※2020/5/24:関連記事追加:元径90cmの丸太を製材した最新記事は此方
※2019/5/18:関連記事追加:チェンソー製材用に、クラッシック大型チェンソーが使えるんだろうか? & 低速トルクのあるチェンソー閑話
※2016/7/15追記---裏山製材(文末へ)
またまた道具ネタでご無礼を致します。何年も前(4年くらい前)から欲しかったチェンソー製材機をやっと此の春に導入することが出来ましたので、その触りだけでもちょっとレポートしましょう。裏山の資源を活用するためには、ロープウィンチとチェンソー製材機があればこそ。薪ストーブもあるし、モキ製作所の薪(竹でもOK)ボイラーもあるし、これで一通りのベースが揃ったかな。
島根県東部の雲南市に於いて、住民や移住者(希望者?)の方々を対象に、山村の空き家に泊りながら、自分自身で木を伐採して搬出を行い、その材を活用して行く講習を展開して行く計画があります。
また西部の石見地域では、温泉宿に泊りながら、同様に山から木を伐り出して製材するなどの講習が可能ですし、うちの集落の高台にある素晴らしく景色の良い農家を貸して貰える話も出ていますから、もしかすると、家を修復しながら農林業の体験が出来る様になるかも知れません。
【元は梶谷氏のブログ記事から】
そもそもチェンソー製材機なるものを知ったのが、Iターンで吉野に入り、為になる林業の情報を発信されている梶谷哲也氏のブログ記事でした。
梶谷氏は、「梶谷哲也の達人探訪記」や「林業現場人 道具と技」シリーズ(現在14号まで)など全林協さんの書物に沢山登場されて様々な智慧を書籍でも伝授されていますが、ブログとFacebookでも突っ込んだ話、普通では聞けない現場での失敗談なども披露して下さっています。
プロの方々の中では超有名な方ですが、此れから山仕事に携わろうという新規参入者の方々にとっては何から何まで非常に参考になることを発信されていますので、過去に遡って記事を網羅されると良いでしょう。
さて、その記事、「チェンソーで製材してみた(1)」を4年前に読んでからは欲しくて仕方が無かったのですが、なんと言っても其の頃は行政の嘱託職員で手取りが月10万円ちょっとの生活ですからとんでも無い話です(山奥の限界を超えた集落住まいで、お風呂用の深夜電力の電気温水器の電気代が高いこと、それから街まで35kmあるのでガソリン代が。。。あとは冬の灯油代がもの凄かったし、寒いので冬のアルコール燃料も沢山消費。夫婦で暮らすのにはギリギリの生活費でした〜)。
その為に、助成金で手に入れようかと色々画策したのですが其れも適わず。他にも色々企画したのですが、結局手に入れられず今に至ったというわけです。補助金頼りというのが大体考え方が甘いですよね〜。
【大きいチェンソーありき】
当方の協議会では、4年以上前にPCウィンチとロープ架線、そして林内作業車と土佐の森軽架線を設備していますから自分たちで山から木を出して来られるので、その樹をもっと自給的に利用したかったのですね。
その点で、チェンソー製材機はもの凄く琴線に触れました。
だって、山の中でボロ家に住んでいる身としては大してお金を掛けないで修復が出来るじゃないですか。
小屋を建てるのにも、自分たちで用材調達出来るなんて最高ですよね。
他の記事にも書きましたが、自分たちで山の太い木を伐採して搬出して来ることが出来ますから、あとは山に優しい崩れない道作りが出来れば、水源のある山に住処や隠れ家を作れる訳です(簡易架線を張れば重たい荷を上げ下げできるので家の側まで道が入らなくても平気かも...)。
自分が初年度に担当した津和野町の地域おこし協力隊の最初の人は吉野の岡橋氏に教わって壊れない路作りのエキスパート(個人林家や自伐の人は徳島の橋本さんに路作りや山造りを教わった方が参考になるかも...)になりつつあるので、将来機が熟せば自分たちで山奥であっても自給的なコミュニティを展開可能になるでしょう。今はその為の下地作りのためにノウハウの積み重ねをしているのが現状です。
また、自伐型の林業は、そういった地球に優しいエコな暮らし方をしようとしている人たちの大きな動力となっていくのかも知れません。
ところで、下記リンクは、原野で鋸で樹を伐採して斧を多用してログハウスを建ててしまう動画ですが、小屋を作るくらいだったらこの位アバウトでも良い訳です。我々は何か難しく考え過ぎて居ませんかね? もっとも、動画の主人公の様に太い材を担いで運んだりは出来ませんし、山陰の湿った樹は比重が重たいし乾燥しないし黴びるしで、条件は悪そうですが・・・ 道具はもっと良いものが沢山揃っていますから。
Alone in the Wilderness
こんなのもあります。ロシアのオッサン達、かなり腕が良いです。Traditional Finnish Log House Building Process 自分の場合、ひ弱なので、先ずは道具からという訳ですね。(^-^;;
と言うことで、問題はチェンソーです。普通の伐採用に使うものではエンジン負荷が高い縦挽きでは役を担うことが出来ないらしいのです。
うちの場合は、チェンソー製材機まで導入するところまで踏み切れたかと言うと、別記事に書いた60ccの560XPが手に入ったからです。
それで、製材機を揃える気になりました。チェンソーの値段が殆どを占めますからね。
もしフルスペックのチェンソーから揃えるならば、100ccくらいのものからハスクの120ccが対象となりますけど、価格は30万円くらいから35万円位だったと思います。
折角ですから、バーの長さも1mから1.5m位のものが欲しいですね。フレームの設置に余裕が必要なので10cmから場合によっては20cm分がマイナスになります。
ソーバーも製材用に25インチ(63cm)のものを新調しました(でも、今回導入したものだとシステム的に丁度20cm弱が使えないのです。10cmは覚悟していましたが、、、ガッカリ。皆さまも製材用のソーバー選びはご注意下さい。この件については後述します)。
でも、長過ぎても目立ての手間が増えたり、別途にオイルをソーバーに垂らすシステムが必要になりますので、自身のやりたいことと照らし合わせて選んだ方が良さそうです。
が、直径1m以上の板を製材してテーブルなどを作るのは夢ですよね。雲南市の南加茂のグリーンパワーうんなんの土場にはそんな根太が転がっていたりしますから。
(上画像は、ハスクの560XPに25インチバーを装着したものと、95ccの395XPに32インチバー、82cmを装着したもの。395XPは借り物。82cmのバーでも実際にフレームをつけると、製材に有効な幅は大して採れない。この件については、また記事を別にして書きたいなと...)
【システム構成】
大まかに言うと、チェンソー製材機には三つの機能が必要です。
切断のための大型エンジンでソーバーの長いチェンソー、それからチェンソーを固定してレールに沿ってスライドさせるためのフレーム、あとは定規となる切断部のフレームごとスライドさせるためのレールですね。
レールは丸太の最初の部分を平にカット出来てしまえば、次からは不要になります。
上の画像は、チェンソーをフレームにマウントした後、製材する丸太に設置するレールを組み立てるところです。
先ずはフレームを組み立てます。
梱包はこんな感じで送られて来ています。
が、説明書が解り易いとは言い難いです。向こうの人たちのノリなのでしょう。でも、日本のものが必要以上に丁寧だという話しもあります。
此方は、レールとミニミルという板に製材した後に耳を落とすのに便利な小さい製材用のフレームです。
えーっと。これだけですと何を買ったのか書かないと解らないですね。
書いてみます。
・アラスカンMKⅢG776-24:一番ローエンドのタイプです。将来的に部品交換すれば長いバーにも対応出来るみたいです。
・EZレール(G1080):2.7mの長さのレールです。単管パイプやアルミ梯子などで自作する方も居られますけど、時間的余裕がまるきりないので買ってしまいました。
丸太の最初のところだけ奇麗に平坦に製材出来れば、あとはレール無しで製材出来ます。
・ミニミル(G555B):先に書いた様に耳の部分を落とす様に購入しましたが、此れだけでも色々出来そうです。
購入したのはリンク先のページのリブロスデルムンドさんという輸入業者さん。専門はもっと大型の製材機類の様です。送料入れて10万円弱くらいでした。
ネットではYahooショッピングとかでも出されていますし、他の業者さんも扱っている様です。勿論、手間ひまを惜しまなければ自作で出来た人たちも沢山居られる様です。
ですから、アラスカンミルだけ(3万円台)買って後は自作とか、お金を掛けないでも、同様のシステムを構築することは可能でしょう。但し、単管パイプだと捻れが出る場合がある様なことをネット上で書いておられる方も居られましたので、皆それぞれ工夫が必要かと思います。
また、大型のチェンソー製材用のフレームは、スチールからも出ていますが、そこまでお金を掛けるんだったら、もっと頑張って帯鋸の安いものを購入した方が良いかも知れません。
前に丹羽健司氏が島根に来た時に、四国で150万円くらいの木製フレームの帯鋸があって買おうとしたけれど、四国から外だと200万円くらいになってしまう様なことを仰っておられた記憶が有りますね。ちょっと酔っぱらっていたので数字が違うかも知れませんが。それから、こういったチャレンジをしている方も居られます。
で、アバウトでもよい構築物を作るのであれば、今回の様な簡易フレームタイプの製材システムで良い様な気がします。
【製材予備知識】
このページは自分で製材をしようとする方々向けの情報を書いている訳ですが、製材所では何の位のコストが掛かるのかも書いておきましょう。
島根県の場合ですと、西部の高津川森林組合の日原製材所に聞いた時は立米当たり1万5千円でした。東部の方ですと立米当たり1万8千円くらいと言われたことがあります。枚数は関係無いと言うところもありますが、あまり数が多い場合には手間賃が乗る場合もあるようです。
もちろん、この費用は、自分で材を持ち込んでの話ですが、短い材の場合には余計に手間が掛かるので上記金額は大凡の目安と言うことですね。
それからプロの仕事がどんなものなのかご参考にリンクを張らせて頂いておきます。八王子の空師の友達が、たまに一緒に仕事をさせて貰っている会社だそうです。
埼玉の有限会社増岡材木店の製材のページ。こちらはブログです。超難しい都市部での大径木材の伐採の様子が伺えます。スッゲーなあ。。。自分も都内での30m位のヒマラヤ杉の伐採現場で仕事(?)したことがありますけどレベルが違い過ぎますね。
設備のページも面白いです。古い道具を大事に使っておられることが解ります。
【丸太を挽いてみよう】
仕事の合間にやっていたので二日目にフレームの組み立てが終わり、やっと製材です。
丸太は元と末で太さが違うのでテーパーの具合をみて切る厚みを調整。水準器も使いながらレールを設置しました。
ハンマーはレールを固定するピンを打ち付けるためのもの。
一枚目。製材途中で調整用のネジがフレームと干渉してしまうことが判明。
ちょっとインチキして何とか最後まで切り抜いたけど一カ所だけ材に段差がついてしまいました。
気を取り直して、二枚目もレールを使って製材しました。
途中、クサビも使ってバーを挟まない様にしています。
切断面は結構奇麗ですね。このまま鉋を掛ければ充分な位です。
今回は試運転だったので、ソーチェーンは21BPでストックのまま使っています。
最初に紹介した出来杉計画さんでも、杉の場合には標準のままで大丈夫と言うことが書かれていましたので先ずは試しにやってみた結果です。
その内、色々な樹種を製材する様になったらば刃付けをリッピング(縦挽き用の角度10度)用に目立てすると思いますが、それは目立てをしながら徐々に変えて行こうかと考えています。
それからリブロスデルムンドさんのサイトにラインナップされているリッピングチェーンですが、1年くらい前に問い合わせをしたときに、もう扱っていないと言われていましたね。
もっとも、チェンソー製材の場合には、目立てが肝心ですから、自在に目立てが出来ない人にとって、労力ばかりが先に来てしまうのできっと評判が芳しくないかも知れません。
刃物は上手い目立て、刃付けがまずありきです。
目立てが上手に出来ない人はチェンソー製材機の運用は大変かも。
ところで、今回挽く材の厚さは5cmに。前に木質バイオマス資源市の記事に書いたグリーンパワーうんなんさんの土場で、住民の方々が軽トラで持って来た材を降ろすときに使う様にちょっと丈夫な板材が二枚欲しいとのことだったのです。
まず一枚。材の芯に黒い筋が。そして枝の跡が見えますね。
60ccのエンジンだと、この枝のところに当たると途端にパワーが食われました。
(60ccくらいだと製材大変。あと注意点は小さいチェンソーの場合には、混合油のオイル量を増やしておいた方が良いということと、このブログの読者にはいないと思いますが、ホームセンターで売っている混合ガソリンは、こんなハードな仕事には使っちゃダメでしょということ。コメリの混合ガソリンは良いオイルを使っているみたいだけど、ガソリンが古くなってくればやばいので、自分で混合ガソリンを正確な混合比で作れない人は、手を出さない方が無難かも)
土場の管理者の内田さんと合同会社グリーンパワーうんなんの構成会社であるエブリプランの佐伯氏が作業を覗きに来ました。
板の厚さは5cm。アラスカンのフレームでの厚さ調整幅は、1.7cmから30cmちょっとまでだったと思います。
フレームについているメジャーの規格はインチサイズなので調整が必要です。
画像では、レールを使って居ますが、無しでやった方がよいでしょう。
ただ、こういったレールの使い方は、平面が捻れてしまった時などの修正に再度挽き直すときに行います。
挽いた材二枚。右側の短くて厚い板は、3月の木質バイオマス資源市の際に製材所さんに頼んで挽いて貰ったもの。
今回、製材したものは5cm厚。製材所さんに挽いて貰ったのは10cm厚でしょうか。
チェンソー製材機があれば、同じものが出来るじゃん!と言うのが結論?でもチェンソー製材機は労力が必要なことは事実。それから燃料も結構食う。長いバーだとオイル供給も大事ね。
今回挽いた板は1m90cmのもの。軽トラの荷台に積める長さですね。
巾は26cm。
この度、導入したフレームだと巾45cmまで対応可能の予定です。
何故45cmかと言うと、ちょっとガッカリなのです。
バーはスギハラの25インチ(63cm)のものを円陣さんで購入したのですが、頭が悪いことに何をもって63cmと言うのかちゃんと調べなかったのですね(未だに63cmの意味が解りませんが。全長は67cm。先端からオイル穴までが63cm位)。
560XPに取り付けた場合、新品のソーチェーンを付けて、有効長が57cm程度しかなかったのです(バンパースパイクを付けた場合には55cm程度)。
その上、ローラートップバーを選んだために切断のために更に使える有効長が短くなってしまったのです(アラスカンミルのサイトの説明には、取り付けの際にマイナス10cm程度を見込むことは書かれています)。
ローラートップの場合には回転物があるので、そこの部分ではフレーム固定のための締め付けが出来ないことをうっかりしていました。
勿論、バンパースパイクも外した上でです。
これから導入される方は、この辺りのことをよく確認されたらいいですね。
でも、560XPでやってみた結果、巾が40cm程度のスギ(節が多くて硬い方でしたが)で、可成りヒーヒー言っていますから、バーの長さ的にはこの位がバランスしているのでしょう。
やっぱりもっと大きいチェンソーが欲しいなあ、と神様にお願い中です。あ、それから丸ノコ製材機もね。
(追記:前記した借り物の395XPの82cmバー・有効長75cm程度と、このアラスカンミルの一番幅の狭いものとの組み合わせで55cm幅の板材が挽けました)
さて、右のゴミ袋は今回製材をした時の切粉です。
なんと凄い量ですね〜。これは山の中でやらないと後片付けが大変。
だってソーチェーンの厚み分が切り屑になるのですからボリュウムがありますよね。
薪ストーブで燃やすとかでなければ只のゴミになってしまいますから何と勿体ないことでしょう。
【山の現場での製材---ここでもロープウィンチが活躍】
と言うことで、雲南市に借りてある家の裏山で春の講習会の際に倒してある現場で、スギ材の製材を行うことにしました。
大分草に埋もれてしまっていたので、先ずは草刈りをしてから。
このスギが立っていたところは笹が倒れてイノシシの寝床になっていたところ・・・
ダニが居ないと良いなあ、と思いつつの作業です。
元の直径が50cmくらいで長さが5mの元玉と、あとは7mくらいの二番目です。長さが適当なのはPCウィンチの体験講習だったため?
上の右は、材を寄せるための道具ですね。チェンソー他、ポータブルウィンチのPCW3000と10mm60mのシリウスロープ。それからスリングやら滑車カラビナ類です。他には曳く材を縛るチョーカーチェーンとトビでしょうか。
畑跡の平らなところが殆どなので楽勝かと思いきや、アンカーになる立木が殆どないところなのです。
有るのは土手下にある刺のある怖い細い木位。ウィンチを設置するところまで距離があるので、先日嫁さんがアイを作った12mmロープを根元に設置してからPCウィンチを設置するためのベルトスリングをアイに通しました。
因みにこのスリング代わりのロープのストレートの時の破断強度は3トン強です。
PCW3000はホンダの草刈機用のエンジンなので、本体がひっくり返ろうが空を向こうがエンジンが止まりません。(※他の記事にも書きましたが、マメなオイル交換が必要です)
場所が悪い斜面などで牽引する時には此れが便利なのですね。
今回は障害物避けのキャップ、スキッドコーンを持って来ていないのでチョーカーチェーンで材を縛って直に牽引します。
本当はリダイレクト(方向転換)して牽引した方が安全なのですが、如何にせん周りに立木が何も無いのです。
こういった状況は、農山村の山の縁で搬出しようと思った時によくあるんですよね。
此のときばかりはスイングヤーダの様な重機が羨ましいですね。
でも、バックホウにこのPCW3000を積載しておいて、本体をバックホウ上に上手く設置出来るなら、バケット下のフックに滑車を付けてラインを延ばして材を曳けば良い訳で、そうすれば、こういったアンカーを採る場所が無い様な状況でも搬出が楽になるかも。
雨粒がレンズについてしまってちょっとボヤけて居ますが、細い立木があったお陰で、手前の平らなところまでもって来られました。
と、言いたいところですが、最初の二番玉の元が40cm弱の7m材は位置的に簡単に曳き出せたのですけど、元玉のあった場所が沢の脇だったので大変だったのです。
はい。沢に転がり落ちました!
材の後ろ側を制御していなかったので、頭はウィンチの方に寄って来るのですが、お尻が沢の方に段々と寄って行ってゴロンチョして写真左側の小沢に落下してしまいましたぁ〜!
雨がそぼ降る超蒸し暑い谷間での作業ですが、落ちてしまったものは仕方が無い。右手の山の上によじ上りアンカーを採りました。それも直でやってだめだった(試しにやってみた)ので、倍力を掛けるために再度登り返し。全身汗でビショビショです。
ロープが60mの長さがあって良かったです。
そしてPCウィンチ3000のエンジン全開で、なんとか70cm程度の高さの土手上に材が上がりました。元が50cm、末が40cm弱の4.5m材ですから可成りの重量があるでしょう。大した高さでは無かったので無理くり引っ張り上げた感じです。PCW3000の牽引力が700kgですから滑車で倍力掛けて1.4トンの牽引力となります。
切り立った土手に引っかかりながらの状態で上げるのですから相当な力が掛かっていたことでしょう。ちょっとロープが傷んだかも。それから材に付けた倍力用のプーリーが泥だらけになってしまいました。これは後日オーバーホールですね。この間、バラしてグリスアップしたばかりなのですけど、泥が隙間に入ってしまっていますからエアで吹いてから奇麗にしましょう。
さてさて、この日はこれらの材を1m90cmに玉切っておきました。暗くなり少し雨が強くなって来たので今回は此れで撤収です。
汗ビッショリでブト(一般的にはブヨですかね)に集られまくり、そして斜面のイノシシ道を這いずり回ってダニも集っているかも知れないので製材は後日に回すことに。
それで、製材しようとしているんですけど、時々いきなり豪雨がくる安定しない梅雨の日々なので、次は何時取り掛かれることやら。
そんな雨のために時間が空いたので、此の記事をアップしてみた次第です。
今回の製材システムだと45cm巾しか採れないですが、丸太の端を落としてから製材する予定です。先ずは、これで棚を作ろうかなと思っていますが果たしてどうなることでしょう。
という、中途半端なレポートになってしまいました。続きはまた製材した後に・・・
【裏山製材】7/15追記
さて、その後、製材が出来ました。梅雨の合間の曇りマークの日でしたが、時々強い陽射しが射すので汗ビッショリです。
幅広の材を採るには結構力が要りますね。それで腰痛が再発してしまって重たい板を搬出するのにも難儀したりして・・・
奥出雲圏の雲南市に借りている家の裏には小さな沢があるので、そこには橋が架かっているのですが、もう少しで腐り落ちそうなものなのです。
橋の長さは6m以上あるので、此処に丸木橋を架けるとなるとアンカーが何処にも採れない場所なので、相当智慧を絞って汗も絞らないと新しいものに架け替えられません。
それが出来れば、林内作業車で山の中に突入出来るんですけど。やっぱり作業路があると全然楽ですね。
ついでだから設置などの段取りの作業についても書いてみましょうか。此れは場所にも拠るので他にも方法があると思いますが、一応基本的なことを。
先ずは枕になる細めの丸太を用意します。って、樹を倒せば当然樹冠の方の材が残るのでそれですね。
右画像の様にチェンソーで左右に斜め切りを入れてから横に突っ込み切りでバーを入れれば太い材を載せるための溝が出来ます。
そして其の枕の丸太の端を斜めに切り落しておけば重たい材を枕の上に持ち上げる時に楽です。枕の上に製材する重たい丸太を乗せるのには色々やり方は有るでしょう。長めの太い棒を作ってテコの原理で押し上げるとか、トビでこじって持ち上げるとか。
今回はPCウィンチの設置に使った細めの立木があったので、其処にロープの端を縛って、ロープを持ち上げる材に折り返して掛けて人力で引っ張る掛け縄方式で持ち上げました。
37cm位の直径の1.9m材ですから力がある人なら手で持ち上げられるでしょうけど、腰痛持ちのオッサンでひ弱な上に暑さでヨレヨレなので余計な負荷はかけたくありません。
その上、次回には元で50cm直径の2.5m材を製材する予定なので、その準備の意味も有ります。
【皮むき】
3月に伐倒して山の中に放っておき草に埋もれていたのでどうなったかと思いましたが虫は入っていませんでした。
試しに皮を剥いてみました。
皮むき道具には色々なタイプがあります。リサイクル屋さんでゲットして自分も幾つか持っていたのですが、嫁さんの実家の倉庫の奥に入っていて島根に持って来るのを忘れてしまいました。
それで、わたしの鍛冶屋の師匠から頂いた洋式の皮むき器、ドローナイフを使っての皮むきです。
日本の言い方だと、“セン”になるのでしょうか。鍛冶でも長ものの刃物の地金を平に削る時(焼き入れ前)に同じ様な作業を行うために使う道具をセンと言います。
今回の製材は、4cm厚の板を採るので要らないところまで皮むきをする必要がないために、製材してから皮むきをしました。
板を立てるのには、転がっている丸太の間に適当に挟んで固定してという手抜き方法です。
切り残しの甘皮もさらに削り取ります。
鍛冶屋の師匠が研いだ刃物はよく切れますね。洋式ナイフから和式の刃物、それも薄物の包丁のもの凄くいいやつまで作られる方ですからね。
縁も奇麗になりました。現場で奇麗に剝いでおけば、皮や切粉(縦挽きの場合はホントの粉)はそのまま大地の肥料になってくれますから、後片付けも楽チンですし。
今回は4枚のみの製材でした。もう一枚くらい巾の狭いの板が採れそうでしたけどとっくにタイムオーバーしていたので作業終了。
津和野の家に持って帰って来て記念撮影。
ご覧の家の壁は杉板の節だらけのもの。40年以上前の建てたものらしいです。これは此れで味わいがあって良いです。
製材したスギも節だらけのもの。全然枝打ちとかされずに放置されていた沢沿いの木です。
元玉の長さから考えると製材した部分は3mから上のところなのですが枝の痕が沢山あります。
この板は30〜37cmくらいのものですが、60ccのチェンソーで製材していると節のところで力負けしてソーチェーンが回らなくなって止まってしまいます。
なので、少し引いてから再度エンジン全開で切り分けて行くのですが、チェンソーが可哀想な位に回りっぱなし。焼き付くんじゃないかと心配してしまいました。
一応ジット流に則ってオイルを濃いめにしてあるんですけど、今のチェンソーを使って製材の際にはもうちょっと濃いめの混合比にしておいたほうが良さそう。
それを考えると、チェンソー製材の時にはやっぱり無節の方が良いなあ。
いまは原木市でも無節のものは昔の様な価値が無くて、折角枝打ちして手間をかけた材が安くなってしまっているのが悔しいですね。
自分自身で山の材を使うことを考えると、やっぱり枝打ち、間伐など手入れした山の樹が良いな、と改めて思った製材作業でした。
と言うことで、裏山製材の追記は以上でお仕舞い。
そうそう、5月に信州伊那のアウトドアショップKさんに行っていた時に、Kさんとマルイチさんの動画を作っているマルイチの関根さんに画像を見せて貰いました。※マルイチさん(文末)
チェンソーはハスクの120ccで、あれは1.5mのバーだったかも知れませんが、それでお客さんのところから出た材を同じアラスカンミルのシステムを使って製材し、お客さんにお客さんの土地で育った立派な木の板を差し上げていると言っていました。凄く喜ばれるそうです。
やっぱり現場で製材出来るのは良いですよね。まだの方は是非ご検討を!
【追記の追記】
住んでいる集落に一週間ぶりに戻って、庭の草がすっかり\育って元気にお出迎え。頼まれている集落営農の田圃の草は茫茫。
別に儲けになるわけじゃないから断ってしまえば良い様なものの、草刈りも嫌いじゃないし、頼まれた以上、沽券に関わるかし、集落の景観維持のためにやっている次第であります。
でもって、草刈りよりも更に優先順位が高いのは製材した板の仕上げ。
二枚程、お世話になっているところに差し上げる予定なので草刈りが忙しくても仕上げをやってしまおうと・・・
ところが、山の中での製材の時に中腰で長い時間やっていたために、腰を伸ばしても真っ直ぐ立てなくなってしまい、行きつけの鍼灸院へお世話になって、やっと昨日復活したばかりなのです。
なので身体のために今日は草刈りは止めて、軽く製材した後にカンナ掛けをやってしまおうなどと考えたのですが、逆に結構重労働でしたね。
この電気鉋は、10年以上前に亡くなった借家のお父さんが使って居たもので、引き継いで使わせて頂いている次第です。
今回初めて引っ張り出して使ってみたものの刃が今一切れないので、箱の中に入っていた新しい刃に交換しようと試みたのですが、なんとサイズが合わずに交換出来ませんでした。
仕方がないので、手元にあったダイヤモンドヤスリでSK材を目立てしているという図です。ついでに電気鉋もあちこちカバーを開けてエアで切粉を吹いてからグリスアップ。可成り静かになりました。
無事刃付けも終わりカンナ掛けが出来た板はこんな具合です。
それにしても軽トラの荷台は便利ですよね。
日頃、布団を干したり網戸を洗ったりするのにも活用させて貰っていますが、其れ以外でも外作業の道具のメンテに非常に役に立っています。
アオリの角のところでは、8mmの丸ヤスリで刈り払い機の笹刈り刃の目立てをしたり、チップソーの刃を目立てするのに同じ様に角に置いて、ディスクグラインダーにダイヤモンドのディスクを付けて削るのに丁度いい高さなので活用しています。
その上、今回板材のカンナ掛けにもちょうど良いことが解りました。鉋屑の処理も楽チンです。
と言うことで、明日から草刈り地獄かな?
【おまけ】
こちらの画像は、島根県林業研究グループ連絡協議会会長の響氏の丸ノコ製材機と製材した板。当県林研会長の響氏は仁多米で有名な奥出雲町の農家林家です。自分の頭と身体を使って道を切り拓いてきたオヤジさん共に筋金入りの気骨のある家系で木材共に自給自立的な生活をされて来ています。オヤジさんは自分で工夫して生きて来た人ですが、丸ノコ製材も人に習わずに自分で習得したとか。一時は製材業も家業の一つにしていたそうなので真剣に取り組んでものにしたらしいです。
黒毛和牛の肥育をされているので田圃に使う堆肥は糞を熟成発酵させたものを使い、はざ干しで乾燥させたもの。低農薬、もしくは無農薬のお米を栽培しています。
また椎茸もホダ木を1年間寝かせたものから栽培していますので、もの凄く美味しいですし、子供達の体験会のときも今まで椎茸を食べられなかった子が食べる様になる程。農林水産大臣賞も受賞しているものですからね。わたしも椎茸はあまり好んで食べませんが響家の椎茸は好きです。また、お母さんの煮物や料理がこれまた美味しいんですよ。
そして、山はというと、他の記事にも書いている様に手入れが行き届き鳥の声の絶えない良い山になっています。自宅は40年以上前に建てたものですが、全部自分の山の松で建てています。その上、牛舎は自分たちで植林した無節の良い材を使って居たりして・・・響氏はペットと言っていますが、、、大事にされています。
自伐なんて言葉が出る前からの農山村暮らしの鏡みたいな響家(此方の記事は以前のもの)ですから、私どもが移住した頃から、住むところと飯さえくれて、月6万円くらい小遣いを貰えれば夫婦で丁稚に入っても良いんだけど、とオファーしているのですが未だ適っていません。
因みに農家林家の鏡の様な響氏は、若者の指導や子供達の体験講習も提供したりしていて超多忙ですが、携帯電話はもとよりファクシミリも無い家です。それで、周りのみんなが連絡するのにも往生しているのですが、今後もスタイルを変える気はないとのこと。
ところが、先年亡くなられた、これまた島根の自伐林家の鏡の様な栗栖氏(60ha程度の自分の山だけで食べて来た多様で美しい山造りをして来られた方)も、まるきり同じだったそうです。
なので、先日の県林研の総会の時に副会長の野田氏(NPO法人もりふれ倶楽部事務局長)が、山で食べて行くのに携帯やネットなどはなくても大丈夫だから、と言っていました。
やはり、山の心、人の心が解り、それを慈しみ育てる気持ちを持てる人が山に沿って生きて行けるのではないでしょうか。
現場で感じて(観じて)、自分の頭で考えて道を拓いていくことが大自然に生かされて、自然を守ることに繋がって行くのではと思います。徳島の、壊れない山に優しい作業路作りで個人林家として成功している橋本さんご家族も同じ様に見受けられます(橋本さんは携帯は持っていますけどね)。
またまた、能書き炸裂ですが、やっぱり農山村に住むのだったら、農だけでなく林の方も出来ないと面白く無いですよね。それも自分たちで製材出来るのが良いです。若者よ、目指せ響家!って事で頑張りましょう。
※マルイチさん:アウトドアショップKさんの技術スタッフであるポール・ウィンター氏が所属する特殊伐採や大径木伐採を得意とする会社。JR路線脇の支障木伐採をウッドタワー工法によって行う。ご参考に八戸森林組合さんの記事へリンクさせて頂く。八戸森林組合さんは、プロトスヘルメットやチェンソープロテクションパンツで有名なオーストリアのファナー社の製品を日本に導入した会社。湿気の多い日本向けのチェンソーパンツや日本人の足に合ったチェンソーブーツの開発などにも余念がない注目の事業者。ブログは要チェック。
当方の協議会では、4年以上前にPCウィンチとロープ架線、そして林内作業車と土佐の森軽架線を設備していますから自分たちで山から木を出して来られるので、その樹をもっと自給的に利用したかったのですね。
その点で、チェンソー製材機はもの凄く琴線に触れました。
だって、山の中でボロ家に住んでいる身としては大してお金を掛けないで修復が出来るじゃないですか。
小屋を建てるのにも、自分たちで用材調達出来るなんて最高ですよね。
他の記事にも書きましたが、自分たちで山の太い木を伐採して搬出して来ることが出来ますから、あとは山に優しい崩れない道作りが出来れば、水源のある山に住処や隠れ家を作れる訳です(簡易架線を張れば重たい荷を上げ下げできるので家の側まで道が入らなくても平気かも...)。
自分が初年度に担当した津和野町の地域おこし協力隊の最初の人は吉野の岡橋氏に教わって壊れない路作りのエキスパート(個人林家や自伐の人は徳島の橋本さんに路作りや山造りを教わった方が参考になるかも...)になりつつあるので、将来機が熟せば自分たちで山奥であっても自給的なコミュニティを展開可能になるでしょう。今はその為の下地作りのためにノウハウの積み重ねをしているのが現状です。
また、自伐型の林業は、そういった地球に優しいエコな暮らし方をしようとしている人たちの大きな動力となっていくのかも知れません。
ところで、下記リンクは、原野で鋸で樹を伐採して斧を多用してログハウスを建ててしまう動画ですが、小屋を作るくらいだったらこの位アバウトでも良い訳です。我々は何か難しく考え過ぎて居ませんかね? もっとも、動画の主人公の様に太い材を担いで運んだりは出来ませんし、山陰の湿った樹は比重が重たいし乾燥しないし黴びるしで、条件は悪そうですが・・・ 道具はもっと良いものが沢山揃っていますから。
Alone in the Wilderness
こんなのもあります。ロシアのオッサン達、かなり腕が良いです。Traditional Finnish Log House Building Process 自分の場合、ひ弱なので、先ずは道具からという訳ですね。(^-^;;
と言うことで、問題はチェンソーです。普通の伐採用に使うものではエンジン負荷が高い縦挽きでは役を担うことが出来ないらしいのです。
うちの場合は、チェンソー製材機まで導入するところまで踏み切れたかと言うと、別記事に書いた60ccの560XPが手に入ったからです。
それで、製材機を揃える気になりました。チェンソーの値段が殆どを占めますからね。
もしフルスペックのチェンソーから揃えるならば、100ccくらいのものからハスクの120ccが対象となりますけど、価格は30万円くらいから35万円位だったと思います。
折角ですから、バーの長さも1mから1.5m位のものが欲しいですね。フレームの設置に余裕が必要なので10cmから場合によっては20cm分がマイナスになります。
ソーバーも製材用に25インチ(63cm)のものを新調しました(
でも、長過ぎても目立ての手間が増えたり、別途にオイルをソーバーに垂らすシステムが必要になりますので、自身のやりたいことと照らし合わせて選んだ方が良さそうです。
が、直径1m以上の板を製材してテーブルなどを作るのは夢ですよね。雲南市の南加茂のグリーンパワーうんなんの土場にはそんな根太が転がっていたりしますから。
(上画像は、ハスクの560XPに25インチバーを装着したものと、95ccの395XPに32インチバー、82cmを装着したもの。395XPは借り物。82cmのバーでも実際にフレームをつけると、製材に有効な幅は大して採れない。この件については、また記事を別にして書きたいなと...)
【システム構成】
大まかに言うと、チェンソー製材機には三つの機能が必要です。
切断のための大型エンジンでソーバーの長いチェンソー、それからチェンソーを固定してレールに沿ってスライドさせるためのフレーム、あとは定規となる切断部のフレームごとスライドさせるためのレールですね。
レールは丸太の最初の部分を平にカット出来てしまえば、次からは不要になります。
上の画像は、チェンソーをフレームにマウントした後、製材する丸太に設置するレールを組み立てるところです。
先ずはフレームを組み立てます。
梱包はこんな感じで送られて来ています。
が、説明書が解り易いとは言い難いです。向こうの人たちのノリなのでしょう。でも、日本のものが必要以上に丁寧だという話しもあります。
此方は、レールとミニミルという板に製材した後に耳を落とすのに便利な小さい製材用のフレームです。
えーっと。これだけですと何を買ったのか書かないと解らないですね。
書いてみます。
・アラスカンMKⅢG776-24:一番ローエンドのタイプです。将来的に部品交換すれば長いバーにも対応出来るみたいです。
・EZレール(G1080):2.7mの長さのレールです。単管パイプやアルミ梯子などで自作する方も居られますけど、時間的余裕がまるきりないので買ってしまいました。
丸太の最初のところだけ奇麗に平坦に製材出来れば、あとはレール無しで製材出来ます。
・ミニミル(G555B):先に書いた様に耳の部分を落とす様に購入しましたが、此れだけでも色々出来そうです。
購入したのはリンク先のページのリブロスデルムンドさんという輸入業者さん。専門はもっと大型の製材機類の様です。送料入れて10万円弱くらいでした。
ネットではYahooショッピングとかでも出されていますし、他の業者さんも扱っている様です。勿論、手間ひまを惜しまなければ自作で出来た人たちも沢山居られる様です。
ですから、アラスカンミルだけ(3万円台)買って後は自作とか、お金を掛けないでも、同様のシステムを構築することは可能でしょう。但し、単管パイプだと捻れが出る場合がある様なことをネット上で書いておられる方も居られましたので、皆それぞれ工夫が必要かと思います。
また、大型のチェンソー製材用のフレームは、スチールからも出ていますが、そこまでお金を掛けるんだったら、もっと頑張って帯鋸の安いものを購入した方が良いかも知れません。
前に丹羽健司氏が島根に来た時に、四国で150万円くらいの木製フレームの帯鋸があって買おうとしたけれど、四国から外だと200万円くらいになってしまう様なことを仰っておられた記憶が有りますね。ちょっと酔っぱらっていたので数字が違うかも知れませんが。それから、こういったチャレンジをしている方も居られます。
で、アバウトでもよい構築物を作るのであれば、今回の様な簡易フレームタイプの製材システムで良い様な気がします。
【製材予備知識】
このページは自分で製材をしようとする方々向けの情報を書いている訳ですが、製材所では何の位のコストが掛かるのかも書いておきましょう。
島根県の場合ですと、西部の高津川森林組合の日原製材所に聞いた時は立米当たり1万5千円でした。東部の方ですと立米当たり1万8千円くらいと言われたことがあります。枚数は関係無いと言うところもありますが、あまり数が多い場合には手間賃が乗る場合もあるようです。
もちろん、この費用は、自分で材を持ち込んでの話ですが、短い材の場合には余計に手間が掛かるので上記金額は大凡の目安と言うことですね。
それからプロの仕事がどんなものなのかご参考にリンクを張らせて頂いておきます。八王子の空師の友達が、たまに一緒に仕事をさせて貰っている会社だそうです。
埼玉の有限会社増岡材木店の製材のページ。こちらはブログです。超難しい都市部での大径木材の伐採の様子が伺えます。スッゲーなあ。。。自分も都内での30m位のヒマラヤ杉の伐採現場で仕事(?)したことがありますけどレベルが違い過ぎますね。
設備のページも面白いです。古い道具を大事に使っておられることが解ります。
【丸太を挽いてみよう】
仕事の合間にやっていたので二日目にフレームの組み立てが終わり、やっと製材です。
丸太は元と末で太さが違うのでテーパーの具合をみて切る厚みを調整。水準器も使いながらレールを設置しました。
ハンマーはレールを固定するピンを打ち付けるためのもの。
一枚目。製材途中で調整用のネジがフレームと干渉してしまうことが判明。
ちょっとインチキして何とか最後まで切り抜いたけど一カ所だけ材に段差がついてしまいました。
気を取り直して、二枚目もレールを使って製材しました。
途中、クサビも使ってバーを挟まない様にしています。
切断面は結構奇麗ですね。このまま鉋を掛ければ充分な位です。
今回は試運転だったので、ソーチェーンは21BPでストックのまま使っています。
最初に紹介した出来杉計画さんでも、杉の場合には標準のままで大丈夫と言うことが書かれていましたので先ずは試しにやってみた結果です。
その内、色々な樹種を製材する様になったらば刃付けをリッピング(縦挽き用の角度10度)用に目立てすると思いますが、それは目立てをしながら徐々に変えて行こうかと考えています。
それからリブロスデルムンドさんのサイトにラインナップされているリッピングチェーンですが、1年くらい前に問い合わせをしたときに、もう扱っていないと言われていましたね。
もっとも、チェンソー製材の場合には、目立てが肝心ですから、自在に目立てが出来ない人にとって、労力ばかりが先に来てしまうのできっと評判が芳しくないかも知れません。
刃物は上手い目立て、刃付けがまずありきです。
目立てが上手に出来ない人はチェンソー製材機の運用は大変かも。
ところで、今回挽く材の厚さは5cmに。前に木質バイオマス資源市の記事に書いたグリーンパワーうんなんさんの土場で、住民の方々が軽トラで持って来た材を降ろすときに使う様にちょっと丈夫な板材が二枚欲しいとのことだったのです。
まず一枚。材の芯に黒い筋が。そして枝の跡が見えますね。
60ccのエンジンだと、この枝のところに当たると途端にパワーが食われました。
(60ccくらいだと製材大変。あと注意点は小さいチェンソーの場合には、混合油のオイル量を増やしておいた方が良いということと、このブログの読者にはいないと思いますが、ホームセンターで売っている混合ガソリンは、こんなハードな仕事には使っちゃダメでしょということ。コメリの混合ガソリンは良いオイルを使っているみたいだけど、ガソリンが古くなってくればやばいので、自分で混合ガソリンを正確な混合比で作れない人は、手を出さない方が無難かも)
土場の管理者の内田さんと合同会社グリーンパワーうんなんの構成会社であるエブリプランの佐伯氏が作業を覗きに来ました。
板の厚さは5cm。アラスカンのフレームでの厚さ調整幅は、1.7cmから30cmちょっとまでだったと思います。
フレームについているメジャーの規格はインチサイズなので調整が必要です。
画像では、レールを使って居ますが、無しでやった方がよいでしょう。
ただ、こういったレールの使い方は、平面が捻れてしまった時などの修正に再度挽き直すときに行います。
挽いた材二枚。右側の短くて厚い板は、3月の木質バイオマス資源市の際に製材所さんに頼んで挽いて貰ったもの。
今回、製材したものは5cm厚。製材所さんに挽いて貰ったのは10cm厚でしょうか。
チェンソー製材機があれば、同じものが出来るじゃん!と言うのが結論?でもチェンソー製材機は労力が必要なことは事実。それから燃料も結構食う。長いバーだとオイル供給も大事ね。
今回挽いた板は1m90cmのもの。軽トラの荷台に積める長さですね。
巾は26cm。
この度、導入したフレームだと巾45cmまで対応可能の予定です。
何故45cmかと言うと、ちょっとガッカリなのです。
バーはスギハラの25インチ(63cm)のものを円陣さんで購入したのですが、頭が悪いことに何をもって63cmと言うのかちゃんと調べなかったのですね(未だに63cmの意味が解りませんが。全長は67cm。先端からオイル穴までが63cm位)。
560XPに取り付けた場合、新品のソーチェーンを付けて、有効長が57cm程度しかなかったのです(バンパースパイクを付けた場合には55cm程度)。
その上、ローラートップバーを選んだために切断のために更に使える有効長が短くなってしまったのです(アラスカンミルのサイトの説明には、取り付けの際にマイナス10cm程度を見込むことは書かれています)。
ローラートップの場合には回転物があるので、そこの部分ではフレーム固定のための締め付けが出来ないことをうっかりしていました。
勿論、バンパースパイクも外した上でです。
これから導入される方は、この辺りのことをよく確認されたらいいですね。
でも、560XPでやってみた結果、巾が40cm程度のスギ(節が多くて硬い方でしたが)で、可成りヒーヒー言っていますから、バーの長さ的にはこの位がバランスしているのでしょう。
やっぱりもっと大きいチェンソーが欲しいなあ、と神様にお願い中です。あ、それから丸ノコ製材機もね。
(追記:前記した借り物の395XPの82cmバー・有効長75cm程度と、このアラスカンミルの一番幅の狭いものとの組み合わせで55cm幅の板材が挽けました)
さて、右のゴミ袋は今回製材をした時の切粉です。
なんと凄い量ですね〜。これは山の中でやらないと後片付けが大変。
だってソーチェーンの厚み分が切り屑になるのですからボリュウムがありますよね。
薪ストーブで燃やすとかでなければ只のゴミになってしまいますから何と勿体ないことでしょう。
【山の現場での製材---ここでもロープウィンチが活躍】
と言うことで、雲南市に借りてある家の裏山で春の講習会の際に倒してある現場で、スギ材の製材を行うことにしました。
大分草に埋もれてしまっていたので、先ずは草刈りをしてから。
このスギが立っていたところは笹が倒れてイノシシの寝床になっていたところ・・・
ダニが居ないと良いなあ、と思いつつの作業です。
元の直径が50cmくらいで長さが5mの元玉と、あとは7mくらいの二番目です。長さが適当なのはPCウィンチの体験講習だったため?
上の右は、材を寄せるための道具ですね。チェンソー他、ポータブルウィンチのPCW3000と10mm60mのシリウスロープ。それからスリングやら滑車カラビナ類です。他には曳く材を縛るチョーカーチェーンとトビでしょうか。
畑跡の平らなところが殆どなので楽勝かと思いきや、アンカーになる立木が殆どないところなのです。
有るのは土手下にある刺のある怖い細い木位。ウィンチを設置するところまで距離があるので、先日嫁さんがアイを作った12mmロープを根元に設置してからPCウィンチを設置するためのベルトスリングをアイに通しました。
因みにこのスリング代わりのロープのストレートの時の破断強度は3トン強です。
PCW3000はホンダの草刈機用のエンジンなので、本体がひっくり返ろうが空を向こうがエンジンが止まりません。(※他の記事にも書きましたが、マメなオイル交換が必要です)
場所が悪い斜面などで牽引する時には此れが便利なのですね。
今回は障害物避けのキャップ、スキッドコーンを持って来ていないのでチョーカーチェーンで材を縛って直に牽引します。
本当はリダイレクト(方向転換)して牽引した方が安全なのですが、如何にせん周りに立木が何も無いのです。
こういった状況は、農山村の山の縁で搬出しようと思った時によくあるんですよね。
此のときばかりはスイングヤーダの様な重機が羨ましいですね。
でも、バックホウにこのPCW3000を積載しておいて、本体をバックホウ上に上手く設置出来るなら、バケット下のフックに滑車を付けてラインを延ばして材を曳けば良い訳で、そうすれば、こういったアンカーを採る場所が無い様な状況でも搬出が楽になるかも。
雨粒がレンズについてしまってちょっとボヤけて居ますが、細い立木があったお陰で、手前の平らなところまでもって来られました。
と、言いたいところですが、最初の二番玉の元が40cm弱の7m材は位置的に簡単に曳き出せたのですけど、元玉のあった場所が沢の脇だったので大変だったのです。
はい。沢に転がり落ちました!
材の後ろ側を制御していなかったので、頭はウィンチの方に寄って来るのですが、お尻が沢の方に段々と寄って行ってゴロンチョして写真左側の小沢に落下してしまいましたぁ〜!
雨がそぼ降る超蒸し暑い谷間での作業ですが、落ちてしまったものは仕方が無い。右手の山の上によじ上りアンカーを採りました。それも直でやってだめだった(試しにやってみた)ので、倍力を掛けるために再度登り返し。全身汗でビショビショです。
ロープが60mの長さがあって良かったです。
そしてPCウィンチ3000のエンジン全開で、なんとか70cm程度の高さの土手上に材が上がりました。元が50cm、末が40cm弱の4.5m材ですから可成りの重量があるでしょう。大した高さでは無かったので無理くり引っ張り上げた感じです。PCW3000の牽引力が700kgですから滑車で倍力掛けて1.4トンの牽引力となります。
切り立った土手に引っかかりながらの状態で上げるのですから相当な力が掛かっていたことでしょう。ちょっとロープが傷んだかも。それから材に付けた倍力用のプーリーが泥だらけになってしまいました。これは後日オーバーホールですね。この間、バラしてグリスアップしたばかりなのですけど、泥が隙間に入ってしまっていますからエアで吹いてから奇麗にしましょう。
さてさて、この日はこれらの材を1m90cmに玉切っておきました。暗くなり少し雨が強くなって来たので今回は此れで撤収です。
汗ビッショリでブト(一般的にはブヨですかね)に集られまくり、そして斜面のイノシシ道を這いずり回ってダニも集っているかも知れないので製材は後日に回すことに。
それで、製材しようとしているんですけど、時々いきなり豪雨がくる安定しない梅雨の日々なので、次は何時取り掛かれることやら。
そんな雨のために時間が空いたので、此の記事をアップしてみた次第です。
今回の製材システムだと45cm巾しか採れないですが、丸太の端を落としてから製材する予定です。先ずは、これで棚を作ろうかなと思っていますが果たしてどうなることでしょう。
という、中途半端なレポートになってしまいました。続きはまた製材した後に・・・
【裏山製材】7/15追記
さて、その後、製材が出来ました。梅雨の合間の曇りマークの日でしたが、時々強い陽射しが射すので汗ビッショリです。
幅広の材を採るには結構力が要りますね。それで腰痛が再発してしまって重たい板を搬出するのにも難儀したりして・・・
奥出雲圏の雲南市に借りている家の裏には小さな沢があるので、そこには橋が架かっているのですが、もう少しで腐り落ちそうなものなのです。
橋の長さは6m以上あるので、此処に丸木橋を架けるとなるとアンカーが何処にも採れない場所なので、相当智慧を絞って汗も絞らないと新しいものに架け替えられません。
それが出来れば、林内作業車で山の中に突入出来るんですけど。やっぱり作業路があると全然楽ですね。
ついでだから設置などの段取りの作業についても書いてみましょうか。此れは場所にも拠るので他にも方法があると思いますが、一応基本的なことを。
先ずは枕になる細めの丸太を用意します。って、樹を倒せば当然樹冠の方の材が残るのでそれですね。
右画像の様にチェンソーで左右に斜め切りを入れてから横に突っ込み切りでバーを入れれば太い材を載せるための溝が出来ます。
そして其の枕の丸太の端を斜めに切り落しておけば重たい材を枕の上に持ち上げる時に楽です。枕の上に製材する重たい丸太を乗せるのには色々やり方は有るでしょう。長めの太い棒を作ってテコの原理で押し上げるとか、トビでこじって持ち上げるとか。
今回はPCウィンチの設置に使った細めの立木があったので、其処にロープの端を縛って、ロープを持ち上げる材に折り返して掛けて人力で引っ張る掛け縄方式で持ち上げました。
37cm位の直径の1.9m材ですから力がある人なら手で持ち上げられるでしょうけど、腰痛持ちのオッサンでひ弱な上に暑さでヨレヨレなので余計な負荷はかけたくありません。
その上、次回には元で50cm直径の2.5m材を製材する予定なので、その準備の意味も有ります。
【皮むき】
3月に伐倒して山の中に放っておき草に埋もれていたのでどうなったかと思いましたが虫は入っていませんでした。
試しに皮を剥いてみました。
皮むき道具には色々なタイプがあります。リサイクル屋さんでゲットして自分も幾つか持っていたのですが、嫁さんの実家の倉庫の奥に入っていて島根に持って来るのを忘れてしまいました。
それで、わたしの鍛冶屋の師匠から頂いた洋式の皮むき器、ドローナイフを使っての皮むきです。
日本の言い方だと、“セン”になるのでしょうか。鍛冶でも長ものの刃物の地金を平に削る時(焼き入れ前)に同じ様な作業を行うために使う道具をセンと言います。
今回の製材は、4cm厚の板を採るので要らないところまで皮むきをする必要がないために、製材してから皮むきをしました。
板を立てるのには、転がっている丸太の間に適当に挟んで固定してという手抜き方法です。
切り残しの甘皮もさらに削り取ります。
鍛冶屋の師匠が研いだ刃物はよく切れますね。洋式ナイフから和式の刃物、それも薄物の包丁のもの凄くいいやつまで作られる方ですからね。
縁も奇麗になりました。現場で奇麗に剝いでおけば、皮や切粉(縦挽きの場合はホントの粉)はそのまま大地の肥料になってくれますから、後片付けも楽チンですし。
今回は4枚のみの製材でした。もう一枚くらい巾の狭いの板が採れそうでしたけどとっくにタイムオーバーしていたので作業終了。
津和野の家に持って帰って来て記念撮影。
ご覧の家の壁は杉板の節だらけのもの。40年以上前の建てたものらしいです。これは此れで味わいがあって良いです。
製材したスギも節だらけのもの。全然枝打ちとかされずに放置されていた沢沿いの木です。
元玉の長さから考えると製材した部分は3mから上のところなのですが枝の痕が沢山あります。
この板は30〜37cmくらいのものですが、60ccのチェンソーで製材していると節のところで力負けしてソーチェーンが回らなくなって止まってしまいます。
なので、少し引いてから再度エンジン全開で切り分けて行くのですが、チェンソーが可哀想な位に回りっぱなし。焼き付くんじゃないかと心配してしまいました。
一応ジット流に則ってオイルを濃いめにしてあるんですけど、今のチェンソーを使って製材の際にはもうちょっと濃いめの混合比にしておいたほうが良さそう。
それを考えると、チェンソー製材の時にはやっぱり無節の方が良いなあ。
いまは原木市でも無節のものは昔の様な価値が無くて、折角枝打ちして手間をかけた材が安くなってしまっているのが悔しいですね。
自分自身で山の材を使うことを考えると、やっぱり枝打ち、間伐など手入れした山の樹が良いな、と改めて思った製材作業でした。
と言うことで、裏山製材の追記は以上でお仕舞い。
そうそう、5月に信州伊那のアウトドアショップKさんに行っていた時に、Kさんとマルイチさんの動画を作っているマルイチの関根さんに画像を見せて貰いました。※マルイチさん(文末)
チェンソーはハスクの120ccで、あれは1.5mのバーだったかも知れませんが、それでお客さんのところから出た材を同じアラスカンミルのシステムを使って製材し、お客さんにお客さんの土地で育った立派な木の板を差し上げていると言っていました。凄く喜ばれるそうです。
やっぱり現場で製材出来るのは良いですよね。まだの方は是非ご検討を!
【追記の追記】
住んでいる集落に一週間ぶりに戻って、庭の草がすっかり\育って元気にお出迎え。頼まれている集落営農の田圃の草は茫茫。
別に儲けになるわけじゃないから断ってしまえば良い様なものの、草刈りも嫌いじゃないし、頼まれた以上、沽券に関わるかし、集落の景観維持のためにやっている次第であります。
でもって、草刈りよりも更に優先順位が高いのは製材した板の仕上げ。
二枚程、お世話になっているところに差し上げる予定なので草刈りが忙しくても仕上げをやってしまおうと・・・
ところが、山の中での製材の時に中腰で長い時間やっていたために、腰を伸ばしても真っ直ぐ立てなくなってしまい、行きつけの鍼灸院へお世話になって、やっと昨日復活したばかりなのです。
なので身体のために今日は草刈りは止めて、軽く製材した後にカンナ掛けをやってしまおうなどと考えたのですが、逆に結構重労働でしたね。
この電気鉋は、10年以上前に亡くなった借家のお父さんが使って居たもので、引き継いで使わせて頂いている次第です。
今回初めて引っ張り出して使ってみたものの刃が今一切れないので、箱の中に入っていた新しい刃に交換しようと試みたのですが、なんとサイズが合わずに交換出来ませんでした。
仕方がないので、手元にあったダイヤモンドヤスリでSK材を目立てしているという図です。ついでに電気鉋もあちこちカバーを開けてエアで切粉を吹いてからグリスアップ。可成り静かになりました。
無事刃付けも終わりカンナ掛けが出来た板はこんな具合です。
それにしても軽トラの荷台は便利ですよね。
日頃、布団を干したり網戸を洗ったりするのにも活用させて貰っていますが、其れ以外でも外作業の道具のメンテに非常に役に立っています。
アオリの角のところでは、8mmの丸ヤスリで刈り払い機の笹刈り刃の目立てをしたり、チップソーの刃を目立てするのに同じ様に角に置いて、ディスクグラインダーにダイヤモンドのディスクを付けて削るのに丁度いい高さなので活用しています。
その上、今回板材のカンナ掛けにもちょうど良いことが解りました。鉋屑の処理も楽チンです。
と言うことで、明日から草刈り地獄かな?
【おまけ】
こちらの画像は、島根県林業研究グループ連絡協議会会長の響氏の丸ノコ製材機と製材した板。当県林研会長の響氏は仁多米で有名な奥出雲町の農家林家です。自分の頭と身体を使って道を切り拓いてきたオヤジさん共に筋金入りの気骨のある家系で木材共に自給自立的な生活をされて来ています。オヤジさんは自分で工夫して生きて来た人ですが、丸ノコ製材も人に習わずに自分で習得したとか。一時は製材業も家業の一つにしていたそうなので真剣に取り組んでものにしたらしいです。
黒毛和牛の肥育をされているので田圃に使う堆肥は糞を熟成発酵させたものを使い、はざ干しで乾燥させたもの。低農薬、もしくは無農薬のお米を栽培しています。
また椎茸もホダ木を1年間寝かせたものから栽培していますので、もの凄く美味しいですし、子供達の体験会のときも今まで椎茸を食べられなかった子が食べる様になる程。農林水産大臣賞も受賞しているものですからね。わたしも椎茸はあまり好んで食べませんが響家の椎茸は好きです。また、お母さんの煮物や料理がこれまた美味しいんですよ。
そして、山はというと、他の記事にも書いている様に手入れが行き届き鳥の声の絶えない良い山になっています。自宅は40年以上前に建てたものですが、全部自分の山の松で建てています。その上、牛舎は自分たちで植林した無節の良い材を使って居たりして・・・響氏はペットと言っていますが、、、大事にされています。
自伐なんて言葉が出る前からの農山村暮らしの鏡みたいな響家(此方の記事は以前のもの)ですから、私どもが移住した頃から、住むところと飯さえくれて、月6万円くらい小遣いを貰えれば夫婦で丁稚に入っても良いんだけど、とオファーしているのですが未だ適っていません。
因みに農家林家の鏡の様な響氏は、若者の指導や子供達の体験講習も提供したりしていて超多忙ですが、携帯電話はもとよりファクシミリも無い家です。それで、周りのみんなが連絡するのにも往生しているのですが、今後もスタイルを変える気はないとのこと。
ところが、先年亡くなられた、これまた島根の自伐林家の鏡の様な栗栖氏(60ha程度の自分の山だけで食べて来た多様で美しい山造りをして来られた方)も、まるきり同じだったそうです。
なので、先日の県林研の総会の時に副会長の野田氏(NPO法人もりふれ倶楽部事務局長)が、山で食べて行くのに携帯やネットなどはなくても大丈夫だから、と言っていました。
やはり、山の心、人の心が解り、それを慈しみ育てる気持ちを持てる人が山に沿って生きて行けるのではないでしょうか。
現場で感じて(観じて)、自分の頭で考えて道を拓いていくことが大自然に生かされて、自然を守ることに繋がって行くのではと思います。徳島の、壊れない山に優しい作業路作りで個人林家として成功している橋本さんご家族も同じ様に見受けられます(橋本さんは携帯は持っていますけどね)。
またまた、能書き炸裂ですが、やっぱり農山村に住むのだったら、農だけでなく林の方も出来ないと面白く無いですよね。それも自分たちで製材出来るのが良いです。若者よ、目指せ響家!って事で頑張りましょう。
以上
※マルイチさん:アウトドアショップKさんの技術スタッフであるポール・ウィンター氏が所属する特殊伐採や大径木伐採を得意とする会社。JR路線脇の支障木伐採をウッドタワー工法によって行う。ご参考に八戸森林組合さんの記事へリンクさせて頂く。八戸森林組合さんは、プロトスヘルメットやチェンソープロテクションパンツで有名なオーストリアのファナー社の製品を日本に導入した会社。湿気の多い日本向けのチェンソーパンツや日本人の足に合ったチェンソーブーツの開発などにも余念がない注目の事業者。ブログは要チェック。