本記事は、野山での調理道具---1)「最近買ったもの」の続き。またまた道具自慢の記事か?いやいや、良い道具はちゃんと使えなければ倉庫の肥やし。それに高い道具を使いこなせない奴ほどみっともない人間はいない?

 ひ弱で能書きばかりの奴が、少しでも道具を使いこなせる様になりたいと足掻いているのがこのブログのあちこちににじみ出ているということで。
 小規模の森林資源活用でも、(森から調達するにしても)なんらかの道具がなければ大したことはできないからね。

 街場で育った頭ばかりのひ弱なわたしが、年食って田舎に来て、太い木を安全に伐って山から搬出して来られる様になったのも、これも良い道具のお陰。バックホウとか重機がなくても手で運べるポータブルな道具(ロープウィンチとロープ類)でできる様になったということ。

 つまり、専門の林業者ではない一般人が山の太い木を山裾まで出せるところまでできるわけ。ま、場所によるけれど、高強度のロープやワイヤーで軽架線を張って、つないで行けば何処までも出せることは理論上可能。

 男は古代から狩猟や収穫のための道具を使うDNAがあり、より良い道具には心ときめき夢を描いていく精神性がある。「あれが有ればこんなことができる様になる。」、とか、「彼処を改造すればもっと使いやすくなるんじゃないか?」、などと常に妄想している生き物なのだ。
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 それが、「アレさえ有れば、この状態・状況を突破できるのに!」、となったら此れは依存心の表れ。周りから、『道具が有ったって、使いこなせなかったら出来るわけないだろ!』、とヤジが飛ぶ。

 そして、大抵は手に入れてみたものの、使ってみれば自分が思ったほどには使いやすくは無かったという結果。人生、そんなことを何回繰り返したことか。

 それよりも、今持っているものを改造したり、はたまた知恵を使って有るものを応用して新しい手法を創り出すか、はたまた道具を造ってしまうという手があるというところまでたどり着く。

 とは言っても、先ずは知恵が篭った道具をリスペクトするところから。今回は食のための道具類の一端を。

 男は何時まで経っても男の子ということで、金属もののガチャガチャするものは好き。ああ、困った困った。



【整理ついでに何があるか撮影】

 車で山に入る時や野宿的車中泊などで使う調理器具は数が限られている。だが、夫婦での長旅だと食材に素敵なものが手に入った時にはできるだけ美味しく食べたいという欲があるので持っていく道具も増えてしまいがち。
 とはいっても、大抵は山仕事の道具やら色々積荷が多いので、嵩張って重たいものは10インチのスキレットくらいがやっと。

 その他は、軽量で調理後の後処理が楽なものを選ぶことに。先月9月には車検があって、車に載せて居た荷物類を降ろしたので、ついでに道具も整理、持っているものを撮影してみた。

IMG_7917(1) こちら湿気が多い山陰では特にだが、暑い時期に車に積みっぱなしだと、使用後の処理をしておいてもダッチオーブンやスキレットはカビたり錆びたりすることがあるので、時々出してみないと怖いのだ。

 昔、奥多摩か富士山で、きのこパーティをやろうとして、仲間が持っていたキャンプ用の食器セットを使おうとしたら、うっすらと色が緑っぽくコーティングされていたことがあった。

 水は勿体ないので、ティッシュに焼酎を浸して何枚も皿を拭いた思い出がある。

IMG_yamameshi2IMG_yamameshi1 季節になると頻繁にそんなことをやっているから後片付けがいい加減なまま仕舞ってしまうと結果恐ろしいことに・・・暗かったけど気がついて良かったよ。

 さて、上の画像。此れらは全部外用のもの。家の台所用のものはまたこれとは別なものがある。


 島根に来る前は、山菜だキノコだ、とシーズンには山へ繰り出すことが多かったが、島根に来てからは山の中での田舎暮らしが忙しいのでわざわざ採りに行かなくなってしまった。
 また、仕事で各地へ足を延ばすことが多いものの、懐がいつも寂しい田舎暮らし者としては車に寝泊まりするのが常となっている。

 そのために、この記事で紹介しているのは、ソロで山に入るためのものではなくて、車に積みおきし易くてわりと簡単に美味しく食べらるための道具といったところだろうか。
 故に金属物ばかり。

 画像の尺物の中華フライパンと中華お玉はチタン製のもの。20年以上前に買ったのだと思う。鉄製の中華フライパンはサイズ違いで二つ家の台所にある。当然、蓄熱能力の高い鉄製の方が弱火料理から強火まで調理がし易い。

IMG_yamameshi3IMG_yamameshi5 その点、チタンは熱伝導が悪いので、具材を焦がしやすいが、フライパン自体が錆びないので山では何かと便利。
 夜に料理を入れたままで、翌朝温めても大丈夫だし、鉄製の様に洗ってしまっておいたら何時の間にか錆びているということもない。

 また、泥がついた具材を洗うとき、例えばキノコの下茹でなどにも使い易いし、時にはサラダボウル代りにもなる。

 この片手というのが山では使いやすくて、隣の平ったいワイヤータイプの取っ手たついたものも同様のチタン製のフライパンなのだが、これにイワナの刺身や、ローストポークなど調理したものを盛り付けて回し喰い(山だとテーブルを囲んでいることは無いからね)するのにも隣の人に渡し易いのだ。

 つまり片手でフライパンを持って、片手の箸で取って食べて次の人に回し、仲間とシェアし合うというお下品なパーティには最高!
 画像はどれもかなり前に仲間と沢に泊まりで行っていた頃のもの。まあ、お上品じゃないよね。
IMG_yamameshi4 パスタ料理を作る時にもこのチタン製の中華フライパンは活躍する。そしてそのパスタ(や、お蕎麦の乾麺)を茹でるのには飯盒が使いやすい。
 乾麺を茹でるのには縦に長い方が温度低下が少なくて茹でやすいが、飯盒はさらに容量が大きいので重宝なのだ。

 大食いの人のパスタを茹でるのに3名分くらいは大丈夫。具材をたくさん入れたパスタならば4名分の麺が茹でられる。

 右画像は20年近く前だったか、仲間4人で泊まりで甲武信岳に沢登りへ行った時のもの。昼飯のベーコンチーズカレーパスタだったかな?
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 この時、夜は寒くて焚き火で石を焼いてからタオルに包んでシュラフの中で抱きかかえて寝た。

 翌朝、沢を詰めて上がった甲武信小屋では、昼にこの中華フライパン(蓋も必要)で作ったカツ煮を載せたカツ丼を皆で食べ、山小屋のお姉さんにもお裾分けを振舞ったら、小屋で食べられるなんて、と喜んでおられた。
 便利でしょ、中華フライパン。

 それから、この飯盒は今は無きモリタのテフロンコーティングのもの。いくつも使ってきて最後に残った一つなので、今も大事に使っている。テフロン加工がされているとお湯とティッシュだけで油物も綺麗にしやすいからね。

 飯盒は、幅が狭く上に長いので、長い乾麺類を茹でるのに鍋やコッフェルなどに比べて非常に使い易い。

IMG_7930(1)IMG_7932(1) さて、手前左側のステンレスの両手鍋は炭素鋼を挟んだ多層構造の高級品。
 ダッチオーブンと同じ様に蓄熱が非常に良いのでご飯を炊いて(三合は炊ける)も、煮物をしてもそうとう美味しくできる。

 いわゆる必要以上の高温を使わずに、無水鍋的な調理ができるものなので、ゆで物、煮物、蒸し物(軽く水を張って鍋に入れた皿の上に具材を)は絶品。ステンレスだから錆びないし洗い易い。
 これは35年くらい使っている。蓋が立つので転がらないし、調理の際の具材入れにも便利。

 それ以外は(ホームセンター・スキレットを除いて)殆どがチタン製と、あとはアルミにテフロン加工をしたもの。チタンは熱伝導が悪いので扱いにくいが使い方次第で便利。

 チタンのものは軽いからね。私が使っている尺物の片手中華フライパンはチタン素材のものが630g。鉄の物は1100gと、過去のわたしがアップしたプライベートサイトに記録されていた。


【一人用のもの】
IMG_7919(1) 何時も車に積んであるものはこれだけ。
 常に全部使うわけではないが、食事の内容によってその都度使い分けている。

 山で作業をするときに持って行った食材を温めるだけとか、それとも出張の際の野宿で地元産の美味しい食材が手に入った時とかで食べ方が違うからね。

 右下の分厚いアルミのテフロン加工フライパンは、16、7年前にリサイクル屋さんで50円で買ったもの。
 底に同心円状の溝が彫ってあって熱のコントロールがしやすい。

 真ん中のコッフェルは、1)の記事に載せた「エバニューのECA418 チタンクッカー3DXセラミック」。一人分のインスタントラーメンを作って、そのまま食べるのに丁度良い。

 あとは一人二人のご飯を炊くのに飯盒では大きすぎるので、飯盒の左側にあるアルミ素材のテフロンコーティングのコッフェルを使っている(実は当家は、前出の多層構造のステンレス鍋の小型のもので毎日ご飯を炊いて食べている。基本、ジャーは使わない。結婚する前からだから33年間も鍋でご飯を炊いている)。

 これは、最近買ったもので、プリムスのイージークックNS(ノンスティック)・ソロセットMというもの。何度かご飯を炊いたが使いやすかった。二人までだったらこれでOK。

IMG_7955(1)IMG_7954(1) 何故このアルミボディかというと、テフロンコーティングがしてあってもチタン素材のものは熱伝導が悪く、火が当たっているところと当たっていないところとの温度差が大きいために調理がし難いから。
 というか、チタンの様な薄手でかつ熱伝導が良く無いものは、量が多くて全体に熱を回そうとすると、どうしても強めの火加減になり、また具材が入っている喫水線部分の沸騰しがちなためにじっくり料理には向かない。

 アルミもけっして向いているわけではないが、熱伝導が良い(逆に言えば放熱効率も高い)ので強めの火を使えば全体に熱が通りやすいというわけ。

 ただし、これも放熱が良いことを原因に熱を与えぎみの料理であるがゆえに、分厚い鉄や土鍋のような輻射熱を使って具材の中まで火を通すという方式ではないので、比べると素材の味は落ち気味(ただし、電気器具での調理よりは美味しいが)。高温を使うアルミ調理器具料理は調味料の味で食べるもの。

 また、此れらのフッ素などをつかったテフロンコーティングのものは空焚きしたり硬いもので剥げさせるとそこから毒性の強いものがでるので廃棄した方が良いIMG_7934(1)が、それさえ気をつければお湯で食後の洗い物が済むために外で使いやすい。


 ついでに、調理といえば刃物が付きもの。

 一人でちょいと料理する時用のものは、右上のライムグリーンのシース(鞘)に入っているペティナイフ。

 シースはカイデックス(熱可塑性樹脂)を使った自作。ナイフは木屋製のペティナイフの#3の先を切り落としたもの。

 山で酔っ払ってその辺に置いておくと尖っているものは怖いからね。

 右画像の包丁類は外用のもの。刃物類について書き出すと長くなるので、また今度にしよう。



【家の中でも】
 下のコッフェル類は全部チタンのもの。家で嫁さんが使っているもので、先に出たものとはダブっていない。
 電気処理で青に変色させた初期のEPIのチタンコッフェルは非常に使いやすくて、もう18年くらい使っているが、今は家の中で使うための専用。

 この青色以外のコッフェルは使いにくい(お湯を沸かしていると蓋が外れて落ちたり、水滴が垂れたりする)ために外使いを卒業して、家の中の調理の際の具材入れなどに使って重宝している。
 例えばカルボナーラを作る時の卵とパルジャミーノチーズを混ぜる時とか刻んだベーコンを一時的に入れておくとか・・・・・ メーカの意図した使用場面でないときに役に立っている。(^^;;

 スノーピークのコッフェル類は、20年くらい前だかの初期の頃から最近のものまで殆ど持っている(写真のあちこちに散見されるかと思う)と思うが、どれも機能的に使い難いので食器代りとかお湯を沸かすためのサブ用にしている。

 でも、マグカップとシエラカップは家の中でも使い易いので、ロックでアルコールを飲むときとか、お湯割りとか、うがい用とか、多岐にわたって使っていて活躍中。
 外用のものは外用で別途あるので、これらは家の中用。外用と内用を共用にして両方ごっちゃにすると、必要なときに見つからなかったりするのでストレスになるからね。
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 とにかく、チタンはイオン化(口に電気が流れない)しないので金属臭がないために、陶器や木の器と同様に気にならない。
 そして軽くて壊れないので家の中でも使いやすいのだ。

 チタンスプーンも家と外用に夫婦でそれぞれ使っている。

 わたしらは変なところに拘る夫婦なので、これらのものがご参考になるかどうかは分からないが、良いものを選べば、何十年にも使えるので決して高価ということはないということ。

 そういうことで、道具は良いものを大事に使いましょう。特に山仕事の道具は時として人の命が懸かる場合があるので常にメンテナンスが必要。
 使っていないものでも、時々明るいところに引っ張り出してみないとね。今回も、油を塗っておいた刃物が数本サビが出始めていたものがあって、早期発見できてよかったよかった。

 道具の手入れも仕事の内。他の記事にも書いたかもしれないが、何年か前に架線搬出の手伝いに行ったら錆びていた主索(18mmワイヤー)が切れてわたしともう一人が危うく〇〇ところだったからね。

 他人の道具は怖いよなあ。自伐は、自分の道具だけで仕事できるから、手入れさえしていれば自己責任でと、今日も自分の道具をシコシコ磨くのであった。雨降り感謝。皆様の作業のご安全を祈りつつ。

以上