5月の終わり長野市で開催された「国際ウッドフェア24日〜26日」に出展するというアウトドアショップKさんの手伝いで一週間ほど長野へ行っていた。
22日の朝は島根の益田市匹見町へ。協力隊向けの自伐型作業路開設の指導に来られていた徳島の橋本先生のところへご挨拶に寄る。
今年度益田市は橋本先生を可也の頻度で招聘して技術指導を行う予定にしている。
本当はこの講習に協力隊がどんな具合か二日間ほど見学に行く予定だったのだが(県林研の理事会があったり、女子合宿もやる予定だった)、急遽長野行きが決まったので全部キャンセル。
【伊那までたどり着けず】
まずは伊那まで760kmの道のり。ところが名神の集中工事で渋滞。草津から一宮、そして小牧の手前で暗くなってからのノロノロ運転。
せっかく渋滞がない島根に来たのに。。。疲れ果てて初日の夜は、小牧から中央道に入った最初のパーキング、内津峠でダウン。
でも、アルコールは焼酎・ウィスキー・ビールと各種積んであるし、草津のサービスエリアで買った食料もある。
そんな時でも、美味しく食べることへの執着が強いので、ホームセンターで買って使っているダッチオーブンのスキレットで惣菜を温める。
此のホムセン機種の低価格スキレットは、素晴らしいことに蓋が分厚くて重たいので、この蓋をコンロでチンチンに焼いておくと他の小型スキレットよりもオーブン料理に威力を発揮する。
当家の日常に於いて、これら小型の蓋付きスキレットは、冷えたご飯を温めるのにも、魚や肉を焼いたり、はたまたキッチンペーパーを敷いておいて天ぷらを温めるとカリカリになるので大活躍。
そしてトーストもコンガリと焼けるし調理パンを温めるのにもよい。お餅もこんがりと綺麗に焼ける万能ぶり。それに油を敷いて魚を塩焼きしても(油は良いものをね)全然油っぽくない。
此れならば体に悪い電子レンジ(ロシアでは販売禁止だとかの噂)がなくてもなんでもできるし、そして別次元に素晴らしく美味しい!蓄熱が良い道具の遠赤輻射熱の調理効果だね。
その上、キャンピングカーとかでなくてもコンロやバーナーが置ける平たい場所を作れば、車内でも活用できる。と言うわけで、道具満載の狭い車内でも美味しく食べて速攻寝た。
そう、道具満載なのは、実はウィンチやロープ類、チェンソーばかりでなくて食事関係のものも多いのだ。でも、備えあれば憂いなし。どこでも美味しく食べられる、、、って、食べ物に執着しすぎ?(ま、嫁さんもこんな蕎麦屋をやっていたし...)
そういえば、6年前に関東から放射能避難で島根へ野宿しながら来た時もデリカの4WDバンに鋳物の竃から羽釜、ダッチオーブン、そしてそば打ち道具まで積んであったっけ・・・(チェンソーもね)
おっとっと・・・そうしたら寝過ごして目が覚めると既に6時半。それからも、しつこく朝食も食べたりしていたら集合時間に遅刻。
1年近く前に新装開店したアウトドアショップKさんのお店に到着すると、すでにウッドフェアへの搬入物を積み込み終わっていて、スタッフ全員、そして株式会社マルイチさんのスタッフまで揃ってお待ちかね(マルイチさんの技術開発本部は同じ建物内のため)。
まずは影のフィクサー、Kさんのお母さんに貢物をお渡しする。御年85歳、パジェロミニで軽やかに活動しているヒマラヤにも登ったこともあるアウトドアショップKの金庫番だ。
そのODSKの小坂さんにもお世話になっている挨拶をして、スタッフの中原氏にも持ってきた展示用品の説明をする。流石、Kさんの仕事をしているだけあって事情に詳しくて勉強になる。
それから各車、長野市に向かってスタート。
【同じ匂いを感じる車】
さて、右の画像は中央道で塩尻に入ったところ。
先行車はウッドタワー工法でJR沿線の特伐をやっている株式会社マルイチのS根氏の車。ベース車両は日産アトラスだ。
道具をたくさん積んだうちのデリカスターワゴンは、ターボを回すと途端に燃費が悪くなるので、高速で80kmプラス程度。
市街地でも山坂があると、このアトラスとほとんど同じ速度しか出ない。伊那市は坂が多く、丘陵地帯が多い横浜市以上の急な山坂が多いのだ。市街地なのに、まるで島根の山奥ね。
長野道の姨捨サービスエリアで昼食のために集合。まじまじとこの車の観察。
みんな好きなんだよね、この手の道具としての車。
助手席なんかパイプシートだもんね。でも、結構のり心地が良いとマルイチF原氏。
そのお方は、Kさんお墨付きの理論派。本当は島根の講習にはF原氏と考えて居たらしいけど、マルイチさんに取られてしまって未だ実現せず。
島根には、中原さんもそうだけど、みんな来たがって居て、ポールさんが島根に行きたいと・・・なんか話を聞いていると魚と美味しい日本酒が好きらしい。イギリス人って、そんなのありですか?
なので今秋の島根講習はリギングの場所さえ見つかればポールさんの島根講習があるか・・・・も。雲南市のクライマー堀江氏にも、西部の柿木村のタブちゃんにもポールさんがリギング講習できる場所がありますか? と、お願い中。
でもって話は戻って、S根氏がこの車を手に入れたのは、近所のオジさんが持っていたので、この車を譲ってくれと迫ってゲットしたんだとか。
ま、山仕事で道具が多いとこういう車は欲しくなりますわね。
「長期で現場に入るときは、この車の中で暮らしてますよ!」、とS根氏。
「夜中にドア開けて用足しているし・・・」って。
やっぱり良いでしょ、こういう車?
天井にハッチ付けようぜとか、12Vの換気扇つければ良いんじゃないのとか、他人の車にみんなで言いたいことを言う。
だって、中はこんなだもんね。なんでもやり放題だ。
夢が湧き出てくる車じゃないですか!
画像じゃわかりにくいけれど、前の運転席フロアと荷台とはメッシュワイヤーの仕切りで区切られている。
この自立的な生活機能をシステムアップできそうなアトラスに、S根氏はモバイル用のバッテリーとして「ゴールゼロYETI 150」を使っていた。
その発電用のソーラーパネルは、このアトラスのダッシュボードに乗せらるくらいの大きさのもので、ノートPCも携帯も、どれでも充電OKですよ、と言っていた。
うちのデリカには、Anker PowerHouse と、予備用のディープサイクルのオプティマバッテリーを装備していて、どちらへも走行充電が出来るようになったけど、これからソーラーパネルを屋根に設置して、此れらに充電できる準備をしている。
つまり今風の言葉で言うとオフグリッドモバイルハウス兼道具箱かな。うちの協議会では、島根県の東部をはじめとして、九州とか広島に一般市民さん向けや林研さん向けのロープワーク講習とか搬出講習をやりにいくことがある。その場合には、屋根の上まで道具満載で行くことが多いので、宿屋に泊まらない場合には道具箱状態の車中で暮らすことに。
もし世の中何かあっても、これら山仕事の道具があれば小屋ぐらい建てられる。その上、うちのデリカには(先代のデリカバンの時から)人力伐採用のノコと根切りヨキや手斧も積んであるし、ウィンチ用のロープと滑車類もあり、金矢も何本も積んであるから、工夫すれば人力伐採搬出加工まで可能。万が一原油が入らなくなっても最低限のことはできる様に設備してある。
と言うことで、デリカ一台あれば何処でも暮らせることに・・・
なので、みんな他の人がどうやっているのか興味津々。そして、このソーラー充電のモバイルバッテリーの機種はけっこう使いやすそうだった。
さて、その後アトラスは、そのまま国際ウッドフェアが開催される長野市のビッグハットの施設内へ。ウッドタワー研究会のブースへ搬入して道具類を下ろす。
ウッドタワー研究会のブース。
そこで気がついたのは、ポールさんをはじめマルイチの人たち、それからアウトドアショップKさんの人たちの仕事の丁寧さだ。
特伐をやる人達だからか?この様な展示会の飾り付けも、ものすごく丁寧で美しい仕事をする。
このことを、ウッドタワー研究会の立役者、山岸委員長(青葉緑化工業 株式会社長野営業所長)に尋ねたら、『危ない仕事をする人はみな同じだと思いますよ。』、と言われた。
【こちらは、人間も時々住む犬の住居車】
こちらは外のエリアにあるアウトドアショップKのブースの前。
通りがかりのおじさんが覗いているのは、アウトドアショップKのスタッフ、小坂さんの愛車の荷台。
そして、その頑丈な内扉の中には・・・
小坂さんの愛犬チェスと、小坂さんが寝るベッドが・・・
車は古い四駆のボンゴディーゼル。ちゃんと副変速機付き。
「当たり前ですよ〜!」、と小坂さん。
小坂さんは、自分で家を建てる様な人なので、犬小屋兼・トランスポータ兼・時々住居兼・道具箱車はタフなものでないとやってられないのだ。
そして、小坂さんは会期3日目の午後早々には、他のマルイチの人たちを残して笑顔満面で青森の八戸に向かって旅立って行った。
この後は、八戸でマルイチさんのウッドタワー工法の講習があるのだが、みんなの噂じゃ、鳥海山に行くつもりだぜとか、岩手回りかななどと、絶対真っ直ぐに行かないでこの犬小屋ごとあちこち愛犬チェスを連れて回るつもりなのがバレバレなのにね。
追:小坂さん、この記事を観たと。。。ボンゴが進化中と画像を下さった。
なかなか居心地が良さそうではありませんか。
皆さんテイストが違っていて楽しいですね。
この画像はご自宅も進化中ということかな〜。
その小坂さんも島根に来られたいとのこと。今度の島根講習の予定は11月の最初だったのだが、ポールさんが来るとなると、予定の時期には三重県の尾鷲で外人の人たちが何人も来てリギング講習をやる様子。
そのあとに島根に来るとなると二週目か・・・ところが、ポールさんに聞いたら、野宿はノーサンキューらしい。
でも、小坂さんのこの車だったらポールさんも寝られるかも。。。
さて、会期の2日目は雨のため、休みとなった現場の人たちが大勢寄ってくれた。
伊那の馬搬のヨッさんも道具やパネルを展示。馬搬は興味ある人が多かったね。
何と言っても石油がなくても、人間では出来ない様なお仕事できるし、それに今も田んぼでも働いて貰っているそうだ。
でも、馬選びは難しいとか。
あ、そうそう。わたしの方はと言うと、匹見・縄文之森協議会で設備しているロープ架線システム(荷揚げ線も3倍力にした:ODSKさんで扱っているWエンドプーリーを使うと3倍力にできる)とか、PCW3000のワンパックウィンチセットとかと、あとは日頃、一般市民向けの集材研修で使っているパワーポイントのテキストが140ページ近くあるので、Kさんたちがその中の関連のものをピックアップして展示してくれた。
条件が良いと、一人でも30分程度で架設できる短距離のロープ架線システムは、機動的な小規模の搬出に活躍するので、そういった小さい規模の作業をしている人たちに受けていた。
これが一般市民向けだけではなくて、専門にやっている林業者の人たちにも受け入れられるものなのだと改めて認識。
そりゃそうですよね。ワイヤーで架線張るのは、張るときはまだしも、片づけるときが大変。
その点、ロープだったら立木にプーリー下げて於いて、その下のロープバッグに架線用のロープを手繰りながら順に突っ込んでいけば良いだけ。
撤収が超楽なのだ(張るときにはロープバッグ担いで歩いて行くだけでロープを伸展できるしね)。
そして、このウッドフェアでは静岡の林研の方々や長野の林研の方々と親交を深められた。
さて、このキャレッジは土佐の森のキットの板をお化粧したもの。
うちは林内作業車も土佐の森のキットもあるけれど、ちょこっとした搬出ならばPC(ポータブルキャプスタン)ウィンチの搬出システムで機動的に作業ができるし、それとロープ架線があれば場所の悪いところでも出し易い。
そうやってお安くやれることを一般市民さんに教えている。初期投資が半分くらいで済むからね。その方が、山に取り組みたいという(マジな)人たちにとって敷居が低くなるので裾野が広がるでしょ。
また、林内作業車があろうがバックホウがあろうが大規模な架線システムがあろうが、小型のPCW3000とそれに関わるロープによる小規模な搬出システムは、将来的にもどこかの場面で役に立つから設備していて無駄にはならない道具として優れているからだ。
昔、引っ張りだこというワイヤーを引くエンジンウィンチがあったが、それよりも軽くて機能的なものが、このPCウィンチだ。
我々は、一つの手法にこだわる必要もないないのでいいとこ取りしてさらに良いシステムを作って行けば良いだけ。だから、アウトドアショップKさんで扱っているアーボリストたちの道具を自伐の手法に取り入れたわけだし。そして自伐だけでなく森林ボランティアにも、それから薪割リストにだって、こういった搬出方法はより安全で楽な手法なのは明らかだろう。
ところで、ロープ架線を導入したのは今から5年ちょっと前。協議会を立ち上げた時だ。そのしばらく前には、PCウィンチを売っている某社社長と自伐を推進している某氏が某所の某席で一緒になり、某氏にPCウィンチは素人向けだと言われた某社長が、「これだったらどうだ!」、と発奮してロープ架線集材システム(荷揚げ線2倍力)を作った。
それで、当時ちょうどPCウィンチをオーダーしていた私に、儲け抜きで売ってくれたのが第一号。
その時に納入されたキャレッジはアルミ板の分厚いもの。下画像の綺麗なお化粧は、今回の展示用におこなったもの。ただのアルミ板に穴が開いただけだったので此れは少し手を入れて加工してある。
ただ、実際の現場において斜面での揚げ荷の場合は、戻す時に重たい方が使いやすいので、土佐の森のキャレッジを使うことがほとんど。
さてさて、一般の人たちで、同じエリアからそんなにガンガン出す必要のない人たちは意外と多く居り、一箇所から沢山出すよりも、あちこちの条件の悪いところから楽に作業ができたり、またはより安全性が高まったりする方が、一般市民さんによる森林資源活用の裾野が広がって行くのだと思うが如何だろうか。
そんなことで会期終了後も、アウトドアショップKさんの旧店舗の二階に居候して、頼まれた記事の原稿書きをやっていたのだった。それは、一般市民さん向けの森林資源活用にフィーチャーした農文協の本の記事なのだが、締め切りがウッドフェアの会期と被ったので延長願いをしていた。
この農文協さんの出版物について言うと、ご存知の方も多いと思うが、一般書店に山積みされてよく売れている現代農業誌でも林業関係の記事がたまに載っているし、もう一つの地方移住者の若者たちと地域の人たちが盛り上がっている記事が載っている季刊地域誌には、自伐型林業や森林資源活用について毎回採り上げられている。
つまり林業者(山主ではない事業体の作業員を含めて)ではない一般の方々にも森林資源の活用に関しての意識が高まっているのだろう。それは土佐の森の方々や木の駅プロジェクトの方々の功績だろう。
その様な流れの中で、以前に季刊地域に楽な丸太の人力積み込みの記事をちょこっと書いたので、今度は予定されている単行本の「小さい林業で稼ぐコツ(仮)」という本にも載せたいとのことを農文協担当者のオファーがあった。
それで、前の記事のままだとつまらないと言って、今回は50cm元口4m材を2t車へ、人力で一人で積む方法などについての内容をさらに足してリライトしていたのだった。
そして、当然のごとく?、伊那の夜は動物横丁の亀さんへ飲みに行った(去年は三日間通った)。
【帰路も野宿】
いい歳して好きなことしかやってこなかった罰で懐がさみしい癖に、つい美味しいものに投資してしまい更に心もとなくなった挙句に、長野行きのツアーの最後、帰りの広島でも野宿だった。
というのも、島根のお隣の広島でも、今年度一般市民さん向けの集材講習やチェンソー講習の依頼があるので、その打ち合わせ3件をこなすに当たって、先ずは広島の山の中で野宿という訳?
基本デリカは山仕事の道具を積まなくてはならないし、そして人も乗せなくてはならないので、車中泊仕様とかキャンピング仕様には出来ない。不定形の道具類を満載することもあるしね。
でも、電源とか食料のアルコール、そして水もデリカには積んでいる。なので、この日は天候も良かったので水が湧いている林道脇で野宿。水場があると洗い物が楽なのだ〜。
そもそも広島で野宿することになった原因といえば、安芸高田市の木の駅の担当者である地域おこし協力隊のM岸君が、「月曜日が1日だめになっちゃったんですよ〜!」、などと急に言ってきたからだ。
そして、翌朝火曜日の打ち合わせには、ネクタイ姿だけどヒゲ面のまま、そして前の晩にウッドストーブで焚き火臭くなったそのままで市役所に出向いてやった。
『風呂とか行かないんですか?』、とか言われたけど「そんな金なんかねえよ。」、と早く酒飲みたくて夕方明るいうちに山奥に入って行った言い訳をする。
野宿の朝早く起きて農文協の原稿の図面もメイル添付で送ってあったので、打ち合わせ終了のあとはノンビリ雲南市に回る。
帰りついでに雲南市でもお仕事。そうでないと横に長い島根では燃料代が掛かってしまい大変だからね。。
【次回記事の予告?】
デリカにはリアシートでちょこちょこっと調理して食べられる様に道具類が揃っている。
明るい色のカイデックスで、最近になって自作したシースつきのペティナイフもある。
こういった刃物類を持って山に行くにもシースの良いものに入ってないと危ないからね。
じつは10年くらい前に全林協さんの本でカイデックスを使ったシース作りの技を披露した。
そして、最近は様々なカラーのカイデックスシートが出ているので、最近シース作りを再開して、またまたアイテムを増やし始めている。
このところ、トビや手トビ用のシース、グレンスフォシュのスモールフォレスターのシースなども作った。
また、余裕ができたらシース作りを記事にしたいなぁ〜なんて・・・そんな余裕があるのかないのか。
でも、小出しすると。。。
こんなの作って居ました。トビはデリカの車の中に積んでいるので先っぽが危ないため。
グレンスフォシュの斧は、付属で付いてくる皮のものだと心もとなくて、安心して腰袋に突っ込めないため。
カイデックスならば硬いし外れないので。
こんな造りならば、山から転げ落ちた時でも、刃で自分を傷つけることもないかと。
それから刃先はちゃんとカイデックス3枚合わせとなっとります。
この新顔の道具、グレンスフォシュのスモールフォレストアックスは、帰りにアウトドアショップKさんの駒ヶ根店、スポーツ館に行ったら置いて有ったので、うっかり買ってしまったもの。
他にもスカンジナビアフォレストもあったけど、、、危ねえ危ねえ・・・ まだ、請求書が来ないなあ。。。
それから手トビのシース。いつもゴム管はめていたけど、しょっちゅう落としてしまい、爪の先が腕などを囓って痛いのでシースを作った。
西山商会の手トビはハンマー替わりにもなるけど、重量がないので素直な中径木や小径木用。
で、真ん中の蛍光グリーンのシースは何を入れているか分かるかなあ?
そうですね。この手トビで叩く相手はハスクのマグネシウムクサビ。小さいやつね。
こんな風になっとります。上下から差し込んでホールド。
だって、二枚とも上からだけだと、厚みが出て腕に干渉するでしょ。
だから上下の二方向から一枚ずつ差し込める様に作った。
落ちませんよ。カイデックスの反発力でしっかりホールドしているからね。
でも、これは作るのが大変! 3パーツをぴったりと合わせなくてはならないからね。
なので、こんど治具を作ろうかなと。
えっ?量産するつもりなのか...
今回も簡単なつもりで書き始めた記事がまたちょっと長めになってしまい。。。
いや、けっして暇なのではなく、やることたくさんあるのだが。。。でも稼ぎにはならない、という。ちょっと仕事から逃げて関係ない記事作り。。。
さてさて、結局、うちの車は代が変わっても、いつも野宿仕様、、、もとい夜逃げ仕様と言われている。身は軽いんだけど、最近は林業関係の道具が多くてね〜。それも重たい道具が・・・困った困った。以上
1年近く前に新装開店したアウトドアショップKさんのお店に到着すると、すでにウッドフェアへの搬入物を積み込み終わっていて、スタッフ全員、そして株式会社マルイチさんのスタッフまで揃ってお待ちかね(マルイチさんの技術開発本部は同じ建物内のため)。
まずは影のフィクサー、Kさんのお母さんに貢物をお渡しする。御年85歳、パジェロミニで軽やかに活動しているヒマラヤにも登ったこともあるアウトドアショップKの金庫番だ。
そのODSKの小坂さんにもお世話になっている挨拶をして、スタッフの中原氏にも持ってきた展示用品の説明をする。流石、Kさんの仕事をしているだけあって事情に詳しくて勉強になる。
それから各車、長野市に向かってスタート。
【同じ匂いを感じる車】
さて、右の画像は中央道で塩尻に入ったところ。
先行車はウッドタワー工法でJR沿線の特伐をやっている株式会社マルイチのS根氏の車。ベース車両は日産アトラスだ。
道具をたくさん積んだうちのデリカスターワゴンは、ターボを回すと途端に燃費が悪くなるので、高速で80kmプラス程度。
市街地でも山坂があると、このアトラスとほとんど同じ速度しか出ない。伊那市は坂が多く、丘陵地帯が多い横浜市以上の急な山坂が多いのだ。市街地なのに、まるで島根の山奥ね。
長野道の姨捨サービスエリアで昼食のために集合。まじまじとこの車の観察。
みんな好きなんだよね、この手の道具としての車。
助手席なんかパイプシートだもんね。でも、結構のり心地が良いとマルイチF原氏。
そのお方は、Kさんお墨付きの理論派。本当は島根の講習にはF原氏と考えて居たらしいけど、マルイチさんに取られてしまって未だ実現せず。
島根には、中原さんもそうだけど、みんな来たがって居て、ポールさんが島根に行きたいと・・・なんか話を聞いていると魚と美味しい日本酒が好きらしい。イギリス人って、そんなのありですか?
なので今秋の島根講習はリギングの場所さえ見つかればポールさんの島根講習があるか・・・・も。雲南市のクライマー堀江氏にも、西部の柿木村のタブちゃんにもポールさんがリギング講習できる場所がありますか? と、お願い中。
でもって話は戻って、S根氏がこの車を手に入れたのは、近所のオジさんが持っていたので、この車を譲ってくれと迫ってゲットしたんだとか。
ま、山仕事で道具が多いとこういう車は欲しくなりますわね。
「長期で現場に入るときは、この車の中で暮らしてますよ!」、とS根氏。
「夜中にドア開けて用足しているし・・・」って。
やっぱり良いでしょ、こういう車?
天井にハッチ付けようぜとか、12Vの換気扇つければ良いんじゃないのとか、他人の車にみんなで言いたいことを言う。
だって、中はこんなだもんね。なんでもやり放題だ。
夢が湧き出てくる車じゃないですか!
画像じゃわかりにくいけれど、前の運転席フロアと荷台とはメッシュワイヤーの仕切りで区切られている。
この自立的な生活機能をシステムアップできそうなアトラスに、S根氏はモバイル用のバッテリーとして「ゴールゼロYETI 150」を使っていた。
その発電用のソーラーパネルは、このアトラスのダッシュボードに乗せらるくらいの大きさのもので、ノートPCも携帯も、どれでも充電OKですよ、と言っていた。
うちのデリカには、Anker PowerHouse と、予備用のディープサイクルのオプティマバッテリーを装備していて、どちらへも走行充電が出来るようになったけど、これからソーラーパネルを屋根に設置して、此れらに充電できる準備をしている。
つまり今風の言葉で言うとオフグリッドモバイルハウス兼道具箱かな。うちの協議会では、島根県の東部をはじめとして、九州とか広島に一般市民さん向けや林研さん向けのロープワーク講習とか搬出講習をやりにいくことがある。その場合には、屋根の上まで道具満載で行くことが多いので、宿屋に泊まらない場合には道具箱状態の車中で暮らすことに。
もし世の中何かあっても、これら山仕事の道具があれば小屋ぐらい建てられる。その上、うちのデリカには(先代のデリカバンの時から)人力伐採用のノコと根切りヨキや手斧も積んであるし、ウィンチ用のロープと滑車類もあり、金矢も何本も積んであるから、工夫すれば人力伐採搬出加工まで可能。万が一原油が入らなくなっても最低限のことはできる様に設備してある。
と言うことで、デリカ一台あれば何処でも暮らせることに・・・
なので、みんな他の人がどうやっているのか興味津々。そして、このソーラー充電のモバイルバッテリーの機種はけっこう使いやすそうだった。
さて、その後アトラスは、そのまま国際ウッドフェアが開催される長野市のビッグハットの施設内へ。ウッドタワー研究会のブースへ搬入して道具類を下ろす。
ウッドタワー研究会のブース。
そこで気がついたのは、ポールさんをはじめマルイチの人たち、それからアウトドアショップKさんの人たちの仕事の丁寧さだ。
特伐をやる人達だからか?この様な展示会の飾り付けも、ものすごく丁寧で美しい仕事をする。
このことを、ウッドタワー研究会の立役者、山岸委員長(青葉緑化工業 株式会社長野営業所長)に尋ねたら、『危ない仕事をする人はみな同じだと思いますよ。』、と言われた。
【こちらは、人間も時々住む犬の住居車】
こちらは外のエリアにあるアウトドアショップKのブースの前。
通りがかりのおじさんが覗いているのは、アウトドアショップKのスタッフ、小坂さんの愛車の荷台。
そして、その頑丈な内扉の中には・・・
小坂さんの愛犬チェスと、小坂さんが寝るベッドが・・・
車は古い四駆のボンゴディーゼル。ちゃんと副変速機付き。
「当たり前ですよ〜!」、と小坂さん。
小坂さんは、自分で家を建てる様な人なので、犬小屋兼・トランスポータ兼・時々住居兼・道具箱車はタフなものでないとやってられないのだ。
そして、小坂さんは会期3日目の午後早々には、他のマルイチの人たちを残して笑顔満面で青森の八戸に向かって旅立って行った。
この後は、八戸でマルイチさんのウッドタワー工法の講習があるのだが、みんなの噂じゃ、鳥海山に行くつもりだぜとか、岩手回りかななどと、絶対真っ直ぐに行かないでこの犬小屋ごとあちこち愛犬チェスを連れて回るつもりなのがバレバレなのにね。
追:小坂さん、この記事を観たと。。。ボンゴが進化中と画像を下さった。
なかなか居心地が良さそうではありませんか。
皆さんテイストが違っていて楽しいですね。
この画像はご自宅も進化中ということかな〜。
その小坂さんも島根に来られたいとのこと。今度の島根講習の予定は11月の最初だったのだが、ポールさんが来るとなると、予定の時期には三重県の尾鷲で外人の人たちが何人も来てリギング講習をやる様子。
そのあとに島根に来るとなると二週目か・・・ところが、ポールさんに聞いたら、野宿はノーサンキューらしい。
でも、小坂さんのこの車だったらポールさんも寝られるかも。。。
さて、会期の2日目は雨のため、休みとなった現場の人たちが大勢寄ってくれた。
伊那の馬搬のヨッさんも道具やパネルを展示。馬搬は興味ある人が多かったね。
何と言っても石油がなくても、人間では出来ない様なお仕事できるし、それに今も田んぼでも働いて貰っているそうだ。
でも、馬選びは難しいとか。
あ、そうそう。わたしの方はと言うと、匹見・縄文之森協議会で設備しているロープ架線システム(荷揚げ線も3倍力にした:ODSKさんで扱っているWエンドプーリーを使うと3倍力にできる)とか、PCW3000のワンパックウィンチセットとかと、あとは日頃、一般市民向けの集材研修で使っているパワーポイントのテキストが140ページ近くあるので、Kさんたちがその中の関連のものをピックアップして展示してくれた。
条件が良いと、一人でも30分程度で架設できる短距離のロープ架線システムは、機動的な小規模の搬出に活躍するので、そういった小さい規模の作業をしている人たちに受けていた。
これが一般市民向けだけではなくて、専門にやっている林業者の人たちにも受け入れられるものなのだと改めて認識。
そりゃそうですよね。ワイヤーで架線張るのは、張るときはまだしも、片づけるときが大変。
その点、ロープだったら立木にプーリー下げて於いて、その下のロープバッグに架線用のロープを手繰りながら順に突っ込んでいけば良いだけ。
撤収が超楽なのだ(張るときにはロープバッグ担いで歩いて行くだけでロープを伸展できるしね)。
そして、このウッドフェアでは静岡の林研の方々や長野の林研の方々と親交を深められた。
さて、このキャレッジは土佐の森のキットの板をお化粧したもの。
うちは林内作業車も土佐の森のキットもあるけれど、ちょこっとした搬出ならばPC(ポータブルキャプスタン)ウィンチの搬出システムで機動的に作業ができるし、それとロープ架線があれば場所の悪いところでも出し易い。
そうやってお安くやれることを一般市民さんに教えている。初期投資が半分くらいで済むからね。その方が、山に取り組みたいという(マジな)人たちにとって敷居が低くなるので裾野が広がるでしょ。
また、林内作業車があろうがバックホウがあろうが大規模な架線システムがあろうが、小型のPCW3000とそれに関わるロープによる小規模な搬出システムは、将来的にもどこかの場面で役に立つから設備していて無駄にはならない道具として優れているからだ。
昔、引っ張りだこというワイヤーを引くエンジンウィンチがあったが、それよりも軽くて機能的なものが、このPCウィンチだ。
我々は、一つの手法にこだわる必要もないないのでいいとこ取りしてさらに良いシステムを作って行けば良いだけ。だから、アウトドアショップKさんで扱っているアーボリストたちの道具を自伐の手法に取り入れたわけだし。そして自伐だけでなく森林ボランティアにも、それから薪割リストにだって、こういった搬出方法はより安全で楽な手法なのは明らかだろう。
ところで、ロープ架線を導入したのは今から5年ちょっと前。協議会を立ち上げた時だ。そのしばらく前には、PCウィンチを売っている某社社長と自伐を推進している某氏が某所の某席で一緒になり、某氏にPCウィンチは素人向けだと言われた某社長が、「これだったらどうだ!」、と発奮してロープ架線集材システム(荷揚げ線2倍力)を作った。
それで、当時ちょうどPCウィンチをオーダーしていた私に、儲け抜きで売ってくれたのが第一号。
その時に納入されたキャレッジはアルミ板の分厚いもの。下画像の綺麗なお化粧は、今回の展示用におこなったもの。ただのアルミ板に穴が開いただけだったので此れは少し手を入れて加工してある。
ただ、実際の現場において斜面での揚げ荷の場合は、戻す時に重たい方が使いやすいので、土佐の森のキャレッジを使うことがほとんど。
さてさて、一般の人たちで、同じエリアからそんなにガンガン出す必要のない人たちは意外と多く居り、一箇所から沢山出すよりも、あちこちの条件の悪いところから楽に作業ができたり、またはより安全性が高まったりする方が、一般市民さんによる森林資源活用の裾野が広がって行くのだと思うが如何だろうか。
そんなことで会期終了後も、アウトドアショップKさんの旧店舗の二階に居候して、頼まれた記事の原稿書きをやっていたのだった。それは、一般市民さん向けの森林資源活用にフィーチャーした農文協の本の記事なのだが、締め切りがウッドフェアの会期と被ったので延長願いをしていた。
この農文協さんの出版物について言うと、ご存知の方も多いと思うが、一般書店に山積みされてよく売れている現代農業誌でも林業関係の記事がたまに載っているし、もう一つの地方移住者の若者たちと地域の人たちが盛り上がっている記事が載っている季刊地域誌には、自伐型林業や森林資源活用について毎回採り上げられている。
つまり林業者(山主ではない事業体の作業員を含めて)ではない一般の方々にも森林資源の活用に関しての意識が高まっているのだろう。それは土佐の森の方々や木の駅プロジェクトの方々の功績だろう。
その様な流れの中で、以前に季刊地域に楽な丸太の人力積み込みの記事をちょこっと書いたので、今度は予定されている単行本の「小さい林業で稼ぐコツ(仮)」という本にも載せたいとのことを農文協担当者のオファーがあった。
それで、前の記事のままだとつまらないと言って、今回は50cm元口4m材を2t車へ、人力で一人で積む方法などについての内容をさらに足してリライトしていたのだった。
そして、当然のごとく?、伊那の夜は動物横丁の亀さんへ飲みに行った(去年は三日間通った)。
【帰路も野宿】
いい歳して好きなことしかやってこなかった罰で懐がさみしい癖に、つい美味しいものに投資してしまい更に心もとなくなった挙句に、長野行きのツアーの最後、帰りの広島でも野宿だった。
というのも、島根のお隣の広島でも、今年度一般市民さん向けの集材講習やチェンソー講習の依頼があるので、その打ち合わせ3件をこなすに当たって、先ずは広島の山の中で野宿という訳?
基本デリカは山仕事の道具を積まなくてはならないし、そして人も乗せなくてはならないので、車中泊仕様とかキャンピング仕様には出来ない。不定形の道具類を満載することもあるしね。
でも、電源とか食料のアルコール、そして水もデリカには積んでいる。なので、この日は天候も良かったので水が湧いている林道脇で野宿。水場があると洗い物が楽なのだ〜。
そもそも広島で野宿することになった原因といえば、安芸高田市の木の駅の担当者である地域おこし協力隊のM岸君が、「月曜日が1日だめになっちゃったんですよ〜!」、などと急に言ってきたからだ。
そして、翌朝火曜日の打ち合わせには、ネクタイ姿だけどヒゲ面のまま、そして前の晩にウッドストーブで焚き火臭くなったそのままで市役所に出向いてやった。
『風呂とか行かないんですか?』、とか言われたけど「そんな金なんかねえよ。」、と早く酒飲みたくて夕方明るいうちに山奥に入って行った言い訳をする。
野宿の朝早く起きて農文協の原稿の図面もメイル添付で送ってあったので、打ち合わせ終了のあとはノンビリ雲南市に回る。
帰りついでに雲南市でもお仕事。そうでないと横に長い島根では燃料代が掛かってしまい大変だからね。。
【次回記事の予告?】
デリカにはリアシートでちょこちょこっと調理して食べられる様に道具類が揃っている。
明るい色のカイデックスで、最近になって自作したシースつきのペティナイフもある。
こういった刃物類を持って山に行くにもシースの良いものに入ってないと危ないからね。
じつは10年くらい前に全林協さんの本でカイデックスを使ったシース作りの技を披露した。
そして、最近は様々なカラーのカイデックスシートが出ているので、最近シース作りを再開して、またまたアイテムを増やし始めている。
このところ、トビや手トビ用のシース、グレンスフォシュのスモールフォレスターのシースなども作った。
また、余裕ができたらシース作りを記事にしたいなぁ〜なんて・・・そんな余裕があるのかないのか。
でも、小出しすると。。。
こんなの作って居ました。トビはデリカの車の中に積んでいるので先っぽが危ないため。
グレンスフォシュの斧は、付属で付いてくる皮のものだと心もとなくて、安心して腰袋に突っ込めないため。
カイデックスならば硬いし外れないので。
こんな造りならば、山から転げ落ちた時でも、刃で自分を傷つけることもないかと。
それから刃先はちゃんとカイデックス3枚合わせとなっとります。
この新顔の道具、グレンスフォシュのスモールフォレストアックスは、帰りにアウトドアショップKさんの駒ヶ根店、スポーツ館に行ったら置いて有ったので、うっかり買ってしまったもの。
他にもスカンジナビアフォレストもあったけど、、、危ねえ危ねえ・・・ まだ、請求書が来ないなあ。。。
それから手トビのシース。いつもゴム管はめていたけど、しょっちゅう落としてしまい、爪の先が腕などを囓って痛いのでシースを作った。
西山商会の手トビはハンマー替わりにもなるけど、重量がないので素直な中径木や小径木用。
で、真ん中の蛍光グリーンのシースは何を入れているか分かるかなあ?
そうですね。この手トビで叩く相手はハスクのマグネシウムクサビ。小さいやつね。
こんな風になっとります。上下から差し込んでホールド。
だって、二枚とも上からだけだと、厚みが出て腕に干渉するでしょ。
だから上下の二方向から一枚ずつ差し込める様に作った。
落ちませんよ。カイデックスの反発力でしっかりホールドしているからね。
でも、これは作るのが大変! 3パーツをぴったりと合わせなくてはならないからね。
なので、こんど治具を作ろうかなと。
えっ?量産するつもりなのか...
今回も簡単なつもりで書き始めた記事がまたちょっと長めになってしまい。。。
いや、けっして暇なのではなく、やることたくさんあるのだが。。。でも稼ぎにはならない、という。ちょっと仕事から逃げて関係ない記事作り。。。
さてさて、結局、うちの車は代が変わっても、いつも野宿仕様、、、もとい夜逃げ仕様と言われている。身は軽いんだけど、最近は林業関係の道具が多くてね〜。それも重たい道具が・・・困った困った。以上