☆熊本の地震の際に考えるところがありハイリフトジャッキを導入の巻☆
リリースしたいネタは沢山あるし、画像も沢山溜まっているのですが、ホント時間が無くて・・・いや、老化で体力気力が追いつかないのが現実なんでしょうけど。
【重たい道具満載の愛車】
さて、このゴチャッとした画像は、愛車のデリカスターワゴン(最終型のMT、LSD付き中古、現在17万km走行--->2018年春には21万kmに...)のリアシートの下のもの。
何が収まっているか分からないですよね。奥の方には自分でも何を突っ込んでいるか忘れてしまっている状態だったりして、掃除をすると、“こんなものも入れていたんだ!”と感動する始末・・・
そう、ボケの領域に入っています。はい。この中にバラしたハイリフトジャッキが埋もれているはずです。
【重たい道具を積んでも燃費の良いディーゼルを更に良化させる高性能添加剤】

なので講習道具を満載に積む様な重い時には、ヘッドライトが空に向いてしまうので夜の走行に気を使うほど。
何時も搭載しているハイリフトジャッキも13kgくらいある上に、700kgの牽引力があるエンジンのポータブルロープウィンチPCW3000(本体重量9.5kg。ロープは破断強度2.8tの60m長のものも)、と同じくチルホールのT7も積んでいますからね。

講習会の時には、チェンソーも何台も持っていきますし、ロープ用のスナッチブロックも大量に積みます。
さらにはもっと強力なPCW5000(15kg:1.1t引き)なども載せたり、あとは危険木処理などの仕事の時には、1.5t引きのチルホールや100m9mmワイヤーとワイヤー用ブロックも多数積むので、えらい重量になります。
これらのウィンチがあれば、3倍力にすると牽引力が3tとか4.5tにもなるので、可なりの大木を安全に伐倒、そして移動ができます。
また、50cm位の太さであれば現場で丸太を製材できるフレームや大型チェンソーもありますので、木を伐採して山の中の現場で製材ができて、そして小屋くらい建てられる道具類を積んで行く時があります。
なので、まるでレスキュー車の様な装備で移動する時が多いんです。
でも、道具類が重たいので、山の中の現場に行くにはこのローギアードの副変速機がついたデリカくらいしか無いんですよね。
それなのに燃費が良いのは、前の持ち主の方のメンテも良かった事と、大型から2t車まで様々なトラックを運転していてわたしがディーゼル車の扱いに慣れている事、そして何処かにも書いたと思いますが、“ナノワークス”という、スペシャルなエンジンオイル添加剤を使用している事で低回転のトルクアップ、振動の低減、燃費向上を実現しているからです。
島根県下の山道を走って東部と西部を行ったり来たり(島根の山は広葉樹が多く、そして農山村の集落が草刈りを綺麗にしているので走っているだけで癒される)しても、または高速で90km/h以上で飛ばさなければ(島根にも切れ切れに高速道路があり、その際にターボをあまり回さなければ)大体リッター当たり11km台を記録。そして長期間、その効果が持続する事も体験しています。

7年位前から使っている(ナノワークスが出る前には、同様に摺動面を合金化するような進化剤とかがあって、それも使っていた)ので、このナノワークスについては、また別途記事にしたいですが、ポンコツになったエンジン程、其の効果、変化が分かり易いです。
よくある添加剤の様な皮膜をつくるコーティングではなくて、合金化による摺動面の鏡面加工を行う様です。
また、チェンソーや刈り払い機のガソリンタンクにほんのちょっと垂らすだけで旧いエンジンがよく回る様になります(振動も少なくなりレスポンスも向上)。当然、燃費も良くなります。
ただ、ハスクバーナの560XPのガソリンにちょっと垂らした時には、その場の条件に混合気を適合させようとするコンピュータチューンのせいだと思いますが、エンジンの吹けがモタついたりして、プログラムが悩んでいた様子がありありでした。でも、その後は絶好調です。
そして、ガソリンやディーゼルエンジンの農機具も当然スムーズに回る様になります。兎に角、古いエンジンほど効果が大きいので、その効果がわかり易いです。
あとは、先に書いたポータブルエンジン(ロープ)ウィンチの様な超負荷がかかるものにもハッキリと判る効果があります。エンジンが軽やかに回りますし、重たいものを引っ張る時にも頑張ってくれているのが感じ取れますから。
またナノワークスは、コーティングタイプの添加剤と違うので、その効果の持続性が高いために、最近調子がどうかな?と思われた時にだけ添加すれば良いというメリットがあります。
エンジンオイルに添加するときは、オイル交換の際に行うと良いですが、当然の如くエンジンオイルの交換時期も若干伸びる様です。
うちの軽トラは、中古で手にいれた20年前の4速マニュアル四駆(12万km走行)ですが、津和野と奥出雲間を山ばかり走り、二名乗車荷台はエンジンウィンチなど搬出道具を荷台に満載で500km近くを往復した際にはリッター当たり17kmで走っていました。
もっとも島根は道がよく、広域農道などでもスピードが出せます。が、4速軽トラはは精々5〜60km/hで走るのがやっと。中国山地を幾つも山越えしていくので、条件は悪い方でしょう。でも、昔の4速軽トラは低回転域のトルクが太いので3、4速で大体の道をカバー出来ることも強みなのでしょうね。
さて、実はナノワークスのサイトの筑波走行会の記事でホンダのビートを運転しているのは私。そしてラジコンヘリコプターへ使用した際のインプレッションを書いている方の話は、相模川の河原で出会ってナノワークスを少し分けて上げたら、其の効果に喜ばれてユーザになって書かれたものです。
おっと、いけない! また話がずれてしまう。今回はハイリフトジャッキの話でした。四駆でやばいところをアタックしている人にはお馴染みのものです。以前はなかなか買うところまで行かなかったのですが、今回の熊本の震災を機に導入しました。
熊本は先年3度ほど、林研グループのためのロープワークと搬出講習にお呼ばれして講師を務めさせて頂いたので人ごとには思えなかったこともあります。
【何考えているの?】
先ずはゴチャゴチャして何があるのか分からなかった写真の説明を。
重たいものばかり色々ありますね〜。
何考えてこんな道具を積んでいるのでしょう・・・


分かり難いものだけ説明しますと、蚊取り線香の右側のものは、僕らはバチヅルと言っていましたが、ツルハシと唐鍬が合体したようなもので、山で人が歩くための作業路作りに重宝するものです。右の棒に差し込んで使います。

【自力脱出と助け合いのため?】
さてさて、自分が若くてオバカな時に、仲間と何台ものジムニーで真冬の富士山の林道アタックで五合目まで雪の中を登ったり、その前にはMX用のレーサーで単独富士山登頂などをやっていたために、その罰が当たった末に(山を荒らしたことを反省して縄文時代の様な精神と森を維持したいなぁ〜などと)、長年超貧乏の谷間を喘いで生活する様になってしまい、今までハイリフトジャッキをなかなか買う事が出来なかったのです。

その修行ために安定した生活が出来ない様にご先祖さま神様たちがチャレンジさせてくれているのだろうと思います。
自力脱出のその為には先ずは道具。無ければ道具を創り出す事。
其の上で道具を使いこなせる技術、そして現場対応ができる智慧の閃きが大事な要素であるという経験を積み重ねて来ました。
そんな下流人生を歩んでいる自分としては、自然災害などでライフラインが閉ざされた時にも自力脱出出来る様に、そして其の様な時にこそ、人様のお役に立て る様に道具の準備と応用のノウハウを積み上げているわけです。
こういった事以外に、大して自己存在の意味を確認できるようなアイデンティティもないですからね。
で、ハイリフトジャッキです。組み立てると上の画像の様になります。
【グレードによる違い】
他にも下位機種やパチもんの安い物もありますが、ネットに書いてくれている各インプレッションを参考に折角買うのだからと安心出来るものにしました。
実は欲しかったのは、これよりも上位機種の“First Responder Jack”というレスキュー用のものなのですが、正規輸入されて居ないんですよ。
【出来る事】


でも、オプションを使ったり、左の画像の様にベルトスリングを使えば此の様に持ち上げられます。
此れじゃあタイヤ交換も出来ないじゃないか?って。でも、其れ以前にこの車の場合には、Fタイアがパンクをすると、パンタジャッキがロアアーム下に入らないので非常に往生するんですよ(彼方此方から色々な資材を集めて来てパンクしたタイヤで乗り上げないとダメ)。
だからハイリフトジャッキでタイヤごと持ち上げてパンタジャッキを下に入れられると助かったりします。
それでもって、右画像はチェーンでアンカーを採って、左側のベルトスリングを牽引物の付けてウィンチングするの図。
尤も引けても1mまでなんですけどね。
デリカには750kg牽引のチルホールセットとチルホールよりも軽くて使い易い10m牽引ロープ付き250kg引きのハンドウィンチのプラロック、そして破断強度3tの10mmロープ60mを引くPCW3000 のPCウィンチを載せていることが多いですが、様々なシチュエーションに対応するためには、こういった牽引用具もあると安心です。



それよりも、潰れたものを拡げるなどの機能の方が有用かと。
First Responder Jackのページにあるように、潰れた車の窓を押し拡げるとか、潰れたドアを開けるなどが出来ることは大事な機能ですね。
昔、事故で潰れた車から人を助け出すのにオレンジレスキューの人が苦労しているのを見た事があります。
車の事故の場合には漏れたガソリンに引火する可能性があるので、火花が散る様な切断器具は使いたく無いですしね。
あと、下の画像はFirst Responder Jackのページにあるように、ハイリフトジャッキを地面上ではなくて、空間の中間点でベースを保ちたい時にチェーンを使う場合にチェーンが外れない様に機能させるためのプラスアルファの工夫?です。
以上、長々とハイリフトジャッキの説明をしましたが、この様なものを使わなければならないシチュエーションは無い方が良いのですけれど、今の時代何が起こるか分かりませんので、思いついた手立ては準備しておいた方が何かあっても後悔しなくて済むだろうと言うことで、またまた道具を買い込んでしまった報告です。
ただ、自分自身は兎も角として、愛する人やそうでない人でも、被災した時に手をこまねいていて何もして上げられなかったという様な状況になることだけは避けたいたために、対応出来る可能性は広げておきたいという考え方ですね。

また、道具の日常的な手入れも大事なことですね。山仕事でも仕事ができる人の道具は手入れが行き届いています。道具を揃えるだけでなく、そういった精神も引き継ぎたいものです。
先ずはゴチャゴチャして何があるのか分からなかった写真の説明を。
リアシートの下のものの道具類、その一部を引っ張り出しますと、こんなものが出て来ました。
重たいものばかり色々ありますね〜。
何考えてこんな道具を積んでいるのでしょう・・・
他にもPCウィンチの搬出セットから各種ロープ類やプーリー、スリング類、チェンソーなども積んでいますからね。


分かり難いものだけ説明しますと、蚊取り線香の右側のものは、僕らはバチヅルと言っていましたが、ツルハシと唐鍬が合体したようなもので、山で人が歩くための作業路作りに重宝するものです。右の棒に差し込んで使います。
これは土を起こすだけでなく岩を掘り起こすのにも便利ですし、また用足しや焚き火のための穴を掘ったり埋めたりするのにも活躍します。
家では芋掘りや畑の固い土を起こすのにも重宝します。鍛冶屋が作った良い鋤鍬も使っていますが、石が多いところはこのバチヅルのツルハシ側を使えば鋤鍬の刃を傷めないで済みますから・・・
その右は根切りヨキ(斧)ですね。シースはカイデックス(熱可塑性樹脂)を使って自分で作りました。
全林協さん刊、“ノウハウ図解山仕事の道具”に記事をアップしたものです。また、トビも横に積んでいます(車の縦には、トビよりも大きい所謂ツルという道具や大鎌、伐採ノコも積載)。
そして右画像の赤いのは大ハンマー、其の下の赤いフックがついたチェーンは、PCウィンチセットの内の木材搬出用チョーカーチェーンです。右端は可成り長いベルトスリングとU字シャックル。そして、グレーのバラバラに部品が並べてあるのが此の記事のテーマとなるハイリフトジャッキです。
他には、冬場用には、オフロード用のスパイク付きのタイヤチェーン(哲学があるこだわりの造りです。30年くらい前にジムニーでも使っていました:真冬の富士山の林道を雪の中五合目まで登るとかで活躍。また、台風後の多摩川の河原の遡行でハマった時とかに)を用意しています。
雪の中国山地を超えて(国道は除雪が入っていますが積雪2m地域通る)山陽側に講習会を行いにいく時があるので、其の時のための保険ですね。
このスパイク付きのチェーンがデリカのタイヤサイズ4本分ですから、結構場所を取ります。が、其れに代えられない職人さんメイドの有難い道具でしょう。スポーツでも何でも同じ、ギリギリの世界を超えて行くには職人さん達の知恵と経験を結晶化させた道具があってこそでしょう。道具に感謝!

【自力脱出と助け合いのため?】
さてさて、自分が若くてオバカな時に、仲間と何台ものジムニーで真冬の富士山の林道アタックで五合目まで雪の中を登ったり、その前にはMX用のレーサーで単独富士山登頂などをやっていたために、その罰が当たった末に(山を荒らしたことを反省して縄文時代の様な精神と森を維持したいなぁ〜などと)、長年超貧乏の谷間を喘いで生活する様になってしまい、今までハイリフトジャッキをなかなか買う事が出来なかったのです。

が、今までの人生も、そして四駆遊びもそうですが、泥沼にはまった時には自力脱出が基本理念です。
先ずは自分自身の持てるものを総動員して、手に入るものを使って工夫してみての現状脱出ですよね。
その修行ために安定した生活が出来ない様にご先祖さま神様たちがチャレンジさせてくれているのだろうと思います。
自力脱出のその為には先ずは道具。無ければ道具を創り出す事。
其の上で道具を使いこなせる技術、そして現場対応ができる智慧の閃きが大事な要素であるという経験を積み重ねて来ました。
そんな下流人生を歩んでいる自分としては、自然災害などでライフラインが閉ざされた時にも自力脱出出来る様に、そして其の様な時にこそ、人様のお役に立て る様に道具の準備と応用のノウハウを積み上げているわけです。
こういった事以外に、大して自己存在の意味を確認できるようなアイデンティティもないですからね。
で、ハイリフトジャッキです。組み立てると上の画像の様になります。
【グレードによる違い】
この機種はオールキャストのハイリフトジャッキエクストリームという上位機種ですね。鋳物で強く48インチ機種なのでストロークが1m位まであります。耐加重は2t強ですね。
スペック表に書かれている「Tested Load」と言うのは破断荷重かな。3.1t強あります。重量は13kg近くあるので重たいです。3万円くらいしました。
他にも下位機種やパチもんの安い物もありますが、ネットに書いてくれている各インプレッションを参考に折角買うのだからと安心出来るものにしました。
実は欲しかったのは、これよりも上位機種の“First Responder Jack”というレスキュー用のものなのですが、正規輸入されて居ないんですよ。
で、Amazonで調べると、エキストリームの倍以上の価格の様子。速攻諦めました。下位機種と違って、エキストリームはFirst Responder Jackに機能的にほぼ同様なんですね。
違うのは一番下の受けの形状と機能が大きく異なる点。でも、自分で工夫すれば其の機能はカバー出来るだろうと判断しました。
【出来る事】
ハイリフトジャッキが出来る事を書いてみましょう。First Responder Jackのリンクを開いて頂いた人は、そのページで大凡この道具の使い方が分かったと思います。
つまり、ハイリフトジャッキは、他の動力が得られない時に人力で機能させることが出来る、ということが大きな特長ですよね。
重たいものを持ち上げる道具でエアジャッキというものがあります。オフロード走行のスタック用に重宝するもので、昔は何度これで助けられた事か。
(2022/4追記:先月デリカを用水路に落として、やはりエアジャッキを持っていないと困るので、新品を買おうかと検索をしてみたら安いものが出ていて気になったので追記しておこう。わたしが使っていたものものは栄光社のもの。国産ね。昔4WDシューエイのお店で買ったが、今はAmazonで購入できる。そこで注意点を二つ追記しておこう。Amazonのレビューで、二人いないと使えないと書かれている方がおられるけれど、そんな事はない。運用の仕方次第。わたしはずっと一人で使っていた。あとこの排気ガスエアジャッキは車を持ち上げる以外にも使えるということ。例えば、車が脱輪すると横の擁壁に張り付いてしまう場合があるけれど、エアジャッキを入れる隙間があれば、膨らませて押し戻したり、または車を持ち上げる時のガードにもなるので使い方次第だと思う。また、レビューでもう一人の方が書かれている事に他社製品を購入したら使い物にならなかった体験談が書かれている。わたしも次に買うときは実績がある栄光社のShur-Liftを買う。購入を考えて居られる方は精査される方が良いかも)
写真は相模川の河原に、デフロック機能付きのわたしの軽トラと軽くチューンしたジムニーとで遊びに行った時のもの。 大きな切り株にフロントドライブシャフトが乗ってしまったのでエアジャッキで外そうとしているところ。
このエアジャッキは排気管にパイプの口を当てて排気ガスで膨らますものです。写真のものは4tジャッキ。
ランクルも持ち上げましたけれど、当時の瓶のコカコーラ配達のために満載していた2tロングのトラックをリアを持ち上げてスタックからレスキューしたことがある位の力があります。

でも此れは排気ガスが無いと機能しないんですよね。わたしの持っているものは25年以上になると思うのでゴムがボロボロになってしまったので、そろそろ新しいのを買おうかと思っています。
1t対応のものも昔はあって、そちらも持っているのですが、今はラインナップには無いですね。

ハイリフトジャッキを車に使う場合には、基本的にはフレームがあって丈夫なバンパーが付いている車種にしか使えません。つまり現代の車では殆ど適合しないわけです。
でも、オプションを使ったり、左の画像の様にベルトスリングを使えば此の様に持ち上げられます。
此れじゃあタイヤ交換も出来ないじゃないか?って。でも、其れ以前にこの車の場合には、Fタイアがパンクをすると、パンタジャッキがロアアーム下に入らないので非常に往生するんですよ(彼方此方から色々な資材を集めて来てパンクしたタイヤで乗り上げないとダメ)。
だからハイリフトジャッキでタイヤごと持ち上げてパンタジャッキを下に入れられると助かったりします。
ま、側溝に落ちて腹がガッツリと地面に着いてしまった車のレスキューには横のスペースさえあればエアジャッキよりもハイリフトジャッキの方が持ち上げ易いですし・・・
(2021/5追記:此方はジムニーや4×4用の道具のショップRV4wildgooseさんのハイリフトジャッキを使ったレスキューの動画です。指導は海上自衛隊のパイロットでスズキに入社後にエスクードの開発に携わった方ですね。バリバリのオフローダー。ジムニー雑誌 Jimny Super suzy
の編集者でもありますから、今の時代役に立つ四駆雑誌が少なくなったので、関連動画は役に立つものが多いと思います)

尤も引けても1mまでなんですけどね。
デリカには750kg牽引のチルホールセットとチルホールよりも軽くて使い易い10m牽引ロープ付き250kg引きのハンドウィンチのプラロック、そして破断強度3tの10mmロープ60mを引くPCW3000 のPCウィンチを載せていることが多いですが、様々なシチュエーションに対応するためには、こういった牽引用具もあると安心です。
こちらは、重量物も挟めますよという図。でも、ラッチ間のストローク量があるので石や金属などで変形しないものはピッタリと挟めないので要注意です。木などをかまして隙間を埋めてから挟みましょう。



それよりも、潰れたものを拡げるなどの機能の方が有用かと。
First Responder Jackのページにあるように、潰れた車の窓を押し拡げるとか、潰れたドアを開けるなどが出来ることは大事な機能ですね。
昔、事故で潰れた車から人を助け出すのにオレンジレスキューの人が苦労しているのを見た事があります。
車の事故の場合には漏れたガソリンに引火する可能性があるので、火花が散る様な切断器具は使いたく無いですしね。
あと、下の画像はFirst Responder Jackのページにあるように、ハイリフトジャッキを地面上ではなくて、空間の中間点でベースを保ちたい時にチェーンを使う場合にチェーンが外れない様に機能させるためのプラスアルファの工夫?です。
ホームセンターでステンレスのボルトナットを買って来て、開いている穴に通してあるだけですが、これでFirst Responder Jackのベース部分の機能に似た様なことが出来る様になります。
以上、長々とハイリフトジャッキの説明をしましたが、この様なものを使わなければならないシチュエーションは無い方が良いのですけれど、今の時代何が起こるか分かりませんので、思いついた手立ては準備しておいた方が何かあっても後悔しなくて済むだろうと言うことで、またまた道具を買い込んでしまった報告です。
ただ、自分自身は兎も角として、愛する人やそうでない人でも、被災した時に手をこまねいていて何もして上げられなかったという様な状況になることだけは避けたいたために、対応出来る可能性は広げておきたいという考え方ですね。
だから当協議会には、前述のヨキ(斧)だけでなく伐採用の大鋸もあり(そう言えばデリカに積みっぱなしだった)、石油燃料がなくても木を活用出来る道具があります。
右画像は、木材の搬出講習を企画運営した時のものですが、長さが14mくらい、元口径が40cm程度のヒノキ、材積から計算すると1t近くなる丸太を、ロープの5倍力システムを使って人力で引き上げている時のものです。
人間が13人で引っ張ったら斜面を丸太が登ってきました。
意外と動くものですね。こう言った、アナログな地に足がついた技術って大事だと思うのですが如何でしょうか。
ま、バカですね。其処まで考えなくても良いんですが、性格なのでしょう・・・だからと言って性格が暗いわけではございませんので悪しからず。
終わり
追記:ご参考に当協議会で作って、木を伐採したり(掛かり木と言って他の木に寄りかかって倒れない時や、伐倒方向を確実に制御するために)、倒した木を全幹で引っ張り出す際には、滑車をいくつも使って上図の様に倍力を幾つも掛けます。
上画像は、女性を対象としたロープワークを活用した伐採、搬出講習の際の一コマですが、三倍力を掛けて人力で大勢が乗った軽トラを女性一人で引っ張っているところです。
タイヤが回るので本当に簡単に軽トラが動きます。動かなければ、次に九倍力のシステムにすればさらに強力な牽引力を生みます。
当然、人力でなくともプラロックなどの手軽なハンドウィンチ(250kg引き)や小さいチルホールのT7(700kg引き)などならば、その牽引力の三倍力や九倍力ですから逆にフックなどの支点の強度の方が気になります。
(追記:フックに関連して思い出しました。接続にはUシャックルなど金属のものを通常使用するのですが、今では軽量で強いソフトシャックルという繊維のものがあります。別のブログですが、こちらにその記事を書きましたので興味のある方はどうぞ)
こういった作業に使うものは主に高強度の繊維ロープですが、12mmの太さでも4tの破断強度があります(実際の運用には安全率を掛けて1/5とか1/6の力で使う様にします)。
また、滑車(プーリー・ブロック)もロープ専用のものを使いますし、倍力を掛けるためにロープの中間に作る支点は、必ずフリクションノットという一段細いロープを使って締め上げるやり方で行います。
何故ならば、ワイヤー使用時に使うクリップ(キトークリップやスーパークリップ)の様な金属クランプを使うと、ロープが溶けるかまたは破断につながってしまうからです(こちらにも関連の内容が載っています)。
下の画像に載っている右側の金属製のデバイスを使ってはいけません。左側の2本の様なロープを使います。
この金属デバイスのロープに食い付くものは、あくまでも人間のクライミング用です。他には人間が背負って運べるザックなどの荷揚げに使うものです。
重量物に対応するものではないので、重たい材や車両などの高荷重を掛けると、ロープが溶けるか破断します。歯がついているものが殆どなので重たいものには危険です。
その為に、高荷重を掛ける牽引の場合にはフリクションノットというプルージックロープを使った牽引点を作る方法が必要です。ロープにはロープの方が相性が良いと言うわけです。
でも、ロープの特性も其々ですからロープ同士の相性も大事ですね。
赤いロープは確か8mmだったので、破断強度は1.8トンあります(シリウス500という製品は、ポリエステルWブレイドで、ストランドが32本なのでシース・表皮が密に編んであって擦れに強いもの)。
これを上記リンクページの様に巻いてフリクションを発生させていますので、二本の強度計算になりますから、3.6トンの破断強度ということですね。
つまりメインロープが、12mmのもので破断強度が4トンですから、強度的にも釣り合いが採れます。
それから大事なことですが、高強度の繊維ロープにも色々な種類があって、最近では大型林業でもワイヤーの代わりに導入される様になりました。
その場合には、主に牽引ドラムに巻き取る方式で、ロープエンドにはアイが作ってあるもので、その末端を引っ張る方法で使います。ロープの材質はダイニーマ及び同じ素材の別名製品です。
このダイニーマロープは編み方と素材のために、途中にノット(結び目)を作ると強度が途端に落ちます。
また編み方により滑りやすいので、前出のフリクションノットを使った場合には滑って溶断に繋がります。

ダイニーマロープは端と端だけで後は巻き取って使う使い方のみに性能を発揮します。結び目を作ったり、ロープ中間に牽引用の支点を作ってはいけません。
先に書いたロープ類は熱にも強いポリエステル製のダブルブレイド構造のものです。構造や材質によって特性が異なります。使い方を間違えない様にしましょう。
そしてこれらの高強度繊維ロープは、ワイヤーと併用しても大丈夫なくらい強いものなので、岩角や木肌や土手など繊維ロープでは保たないところはワイヤーを併用して使う様な方法も採れます。こちらは、私が別のブログに書いているものですが良かったらご笑覧ください。
こちらはわたしのオフィシャルサイトの1ページです。ご参考になるかどうか分かりませんが、こういった高強度繊維ロープを使う場合のセットのリストが載っています。
P.S.此れ等の道具は特に日頃から操作に慣れていることや、様々なシチュエーションに於いて応用できること、それから(作業者本人が気付かなくても)不安定な状態でも使用する可能性があるので、実体験を通して使用方法を身に付けることをお薦めします。
そうでなく、カタログスペックのみに頼り過ぎの“頭だけで(想像力欠如で)”安全性のバックアップなしの使用方法を行うと、想定外の要因で一気に破綻してしまうこともあり得ますので、何のためのレスキューだったのかと言うことになりかねません。
また、道具の日常的な手入れも大事なことですね。山仕事でも仕事ができる人の道具は手入れが行き届いています。道具を揃えるだけでなく、そういった精神も引き継ぎたいものです。