詳しい事については他の記事をご参照を)。

 ヒノキの他にも前日伐採した大きな桑の木や、以前伐採してあった松の木などがあるので、何れも引っ張り出す。其の合間に積込みの準備。


【古典的人力積込み!】
 トラックへの積込み方法は色々あるが、何時も体験で行なっている古典的な掛け縄方式(別ページご参照)による積込みを行なって貰う。

 この手法や他にも楽に積む方法があるので、もっとやりたい(市内の)方は、雲南市さんのバイオマス活用の講習に出て頂くか、わたしがお金を掛けない搬出方法の技術編を書いている全林協刊の“New自伐型林業のすすめ”という書籍を観て頂ければと思う。あっ、そう言えばオフィシャルサイトにも載せていたのでこちらもどうぞ。(いかんいかん、自分のやっている事を忘れてしまった.....
 もっと専門的には、同じく全林協さんから出ている“林業現場人 道具と技 Vol.13 特集 材を引っ張る技術いろいろ”の55ページにも書いている。こちらの本はプロが読む本だけど、道具好きにはとても面白いシリーズ。
 あとは手道具が好きな人には同じく全林協さんのこんな本もある。“森と暮らすNo.2 ノウハウ図解 山仕事の道具” この本の四分の一はわたしが書いている。今回は時間が無かったが、また機会があれば色々お教えする事は沢山有る。

 さて、今回トラックは1t車。写真で観ると一見軽トラに見えるけれど、四駆の1t車である。四駆でないと此の現場まで上がれない。

 そして積込み用のスロープは現地調達の丸太を加工したもの。
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 此の材は松。可成り重たい。長さも1t車に積める2.3mくらいの長さ。
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 それでもなんなく積込めてしまった。
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 残りは手で持って積込んで終了。此れにて午前の部は終了。
 記念撮影を済ませる。メンバーは早稲田大の建築学専攻の院生たちと京都移住計画の方1名、3名の市職員と自分。
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 位置を変えてもう一枚。ちょっと物足りなかったでしょうから、何れはチェンソー製材機などを用意して小屋作りなどもやりたいので、「また、来て下さいね。」と挨拶。
 時間さえ採れれば、自分たちで木を伐って、重たい材を搬出して来て、現場で製材して木を寝かせて乾燥させておき、後年その木を使って古民家の修復や小屋作りなどまで出来る。

 日本の昔の大工は腐った柱なども途中で継ぎ換えて修復する技術があったり、500年1000年の木造建築を残せる刃物の技術や材の使い方などが伝えられているのだから、木と言う掛け替えのない資源と共に古人の智慧を未来に伝えられる様にして貰えればと思う。
 日本は木の文化の國。解けば大地に還るというサイクルが、侘び寂びの精神に残されているのだから・・・ ワビサビ、解るかなぁ。
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 此の後には、材を土場まで搬出。材積で計算して、雲南市の地域通貨券を参加者にお渡しして、森林バイオマスのプチ体験は終了。

 その後に、近くのK氏邸で昼食を済ます。K氏邸は、今は時々帰って来るだけになっている空いている農家。今後は交流拠点として体験用宿泊施設にしていこうとK氏と雲南市さんとで計画中。


【雲南市吉田町民谷地区御祭り】

 午後は地域の御祭り。お囃子と花の山車が出る。此方に皆参加。後ろに見えるのは、木造校舎の小学校跡。今は民谷交流センター(夢民谷の楽校:むうみんだにのがっこう)として活用されている。良い木を使った木造校舎は未だに使い易いし見た目も美しい。道路を挟んだ川には、川底にコンクリートで桝が作られて居るが、かつてのプールだったそうだ。水が冷たくて子供達も長くは入って居られなかったとのこと。
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 子供達も大人達も練り歩く。
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【一方、竹林伐採チームは】

 竹林の伐採に行った方のチームは、2時間半で60本近く処理したそうだ。写真下が処理前と処理後のもの。4tikurin1

















 写真で見ただけだと60本の違いが
解らないが、短時間での処理数ととしたら可成り凄いのでは。流石、若者パワー。4tikurin2

















 でも、それだけじゃなくて道具も違う。
 竹の伐採の際に一番手間が掛かるのが枝の処理。此の枝を鉈で切る人が居るが、切った枝側も竹の方も鋭い切り跡が残っていて危なくて仕方が無い。また、鉈の背側で叩いてばかりいると、鉈の口金がガタガタになってしまって使い物にならなくなる。かと言って鋸では手間と時間が掛かる。これはトップハンドルチェンソーを使っても面倒。

 一番楽で、そして枝を取った口が奇麗なのが下の写真の方法。太めの樫の棒(下のものはちょっと細くて短い)で枝の付け根をY時側の上から叩いて剥がして行けば簡単に枝が取れる。地面に竹を寝かしておいて、左右の枝をたたき落とすだけなので一番作業が早くて楽。
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 右写真だと、竹の上に向かって右側に立ってしまっているが、右利きならば竹の先に向かって左側に立つか跨ぐかして、左右の枝を交互に打ち下ろして剥がして行くだけ。この方法は意外と知らない人が多くて、今回は地元三刀屋町の冨田氏達がご存知だったので講師として大活躍。

 外した竹の枝葉はまとめておくと燃え易いので注意。竹のチッパーがあれば細かくして微生物で発酵させれば肥料になるし、竹は1年程度乾燥させておけば、無煙炭化器で簡単に竹炭になるので土壌改良剤に使えるし、また竹ボイラーの燃料になるので、お風呂の燃料代が只になったりする。このプログラムは、また別の機会に体験して貰うつもり。


【現場の後片付け】

4IMG_0448 我々は途中で御祭りを失礼して現場に戻って後片付けを行なう。前日の準備の為に伐採した木や枝の処理が残っていたのだ。農林振興課のY本氏とT波氏が頑張って片付ける。

 伐採したヒノキの枝も太い部分は薪になる様に切って揃え、葉の部分は積み上げてチェンソーで細かく刻んで体積を小さくする。
 そうすると土に還り易い。枝を切ったまま放っておくと乾燥するだけで土にならないで積み上がったままなので景観が悪くなる一方になる。

 ところが、伐採などの請け負い作業だと伐り散らかして放置状態で山の景観が悪くなるだけが常の事。でも、借りた山や自分の山ならば林床は奇麗にしたい。そうすれば誰が歩いても安心して歩けるし、見た目が奇麗なので更に手入れがしたくなる。

 スラム化した様なところには更にゴミが溜まり、奇麗に手入れがされているところはスラム化し難い。以前、東京都下の保護司のオジさんと話をしていて、犯罪を犯す子の家は大抵ゴミ溜みたいになっていることが多いと聞いた。
 手を抜けば其れなりの事が展開し、人の手と、そして気持ちが入ってエリア内を整えれば良いエネルギーを持った場が出来る。仏教や神道ではこれを結界と呼ぶ。

 自分がちょこっとだけ在籍した神奈川県の林業事業体では、切り捨て間伐の時でも、伐った樹は立木に二点掛け(斜面に対して平行に)で転がり落ちない様にして(当然、横に向けて倒す)、払った枝もまとめて整理をしておくやり方だった。

 結構、手間のかかる仕事で、慣れない自分などは若い先輩方々に仕事が遅い、とか言われながらやっていた。(;_;)

 社長は儲からないから其処までやらなくていいという主義だったが、現場の班長達は奇麗好き(入山下山の時にもお祀りをちゃんとやっていた)なので、割と奇麗に仕事をする方だった。
 その為に検収に来る県職員の人も何時も現場が奇麗な事を褒めていた。

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 丹沢山塊の麓の方の山では、(其の時は知らなかったが)かつて関東大震災の時に山津波で集落ごと呑み込まれて行方不明になったままの人が沢山居る地域の山仕事をやった。
 山津波で川を塞き止めて大きな湖が出来てしまったところの山側の上部の方の仕事だった。
 未だに崩れそうなグズグズの山だったが、作業をしていると涙が流れる事が多かったのは山があまりに酷かっただけではなさそう。

 山ごと広範囲で流れ落ちた跡が分かるどうしようもない山だったけれど、それでもツル絡みを外したり斜面ごと落ちそうなところも有ったが出来るだけ整えて奇麗にした。

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(右画像5枚は、神奈川県丹沢山塊の某地区の山の現場のもの)






4tIMG_6257 何故、そんな写真を持っているかと言うと、記録魔なのか、何かトピックスがあると誰かに伝えたいという精神的特質(偏向性?)が有る様でして、基本的に伝達者なんですね。はい。

 これは5年くらい前の写真です。尾根からずっと下の谷までこんな感じ。そして扇状に広がった集落の裏まで続いている。斜面はガラばかりで生えてる木の殆どが根曲がり。未だに山が動いている証拠。

こんなところの山の下に住んではいけません。が、ご縁というものもありますね〜。

 実はこの下のお地蔵さんがある裏に広くていい家があって、貸してくれるというところまで話が進んで見に行ったりしていたのですが、最終的には折り合わず、、、半年後には島根に移住してしまったのです。よかったよかった。


 
でも、山が奇麗になれば自分が洗わ4IMG_0450れる気持ちになるし、達成感もある。延いては山に対して素直に頭を下げられる。
 そう言う気持ちを持てる様な仕事の仕方をしている人たちは事故が少ない様な気がするなぁ〜。



【現場の整備前ー整備後】

 上の写真が講習終了後の片付け中のもの。右の写真は前日に草刈りをしただけのもの。

 講習の為に使うヒノキの伐採のためと林の整理の為に除伐して大きくなった桑の木を二本伐らせて貰う。

 林の中は杉ヒノキの通直の良い木が沢山あるのだが、侵入竹がもの凄いことになっている。
 また写真からは解らないが相当高樹齢の柿木の高木(樹高15m以上)がある。
 実はこの柿木を甘く見ていて、苔生して葉も余り無いので枝は大分枯れて4IMG_0367いるものと思い、少し低い隣のヒノキとの間を狙って搬出用のヒノキを倒したら、見事掛り木に。

 他の木に囲まれて陽が当たらなくなった柿木の老木はまだまだ元気だったのだ。それで、ツルを切って掛かったヒノキを回したら、此の柿木の枝は先端の方さえ折れる様子も全然なく、寄りかかって回ろうとしているヒノキをそのまま外に押し出して、さらに隣のヒノキを超えて写真の右中央に写っている桑の幼木の後ろに倒れたのだった。
 一緒に作業をしていたY本氏と、柿木さんゴメンナサイと謝った。他にも高樹齢の杉ヒノキもあるが、この柿木も此の土地のシンボルツリーかマザーツリーかも知れない。
 周りを奇麗にして侵入竹を片付け、あとは間伐して行ったら柿木にも喜んで貰えるだろうか。

4IMG_0357 右が草刈りと除伐を行なう前の写真。林縁から観ただけでは解らないが、中は超過密状態。

 木は光の取り合いで互いに静かに戦っている。その鬩ぎ合いの中で勝ち残ったものが優勢になり、負けたものは光と栄養を採れずに枯れて行ったり、または風雪に負けて折れてしまう。

 そして、風が入らなくなった森は気が淀み、場が悪くなる。自分的には邪気が溜まっている感じがするところがある。すると、やはり人の足は遠のく。
 そうすれば、ますます手入れが為されなくなるので、折れた木や倒れた木、そして蔓や蔦で絡み合って人の手が入れられなくなる状態になってしまう。あとは獣の住処になって民家裏まで押して来ることになるので何も良い事がない。

 あとは、別のページにも書いているが、急斜面で林が過密になった状態だと、大雨が降って地面の奥に水が滲みると斜面ごと崩落して甚大な被害を及ぼす事にもなってしまう。

 自伐的に行なう人たちは山を奇麗にしたいという人たちが行なう訳だから伐採後の片付けもしっかりとされる方が良いだろう。林床が散らかっていると、草が繁茂しているところを歩いていて、埋もれて見えない濡れた枝があって滑った事が有る人が多いはず。こういう現場は事故に繋がる可能性が高い。

 除伐する際も尖った状態のものが林床に残らない様にしたい。自分の山だったら奇麗にするかも知れないが、請けて仕事をするときにも同様でありたい。後から入った人たちが事故を起こさない様に始末を良くしておく。そういった自分が差し出す気持ちが最終的には自分自身を守る力となる。自分の意識をチューニングして創り得たイメイジが、結局は最終的に自分に還って来るという現実の法則を感じられるかどうかが境目かな。それが運を左右している。

 市の農林振興課のY本氏やT波氏は、「お借りした山だから、貸して良かったと思って頂ける様に奇麗にしないといけませんね。」、と一緒に奇麗に片付けてくれる。流石、雲南市のキャッチフレーズ、“幸運なんです。雲南です。”を実践している人たちだと結構感動した。

 よいしょする訳ではないが、雲南市で研修を行なっていると、10時3時には参加している市民の受講生さんたちに、ジャーでお茶を用意して声を掛けて配るのでビックリする。他にも雲南市さんは市として公僕のなんたるかを職員さん達にしっかりと教育されているのではないかと思わせる事を端々に感じる事がある。

IMG_0347民谷 講師をさせて貰い担当課の課長からメイルを頂いた際に、『研修の講師、大変お世話になりました。こちらの不手際等なかったのでしょうか?』、などと尋ねられる事などあまり無い事ではないだろうか。
 此の点など、県の職員さんもそうだが、我々の様な都会で暮らして来た者には経験がないくらい、皆さん丁寧に対応してくれる。

 が、一点。もっと言うべき事は言って貰える様になって欲しいところはある。
 何と言っても、切り捨て間伐にしても何にしても山が汚すぎる。
 人によっては労賃が安いからと言うけれど、切り株を見ればどんな仕事の仕方をしているか解る(素人でも分かる位)。職人仕事のレベルになっていない施業が多いのでは。

 この辺りは、多くの自伐林家が育って、質の良い仕事をして取って代わって行くしかないと思われるので、底上げのため、その為のより良いご縁作りのために、毎回能書きを沢山書いていることご容赦願いたい。
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【里山再生モデル】(※上と右の写真は民谷交流センター近くの画像)
 今回の現場は、予定していたところではないところに急遽決定して使わせて頂いた。実はお寺の境内の直ぐ横の林だったのだ。

 持ち主は民谷交流センターのH主事さん。曾祖父が建てられたと仰っていた様な。
 其のお寺を復興させたくて、ITのSEをされていた跡取りの旦那さんと共にUターンされた方。
 お寺にはもう既に檀家さんは居ないので、他のお寺のサポートに忙しいのと奥さんも交流センターに掛かりっきりで時間が採れなくて草ぼうぼう状態だそうだ。

 それでも毎年少しずつ間伐したり草刈りをしているのとお寺の建物も手を入れて直しているとのこと。知り合いの大工さんに見て貰うと、サッシにする事を勧められるらしいけれど、それはやりたくないと。それで、探して木戸の車輪を本来の木を材質としたままで直して貰えて感動していた。
 昔の技術を継いだ人を捜すのが急務。五右衛門風呂も先年まで使っていたが煙突のところが危なくなって来たので、外に小屋を作って其方に移動したいとか。やはり壁は竹小舞で土壁にしたいと。

 それじゃあ、ワークショップにして先生呼んでみんなでやるしかないね、と言う話。それには裏山に良い木が沢山有るし、前もって伐って乾燥させておけば良いしと言ったところ、板材も柱材も結構前のが残っているとのこと。
 東京の友達達も他にも人を連れて来られるから、是非泊れる様にして交流拠点にして欲しいと言われているらしい。

 雲南市は奇麗なところが多く残っていて車で回っていても癒される位。上の画像二枚は民谷地区のものだが、こういった奇麗な景色が其処彼処にある。
 今後、山に手を入れて人がのんびりと歩ける様な路作りを行っていったならば、癒される都会人も多いだろう。その際の路作りには、今自伐型の林業が推進している大橋慶三郎先生の山に優しい壊れない路作りの手法に於いて各地に技術者が育っているので、雲南市も森林整備、里山再生のためにも取り入れて行かれると、農都交流の事業に於いても後押しになるのではないかと思われる。

 特に民谷地区など(他にもあるが)は、標高が高いので山もなだらかな所が多いので路は付け易い。高知では木質バイオマス資源活用の為の路網整備にはメートル当たり3千円が出ていたはず。此れは可成り破格だが、路網作成に助成が出ると、自伐型のまたアプローチが更に推進されるので今後の課題だろう。
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 お寺も草刈りをしただけで雰囲気が良くなる。これで裏の林を整備して行って、H主事さんが仰る水源までの散歩道を作ったら楽しく癒されるエリアが出来る事だろう。
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【自伐道修行寺?】
 それは可成りやりがいのある仕事になるけれど、安全に木が伐採出来たり、またPCウィンチなどの可搬型で力のある道具を使って搬出すれば十分に一般の人たちでも可能な事である。

 更に侵入竹も豊富なので、前記した竹のボイラーの燃料に事欠かない。そして、五右衛門風呂もあるし、水源も整備すればお水もたっぷり、お風呂天国もつくれる。そうそう、竹のボイラーと畜湯曹があれば、銅の生パイプを自分で配管して蓄熱材で囲み床暖房も作れる。

 朝に座禅をして、山の整備の仕事をしてお風呂に入って癒される。あれっ?自伐道の修行寺ですか・・・お寺ですから精進料理もやっておられるそうで。そして冬には火鉢に当たりながら一杯。竹輪とか薫製にしたものを焼いて食べているご住職夫婦だそうだ。
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 市の職員さんも腕を上げたし・・・

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 座禅を組み自分自身を見つめる。そして現場作業では、自分との真剣勝負。仲間との連携。阿吽の呼吸。
 木や自然の恵みに感謝し、樹の命を頂きながら山を整備して生きた山に復活させる。

 自伐道修行寺、、、
 う〜ん、結構楽しいかも! 合掌



【今回の農都交流プログラムの予定表と交流会風景】
panfu-2 パンフレットの裏面と、暫定予定表。



≪10月10日(土)≫
【会場/三日市ラボ】
09:30-10:00 オリエンテーション
10:00-11:00 三日市ラボ活用ワークショップ
11:00-13:30 昼食交流会
13:30-15:00 三日市ラボ活用ワークショップ
15:30-16:30 入浴(おろち湯ったり館)
~移動~
【会場/きすき健康の森 管理棟】4IMG_0408
16:45-17:00 荷物を各コテージへ
17:15-18:45 活動紹介・意見交換会
 〇京都移住計画・おっちラボ ほか
 〇意見交換
  ・志ある人や団体をつなぐ取組み
  ・ヨソモノとジノモノをつなぐ取組み 等
19:00-21:00 懇親会(BBQ)

≪10月11日(日)≫
07:00-07:30 朝食
08:30-10:30 選択プログラム
①花農家作業体験【会場/掛合町穴見】4IMG_0402
②森林バイオマス体験【会場/吉田町民谷】
③竹林伐採【会場/掛合町波多 さえずりの森】

11:00-12:00 昼食交流会(班ごと)
①別木農園さんにて
②たむら の弁当 お茶付き@800円
③さえずりの森 にて竹筒ご飯など

12:30-15:00 民谷の囃子子への参加・見学


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 交流会の一次会を締めるところ。担当の地域振興課のF本氏。お疲れさまでした。

以上