前回の記事、「オレゴン社「スピードカットシステム」ソーチェーン込みの重量比較」内に、下記のことを書いた。IMG_2362(1)

 “その下位機種であるCS42RSを、今よりも200g軽くしてくれれば4.3kgになる。それにスピードカットバーを付けられれば(マウントとオイル穴を改造?)、もの凄く使いやすいチェンソーになるだろうね。そして共立は燃費もいいしね。200g軽いと持った感じが全然違うから、本体で200g、バー&チェーンで200g弱を削れたら、全然違うマシンになってしまうと思う。”

 ご存知ない方のために念のために書くと、このCS42RSは、共立(やまびこ)のチェンソーで汎用性の高いプロ機、という感じかな。
 合併したて同じやまびこグループになった新ダイワのE1042SもCS42RSと同じものでブランド名が違うだけ。ベースは新ダイワの前の機種(これは間違い。CS42RSは共立直系。CS500が新ダイワ系。スミマセン)という噂。

 因みに共立のCS37RSは42RSと同じボディ。排気量が若干小さいだけなので本体乾燥重量もほぼ同等の100g軽いだけ。燃料タンクが若干小さいのと、バーとソーチェーンの種類が違うのだが、37ccクラス(正確には37.7cc)で、こんなに重たいんだったら42ccで良いんじゃないかと思うのだが・・・
 でも、価格が37は、2万円も安いところがミソかな。ならば42の方はもっと安くできるはず?
※追記:お願いが天に通じたのかやまびこさんに通じたのか、本体重量が200gも軽くなった機種が2019年秋にリリース予定の様子(ついに出た。2019/9/20に見てきたよ)。
 株式会社やまびこから日本人向けの43ccの新型チェンソー・・・に書きましたが、中速トルクが太くなって30%のパワーアップも実現しているという噂。このマシンに「スピードカットシステム」を組み込んだら超軽くてパワフルな、50ccクラスキラーのチェンソーになるのではないかとワクワクしている次第。下記に書いた様にカッティングテストを行ったところCS42RSの秘められた鋸断能力の高さを改めて確認したからなのだ。
 やまびこ(共立&新ダイワ)は、夏の熱間再始動性の問題もないし、そして力要らずでエンジン始動ができるので、樹上でも使いやすいし、疲れにくいので安全性確保に優れていると思うんですけどね。あとはソーチェーンをどの様に運用するかの問題。
 また、ほぼ同一条件で、CS42RS、CS500、
346XP、560XP、395XPの鋸断速度比較表も同記事に掲載。


【共立(新ダイワ)の42cc等にも装着できる?スピードカットシステム】
(2018/10/21追記:共立用のマウントのスピードカットバーがリリース予定らしい。画像は此方の記事に載せた
 さて、話がずれたがお題のスピードカットバーは、共立のこのCS42RS用のものは出ていないと前回の記事に書いた。
IMG_2366(1)
 でも、ハスクのマウントと形状はほぼ同じで、違うのはチェーンの張りを調整するためにバーを前後させるためのオスの突起を入れる孔の位置だけ。

 これは前に益田市の共立の販売店(ハスクもスチールも扱う)である石見エコーさんに聞いていた。

 で、思い出したのはこの冬に広島の三次の林研さんの依頼でロープワークと高強度の繊維ロープを使った集材・搬出の講習会を行った際に、助手で来てもらった津和野の元協力隊のT口氏のCS42RSが16インチスピードカットシステムを付けていたこと。

 講習会は時間に追われてメニューをこなしているので、そんなことまで気にしていなかったのだが、数ヶ月経ってこの記事を書いていてやっと思い出した次第。ボケてるね。
 電話して聞いたところ、やはり孔を広げて入る様にしただけとのことだった。

 速攻行ってきた。うちから15分くらい山に上がった方だが、当日は朝一で匹見の山奥にいる若くて腕の良い鍼灸師の先生のところへ嫁さんを連れて行ってから、新緑の匹見川沿いの旧道をドライブ。それからT口氏が居る集落へ回る。他にも別件で用事がある家が集落内に2軒あるのでちょうど良い。
 

【やはり軽かった】
 計量のための前に使った体重計を持って行った。それと基準となるハスクの242XPも持っていく。体重計を再調整し、前回6.1〜6.2kgを示した242XPを基準としての比較を行う。両方とも16インチのスピードカットシステム(バー&チェーン)を装着しているので同条件なのだ。
IMG_2374(2)IMG_2372(1)















 おおっ!軽い。体重計の目盛りは、5.8〜5.9kg辺りを指している。
 
 CS42RSと242XPのスペック上の本体乾燥重量は、4.7kgと4.5kgだから0.2kgの差はあっても当然だが、それ以上ある様にみえる。(※忘れていたが、4.7kgはハンドルヒータなしのものだが、この242XPはハンドルヒータ付きなので100g以上重たいかもしれない)

 一応、CS42RSがフルタンクの状態であることは聞いたが、中を見て確認したわけではないので、もしかするとその辺の誤差はあるかも知れない。

 それにしても42ccで6kgを切っているのは良いね〜! 前の記事にCS42Rの新しいモデルを出すときには、本体乾燥重量を200g軽くして4.3kgにして欲しいと書いたが、そうするとスピードカットシステムを装着してフルタンクの装備重量で5.6〜5.7kg辺りまで落とせる可能性は高い。

 CS42Rに付いているエンジン始動の際にスタータレバーを引く力を補助する“Iスタート”機能なんて要らないから、デコンプだけ付けておいて貰えば良いし・・・上位機種のCS500と同じで良い。
 右画像のトップハンドルチェンソー、共立CS251T(今は252T。新ダイワはE2125TS)の様に良い機種を作れるんだから、同じ様に42ccクラスも再設計しなおして欲しい。IMG_2393(1)


 そうなると可なり身体への負担が少なくなるし、ひいては作業の安全性も高まるだろう。


 事故調査の数字には出てこないけれど、チェンソーの重量軽減は疲労度合いや身体への負荷を直接的に関係するから、メーカさんとしても差別化につながって良いと思うのだけれども・・・


【使用比較】
 裏山に行けば丸太があると言うので、2台持って畑の上に上がってみた。
IMG_2378(1)




















 細い杉しかなかったのでどれ程の違いがあるか分からないが頼んで伐ってもらった。

 片やT口氏の使い慣れた共立のCS42RS。安定している。

 が、材が細いよね。

 もう一方はわたしが持って行った27年前のハスクバーナ242XP。
IMG_2375(1)
 T口氏は、「トルクはありますね。でも、回転数はヤモリーズの若いのが使っているCS42RSの方が上がるみたい。」、と言っていた。

 確かにその時は242XPの回転の上の方が伸びていなかった。

 何か原因があるのだろうか。自分が使った時には怖いくらいに回転数が上がっていたからね。

 でも、単に回転数が上がっても仕方がない。

 と言うのは、2サイクルエンジンは、回しグセが付いている個体の場合には、ピストンリングがすり減ってきて圧縮が抜ける様になってくると、回転だけはよく上がる様になるのだが、実はパワーは無いという状態になる。

 ところが、この242XPは27年前のものだけど、あまり使っていなかったものなのか、圧縮がものすごくあって、560XPをデコンプなしでエンジン始動するときに近いくらいの抵抗があるからね。

 また、現場に行ったときに調整してみようかなと。

 ついでに先日、T口氏が新しく購入したというハスクの550XPがあって、フルタンクとのことで重量測定してみた。
IMG_2368(1)IMG_2367(1)















 6.8kg近くを示していた。あ、いかんいかん。横からの画像を撮っていなかった。

 バーは18インチのハスク純正の普通のタイプ。

 だから、前の記事に載せた様に18インチスピードカットシステムを入れた346XPが、6.4kgくらいという数字とリンクする。

 それからついでに、彼に借りて製材に使っていたハスクの395XPの重量も載せておこう。名称の様に95ccの大きいチェンソーね。
 IMG_2320(1)IMG_2319(1)















 体重計が示しているのは、11.5kgくらい。スペック上の本体乾燥重量は7.9kgとなっている。

 これはチェーンオイルはフルだけど、ガソリンは空の重量。回し切ってキャブの中にも残らない様にした時のもの。

 ガソリンタンクはめっちゃ入る。スペックでは0.9Lとなっていた。

 ガソリンの比重をざっと0.75前後ということで計算すると燃料の重さが680gくらい。なので総重量は12kg超え。

 と言うことで、可なり重たいのは確かだが、そういうものだと思って短時間使う分には意外と使える。
IMG_2323(1)
 玉切りや突っ込み伐りでも全然無理ということはない。
 ひ弱なわたしが言うんだからホント。横切りも体全体でホールドが出来ていれば大丈夫。

 ただ、バーが長いので変な応力を掛けると可なりしなるので、木口が平らにならない場合がある。
 って、自分の腕がよくないだけ。

 彼氏が買ったのは1.3mmゲージ3/8ピッチの32インチバーのもの。
 目立てはわたしが研ぐ度に縦挽き用にシコシコと目立て角を変えた。ファイルは5.5mmを使用。
IMG_0501(1)













 バーは82cmと書いてあるが、実際装着しての有効長は75cm程度。
 スパイクを外しても然程変わらない。

IMG_0510(1) 並べて比べるとバーの長さの違いがよく分かる。

 一番向こうがスピードカットの18インチ。真ん中は20インチのバー。

 そして手前が32インチバーということに。



【42ccクラスのチェンソーはもっと軽くして!】
 話は本題とだいぶズレたけれど、42ccクラスのチェンソーが装備重量“6kg”を切ると、大分操作性が良くなると言うことを改めて確認できた。

 そして共立(新ダイワも)の42ccには、ちょっとした改造でスピードカットシステムが装着できることも確認(但し、オイル穴との相性の確認は必要。スピードカットバーはオイル孔も特殊だからね)。※共立へのスピードカットバーの装着の記事も追加

 目立ての腕で違ってくるけれど、1.5mmゲージの21BPから1.3mmゲージの95に替われば、切れ込みは当然良くなるが、自分的には持ったときに負担が少なく操作性が上がったのが嬉しい。

 このクラスで扱いやすければオールマイティに使えるシチュエーションも多いから一台は欲しいラインナップではある。

 共立(やまびこ)さんには、早くCS42RSを新しいモデルにして軽くして欲しいね。目標:本体乾燥重量4.3kg!(今は4.5kg)

 国産のチェンソーでプロが使うものには、他にハスクバーナと一緒になったゼノアがあるけれど、神奈川に居た時から今に到るまで身近でゼノアを使っている人が居なかったために自分は情報を持っていないだけなので、良い機種がまだまだあるかも知れない。

 そして国産にこだわるのは、このクラスは国産の方が評判が良いから。でも、ハスクのブランドで中身はゼノアというものもある。兎に角、高温多湿の日本では欧州のものよりも国産の方が安定しているのは誰もが言うこと。

 ただ、どの機種もこのクラスにしては重たいんだよね。本体重量が上位の50ccクラスに近いのは企業努力が足らないのではと思ってしまうのは穿った味方だろうか。
 日本は外国よりも細い木で林業が営まれているんだから、40cc前後のクラスをもっと力を入れて開発して軽くしてくれると、前述の様に林業事故の軽減に貢献できると思うのだが如何だろう。
IMG_1913 (1)
 スチールのMS201あたりは35ccでフルタンクの装備重量が5kgちょっと。
 この位だとホント作業が楽。

 ただ、右画像の様にシリンダーが寝ているせいかエンジンが今一なのと、あちこち使いにくいことがある。

 でも、下画像は初代の機種、020のものだけど、このシリーズはもう20年になるから、良い機械ではある。
IMG_8758(1)









 他の国産の同クラスの方が使い勝手が良く、また調子もいいけれど、プロ機としては何としても造りが手抜き(値段也?)なので頑丈さがちょっと足らない。

 スチールみたいにバーだけはしっかりとしていれば良いんだけどね。
IMG_5886(1)
 それであれば、40cc前後の機種で造りがしっかりとした上で、軽いものを作ったらば、多少値が張っても相当売れると思うのだけどどうですか?

 他には近年需要が多くなっている大木化した樹の樹上伐採を行う際に、トップハンドルではやりにくケースでの使用にも検討して貰えるだろう。

 軽くてある程度の力があるチェンソーを使いたい場合にも良い。

 製品は安くなければ売れないという妄想から林業界もそろそろ脱却したらどうだろうか。

 これはユーザをバカにしている考え方でもある。安ければ良いというレイヤーはあるけれど、それは浮き沈みの多い泡沫的な世界であり、当然林業にもそういった価値観の人たちは大勢いる。つまり使い捨て的な、雇われ人の発想かもしれない。
 側から観ていると、林業界主流の現場って、人間も使い捨て的な考え方のところが多いみたいだしね(それじゃあ、理想を持って入った若い人たちも長続きしないよね)。

 でも、今は農業者を含めた一般の人たちの山仕事参入が多くなりつつある。また、助成金の制度もいろいろある。なんだかんだ言ってお金はあるところにはあるのだよ。

 それを、もし安くなければ売れないというマーケティングの考え方をしているのならば、販売側の努力不足。販売力の無さを露呈している様なもの。情報発信の仕方が不味いだけじゃないの?

 マーケットは創るもの。とくに此れからの時代はそう。また田舎での暮らしの考え方も同じ。権威に追従するお溢れ頂戴のメンタリティから抜け出さないとね。


【最軽量50ccチェンソーは?】
 ところで、前回の記事に重複するけど、いま販売されている50ccチェンソーの中では、共立のCS500(新ダイワのE2050D)が本体乾燥重量が4.7kg。ハスクの346XPのNEが5kg。550XPが4.9kgでスチールのMS261C-Mも4.9kg(全てハンドルヒータ無しのタイプの重さ)。

 ということで、共立(新ダイワ)が最軽量な訳だけど、よく考えたらこの重量は、前回と今回の題材のハスクの昔のモデル、242XPと同じじゃん。
IMG_9613 (1)
 さて、CS500(新ダイワのE2050D)の燃料タンク容量は0.5L。
 オイルタンク容量が0.28L。ガソリンの比重をざっと0.75にして、オイルの比重もざっとだけど0.85で計算すると、、、
ガソリン重量:375g
オイル重量:238g
 と、なる。
 これに本体の乾燥重量が、4.7kgで、前回の記事に載せたオレゴンの16インチのスピードカットシステム(バー&チェーン)の重量が762gだから、
 全部足すと、「6.075kg」という装備重量に・・・
 あと、オイルの滲みた切り粉がくっついたりしていて、ざっと6.1kg?ということになるので、共立(新ダイワ)の50ccが最軽量で、計算上ではこんな重さになる。

 他のチェンソーも燃料タンクとオイルタンクの容量は、小数点以下二桁台のところが1多いか少ないかだけなので、ほとんど誤差範囲内に収まるから、計算上は本体重量の差が装備重量へとリンクしている。

 なので、前回の記事に載せた自分が持っているハスクの前の346XP(本体乾燥重量4.8kg)に18インチのスピードカットシステム(848g)をつけてフルタンクにした状態を計算すると、6.261kgになるので、体重計で6.4kg位になっていたのは妥当な数字だったということ。

 ふ〜ん!そうなのか〜。

 だったら、242XP(本体乾燥重量が4.7kgでCS500と同じ)に16インチのスピードカットシステムをつけて、ものすごく取り回しが良いとか喜んでいたけど、CS500(新ダイワのE2050D)に16インチのスピードカットシステムを付けたら、同じ様な感じの取り回しになるんだろうか?

 何方かそんな組み合わせをやっておられる方は居ますか? 50ccチェンソーでスピードカットバーの短いのを付けたら大分作業が楽になりそう。
 取り敢えず自分は、手持ちの346XPに16インチの方を付けてみようかなと・・・

 何かご参考になれば幸甚。

 さてさて、こちらはT口氏の愛犬。3年ちょっと前に移住した後に来たのでもう少しで4歳か。
体重も増えて大分しっかりとしてきた。IMG_2361(1)

 愛想が良いのは最初から超が付くくらいだけど最近はだいぶ大分大人になったね。

 





IMG_4637 (1)




 ペットは飼い主に似ると言うけれど、飼い主さんこんなには愛想良くないし・・・不思議だ。

以上