【安全帯からハーネスへ:楽な姿勢と安全確保のための機構と機能の違いと注意点】
 さて、前回の記事の続きです。以前に林業用のU字吊り安全帯を使った作業でヒノキの樹上6mから落ち掛けた話を前回書きました。
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 もっとも、ロッキーラダー2のハシゴが有って、3段のうち2段目までは紐で木に括り付けてあり、そしてこの安全帯があったので地上まで落ちる可能性は無かったと言えるでしょう。

 でも、樹上伐採のサポートもやっている人間としては、そんな事態にさえ陥らない様にもっと便利で安全なものを知っているわけですから、横着しないでちゃんと使わないといけません。

 が、それらの道具類は樹上伐採のトッププロが使うものなので安全追求と使いやすさのために高額になっています。一般の市民が行う個人的作業においては、とても手が出せるものでないのは確かです。

 それで、安全帯と胴綱の組み合わせではなくて、低価格の高所作業用の安全帯と(U字吊り用)胴綱よりも自由度が高いツリーワーク用のランヤードを複数組み合わせることでコストパフォーマンスの高い組み合わせが出来るかどうかということを前回の記事で書き始めました。

 ひろしま森づくり安全技術・技能推進協議会さんから、広島で山の整備を行なっている市民グループさんたちが購入しやすい価格帯のハシゴ登り&木の上作業のためのお薦めセットを組むにはどうしたら良いかと相談されたからです。

 で、色々検索してみましたが、林業用の安全帯にハーネスが付いたものでランヤードを2本つけると相当な額になることが分かったのです。

 そこで、アウトドアショップK(以下ODSK)のワーキング館のスタッフの中原氏に今回の要求を投げたら安いハーネスがあるそうなのです。うちにはツリーワーク用のハーネスが二つあるので、わざわざ調べていなかったので知りませんでした。

 それが、両サイドのD環2つと真ん中にもD環が付いている下画像の高所作業用のハーネスですね。
 ツリーワーク用の上位機種と何が違うかというと、“中央の吊り部分は、上位機種は左右に動くので身体を捻る体勢にも対応できるが、下位機種の高所作業用のハーネスは身体を捻る作業はやり難い”、と言うことと、“ウェストベルトとレッグループにバックルが無いので、上から履く必要がある”、と言った点です。

 と言うところですから、樹上で際どいポジションを採って作業をすることを1日やる訳ではない今回の様な使い方には全然問題なしです。

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 此れに2本の長いランヤード(1本が10〜15mのショートロープ)を付けて、墜落せずに樹上を自由に動き廻ろうというわけです。

 今回の記事は、この10mとか長いランヤード(ショートロープ)を自分で作るために、取り付けるアタッチメントについて詳しく書いてみることも目的の一つです。
 出来合いを買うとどうしても高くなるので、敷居を低くするための記事です。これもODSKの中原氏に教わりましたのでシェアしましょう。

 なので、欲しい人はワーキング館の中原氏へご指名で連絡してアドバイスを貰って下さい(2020年3月4月は現場に出ているのが多くて不在がちらしいです)。ひろしま森づくり安全技術・技能推進協議会さんも直接中原氏に教えて貰いながら色々揃えている様です。
 また、この記事の後半に、参考セットの内容をピックアップして載せてみますので、ご興味がある方はそちらを参考に中原氏に教えて貰うと良いと思います。

 さて、この様な記事を書こうと思ったのも、今までは市民(山主さんも含めて)の樹上の作業と言うと枝打ちくらいでしたが、広葉樹の多い中国地方の山の整備では、針葉樹だけでなく広葉樹にも登る必要があります。
 それも、放置されて大きくなり過ぎた怖い広葉樹が多いのです。それもツル絡みも多数ありですから。

 それから、自分もやろうかと思うと作れるところが彼方此方にあるツリーハウスづくりを行う場合には、この組み合わせは必要な安全装備になるでしょう。

 ところで、ロッククライミング用のハーネスとツリーワーク&高所作業用のハーネスの違いは、どの様なところでしょうか。見た目が似たり寄ったりですから、今まで興味が無かった方々には見分けがつかないかも知れません。
 相当古いものですが、自分の手持ちのもので比較してみましょう。

 まず、林業用の安全帯は、上の画像の様にベルト式のものに胴綱を取り付けて、木の幹に回したり枝に回すU字吊りという方法で安全を確保するものです。
 これが怖いのは、幹に回した場合には、自分と幹の間には空間があるために足が滑ったら滑落することです。

 一方、ロッククライミング用のハーネスは、上方の支点から下がるロープにぶら下がることで墜落を防いだり、墜落した時にハーネス全体に応力を分散させるためのものです。まず機能が違いますね。

 ですから、ロッククライミング用のハーネスはお臍の辺りで吊り下げる形になります。下画像に写っている真ん中のカラビナが通っているO型のベルトで確保します。そしてレッグループ(腿を通すループ)で応力を分散します。

 そして、長いランヤードは使い方によって、またアタッチメントを追加することによって、樹上からの墜落を防ぐことができます。
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 さて、此処で大事なことを書いておきましょう。ロープの特性の違いです。
 樹上作業用のロープでは絶対に墜落してはいけません!! 当たり前の様なことと思うかも知れませんが、ロッククライミングやフリークライミングをやっている人たちが勘違いすることなので書いておきます。

 下の画像は当協議会のテキストの一つです。絵は枝に掛かる応力の話ですが、中の別問に書いてあることが樹上での作業には大事なことです。
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 ここに書いてあることは、50kgの物体が1m落下して瞬間的に止まるとどの位の瞬間荷重が掛かるということです。100kgの物体が1mの高さからコンクリートの上に落ちますと1トンの力がかかります。
 300kgの丸太がトラックの荷台から1m下に落下すると3トンの荷重がかかるということに。丸太を積んでグラングランと走っている大型トラックから、もし丸太が他の車の上に落下したら!! ヒエ〜ッ、考えただけでも恐ろしいです。

 つまり、体重が軽い人で50kgの人が1mの高さを墜落してロープで急に止められると、なんと500kg!の瞬間荷重がハーネス(腰)に掛かるわけです。

 ロッククライミング用など山岳登山用のロープは規格で30%以上伸びて墜落のショックを吸収してくれることになっていますが、ツリークライミング用のロープ(もしくはリギングロープ)は伸びません。数%程度だけです。
 ですから墜落のショックを吸収してくれないということです。

 伸びるロープをダイナミックロープと言い、伸びないロープをスタティックロープと言います。ツリークライミングの際に伸びるロープを使うと登るのが大変だからですね。また重量材を牽引する時も当然伸びるロープでは仕事になりませんし、もし破断した際には反動がすごくなります。
 スタティックロープでさえウィンチングしていて切れて腕を複雑骨折した人がいる位ですから、伸びるダイナミックロープに金属デバイスが付いていたら恐ろしい事態になってしまいます。

 話を戻して、下の画像は大分古いペツルのロッククライミング用クライミングハーネスです。ベルトの後ろ側から垂れている輪は、他に必要なカラビナやスリングやアッセンダー(登るためのデバイス)、ディッセンダー(下降するためのデバイス)、あとはナッツやハーケン、ハンマーなどをぶら下げるギアラックですね。

 同じ様にクライミング用のハーネスといっても、ツリーワーク用のものとロッククライミング用を比べてみると、ロッククライミング用は非常にシンプルです。
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 シンプルと言えば、もっと簡単でシンプルなベルトタイプがありまして、これはスワミベルトと言っていました。
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 真ん中上がベルトです。右上はオートロックカラビナ、右真ん中はカラビナとタイブロックの組み合わせでアッセンダーの役目をするもの。そして右下はエイト環の小。真ん中下はループスリングです。
 これと8mmのクライミングロープが30mくらいを合わせて、難しくないところの沢登り、というか、イワナの源流釣りの時の安全確保用にしていたミニマムセットです。

 同じく、下画像の真ん中のベルトがそうです。カラビナとディッセンダーのエイト環をセットしてあります。独りで沢登り(源流釣り)に行くときは、極度に危ないところには行かないため、通常は下降のみが出来れば良いですから、余計な機能は付いていなくても充分です。

 そして、もうちょっとマシなものは、下画像の一番下のシンプルな濡れにも強い沢登り用のハーネスです。調整式のレッグループが付いた昔のDMM社製のものです。
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 此れらと比較して、画像一番上のハーネスはツリーワーク用のペツルのセコイアというハーネスですが、真ん中のループに赤い色のスイベルが付いています(後付け)。ループの部分にロープでぶら下がる様になっています。

 さらに両サイドのD環にランヤードを取り付けられます。それも、一本だけでなく二本取り付けてWにすることができます。場合によっては、さらに数を増やせます。他にもサイドや後ろにギアループが一杯ついています。

 つまり樹上の枝からロープにぶら下がった場合に、さらに2本のランヤードを使うと、木と木の間の空間を上下左右3D的に自由に移動できると言うことになります。

 このセコイアは、東京や横浜で樹上伐採をやっている仲間がくれたお下がりです。現場を紹介して上げたお礼として頂きました。
 が、私みたいな素人には猫に小判ですね。どちらかと言うと前の記事に載せたシンギングロックのティンバー3D Timber 3D アーボリストハーネスというハーネスの方が私には向いています。

 この同じ型のセコイアは島根の仲間が使っています。もう5年くらい前の講習時の画像ですが載せてみましょう。
 この様に座りやすい形になっているのがツリーワーク用のハーネスの特徴ですね。
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 今のセコイアの最新モデルはこちらです。
 また、お高いハーネスだと、後ろ側がこんな具合です。下画像は、トゥーフェルベルガーのツリーモーション EVO ツリーハーネス 。10万円越えの価格です。が、樹上伐採のプロたちは使いやすいと皆さん言います。
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 が、わたしは要りません。(^-^; いいえ、買えません。(;_;)

 さて、改めて書きますが、本記事は樹上で枝を伐採するための安全策用のアイテムの話ではなくて(多少、枝の伐採はやるかも知れませんが...)針葉樹や広葉樹を伐採する際の、樹上の牽引点の設置のためのロープやワイヤーを幹に掛けることや、また滑車を取り付けるためにベルトスリングを木に巻いたりするアンカー設置などの作業の安全を確保しつつ木登りができる低価格なシステムについての考察です。

 つまり、ハシゴなどで樹上に登ってから後の高いところでの作業と同様のツリーハウスを作る時などに必要な木の上での安全確保と楽な体勢をとるための道具です。
 木の上で、体勢を崩しても両手を使う必要がある作業のためのシステムと言えるでしょう。
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 と言うことで、今年の年頭の記事に書きました様に、市民による森林整備&資源活用は究極のアウトドア(エキストリーム?)スポーツだ、と言うことでこういった道具類が必要なわけです。
 木の伐採も含めて危ない作業には、道具の有る無し、道具を使いこなす技術の有る無し、そして作業の全てをコントロール下に置くための知恵の有る無しの程度で安全度が変わってきます。

 あとは精神的な部分に多く依存します。落ち着きがあるか、観察眼を鍛えているか、想像力が豊かか、複雑な因果関係を見抜く力を持っているか、また読みきれない部分の要素を直感的に感じられるかどうかの感性を含めた能力如何によるでしょう。

 ロジックや技術のみで山の仕事は安全にできません。
 想像力を駆使したイメイジを展開して空間把握や時間軸上の因果関係を瞬間的に読み取ることができる右脳の機能と、それから分析的にロジカルに考える左脳の機能の両方の能力をバランスよく、そして高度に機能させた上で、身体感覚と言うのか身体全部の細胞が活性化した上で共振して他の存在と感応できる能力がないと優れた仕事は出来ませんからね。

 身体で感じる、身体が反応する、みたいな能力が必要です。観てから確認して考える、みたいなタイムロスがあることやっていたら命が幾つ有っても足りないかも知れません。

 この間の講習なんてツル絡みで倒れなかった広葉樹をロープで引っ張ろうかと足元が悪いところを歩き出したら、何か目の端に変な感覚が有ったので走って逃げたところ、危うく倒れてきた広葉樹に叩かれるところでした〜。
 戻って、みんなで伐採木の株を見たら、受講者の方が切ったツルが殆ど残っていない位に追いを深く切っていたんです。
 ま、確認しなかったわたしも悪いですが、振り返らずに走って逃げてギリギリ。山ではそんなこともたまにあります(パキパキッ!とか、ガラガラッ!とか音がしたら、音源を探していないで物陰に速攻逃げるべし。枯れ枝や落石の音か、熊さんが襲いかかってくる音かも知れないし...)。
 
 と言うことでロープにぶら下がりながら身体を捻って作業をするのでなければ、高所作業用のハーネスと下画像の様なランヤード(&ショートロープ)が使えれば良いわけです。
 長さは自分で行う作業の内容によって決まります。上の画像の左になる緑色の10mロープを使っているランヤード(ショートロープ)があれば、折り返して5mの高さのところから宙吊りで下降ができます。
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 で、刃物を樹上でガリガリと使うのならば、前の記事にも載せた様に下の画像にあるワイヤーが中に入ったランヤードも併用するということですね。
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【機能、機構の説明のつもりだったけれど・・・我々市民と山や森との関わり方の話に...】
 さてさて、当ブログは一般市民の方で、森林整備や森林資源活用を行なっている人たちや、またこれからやってみたいという方達向けのものです。
 結構、マニアックなことを書いている場合もありますけれど、一般素人向けのものです。(^-^;
 他の記事にも書いていますが、うちの協議会の講習を受けた方々に配布しているテキスト(内容によって様々ですが、大体100ページ前後)の表には、「目指せスーパー素人」、という標語?が書いてあります。

 事業体は事業体の体を維持するための大規模の利益追求の仕事の仕方をしますが、それだけでは出来ない林分もありますし、利益追及で伐採を行なってしまうと大型車が通れる林道が後々山を崩し、また大規模伐採による豪雨時の土砂災害に繋がってしまうことも多々あります。

 そういったことを一般市民が知るところとなって、もう20年以上(沢登りや源流釣りで山奥に入っていた人たちは30年以上?前から)が経ちます。水源の放置林の荒廃による土砂災害が多発していて、多くの人がその原因の一つに荒廃林と大規模伐採があることを知りましたからね。

 他には挿し木苗による直根のない針葉樹の斜面保持力の無さも急斜面の山の崩壊の原因にもなっていますね。実から育てた苗は直根がちゃんと生えて居るので地中の奥まで根が張りますけれど、挿し木の苗は最初からフワフワの浅い根しか出てきませんから。

 国が森林ボランティア制度を後押ししていた、自分が東京西部に住んでいた頃の20年以上前から一般市民による森林ボランティアが山に入り始めていますし、私もその頃にはネットビジネスをしながら八王子山奥の一人親方の森林組合の下請けで除伐や間伐の仕事を仲間と二人でしたこともあります。

 また、その頃以降に、今流行りの自伐型林業というスタイルを改めて掘り起こしたNPO土佐の森救援隊も木の駅プロジェクトの人たちも元々は森林ボランティアから発展した人たちです。
 みな山を荒らしてしまう様な林業形態ではなくて一般市民が山の整備、資源活用に対してアプローチ出来ないかという動機で始めたと理解しています(高知にも視察に行きましたし、木の駅関連も何度も参加していますので)。

 よって、本当の意味で山を守っていくには、素人化してしまった山主さん達が山の整備を経験して賢くなり事業体に事細かく注文できる様になることや、また地域の人たちや移住者の若者達が、昔のお父さん達の様に山に入って作業ができる様になる必要があると考えるからです。
 行政と事業体に任せておいて良い山ができるわけがありません。そもそも、良い山ってなんでしょうか? 安定的に利益が上がるのが良い山? それは違うでしょうね。

 そして、局地的な集中豪雨が頻繁におきる気候変動の時代に入ってしまい、自分たちの身は自分たちで守らないとならない事態が頻発しています。

 災害が起きない山造りと言っても、地球の変動期にはそれだけでは追いつかないでしょう。場合によっては災害が発生してから人命や自分たちの資産を守るために災害木を処理する必要があるかも知れません。

 でも、災害木は台風後の処理に自衛隊の方達が入って事故を起こす様に経験値と優れた道具がなければ体力があっても無理なのも確かです。

 その優れた道具とは、重機の入れない山においては、ここのブログで紹介している機動的な道具の数々の他には考えられません。
 重機が無くとも、危ない木の伐採や掛かり木処理が安全に出来て、そして材の搬出ができ、その材を活用できるのならば、スーパー素人と言えるのではないでしょうか。

 自分が、9年前に横浜市の水源林保全の事業体にちょこっと在籍した時には、太くて長い木を伐って、長いままの木を自分一人で搬出を出来るなんて想像もできませんでした。
 どこまで搬出できるのかは運搬のための条件が必要ですけれど、理論的には、ロープの長さが100mならば、その距離を繰り返せば相当な距離を出せます。

 前に、軽い材でしたが島根県雲南市の市民さん向けの講習で、山の裾から展望の良い山頂まで尾根を繋いで、1kmほど大量の材をPCW3000とロープを使ってみんなで上げたことがあります。
 出雲大社がある島根半島から、西の独立峰の三瓶山、東の鳥取の独立峰の大山(だいせん)まで眺望できる山頂です。二日間の荷揚げと伐採、整備作業でしたが天気に恵まれて楽しい講習でした。感謝感謝。
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 と言うことで、山の整備と森林資源活用に取り組んでいる方々のスキルアップと安全のためにかなり突っ込んだところまで書いているブログです。

 当たり前のことですが、山仕事は危険作業なので向き不向きは厳然とあります。道具があるからといってネットで調べた位では判らない実作業に於いてのノウハウや、また作業中の危険因子がたくさんあります。
 ですから、初心者は然るべき経験者と一緒に作業をしながら何が危ないかを教えて貰うと良い、、、のですが、ここが問題です。

 その経験者、もしかすると事業体のプロかも知れませんが、これが危なっかしい人たちが多いのも事実です。本当にそんなことやっていて大丈夫なの?と疑問に思うことも多々あります。また、素人に教えてはいけない危険作業を当然の様に教える人もいます。

 こういったことは、山の作業自体を知らない人が見ても見分けが付かないかも知れません。もし教えてくれる人がどんな人なのかを知りたければ簡単な指針はあります。

 服装がだらしない人。道具が汚い人。チェンソーの傷が多い人。道具を乱雑にゴチャゴチャに詰め込んでいる人。錆びた道具が多い人。汚いロープ、傷んだワイヤーを平気で使っている人。現場の足元が散らかっている人。家の玄関の靴がてんでに乱れて脱ぎっぱなしの人。部屋が乱雑で整理されて居ない人・・・は、危険な人かも知れません。(^^;;
 おっと、わたしもちょっと適合するものが有った〜!

 あとは人間性とか、癖とかから見抜きましょう。喋り方や行動パターン、話の反応の仕方からもどんな人か分かりますよね。もし、判らないんだったら未だ未だご自身の人生修行が足らないのでご精進ください。
 自分がどんな人と付き合うか(一緒に作業するか)でも、自分自身を危険に晒してしまうことになるんですから。

 残念なことですが、私自身が危ないなあ、と思って居た人がここ数年で2名亡くなってしまいました。一般人の山の作業の事故が増えているそうです。昨年で40名以上が国内で亡くなったという話も聞きました。
 何が危険かもろくに知らないで、簡易な講習会で教わった簡単なメソッドだけで山に入っているのでしょうか。

 見よう見まねだけで重量物の木をコントロール下において作業できるほど山仕事は簡単ではありません。YouTubeをみても良い加減な作業しかしていなかったり、おい!大丈夫か?と言う様なレベルのものも多く見かけます。

 自分のことを言えばチェンソーを持った20年前にはそんな感じから始まりました。運良く何事も無かったので、その後人生を勘違いして10年くらい前に首都圏の事業体に入りましたが、その緑の雇用の講師を務める社長がいる事業体でさえ、今から考えると空恐ろしい位の技術レベルしかありませんでした。

 その後に島根で9年前に協議会を立ち上げて、PCウィンチから林内作業車が設備されて講習を行なってきましたが、5年前に長野のODSKさんとご縁ができ、その後ジョイントして色々道具の提供を受けた上で様々な技術を学び、独自に地上での作業をいかに楽に安全に行うかを中国地方や九州の受講者と共に構築してきています。
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 つまり、超危険作業である樹上伐採の高度な道具と智慧を地上作業に応用、転用して、より楽な安全作業を模索しているという訳です。
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 その樹上伐採の本物のトッププロたちは頭の中身も精神構造も常人離れしています。また、仲間との連携、リレーションの作り方もコミュニケーション能力も非常に洗練されています。
 それは失敗や事故が起こったら即シリアスな状況になってしまうからですね。

 そういった人たちの作業から省みると、地上での一般の伐採や搬出の際の作業風景やリレーションは雑に見えることが多々あります。樹上ではそもそもアクションに対する結果の良し悪しがハッキリと出ますから、作業内容の要求レベルの厳しさがまるきり違いますので、其れに関わっている人たちの質も全然違いますからね。

 と言うことで、このブログに書いてあることは、何方かといえば先鋭的な技術が多いかもしれません。
 なので、道具もクオリティが高くないものを使わないと逆に危険な状況に陥るかも知れません。似ているけれど質の良くないものは使ってはいけません。

 ところで、講習会をやっていても、上っ面だけパクってホームセンターなどにある似た様なものだけでやろうとする人たちも少なからず居ます。結局は素材が弱かったり、長持ちしなかったり使いにくかったりして無駄な投資になるのは分かっているのですが、そういった人たちは高い質の仕事をしたことがないので、道具の大事さが判らないんですよね。

 要するにそういう人たちは物事をナメているので何時まで経ってもレベルが上がりませんし、逆に危険な目に遭ってしまうことになるでしょう。

 スーパー素人と言うのは日常生活も家庭もしっかりと構築できた上でのことです。全てコントロール下に置けるかどうか。自分自身をコントロール下に置けなかったら山での質の高い作業は土台無理でしょう。

 と偉そうに書いていますが、自分自身どうなることやら。昔から結構危ないことばかりやってきていますけど、怪我して入院したのは中二の時にモトクロス場で急に逆走してきた人とコーナーで正面衝突をした時だけ。
 また、山仕事で怪我をしたのは、20年くらい前にケヤキの伐採で樹上に登った仲間がチルホールのワイヤーを落として、ワイヤーが顔面を擦って唇が腫れたときだけ。

 こいつ、そのワイヤーを落とした奴は、今では都会人に木製カトラリーとか作って高く売りつける木工作家として有名で、木工のワークショップをやる大先生になってビルを買って住んでいるらしいけれど、その時には山の作業の仲間は選ばないと危ないと思わせてくれた大恩人です。そうそう、前出の間伐や除伐を一緒にやっていた昔の仲間ですね。

 以上長々と書いていますが、このブログの記事が役に立つ人も居るかも知れませんけれど、やっていることは割と先鋭的なのでそれなりに真剣にやらないと逆に失敗した時が怖いかもと言うことです。

 特に今回の記事は木に登って作業するための道具ですから、ランヤードに回すフリクションノットがいい加減なものだったり、またはロープ同士の相性が合わなければ、肝心な時に滑ってしまい墜落することにも繋がりかねません。

 今はネットでポチって簡単に道具だけは買える時代ですが、素人の様な販売者が売っている道具もあったりします(買ったメインの道具がうちの協議会のものと同じでも周辺機材がいい加減なものだったり用途に適合していなかったり、不具合が出ても対応がなかったりしている様子。ま、それもご縁でしょうか)し、またネット情報だけでは肝心なところが判らなかったりします。

 それ以前に経験者たちへのリスペクトがない(ネットで調べればいいや、と思っているのか。現場での突っ込みが甘いかも)ので、ものの学び方や教わり方、有益な経験値の引き出し方さえも分からない人が多いでしょう。それこそご縁ですね。

 このブログは一般市民の人たちが安全に山を整備活用するための裾野を広げられる様に、進化した手法には、どの様なものがあるのかという視野を広く持って貰い、そして全体がレベルアップできる様な指針となる情報はシェアしていますけど、細かいところまでは記事では教えられませんし、また必要もないと思っています。

 でも、日本各地に於いても同じ様な切り口でアプローチしている人たちは大勢いますでしょうし、もっとレベルの高い人たちも居られることでしょう。良いご縁を作って皆さんでレベルアップができると良いと思います。そのキッカケ作りがこのサイトですね。

 わたし自身は、そんなに器用な方でもないですし、その上、大して賢くもないので失敗も多くあります。なので、逆に受講者のはまっている状況も良くわかるので、其処から一緒に抜け出そうというスタンスです。

 そして、講習時に伝えているのは、失敗した時のリカバリーの大切さです。上手くいけばそれはそれで良いですけれど、失敗した時に傷を広げない様、危ない状況を呼び込まない様にしてリカバリーすることが大事です。失敗した時を前提に次善の策を練っておく必要もあったりします。

 わたしは上手に失敗する時が多いので、そこからの立ち上がりをどうやって行なって復旧するのかを受講者と一緒にやります。何方かというと講習時の失敗ウェルカムですね。
 何故なら上手な人が予測通りに上手く片付けてしまうと、初心者が失敗した時のリカバリーの方法が分からないとか、無理なことをやってしまうとかで、あまり学習にならないんですよね。
 あとは失敗した時にダメイジが無い場合には、失敗するかどうか敢えて難しいことをチャレンジさせてみます。受講者の人が考えた様に、木が思った方向に倒れるかとかですね。

 広葉樹の場合には、針葉樹伐採の様にメソッドが通じないというか、基本的な危険回避方法はありますけれど、それ以前に現場ごとに千差万別で読みきれない要素が多いのため、失敗した時のあらゆるパターンを想定して、その中で許される範囲の失敗ありきで試してみる、といった感じでしょうか。
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 あと、他にも大事なのや山仕事は集中ではないと言うことですね。よく伐採をする時に受け口や追い口ばかりに集中して脇目も振らずに一心不乱に目先のことだけ見ている人が居ますが、そういう人に注意することです。

 だって危ないでしょ。目先ばかり見ていたら樹上から枯れ枝が落ちてくるかも知れないし、樹上で葛が絡んで木を引っ張っていて追いを伐る刃を入れ始めた途端に元から裂け始める場合だってあるわけです。
 周囲全体に注意を払っていないと危ないのが山仕事です。

 ですから、山仕事は意識の集中ではなく拡大だ、と言っています。目のない背中側に目を持ったつもりで全体を意識しながら作業をすることを伝えています。当然、高いスキルや緻密なロジックはベースにあってのことです。その上での意識の拡大です。

 って、解りますかね。感覚を鋭敏にするもの前提ですが、それ以前の自分の意識を拡大することが大事なのです。それは人生もそうだし生活もそうですが、自我からの狭い視点から物事を見たつもりで判断していても他者や大きな流れに右往左往させられるだけです。

 自我のチマチマした損得勘定から抜け出して、他と共振して大局を俯瞰できなかったら人生の自由度がどんどん狭まります。
 山の作業も同じく観察から始まって、ロジックを超えたところまで精妙に感じられないと不確定要素が増えるだけです。

 ここで意識の拡大について説明するとまたまた長くなるので、本もたくさん出ていますから簡単に紹介すれば、意識の拡大について解りやすい一般的書物としてはタイ仏教の先生のものがあります。お名前を失してしまいましたが日本で行われた最初の頃に受講したことがあります。

 これはヴィッパサナ瞑想と言います。密教系の瞑想に止観という言い方をされるものがありますが、この“観”に当たるものがヴィッパサナで、日本の禅宗で云う禅は、どちらかと云うと“止”の方に重きを置いているのではないでしょうか。
 頭のノイズを止めて心を空にするみたいな。サンスクリットではディヤーナと言いますが、このディヤーナと言う言葉が漢語に転じて禅となりました。修行の中に動禅という作務を行いながら瞑想状態にはいるものもありますけれど、頭の中では静的なアプローチですね。

 ところが、ヴィッパサナ瞑想は、逆に感じるとか、心の目で観る、イメイジの中で見て観て見尽くす、そして身体や物体の中にまで入って同化するというアクティブな感じです。脳がヒートして本当に熱くなるくらいに行います。

 もうちょっと説明しますと、止観の止はサンスクリットだとシャマタです。觀はヴィパシャナです。これは最終的にはワンセットである修行のための瞑想ですね。
 ヴィパシャナがタイではヴィッパサナと云うらしいですが発音の違いでしょう。シャマタは心の働きを止め、左脳の屁理屈ノイズを止めて自分というエゴを空っぽにすること。

 空になった其処へヴィパシャナによって、質の高いヴィジョンを観じること、身口意の三密を仏と言われる高い存在のヴァイヴレーションに高め合わせることで自己変容を起こすためのプログラムとなるわけです。
 もうすっかり忘れてしまいましたが、インド哲学科の卒論のテーマがシャマタ・ヴィパシャナだったので理屈だけでなく色々トライしていた時期があります。それ以前に、真冬の滝行100日間とかもやっていましたしね。

 なので、意識の拡大については、山のメッセイジを観じるとか木々と同化するとか、危険信号を察知するとか、不確かではありますが、何となく山仕事に役に立っている様な気がします。
 あとは、気配を消して木化け石化けができないと成果が出ない渓魚釣りもでしょうか。(^^; 関係ないっスか。
 さてさて大変ですね。うちのブログは能書き多くて、肝心な情報にたどり着くまでに小難しいことを読まされて・・・

 でも、こういった事って大事なことなんですよね。特に木や山と相対して作業をする人たちにとっては。この程度の感覚が判らなくてスーパー素人なんかにはなれませんし。
 勿論のことスーパー素人以上のアーボリストや支障木伐採のスペシャリストには、表現は違っても通じるものがあるのではないでしょうか。

 そうそう話はまたまた飛びますが、もう7年くらい前になりますか、広島の神石高原町で総務省の地域サポート人ネットワークの全国総会の2回目だったと思いますけれど、地域おこし協力隊制度を作った元総務省の椎川忍氏と懇親会でご一緒させていただいたことがあります。
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 ご存じない方々のために書けば、この方は、町に飛び出せ公務員、とか、緑の分権改革などの書籍も出されていて、本当に面白いお役人だったのですが、懇親会の時にお聞きしたのが、やっと退官してずっとやりたかった事が出来たんだよとというお話です。

 それが何かというと、羽黒修験の山籠りだそうです。十日間だったと思いますが、山形の羽黒山に篭って、確か山駆けをして滝に打たれ、お堂に籠って祈るという修行をされたとお聞きした記憶があります。そして物凄く良かったと。
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 そういう事に人生の大事な時間と費用を使うと云う方ですから、成した実績も凄いですよね。我々の周りにも居る林業版の地域おこし協力隊があるのもこの椎川氏のお陰です。

 また、当時の椎川氏の部下だった総務省の課長へは、協力隊の活用について、何度も電話をしてアドバイスを頂きました(津和野で協力隊育成をやるよりも何年も前です)が、この方も懐の広い立派な方でした。
 そして、この時の地域おこし協力隊として発表された多田氏(HPはこちら、著書はこちら)と木村さんはその後も各地で地域活性化に活躍されている凄い方達です。

 わたしは役人に対して斜に構えている人間ですが、こういった方々居られるのならば、まだまだ日本も捨てたものではないと心を新たにしたものです。

 山岳信仰である修験道には仏教や道教も入っていますが、基本は古神道が根幹にあるアニミズムですからね。全ての存在に精霊が宿っている、ということが前提です。これは、古来からの日本人が持っている精神性でしょう。

 そしてそれは日本人だけでなく世界中のネイティヴに通じるものですし、世界中の感性豊かな人たちが持つ感覚なのでは無いでしょうか。

 昔、植物にポリグラフという微細な電気的反応をピックアップする装置を取り付けて、人の思いが通じるかどうかを実験したバクスター効果という名称で有名な話があります。人間の思いに植物が反応するんですね。

 また、最近の本では、「植物は知性を持っている」がありますね。根系のネットワークとか、仲間で助け合うとか、根菌との共生とかについて書かれていますが、全体の中で助け合いながら生命を育んでいく強さには人間は敵わないと思います。
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 それからマタギのお話。白神山地のマタギ、吉川さんのお話でチェンソーを持って山に入るとブナが騒めく体験談が“マタギ奇談”に載っています。

 「マサカリタテ」、という項に載っている話ですが、吉川さんのお父さんから子供の時に聞いた、マタギがマサカリを担いで山に入ると森がざわめいた話を、今度は自分が大人になった時にブナが怖がっている声を聞いたことがあるという話でした。
 だから伐採をする前にマタギはブナの魂を慰めるために酒を添えマサカリを立てる儀式をしたのだそうです。

 木一本だって生き物ですからね。その命を頂く林業に於いて昔からの習慣で前山に入るときは祠を建ててお酒やお神酒を捧げていましたし、山に入るとき、出るときにはご挨拶をする習慣がありました。
 わたしが水源林保全の事業体に居た時も班長が祠を建てて我々も日々手を合わせていました。今の大規模集約型の林業に携わる人たちって、何れだけこの様な気持ちを持って仕事をしているんでしょうね。

 他にも、昨年の9月に広島県の三次林業研究グループさん主催の漆活用の講習に参加させて頂いた時の話にも考えるところがあります。
 講師の三次産漆生産組合代表の武田先生の漆の山を見せて頂いた時のことです。武田先生が、参加者が漆の間を歩いている時に、「漆は叩いたり傷つけたりしなければウルシオールを出さないから大丈夫ですよ。」、と言われました。
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 「へぇ〜、そうなんだ。木を伐ろうとか害を及ぼす人が来たら分かるのかな。」、と皆さん。「犬や猫でも、動物嫌いな人は分かるので吠えたり、威嚇したりするもんね。」「漆が痒くなる成分(ウルシオール)を出すのは嫌いな人間にしか出さないんじゃないの」、と嫁さんと話をしていた次第です。

 先のバクスター効果には反論もありますけれど、農業で作物を育てている人たちや植物を愛でている人たちの多くが感じていることは、手間と愛情を注げば植物は応えてくれるということです。

 弱いものの立場になれない人、また共振できない様な魂のバイブレーションの荒い人は、土台繊細な感覚は発達していませんから、その人にとっては植物も物としてしか捉えられないのでしょうし、また植物も反応しないことでしょう。それも現実であり事実なので、真実のレイヤーは幾つもあるということでしょうということ。

 皆さんも林業だけでなく山や人間の根幹に興味があるのならば吉野から紀州の奥まで繋がっている修験道の奥駆けは如何でしょうか。日本の大地に棲むものとして、根源的な何か感じられるものがあるかも知れませんね。

 わたしも奥掛けは行きたいなと若い時に思い地形図を眺めたりしていましたが、根性が無いので、ブルーシート一枚の源流釣りや山菜きのこ採りの奥山生活だけにしておきました。

 あとは他の記事にも書いていますけど、25年以上前に、ジムニーで東北の山奥を野宿しながら一ヶ月半、中部紀州の山を一ヶ月半回って、森の状態と川魚の味とのリンクを調査して回ったことがあります。(^-^)
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 それは昔から白神のマタギの話を本や雑誌で読んでいて惹かれるものがあったからです。世界遺産に指定される前に白神には3度くらい行っています。

 日本古来からの山棲みのマタギたちの様な人たちの生き方や智慧があってこそ山が守られてきたという実際がありますから、自然とともに暮らす生活にはマタギからは学ぶことばかりでしょう。

 マタギについてはどうしても狩ばかりに目が行きがちですが、自分たちの生活のためのフィールドとなる山を守るために附帯することを全て行なってきている訳ですし、その生きた哲学が現代人に欠けているところでしょう。
 結局、思い返してみればわたしの今があるのはこの辺が原点かと。

 そして歳食って移住した先が、匹見川という全国の釣り人にも有名な鮎とヤマメが超美味しい川のそのまた支流の山奥でした。
 下の画像は、神戸から移住して毎日釣り暮らしていた釣り師のオジさんが、私たちが住んでいた山奥の集落の手前まで釣りに来た時のもの。

 このオジさんは型の良い尺ヤマメばかり上げていたけど、釣りをしない日は散歩やドライブしながら虫のハッチや川の様子を観察していたくらいに釣り三昧の日々を暮らしておられました。
 また、山奥にゴギを釣りに行って木の上のクマと遭遇して必死で逃げて帰ってきたなど色々話をしてくれたこともあります。オジさんはアユはやっていませんでしたね。アユはアユ目的で移住してきた人が他に居られますが・・・夏の間だけ来て鮎釣りという調査をしていた大学の先生も居られましたが。
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 まあ、此処に住む事になったのも、たまたま見つけた空き家と仕事がそうだっただけで、匹見川沿いの公民館に3年勤めました。これもご縁でしょうか。
 自分は、通勤も含めて毎日渓流を観ていましたが、此方に来てからは釣竿を出したことは一度もありません。興味無くなっちゃったんですね。
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 上の画像は、毎年恒例の公民館主催の鮎釣り大会の時のものです。参加者が釣った鮎を計量しています。
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 此方でアユもヤマメも貰って食べたことがありますけれど、匹見川のものはやっぱりダントツ美味しいかったです。

 で、山は有難いな、と。健全な山は美味しいな、というところから縄文之森協議会を立ち上げております。ダメ?

 と言うことで、山に関わる仲間(自然の恵みに対して手を合わせられる人たち)を増やしていきたいので、こんなブログを書いているのが動機ですね。
 そして、ご自分たちで実際にトライしている人たちには十分に役に立つであろう内容は小出しにしているつもりです。

 あとは皆さんの経験値を少しずつ増やして安全管理をしながら自己責任で内容を活用して頂ければ幸いです。

 また、広島では森林資源活用を行なっている地域グループさんには県からのサポートで私が講習に行っていますし、この記事を書くきっかけになったひろしま森づくり安全技術・技能推進協議会さんも来年度も引き続き講習(わたしが行く講習と、今まで行なった講習の復習の両建てで)を行う予定となっておりますので、広島県民の方々はチェックしてみて下さい。

 そして、こちらに来ていただければ温泉付きで当協議会の各種講習会も受講可能ですし(5名くらいまで)、今後ODSKの講習会として開催していく話もありますので、実際に現場で習得したい方達にも対応できる様な体制作りを考えています(フィールドは島根 or 広島)。
  
 能書き休題・・・以上のことは山(自然)と共に暮らして行こうという人たちには大事なことですし、多くの人たちが同様に考えていることです。その仲間たちとの再確認事項を長々と書いてみました。

 さてさて、此れからスキルアップしようという方々で、此れらの道具を見たことがない人にも解る様に説明してみようかと思います。


【マジに機能、機構の説明】
 まずは、林業用の安全帯に装備されるワイヤー入りの胴綱の代わりとなるワイヤー入りのランヤードについて説明をしてみましょう。こちらがその両方ですね。再掲します。
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 左側がツヨロンの3m胴綱、右が樹上伐採用の4.5mのランヤードです。目的は同じですが多少使い勝手が異なります。

 細かいところのパーツを比べていってみましょう。一番大きな違いは下記のものでしょうか。
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 上は胴綱の長さを調整する部分です。上下が逆になっていますが、リンク付きのレバーを押すと自動ロックが解除されてロープを前後できます。また縮める方向だけはレバーを押さなくても動くので、胴綱を持ったまま腰を突き出すと短くできる様になっています。

 つまり、この胴綱の長さ調整は、短くする時は胴綱が動かない様にして腰を前に出す。長く伸ばしたい時にはロックレバーを押して解除して腰を引く、というアクションになります。
 文章で書くと分かり難いかも知れませんが、やってみれば簡単です。

 また、安全帯への取り付けは、器具の左下の部分で行いますが、下記画像の上の赤丸を入れたブルーの安全帯のサイドにある様に、噛ませる相手が棒状の細いものを挟み込む形態になっています。
 下のハーネスに付いている様なD環の様な丸くなったものには装着できません。
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 もしD環が付いたハーネスに装着したい場合には、下記画像の様なデルタ型のコネクターを間に一つ入れる必要があります。

 が、画像にある様に向きが今一フィットしませんね。間にカラビナを入れるとさらにガチャガチャした安定がない感じになりますし、また間にコネクターを入れた時点で、胴綱を短くする時に腰を前に出しても胴綱がスッと短くならなくなってしまいました。
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 が、この胴綱をハーネスに付ける方式は、今は亡くなってしまったあの有名な空師の和気邁(わけすぐる)氏もやっておられた様です。
 全林協さんの“空師(そらし)・和氣 邁が語る 特殊伐採の技と心”と言う大変学びになる本の中の画像に、ハーネスと胴綱の組み合わせて作業をされている故和気邁氏の姿に載っています。
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 こちらの表紙では、安全帯と長い胴綱なので、デルタコネクターは写っていませんが、記事の中では写っています。また林業現場人、道具と技の何号だったかにもその画像が写っていますので、興味がある方はご購入ください。

 でも、この安全帯と胴綱だけで重たい大型チェンソーを持って樹上作業をやるんだから和気氏はすごい方でしたよね。学ぶことが沢山詰まった本です。

 さて、樹上伐採用のワイヤー入りランヤードの長さ調整機構の部分です。胴綱と違うのは、ここに使うパーツ類は自分で用意して自分で組む様になっています。
 最初から付いたタイプもありますが、高額になってしまうので、今回の案件ではパスしました。
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 ご存知ないかたのためにこの部分の操作について書いてみます。オレンジ色のランヤードに巻いてある薄いブルーのロープがロックしてランヤードの長さを調整できます。

 この巻き方は色々ありますが、この巻き方、縛り方をフリクションノットとして総称します。
 カラビナは、自分のハーネスに固定するために使います。両サイドのD環だったり、身体中央にあるアンカー用のループ、もしくはリングとかD環(ハーネスによって違います)に接続します。

 さて、オレンジ色のプーリーはなんのためにあるのでしょう?
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 それは、この様にロープを縮める時にプーリーで折り返して引っ張るからです。プーリーがフリクションノットを移動させる役目を持っています。

 そして緩める時には、巻いてあるフリクションノットのプーリーと反対側、フリクションノットの巻き始めの部分を指先二本で軽く押してやると緩みます。樹上から下降する時には、この様にして降りるスピードをコントロールしながら下がります(あまり早く降りると摩擦熱でロープが傷みます)。

 もちろん、ロープで作るフリクションノットではなくて、それに代わる金属デバイスはありますがお高いですよ。
 それにランヤードに使うにはロープで作ったフリクションノットの方が使いやすいし軽いです。

 フリクションノット用の素材にはこの様なものがあります。真ん中上はプルージックノットで作られてリングが付いた既製品ですが、通常は下段の中央と右側の両端にアイが付いているものを使います。
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 さて、お安く上げるためには上画像左上下にある様な切り売りのロープを買って自分で道具を作ります。下画像に載せてみましょう。
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 上画像右下は、重量材を牽引する際に使うループ状(Wフィッシャーマンズノットで両端を繋いでいる)になったもので、プルージックノットかクレムハイスト(フレンチプルージック)の何方かでフリクションノットを作って使います。

 ロープの途中に牽引点を作るか、またはプーリーを取り付けて滑車の倍力システムを作るかですね。

 それで、今回の記事のお題であるランヤードには、両端にアイを作って使います。上の画像の上側のブルーのものですね。

 アイの作り方はフィッシャーマンズノットですが、Wにするかトリプルにします。知らない方は検索して調べてみてください。フィッシャーマンズループかな。
 ブルーのロープの両端に付いたトリプルフィッシャーマンズノットはそれぞれノットの裏表の様子が写っています。

 例えば、この結び方が出来れば、正しく今回のテーマである長尺のランヤード(ショートロープ:切り売り素材)を作るのに自分でアイテムを集めれば構築することが可能になります。
 これですね。
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 実はこの緑のロープ(タキオン11.5mm)は、自分で末端にスプライスをしてアイを作ろうと思って買ってあったのですが、アイスプライスは自分的には結構大変なので時間が作れずに放ってあったものです。
 なので、今回の記事のために速攻セットアップしました〜。そしてちょうど良い題材になってくれたという訳です。

 アイがついたものは値段が高くなりますし、加工を頼んでもそこそこお金が掛かります。って、ODSKさんの外注スタッフのお姉さまのお仕事なんですけどね。
 あまり大きな声で言うと営業妨害になるので小さな声でお伝えしておきますが、まずはコストが掛からない方が敷居が低くなるので参入人口が増えるのではないかと思ったからです。

 で、こんな記事を書いています。記事の最後に掛かった費用をピックアップしておく様にしますから、既製品と比較してみてください。
 そして、自分で構築することに不安がある人は迷わず既製品を買ってください。

 さて、話を若干巻き戻します。ワイヤー入りのオレンジ色のランヤードと胴綱の比較についてですが、反対側の末端のロック付きのフックは下記の様になります。
 こちらは胴綱の方です。チェンソーのトリガーシステムと同じで、上側のレバーを手のひらで押さないと、フックの口は開きません。
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 もう一方のオレンジの方のランヤード、樹上伐採用のワイヤー入りの4.5mのフリップラインHi-Viz 13mm (1/2") ワイヤーコアフリップライン (Climb Right)の末端はこんなシステムです。
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 ほぼ、機能的に同じです。

 さて、此処までは皆さんが今まで使用している一般的な安全帯と胴綱から、道具をもっとグレードアップしてより確かな安全を確保するにはどうしたら良いかという話と、より良き仲間とのコミュニティや地域づくりと自然との共生の哲学?についてでした。(^^

 次は、ワイヤーが入っていない普通の樹上伐採用のランヤードの観察です。
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 上の画像のものは前回の記事にも載せましたが、中にワイヤーは入っていない普通の(スタティックな)クライミングロープです。

 既製品だと、前出のワイヤー入りのランヤード(フリップライン)の末端と同じ様にロック付きのフックが付いています。スナップとも言います。写真はワイドアルミスナップです。
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 先に載せました様にカラビナでもオーケーです。が、オートロックカラビナは2アクションとか3アクションを片手で操作して開くので、慣れない人には面倒かも知れません。買ってみれば分かります。
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 再掲しますが、このカラビナにはワイヤーが付いていて、ロープの末端でカラビナが反転しない様になっています。
 此処までは末端のハーネスへ繋ぐ為のロック機構の話でした。

 お次は、先にも出ました長さ調整部分のところをもう少し詳しく診てみましょう。私の持っているものだと下の画像の様になっています。
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 何もフリクションノットでランヤードをロックする様になっています。使ったことが無い人だとイメイジが沸かないかも知れませんね。

 このフリクションノットと言うのは、荷重が掛かると(ランヤードに寄りかかると)摩擦によって緊結してロックする様な仕組みになっています。
 荷重が掛かっていなければ、手で前後自由に動きます。

 例えば作業者が滑落すると自動的に緊結して動かなくなると言うことです。そして荷重を抜くと動かすことができる、という説明で良いでしょうか。

 ただし、ロープ同士の相性があったり、新品だと滑りやすくてロックが掛かりにくいなどの現象があります。
 だからネットでポチっただけで、こんなシステムをろくな確認もせずに現場投入すると、結構怖い目、痛い目に遭うかもしれません。
 何事も確認とリレーションが大事でしょう。

 それで、先に載せた画像ですが、このワイヤー入りランヤード(フリップライン)は硬くてしなり難いのです。それには、アイステールという柔らかいプルージックコードが良いよとワーキング館の中原氏に教えてもらいました。

 このアイステールの切り売りを長めに買って、自分で切って作ったものが下記になります。
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 3m買って、1.6mと1.4mに切って、こちらは1.6の方だったかと思います。両端をトリプルフィッシャーマンにして、フリクションノットはシュワビッシュで取り敢えず5回巻きにしてあります。なのでゴチャゴチャに見えるんですね。

 こちらはもう一本の1.4mの方を使ったものです。
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 何時もは下記画像の様にビーラインを使っていたのですが、まだ馴染んでいないので滑りやすかったんですね。アイステールが来たついでに取り付けてみたという訳です。
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 さて、フリクションノットについては、少しずつ書いていますが、代表的なものに下記のものがあります。
・プルージック
・クレムハイスト
・マッシャー
・ディステル
・シュワビッシュ
・バルトタントレス
ですね。検索して調べてみて下さい。

 この中で両端にアイがあるものでフリクションノットを作る場合には、
・マッシャー
・ディステル
・シュワビッシュ
・バルトタントレス
ですが、基本的にディステルとシュワビッシュが出来れば良いでしょうし、あとは好みでバルトタントレスもやってみると良いでしょう。

 と言うことで、またまた途中でアップしておきます。以下、随時更新追加します。ではでは。