【小規模ジップラインの要求は高いかも・・・】
 このところ、ジップライン張りがマイブーム、、、と言うわけではないけれど、今度は広島県の世羅町でジップラインを張ってきた。
 本当は、木の搬出のための軽架線を使った搬出講習である。この間、柿木村に設置したジップラインの記事を当ブログにアップしたけれど、其れよりも此方の方が、半年も前から決まっていた軽架線搬出のスキルアップ講習なのだ。

 今回、改めて認識したのは、山を整備したあとにジップラインが欲しいところは結構あるかも、ということ。
 人工林の伐採地では、ちょっとどうか分からないけれど、ボサボサになっていた広葉樹林を綺麗に整備した後には、地域の人や子供達に使って欲しいというところは結構多い。
 今回の山も、森の幼稚園の子供達が遊びに来るのだそうだ。こんな景色のところだからね。
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【広島、分水嶺の山々】
 当日の明け方、島根側の山を広島県に向かって走っていると小狐が車の先導をしてくれて、なかなか横に逃げない。数km走ってやっと横に逃げてくれた。
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 そして尾道自動車道は、モヤで真っ白。
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 でも、やがて景色が観える様になってきて。
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 尾道自動車道側はこんな感じの山が多い。あまり急峻じゃあないんだよね。
 こんな売電のための太陽光発電で景観を壊すのならば、子供達が遊べる山を沢山作ってくれれば良いのにと考えたりして。


【で、、、何で木ではなくて人間が滑走しているの?】
 いや、これは架線の張り具合のテストなのね。結局、このテストが長引いて木を移動させるところまで行かなかった・・・けれど、支障になる木の伐採はやったので、後でその木を動かしたはず。
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 でも、この様に楽しければ小難しいことも積極的に理解してやろうとする。何事も動機付けが大事でしょう。

 今回は、8mm50m位のワイヤーを主索に、人力牽引の18倍力でテンションを掛けた。アンカーの位置を何度も変えたり、張り具合を変えたりして、その度にシステムをバラしてテンションを解放し、ラインの高さを調整してから再度組み立てる事を何度もやったので、皆さんしっかりと頭に焼き付いた様だ。
 この18倍の人力テンションシステムを何度も張り直したからね。結局、それだけ再構築が簡単ということかと。
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 そして、今回もチルホールという高額なものを使わずに設置できたということが大事。
(つまり、これは掛かり木処理にも通じるけど、小規模の軽い道具で作業ができることが必要だと思う。これを高強度繊維ロープで倍力システムが組めれば、掛かり木発生後にでも樹上高くにロープを回して、強力な力を発生させることができるから、チルホールを使って、人の手の届く範囲にワイヤーを掛けてチルを漕ぐなんて無益なことをやる必要がなくなる)

 そして立木の先柱にも、転倒防止用の控え索も採ったのでワイヤーをピンピンに張ってみてから、まずは人間で実験?

 この軽架線(ジップライン?)張りの主な資材は、ここの山主のお父さんの作業場に転がっていたものを掘り出して使い、あとはうちの協議会のものを足して何が足らないかをチェックしつつやったので、その足りない分のオタフク滑車やキトークリップを後から買い足しても2万円くらい追加すれば設備が常設できることが確認できた。
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 そもそも、地方の農村山村には、ワイヤーなんて沢山あるから人間関係があれば貰えるし、オタフク滑車も結構発掘できる。だからお金がなくても色々なことができたりする。

 最初にお金が掛かるとどうしても敷居が高くなって敬遠しがちになるからね。有るもので工夫する。それでも足りなければ、お金ではなくて身体で返す。昔は丁稚奉公とシステムがあったけど、やる気と誠意があったら元手がなくても暖簾分けといってお店まで持たせてくれたんでしょ。
 そこまでは無くても、農山村では誠意があって地域維持に努めている人のところには色々なものや食べ物が集まってくる。ま、地域性はありますがね。

【ロープシステムで倍力のやり方のおさらいから】
 世羅町では今年の冬に四日ほど講習をやっていて、集材や広葉樹の牽引伐倒を行なったのだが、その時にやった倍力システムの復習から始めた。
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 70歳代のお母さんも交代で軽トラを九倍力で引っ張ってみる。軽く動くことに喜ばれる。また、合間にチェンソーの刃の目立ての仕方も復習した。
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 ここでは67歳のお母さんが目立てもそして(細い木の)伐採もやるのだ。
 で、年配者ばかりなので、ちゃんとお十時とお三時の時間はしっかりと休むし、その時にはお茶やコーヒー、美味しい甘いものが出てくる。


【薪長者の山】
 なんで薪長者か? 薪長者と言うのはわたしの印象から名付けたんだけど、大体薪のボイラーにエーテーオーのものを使っているという事自体が薪が豊富にあることを示している。

 このボイラーはこのボイラーで良いところがあって、何でもかんでも燃やせるからゴミ焼却炉の様に使えるというのが、島根の人たちでも使っている人たちの感想。ブロアーが付いていて800度以上になるからと聞いた。
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 但し、二次燃焼システムも何もエコ機能が付いていないので薪食いと皆さんが言う。だから、わたしが知っているエーテーオーのユーザは山持ちか端材が沢山手に入る人たちが殆ど。

 うちにあるモキ製作所の薪ボイラーは竹も燃料(普通は高温になり過ぎて釜が壊れる)になるし、エーテーオーとは使い方が違うのでまだ薪の消費量は少ないと思う。

 また、右にリンクがある森の仲間たちのオーストリア製ヴィーズマンの薪ボイラーは、燃焼科学が進んだ欧州製でコンピュータコントロールなので、薪の消費量は最大限抑えられているし、家庭用のものでも燃焼効率は90%を超えている
 そうそう、この間森の仲間たちの社長に電話をしたら、来年発売予定で低価格の薪ボイラーを開発中で、現在燃焼効率が80%を超えるところまできたとか。
 パンフをもらってあるので、近々記事にしてアップしようと考えている。

 さて、そんな薪長者たちのお山での休み時間のお茶会。
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 前回は無かった東屋の立派なものができていた。わたしは此処で野宿しても良いことになっている。
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 こちらの山主のお父さんの仲間に頼んで作ってもらったという、ちょっと立派すぎる東屋は、丸太同士の合わせは丸ノミで削っているそうだ。それと柵も子供達が落ちない様に密に作ってあった。当然材料は、こちらの山のヒノキ。板は自家製材。

 お年寄りたちは、自分たちが使う薪作りと山の整備を兼ねて作業をやっているので、我々と違ってとても優雅である。
 お昼は麓の昔は商人宿だったホテルでお食事。世羅に行った時には此処に泊まっている。
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 食後のスイーツとコーヒーor紅茶が付いてランチが1100円。わたしは日頃そんな高級なお昼は食べないけれど講習会の時にはお付き合い。

 で、お腹も満ちて元気モリモリお母さんは、午後には架線張り。
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 何度か張り直してテンションを調査。(^-^;
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 先柱が、胸高長直径が30cmを満たないので、人間が滑走するとどうしてもユラユラしている。
 山主のお父さんは元大工の棟梁で工務店の会長だから、こういった事には厳しい。控え索を自分で用意し始めた。

 それで、みんなでよって集って工夫して張っている。わたしは手を出さない。
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 架線(ジップライン)を張ったら、滑車とベルトスリングをぶら下げる。
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 バックホウは、ラインを張る時の足場にバケットを使っただけで、ジップライン張り自体には関係ない。でも、発射台と着陸台を作る事になっているので、その時には土盛りには活躍するだろう。
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 こんな具合に取り敢えず出来上がり。
 ラインのテンションは、前の記事に載せた柿木村のものと同じ様に、ロープを緩めたり張ったりすれば調整ができる様になっている。そうすれば、使わない時には柱の木に負担を掛けないからだ。
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 ここの山も、お父さんお母さんたちで伐採して下刈りをしたから明るい山になったそうだ。活動してもう6年くらいになるという。薪ストーブを入れて、それから薪ボイラーも入れたから、必要性があって山の整備が進んでいるというわけ。やっぱり出口づくりが大事。

 地産地消が地道だけど一番安定して進むよね。これからの時代は儲けとかお金ありきじゃなくて、安定した循環サイクルを大事にする人たちの方が楽しく暮らせる様な気がする。

 今回も新人ですと言って、新しいメンバーが参加されたが、聞くとお父さんが買い取ってあった廃校になった木造の小学校を薪ストーブを入れて住める様にした元教員の方だった。

 山も持っているので、そこから薪材を引っ張り出してくるとのこと。また、その方の木工の先生で立派で楽しく素晴らしい木の看板を作られる人も参加していた。
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 また、メンバーには大山主も居られるが、小山主もおられる。ここの世羅のグループは、山を整備して薪を作っているけれど、自分たちが使う余剰は薪の束にして道の駅で販売しているし、また森林組合にも原木を卸しているという流れができている。

 それを6年前に始めて試行錯誤しながら危ない目に遭って来たので、ちゃんと安全で楽な手法を習おうと県のバックアップでシリーズ講習の運びになったということ。


 それから、此処の大山主は先に書いた工務店の会長で、その工務店に昔は大工だけで14名も居たという。
 今は40歳前後の二人の大工さんが居て、昔ながらの日本建築(和風建築の増築改築も)ができるという環境にある。今回は、その工務店の現社長の息子さんも初日の午前だけ参加されていた。
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 工務店の山には、広い作業場も製材機もあるし、すこし登っていくと、こんなヒノキ林の山もある。
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 ここの山で木を伐って搬出し、小屋づくりのワークショップをやりたいと思っているんだけど、都会から泊まりながら習いに来る方は居られますかね。

 中国道からも山陽道からもアクセスしやすい世羅町は良いところだし、他にもワイナリーとか観光資源が色々あるところ。皆さん明るくてやる気がある方達ばかりなので当協議会としてもバックアップしたいと検討中。

 世羅のメンバーの中には農家民宿をやっている人もおられたりして、家族で来ても旦那さんは山へ、奥さんやお子さんたちは他のところを探検に行ったりして遊べるので、薪を活用しているお家に泊まりながら森林資源活用の現場の体験と研修ができるという実感を伴ったメニューが提供できるかと考えたりして。

 勿論、山での実作業をレクチャーするのはわたし。お気に召して頂けるかどうかは、当ブログとオフィシャルサイトの方を精査していただければと。
 一応、今後の計画については相談・打ち合わせに行く事になっている。実施は来年の3月の春休み頃か、五月の連休かなと言ってあるけれど、車が混むから普通の三連休の方が良いのではと言われている。


【一般市民向けのシリーズ講習】
 さてさて、他にも、島根県下でも同様のことができる場所があちこちにあるので、そろそろそう言った一般の方々向けの有料講習もやらねばと検討中です。

 それから、広葉樹の伐採は、針葉樹伐採のメソッドが通じない危険なものなので、その講習会もやらねばと考えています。

 細い木でも、伐採中に裂けたり、重心が傾いていて思わぬ方向に倒れたり、道具をしっかりと使って制御しながら伐採しないと危ないのが広葉樹です。そういった事を知らずに広葉樹を伐採する一般の人が増えているので非常に危険です。

 そこで、樹上で伐採する特殊伐採の道具類を応用して、木に登らずに一般の人たちが安全に広葉樹の伐採を行う当協議会の講習会を行政委託事業で行なっていますが、こちらも一般の方達向けに有料で行おうと考えています。
 ただ、オリジナルのテキストを作っているのですが、それが100頁くらいあるので自分のところでプリントをするのが大変。行政の委託事業だと任せっきりで済むもので事務の手間が掛からないんですが。

 この講習会をアウトドアショップKの事業として行うかどうかを検討中。でも、ワーキング館のスタッフが島根は遠いからと及び腰なもので、その内になんとかしようかと・・・

以上