今回は先日行った元口が90cm弱、長さは3m以上の杉をチェンソー製材した話です。あとはその作業に関連して地域おこし協力隊制度の活用について一言二言三言???全林協刊「New自伐型林業のすすめ」に書いた記事のその後の展開。
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 あっと言う間に5月も後半になってしまいました。大分間が空いてしまいましたが別に新型コロナにやられてしまったわけではありません。Still alive!オットどっこオイラはまだ生きているって、ことで。。。

 別の原因で体調が悪かったのは事実ですが、記事は一杯書き溜めてあります。ところが、長文すぎてまとまらないので未だリリースできないだけ。そんなリリースしていない記事が沢山あります。

 やれやれ、今回の記事も結局長くなってしまいましたね。何時も簡単に直ぐに終わるだろうと記事を書き始めるのですが、思いの外、なぜか内容は長くなるし、昔撮り置いてストアしてある画像を探し出して処理してアップするのにもものすごく時間が掛かるしで、何時まで経ってもリリースできないことになります。

 その写真や記事に書いてあるノウハウは活用していただけるならばご自由に使っていただいて結構ですが、再利用される場合には出典を明記していただければ幸いです。要するに人の褌で相撲をとらないようにと。


【今後の記事予告?】
 此方のブログでは間が空いてしまいましたが、こちらのブログには4月にちゃんと記事をアップしているんですよ。
 これは、50Vバッテリータイプの軽量のエコーのトップハンドルチェンソーBCS510Tの記事ですね。バッテリーものの道具導入に関して色々反省した後の記事です。これ良いですよ。
(※エコーは共立・新ダイワのやまびこが海外に展開する際のブランド名ですね。共立は昔エコーの名でチェンソーを国内販売していて、今ではホムセンバージョンでエコー製品展開をしていましたけど、この海外用だったバッテリーシリーズも国内ラインナップしたみたいです)
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 で、50VバッテリータイプのエコーBCS510Tトップハンドルチェンソーは、この記事を書いた後に手に入れまして、同じクラスのエンジンチェンソーの共立のCS251Tとのカッティングスピードの比較テストもやりましたが、それはまた別記事にしましょう(此方にアップしました)。

 結果をちょっとだけ書けば、非常にグッドです。共立のCS251Tとほぼ同じくらいの重さで、ハスクのバッテリーチェンソーT535iXPよりも最初の回転の立ち上がりが全然速いです。これは50Vシステムの効果でしょうね。此れならば、スロットルレバー開度にリニアに反応するので、枝払いの時のストレスがないでしょう。

 うちの共立CS251Tは、10インチ25APチェーンですが、このエコーBCS510Tに10インチA4Sチェーンを付けたもので20cmくらいのヒノキを各々3度ずつ伐ってみたら、ほぼ同じくらいのカッティングスピードでした。
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 ゲージが1.1mmの幅の狭いA4Sチェーンを設定すれば、パワフルで有名な小型のトップハンドルチェンソーのCS251T(現行機種はCS252T)と同じくらいの鋸断力があるということ。

 そして、ハスクのT535iXPよりも全然軽いですからね。オイルもフルタンクにした装備重量で両者を比較すると1kg以上違います。となれば、つまり高所作業などの条件が厳しい現場で実用的なバッテリーチェンソーというわけ。

 でも、うちの協議会では、このBCS510Tは野宿・野営用に手に入れました。講習を行いに遠方に行くときに宿に泊まる費用を節約するために野営をすることがあるからです。その辺の枝を刻んで火を燃やす時に使います。なので、ちゃんとお仕事用ということに。

 その際に音がうるさいエンジンチェンソーなんて使えませんからね。軽くて小さいバッテリーチェンソーが最適です。えっ、静かなのはノコギリだって?それはご尤もです。ノコは色々持っていますよ。
 が、作業以外でノコを使わなくてもいいじゃないですか。いまは車での野営の最先端はバッテリーチェンソーですね。簡単な小屋掛けくらい直ぐにできます。

 デリカに積みっぱなしの何処でも火遊びマシーンです。いやいや遊びではありません、木質バイオマス資源活用のための応用力を付けるためのお仕事で〜す。災害時のレスキュー用にも車に積んであると良いですね。
(お仕事で言えば、チェンソーワーク講習の際に、受け口と追い口、追いヅル伐りの説明をする際にも音の静かなバッテリーチェンソーにした方が良いですね。今度は50Vの両手ハンドルのものも導入しなくては...いや、スチールのMSA220CBも良さそうだし、今度国内でも出るであろうハスクの540iXPも良いかも知れない。その上、バッテリーものを増やすと、充電器が結構邪魔。現在家に4種類もあるし。そして、現場で使おうと思ったらポータブル電源で充電する用に車に積みっぱなしにしておく充電器も欲しいしって、またまたドツボですね。)
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 あとはもう一つの共立のCS43RSのカッティングスピードテストも改めてやってみていますが、こちらもグッドです。両方とも良いご縁のお陰で格安で手に入れられました。そうでないと、うちの様な貧乏協議会では最新機種を手にすることはできないですからね。有難いことです。

 其々の機種は、上記画像のものですが、どちらもバー&チェーンは標準ではありませんので悪しからず。
 CS43RSはオレゴンのスピードカットシステムの14インチで、マウントはやまびこに合うK216タイプのものです。K216タイプの一番短いバーは14インチです。
 オレゴン製品の冊子型のカタログには記載されております。

 このK216タイプは販売店さんから頼めばブラントインターナショナルさんから出してもらえます。が、去年の時点聞いたら、在庫はあまりもっておられなかったですね。

 CS43RSとオレゴンのスピードカットシステムの組み合わせの詳しいことについては、樹上伐採を行う方達むけに特化した記事を此方のブログに書いてみました
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 それからBCS510Tは、CS252T用のA4Sチェーンとバーが付いています。販売店さんに頼んで付け替えて納入してもらいました。
 が、メーカとしては回転立ち上がりのトルクが強いBCS510TにはA4Sチェーンの標準装着を控えたらしいです。此れらの件につきましてはまた詳しく書きたいと思います(スミマセン、此方のブログに書きました)。
 その様なわけで記事を書くネタは沢山あるのですが・・・って、記事をアップしていない言い訳でした。


【元地域おこし協力隊の仕事ぶりが新地域おこし協力隊を呼ぶ?】
 さて、今回は久々にチェンソー製材の記事です。だいぶ前にチェンソー製材の記事を載せましたが、その後にも頼まれて何度もチェンソー製材はやっていました。
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 上画像とそれから下にある画像はお隣の柿木村の山の上で製材した枯れ松の板ですが、側で小屋を建てていた大工さんにも、これで充分とお墨付きを貰えました。

 多くの人がチェンソー製材をナメていて大したものは出来ないだろうと考えている様ですが、そんなことはございません! ポイントを押さえてやればピシッとした板や角材が出来ます。
 あとは反らせないための乾燥のやり方(プラス割れ留めと)と、反りが出たら鉋掛けで調整できる余裕をもった厚さにしておくだけで、製材所に頼むのに近いクオリティのものができます。

 ただし、チェンソーの刃の厚さだけ無駄な切粉が出ますし、排気ガスを嗅ぎながらの結構な力仕事ですから効率が良いわけではありません。
 その代わり、山の中の伐採した現場で、そのまま製材できますから、里の製材所まで材を出す費用(場所によっては膨大な)が掛かりませんし、道具立によっては分厚くて幅の広い1枚板が採れます。
 とは言っても、欲張って厚くて大きいものにすると板材にしたって簡単には動かせませんからご注意を。
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 この時の枯れ松は、幅が40cm弱で2m長程度のものを4cm厚で製材しました。写真の二人は、仲間の山師のオッさんと役場勤だけど山をやっている人です。みんなで役場なんか辞めろと、言い続けています。

 それから他にも下画像のクヌギの製材も手伝いましたが、この材を7cm厚に挽いたものだから運ぶのにも難儀しました。でも、良い板が挽けましたよ。
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 今回は、元の幅が80cm台で長さが3mを超える約10cm厚の杉材を製材したお話です(スミマセン、正確な数字を測ってきませんでした)。

 この時もやはり、お昼前にピカピカの500万円のトラクター(去年買ったとご本人に確認)で通りかかった83歳のお爺さんが、「チェンソーじゃ、いい板はできないじゃろう。」と、仰っていましたね。
 わたしは「夕方に寄ってみてください。良い板になっていると思いますよ。」と自信満々に返事。
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 今回の作業は、他の記事にも登場している元地域おこし協力隊の田口氏から、元が90cmくらいの杉があるので製材に来てもらえないかとサポート依頼があったので行って来たのですが、結果講習会をやったことになりました。

 丁度、新コロナ自粛解除になった後で、魚介類が安くて豊富な阿武町の道の駅も再開を始めた日なので、ヒラメの大きめの柵を800円くらいでゲットしましたし。阿武町は明るくていいところです。
 現場は田口氏の依頼で昨年末に地域の自伐型林業推進のための掛かり木処理や集材のためのロープワーク講習を行った山口県の阿武町の湾の横の広場です。
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 すぐ横にあるヤードには据え置き型の帯鋸の簡易製材機ウッドマイザーがあるのですが、幅が60cmまでしか製材出来ないとのことなので、元が90cm近くになる材なのでチェンソー製材で行いたいということでした。

 そして、現場に着いてみたら、若い人たちが大勢居るじゃないですか。すでに地域おこし協力隊を卒業して田口氏の会社で仕事をしている仲間たちや、新しく阿武町の林業版の地域おこし協力隊に就任した人が製材のための準備をしてくれてあったのです。

 わたしは2、3人手伝いにくるだけかと思っていて、わたしが製材をやれば良いのかと考えていたら、製材をやりたい人たちが集まっていたので講習会と相成りました。

 今回のメンバーは、田口氏を入れて地域おこし協力隊卒業者が4名と阿武町で一緒に大橋式作業道開設に携わっている地元の半海半林の人が1名。そして、阿武町の林業支援員として募集があった地域おこし協力隊の人が一名参加です。あとは地元のおじさん2名がオブザーバーで来ていました。

 さて、田口氏は地域おこしのための会社を一昨年くらいに阿武町で立ち上げています。その会社設立よりも以前に、地域おこし協力隊として神奈川から移住してきた2年目の5年前には自伐型林業の受け皿にするために最初の会社も既に立ち上げています。
 二社の代表ということかな。凄いですよね。元がビジネスマンですから仕事が早いです。

 ご存知の様に地域おこし協力隊は、特別交付税を活用して活動費が年間で一人最大200万円使える仕組みになっていますが、役場に任せておくと自分たちで使えなかったり(特別交付税はまとめて後からの請求が一括みたいで中身の詳細はよくわからないと聞きました)、また相見積もりを幾つも取らないと道具が買えなかったり、ネットで機材が買えなかったりするケースが多いために林業の様な道具ありきの活動をするためにはマネージメントできる委託先の団体がないとフル活用ができないために何も出来ずに3年間が終わってしまうからです。

 なので、田口氏が着任した最初の時にその点を注意したら、彼はとっくに理解していて翌年度に即実行していました。

 わたしがうちの町の事業として林業版地域おこし協力隊の募集育成(隣の市で7年前からこの企画を提案していたのですが、採用されずにいたために2011年から自伐に取り組み始めていたうちの町でやることになった後の経過については、全林協さんの「New自伐型林業のすすめ」に書いた通りです)を立ち上げた時に体験を行った10名の内の一人だったのがその田口氏です。
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 結局、わたしが担当した最初の年度内に体験講習に来た10名の内5名が年度内に3名次年度に2名入りましたが、それ以外にも希望者の2名をお断りした経緯がありますから、大人気だったということでしょう。
 その5名の内、未だ此方に残っているのが2名で、その一人が田口氏ということですが・・・

 そして、彼がさらに凄いのは、協力隊卒業後には阿武町への自伐普及の企画をして自伐協の講演会や自伐の講習会(田口氏とわたしとで行いました)を行った後に、翌年度の昨年からには阿武町と連携して国の地方創生推進事業を活用して地域再生を展開していることです。森里海連環の新しい仕事づくり事業ですね。

 この事業では自伐林業部分は確か全体の五分の一程度と田口氏が言っていたと記憶しますが、海の資源も山の資源も豊富え風光明媚な阿武町は、様々な切り口でエコでスローな新規事業が展開できる可能性を秘めていますからやりがいがあることでしょう。

 元々は彼は素潜り30mの得意技を持つ海の男で、海の生態系がおかしくなってきた原因は山の在り方がおかしいからと山の仕事に興味を持った人なので、この様な包括的な地域活性化事業を展開できるわけです。

 此方に神奈川から移住してきて暫くの間は、自己紹介をするときに「高濱さんに騙されて移住してきました」を切口上にしていたけど、最近はそんなこと言わなくなりました。

 何故その様な切り口上を言っていたかというと、募集の際に町のHPに取り組み内容や募集要項をわたしが作りましたけど、それ以外にもう一つオフィシャルサイトを立ち上げて、募集のページにも能書きを書いた其の内容に呼応した来てくれたのが彼だったのですが。。。

 ところが、初年度で見切りをつけて次年度の仕事を断ってしまったために、担当者だったわたしがサッサと居なくなってしまったという訳です。そりゃあ、ゴメンなさいですわね。
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 でも、ビジネスマンの彼が入ったからこそ林業版の地域おこし協力隊事業のベースが出来上がったことは誰もが認めていることですし、その為にはわたしが居ない方が良かったのだと思います。
 わたしはもっと地域に根付いてノンビリと半農半林でやりながら地域維持に繋がる人を育てるイメイジでしたから。

 というのも、林だけで食べていこうと思うと夏場の林業に向かない時期にも利益を生み出す仕事をしなければならないでしょ。

 森林資源を用材として使うのならば、木が水を吸い上げていない秋以降の春までの時期で行うのが適正な仕事の仕方ですし、アブやブトなどの痛くて痒い鬱陶しい虫がやたら集って来たり、ダニやハチ、マムシなどの危険生物がたくさん出ている暑い時期に山に入るのはストレスとの戦いになりますよね。

 事業体ならば、その時期には下刈りをしたり育林の仕事をしたり草刈りの仕事がありますけど、今の様な猛暑の夏になってしまっては命の危機にさらされることになります。

 その上、木質バイオマス資源として暑い時期にも皆伐して山を丸ハゲにしていますから、作業員は木陰にも逃げられずにお天道様に炙られながら作業している始末でしょ。
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 ここの山も壊れる作業道づくりで丸ハゲにした為に後年水害を起こしてしまったそうです。

 だから、そもそも林業ってそんなもの?という疑問が出て来て当然でしょう。結局、戦後の拡大造林政策で単一樹種での人工林ばかりにした、その後始末をやっているのが今の林業ですし山づくりにも自然を守ることにもなっていない、ということは一般市民でも知っている人は知っていることですから。特に水害で街が水に浸かった地域では問題意識が高いですからね。

 その人工林が放置されて植生のバランスが悪くなっている為に土壌崩壊が起こりやすくなっているので、一回整理することは確かに必要ですし、放置山は獣の棲家になってしまってかつてないほどの獣害が増えている訳ですから、伐採は必要なことだと思います。

 ただし、再造林することや壊れやすい林道をむやみに開通させないことが山の崩壊を防ぐ為に必要です。

 そういった問題点に対して、自分たちのペースで仕事が行える自伐型の小さな林業で丁寧に山づくりをできる体制づくりは大切でしょう。

 ただし、事業体と同じ様に夏に山に入るのではなくて、春から秋までは農に携わり秋以降冬場に山仕事ができる半農半林がやりやすいというのは少し事情を分かる人たちならば同じ様に考えるかと思います。青年帰農記事タイトル

 2002年に農文協の現代農業の臨時増刊「青年帰農」の最後に半農半インターネットの内容の記事を(ペンネームで)書いたことがあります。半農半Xの言葉が出た最初の頃ですね。

 ネットで販売業をしていた頃のものですが、それ以前にも山の除伐や間伐の仕事も東京、八王子の奥の山でやっていたこともありますから、要するに農山村に於いて自営業で生業を作っていくならば、多業で仕事をできる体制づくりをしておいた方が良いということです。

 今更のことですが都市生活の脆弱性が顕になっていますけど、ディジタル的な電気や通信に依存した生活は何かあれば簡単に破綻します。

 テクノロジーの発展に「依存した」様な政策を打ち出す某首長候補も居られる様ですが、わたし自身は企業研究所の最先端分野の人たち相手の仕事をしてきて、「哲学のないテクノロジー」は、自分たちの首を締めることなると感じてアナログベースの生きる力を確認する為に25年以上前に生き方を変えました。

 そして、中途半端ですが無農薬や無肥料栽培などもやってきて、自給的な農は素人でも出来るけれど、林に関しての自給はスーパーな素人でなければ危険性が高すぎるので、自分たちの地力を付ける為にさらに深く関わっているのが現在です。

 で、アナログベース(勿論、通信を使った情報発信はありきで)の仲間がどんどん増えているというわけです。その中で、ビジネスの素養高い田口氏はわたしなど足下にも及ばない我慢強さと賢さをもって事業をハンドリングしています。

 そして、わたしと同じ道具好きマインドが炸裂して、会社を立ち上げて資金力を持った彼の道具揃えは、小さな林業をやる人たちからみたら垂涎の的でしょう。
 技術的なことはさておいて、わたしの道具類と彼の道具類とを合わせたら、自伐的な高密度路網を活用した山づくりから山奥での拠点づくり、そして危険木伐採や樹上伐採など大体のことができます。

 ところが、彼は自分の事業や自伐協の仕事をこなすだけで、此れらの道具類を使うことも侭ならず、仲間のための仕事づくりやマネージメントする日々に追われていますね。
 この今の良い時期に海に潜ったのも一ヶ月以上前だとかなので、今回久々にフィールドに出られて喜んでいる始末です。

 もっと、ノンビリやろうぜ、と言うと、あと2年は頑張らないとという真面目な人です。ま、仕事好きなんだよね。いい加減なこと嫌いだし。だから若い連中にはついていけない人もいるらしいし、わたしも叱られたことがありますって。(^^;;

 とは言いつつも、わたしもソコソコ綺麗好きだし、特に山仕事は綺麗にする(作業後の林床に作業した人の人柄が滲み出ますすから怖いですよね)気持ちがないと何処かに隙ができて事故やトラブルになることが分かっているので、だらしない仕事や生活をしている人とは一線を引くようにしていますけれど、彼は山の作業だけでなくビジネス的にもマネージメントをキッチリとやっていますからね。

 そうでなければ、前出の様な事業も会社もハンドリングできませんものね。でも、結構鷹揚なところもあって、要するにわたしなどよりも(比較する意味自体が無意味...)器が大きいのでしょう。
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 そんな元地域おこし協力隊の彼がハンドリングしている事業は他にもありますが、この自伐型林業に関しては、前出の若い人たちが携わっています。

 その様な楽しそうな展開になっている阿武町で、新たに着任した地域おこし協力隊の人はというと、北海道のナンバープレートのトヨタのハイラックスWキャブに乗ってきていました。

 そのOさんに色々尋ねてみたら、北海道の大地で林業をやっていたそうで、北海道と比較したら既にこの時期でさえ夏に近いほど暑いけれど、自伐型林業の内容はめちゃ面白そうだとやる気まんまん。北海道は平らな大地では重機で引っ張り出す様なカラマツなどの割と単調な伐採が多いらしいですね。

 あ、そうそう。彼は元は東京の人で林業をやりたくて北海道へ言ったと仰っていたと思います。その様な人が増えて、此れからの阿武町がさらに楽しみです。
 Oさん元が林業の人なので、そういった目線で山陰の放置山をどうやって活用していくのか、それを見てみたい気がします。

 このブログの記事の彼方此方に書いているので重複しますけれど、当協議会が一般市民さん向けのローコストで行う森林資源活用のための最新の道具や手法をもって行う安全作業のための講習を展開しているのは、この混沌とした時代、気候変動でおこる災害多発の時代には、様々な切り口で自分たちで何とかしなければならない状況になる可能性が高いからです。

 要するに色々な意味で自立した生活を迫られることが発生するであろう、ということです。その場合、自給的農に関しては素人でも結果は出せますけれど、住やエネルギー自給に関する林については知恵と経験と道具がないと危険なことになってしまいます。

 また、災害に強い森林づくりというキーワードにおいて国にもプロジェクトがあり、またその事務局長の国土防災技術株式会社の田中賢治氏にもご指導を頂いていますが、そこで思うのは山主さんや一般市民がもっと賢くならなければ、ということです。

 その様な状況の中で、自分自身が農山村に住みたいとか山と関わって行きたいという想いであったところに311をキッカケとして自然豊かな此方に来ることができました。

 ひいては同じ方向を向いている仲間を増やそうとして協議会を立ち上げたわけですし、その後の活動において島根、広島のみならず広範囲に仲間が増えています。わたしをサポートしてくれている長野の樹上伐採のためのショップODSKさんとその仲間たちも居られますからね。

 その様な流れで、地域に根ざして山を活用しつつ整備を行い山を守ることを根幹に事業展開している田口氏たちとその仲間の人たちが、また新しい仲間を受け入れて、どの様に展開してくのかに興味津々です。

 他の記事に書いていますが、役場が人を選別せずに数字を上げるために林業版の地域おこし協力隊を入れると(と言うよりも民間企業の様な厳しい仕事の仕方をしていない人たちが、また林業現場の危険さをまるきり認識していない人たちにとって、人材を選ぶことや育成自体が無理。間に人をいれて、厳しく指導が出来る団体や経験者を立ててこその林業版でしょう。それも地元の人格者の人が居れば最適)、ただの税金の無駄遣いになります。

 林業版は活動費をフルに使う訳ですし、また林業資格を採らせたり質の高いエキスパートを育てる講習に莫大な費用が掛かっています。

 そして重機などの高額な機械をリースで導入している訳ですが、なんの素養も経験もなかった人がちょっと習っただけで扱い、そして谷に何度もバックホウを落としたり、ワイヤーを破断させたり機械を壊したりなど、何時死んでもおかしくないようなことが実際に幾つも起きています。

 ここで何の素養も経験もないと書きましたけれど、一般的なスポーツやアウトドアスポーツ、地域社会での共同作業をやったりお祭りでみんなでお神輿を担いだりと言った様な身体感覚を必要としたり他人とリレーションを取りながら一緒に物事を成し遂げる様なことをやって来ずに一人黙々と机上の仕事をしていた様なタイプの人たちのことですね。

 そして自分の人生の生き方も定まっておらずに自分探しに来た様な人まで採用しておいて、辞めたらば林業とはまるきり関係のない都会の仕事に戻っていく人間が後を絶ちません。社会人として一人前になっていない未熟な人たちもフィルタリングしないで入れてしまうわけです。

 他の事業の地域おこし協力隊の場合には、大抵は死ぬ危険性もないですし、他者に損害を与える様な重機を扱うわけでもなく、そして高額の機材も必要ありません。
 そして、林業従事者として必要な資格を費用(税金)をかけて取得するわけでもないので、例え地域おこしの仕事を辞めたり、また定住化に乗らずに他へ流れて行っても、地域の人たちは、『また、役場がなんかやっていた』で、雲散霧消してしまいますから、年間200万円支払っただけ?で済みます。

 ところが、林業版の場合にはさらに活動費の200万円を掛けて、それが何も役に立たなかったらどうでしょう。

 それも、本気で山に関わって行きたい人たちが欲しい資格や学びの機会を足蹴にして平気な税金の無駄遣いをして何ら地域にフィードバックもしないで居なくなってしまう様な人間にまでを国民の税金を原資とする制度の中に入れて平気なのがお役人ということです。

 此方では役場の人間が、民間の様にな事業を地域で起こすことを一生懸命やっていたかと思うと、実は退職後に自分が務める就職先づくりみたいなこともあります。事業をやって失敗しても責任が及ばないために、税金を使った事業遊びをしている人もいますね。

 ですから、自分が地域おこし協力隊の募集育成担当だった時には、受け入れる人をよく選んでから入れたかったのですが、それもなりませんでした。故にトラブルを起こす様な人も入ってしまいました(しかも、それ以前に同じ部署で前例があり、住民とトラブルを起こしまくった地域おこし協力隊の人が居たんですから呆れたものです)。

 もっとも、三割打者という言葉がある様に、何事も三割成功すれば上手く行った方だという話がありますから、全体から観れば田口氏の様な人が来てくれて良かったということでしょう。

 先に書きました様に九年ちょっと前の移住後から、わたしは別の自治体で集落支援員として3年間仕事をさせていただいたので、地域おこし協力隊制度ができた最初の頃の本気で優秀な人たちとも一緒に研修を受けてきています。
 また、失敗例もたくさん観てきていますが、地域おこし協力隊制度はけっして無駄な制度ではないと考えています。
 ただ、その事業をハンドリングする自治体の器と質の問題でしょう。

 7年前に総務省の第三回:地域サポート人ネットワーク会議全国協議会総会が広島県の神石高原町で開催された際に、その時の担当課長だった総務省の方も来られていて、以降何度も電話をしたことがあります。しつこく電話をしたので、最後は、やりすぎ!と叱られましたが・・・
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 その際に言われていたのは総務省側としては自由に暴れて欲しいということでした。だから自分たちは現場まで行かないでしょ?と。それは自分たちの裁量で制度を上手く活用して欲しいからと。
 その時に、おおっ!役人にもこんな人がいるんだと感動しましたね。国全体の政治を見ているとアホばかりが表に出てきますけれど、総務省の地方再生事業の要項などを見ていると現場のことも凄くわかっていて、賢い人たちが考えたものだということが理解できます。

 しかしながら、地方自治体の役人の内の権力者たちが地元の業者たちと癒着したりしていて歪んでいたりすることで、まともなお金の使い方が為されていないのではないでしょうか。

 うちの地方だとこんなサイトもあります。何処までが信頼できるか分かりませんけれど、地元の人に聞いている様な話も載っていますから、コレが地方の実態なのでしょう。移住者は地方に夢を描くよりも自分たち仲間で地域を此れから良くしていくつもりの方が現実的ではないでしょうか。

 この第3回目には、地域おこし協力隊の制度を立ち上げた椎川忍氏も来られていました。2回目は前年に広島県の宮島で開催されました。其方には来られて居られなかったです。
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 上画像が椎川忍氏。お薦めする著書はこちら。“地域に飛び出す公務員ハンドブック”、“緑の分権改革”目次は此方です。総務省の緑の分権改革のサイトはこちら

 何も廃版ですが、中古でも手にできますのでどうぞ。地域に飛び出す公務員ハンドブックは、椎川氏が島根県の総務部長も務められたこともあり、島根の今井書店さんから出版すると言う事で発刊されました。

 此れらの本がリリースされた当時には、講演会や勉強会があって公務員の人たちも勉強をされていた訳ですが、時代を経て受け継がれているかというと大部分が失われている様な気がします。

 山仕事もそうですが、勉強しないと時代に取り残されて行きますよね。特に此れからの混沌とした時代に突入するに当たっては、勉強しない人は社会的にも生きていく上でもどんどん厳しくなる様に思われます。

 時代の流れが全然違いますし、また今まで隠蔽されていたことが明から様になったりディスクロージャーがどんどん起こることでしょう。
 勉強して心の受け入れ態勢が出来ていない人はカルチャーショックどころではない大変革を目にすることになるのではないでしょうか。

 話を戻して、、、それから発表者ですが、下画像左が北大を出て環境学の博士号をもっていて対馬に地域おこし協力隊として着任した木村さん。その後、法人を立ち上げられてご結婚もされたはず。
 左から二番目が後出の多田氏。京大を出てコンサル会社勤務後に地震の被災地へ移住・着任。百姓を行いながら地域おこしの活動を続けています。

 学歴で地域おこしの仕事が出来るわけもありませんが、立派な学歴があって、お金に困らない仕事を選べる環境にありながら、それよりも自分自身が惹かれたことに身を投じたその心が素晴らしいと思います。
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 椎川氏ともお話しさせていただいた時にも、自分が「日本の此れからがどうなるのか暗い気持ちで考えていましたけれど、こんな本気の若い人たちが居て、こんな面白い制度があるので気持ちが明るくなりました!」、とお話をしましたら、椎川氏は『彼らは右肩上がりのバブル時代を知らないから、お金に価値を置くよりも、生きがいとかやりたいことが優先なんだよ。日本の未来は明るいよ。』、という様な内容のことを仰っていました。

 この様な制度を活用して、地域社会の維持や自然環境の保全を行いつつ新しいコミュニティのあり方を模索して構築していくことが可能ですから、田口氏のアプローチは非常に参考になると思います。

 ですが、形だけで真似ると失敗の元で、同じ様なことをやっている移住者団体は島根各地にもありますが、それは役場とくっついて派手なことをやっているけれど、結局は地域のためになんらなっていないものとなっています。
 要するに役場の知見の無さを利用して、田舎を自分たちの狩場にしているだけなんですね。
 下画像は椎川氏のプレゼンです。七年前に明確に指針が書かれています。
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 それもこれも、相似的にその役場のレベルに似合った人たちしかご縁ができないということでしょうか。
 地域に魅力がなく将来的に良くなっていくような希望が持てないから若い人たちが出て行ってしまい人口減少率日本一などという様なところが出てくる訳です。

 単に高齢化とかそういう問題じゃないんですね。そういった地域が沢山ありますが、地域の人たちに聞いてみれば、結構やばいずるいことをやっている役場もあるみたいです。

 また、地方創生とかアナウンスされますけれど、実は役人とか学者やコンサル的な人たちのための事業展開なのでは、と考えること久しいですね。
 華々しいフォーラムなどで成果発表があったり、またその手の本がたくさん出ている今日この頃ではありますが、地域住民の目線から言うと現実とは違う美しいことに仕立て上げられているのを実感します。

 例えば、ある地域がサンプルとして人口増を続けているとか言う事例が本に載っていたとしても、実際は地元で嫌な目にあって地域が嫌になったり、未来にヴィジョンが描けずに出て行く様な入れ替わりが結構激しくて、実際に残っている人たちは補助金ゲッターとして創造性もなく補助金頼りに生き延びているだけという人たち、そんな実に腐った話、それは裏付けもある話ですが、、、地元の人たちから聞きますからね。

 いや、聞くのは裏側の真実情報ですけど、実際にその題材となる移住者たちも見知っている人たちがいるので、さもありなんと言うところです。それは一箇所の自治体だけの話でなくて彼方此方に同じようなパターンであるんですよね。

 その現実については、わたし自身が地域活性化の仕事をさせて貰ったことと、それから住民向けの山仕事の講師を各地で行なっているために地域の人の声を聞ける立場であるため、表向きのアナウンスと、その成果について事の起こり以前からの状況、そして経緯と結果までを知ることがあるからです。

 つまり盛り上がっているのは、地方創生や地域活性化のお金が流れると、行政関係と関係する学者、コンサル会社、NPOなど、そして地方新聞、TVなどのメディア関連など、皆どこも落ちてくるお金で生活をしているサークルの人たちということに。

 わたしは時にそういった人たちの本も買っていますし、またフォーラムなども参加していますし、さらには、その周りの関係者とも知己だったりするので、実際の地域の現場の実情と、その公表されている内容のギャップもサンプリングしていての話です。

 勿論、全てがでっち上げとかそんなことはなく、実際に成果が出ていることもありますけれど、それが持続性のあるものなのかを省みれば、地域に染み付いてしまったネガティブな精神文化や気風を変えて、新しく次の世代へ繋がる芽が育っているものなのかと言うと単なる一過性の成果にしかならない様な事例が多すぎるという話です。

 その持続性の無さと言うか、美味しいとこ採りと言うか、その時だけのものばかりで、後から検証することもないですし、経過や失敗事例については新聞TVメディアは飯の種にならないので採り上げないですからね。

 それでは身も蓋もないので、そういったレベルとはまるきり違う、実際に地域を明るく引っ張っている事例も挙げておきましょうね。
 日本各地にこういった活動をしている人たちは大勢いるはずです。それには、自浄能力を高めて地域を整えて行かないといけませんね・・・

 ご存知ない方のためにご参考に先の神石高原町で事例発表を行なった多田氏の動画をリンクしておきますが彼も凄いです。内容の紹介をメルマガで貰っていますので、一部をコピペしてみます。

------前略

第2次世界大戦後の焼け野原から世界第2位の経済大国にまで成長したわけだが、終戦時にこの状況を想像できた人はいただろうか?

不可能を可能にするのはそれを目指すかどうか次第である。

最初から無理だと考えるのではなく、どうやったらできるかを国全体で考えて取り組むという事が大切だと思う。

 

生活に必要なものが国内で賄えるようになったら、それをベーシックインカムとして国民にいきわたる仕組みを作るべきだが、現金を渡す必要はない。

なぜなら、生活保護受給者がパチンコ屋に行くような目的外の用途に使われるのを防ぐ必要があるからだ。

例えばこういう方法は技術的には可能だろう。

それは、マイナンバーカードに生活必需品と交換できるポイントを毎月国がチャージする事で、マイナンバーカードをレジでピッと通せば生活必需品が買えるという仕組みだ。

生活必需品の区分は消費税アップ後に導入された軽減税率適用の有無をそのまま使えば面倒な事務はかなり削減できる。

 

生活に必要なものがベーシックインカムとして国民にいきわたると、年金が破綻したとしても、また、コロナウイルス騒ぎのようなパンデミックが起こって経済が停滞したとしても、最悪生きていく事は出来る。

これからの時代は経済成長一辺倒ではなく、安心して生活ができる仕組みづくりこそが求められていると思う。

そしてそれは都会と田舎の良いところを組み合わせるからこそ可能になる。それこそが真の意味での地方創生だと思う。

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以上


 彼は京都大学卒でコンサル会社で働いていた時に中越地震のボランティアに行って考えるところがあり、仕事を辞めて家族で被災した地域に移住したそうです。そして地域おこし協力隊として活動し、NPO法人を立ち上げて地域おこしの仕事を行なっています。


 彼らの地域には都会からの若者の移住者が大勢入っています。神石高原町での事例発表の自己紹介の際に彼が言っていたことは、『今の様な経済社会の仕組みはもう長くは続かないと考えられるので、自分たちで地に足がついた生活のベースを創っていく。』と、いう様な内容でした。

 そして、彼は最近農文協から本も出しました。奇跡の集落:廃村寸前「限界集落」からの再生です。わたしも買ってあります。。。HPはこちら


 多田氏はここしばらくで動画で想いを発信しています。此方が参考になる人たちは沢山いると思いますのでリンクして頂ければ幸いです。“元限界集落から地域おこしチャンネル”


 その中に見当たらなかったのですが、下記は役場の人たちに観てもらいたい動画です。知り合いに紹介したら早速役所の人間に送ったと言っていました。何処でも同じ様な問題が起こっている様です。要するに国から助成金を持ってきて有名な人を呼んで形だけの事業を行なっているだけです。

 要するに担当者の任期の間に何かをやることだけが目的となっているんですね。


 あと多田氏は、どの動画だったか忘れましたが、“年度予算を年度内で無駄に消化する仕組みは、国の方で仕組みを変えれば、直ぐにでも実行できる税金の有効活用方法に変更できる”、という様な内容のことを言っています。これは国の方で是非実行していただきたいことでしょう。


・地方創生がうまくいかない5つの理由:地方創生の矛盾~都会のコンサルタントにお金が流れている!!

 これは、有る有るです。


ぬかるみにハマったトラクターを自力で脱出させる方法

 田んぼをやっている人たちにはこんな動画もあります。


 さてさて、この様に世の中全体のことも真摯に考え活動している人たちを応援したいですよね。田口氏は役場の至らない部分も受け入れて事業化できる人なので、やる気のある役場であれば、こういった想いをもった人たちを間に入れて活躍して貰うことが必要でしょう。


 下記の画像は、神石高原町に於ける椎川氏が行なったプレゼンの極一部ですが、ちゃんとこの様な肝について書かれています。

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 この上画像をアップにして見ていただくと、椎川氏の肩書きが沢山書かれていますけど、その中で“羽黒古修験道山伏 善永”、と書かれています。善永は法名だと思いますが、羽黒修験の修験者なんですよね椎川さん。


 この件は夜の飲み会の時にお聞きしたのですが、現役時代から行きたかった山駆けを退官後やっと行ってきたと。山籠りを確か十日間と仰っていたと思いますが、山駆けして瀧に打たれてお堂に籠もって修行をされて来たそうです。


 と言うことで、普通の方じゃないですね。わたしも横浜から通って目黒不動尊で一冬に百日間の滝行をしたことがありますが、まあ都会ですからね。ちょっとだけ普通じゃない程度です。

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 この様に外から地域社会に入って何かしら事を起こしていくには、社会人としてある程度鍛えられていないと負のエネルギーに飲み込まれてしまうということです。


 そういった事に負けないエネルギーとヴィジョンを持った人を誘致するには、地域自体が魅力的であったり、自分たちで自立して物事を成し遂げたいと思っている人たちが地域に大勢存在していることが大事ですね。

 補助金に依存して文句ばっかり言っている人が多い地域には其れなりの人しか外からやってきません。


 今まで役場のことを良くは書いていませんが、というか書けないことばかりが多いからなのですが、それでもマトモな人も沢山いるはずです。でも、組織に入ると組織の論理に負けてしまうのが殆どですよね。


 ところが首長が素晴らしい人だと、腐った人が内部に居ながらも全体では盛り上がります。光と闇のバランスですね。

 丹羽氏が木の駅プロジェクトの一番最初の立ち上げにを助力した鳥取の智頭町は、町長がメチャ面白い方なので佳き人が集まってくるのでしょう。

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 7年前に智頭町で開催された“第3回全国百業づくりネットワーク大会in智頭”にも参加させて頂きましたが、当時は何処も立ち上げの最初の頃だったので皆さんが熱い想いをもっておられました。


 智頭町の場合には行政主導で行政の原資で木の駅を動かして行くのではなくて住民の人たちが作り出した資金で回していくこと自体が凄かったですね。智頭の百人委員会の方達を中心とした動きです。プレゼンの画像を撮ったものを使わせて頂きます。

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 想いがあれば助っ人も集まります。

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 運営資金も木を出荷する人たちの志(こころざし)で木を寄付して生み出していました。
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 7年前の内容です。

 その当時の智頭町には県から出向して来ていた鳥取県の職員だった山本氏が事業推進のバックアップをされて居ましたけれど、一昨年だったか木の駅のサミットでお会いしたところ、県を退職されて、智頭町の山村再生課の課長になって戻られておりました。


 待遇が全然優遇されている県職から町の職員への転身ですからね。この様な熱い想いを持った方達が行政の裏で支えているということです。転換期であるこの時代を乗り越えていくために頑張って欲しいです。


 とは言っても、組織は全体の総意の中から質と方向性が滲み出ている訳ですから、それと同じ質の人たちが集ってくることになります。


 故に山も川も海も綺麗に、そして自分自身の想いも綺麗にしないといけませんね。今の世の中は祓いが必要です。


 話は戻って、田口氏の周りの都会から移住してきたメンバーは、税金によって食べさせて貰ってきたことや資格を得たことをちゃんと自覚している人、山仕事そのものがホントに好きな人、地域林政アドバイザーの資格も取って地域で生きていく覚悟のある人などが育っています。


 それから、自伐型林業とか言っても、伐って出して売るだけが自伐型と勘違いしている人たちが多い様ですが、それだと事業体と何ら変わりないし先行きも作業員のまま終わります。


 そういった仕事をしている人たちをウォッチしていますと、山や自然に対して愛がないですね。農業でも言いますけれど収奪型のことしか考えていない林業です。自然界が与えてくれる恵みに対しての感謝の気持ちもないのでしょうか。

 育てることを考えられないということは基本的素養として愛がないと言うことでしょう。


 その中の一人には、そういった話をして、山仕事をするにしても伐る木に対してもリスペクトを持つことや山全体を良くすることを思いながら作業をしないと危険なことになるよ、と言ったことがありますが解らない様でした。


 もっとも、他人に対してもリスペクトの念を持っている人たちが少ないですから、ましてや物言わぬ植物に対しては只のモノとしか考えていないのでしょう。でも、実は人間よりも植物の方が強いんですよね。


 そして事業体は育林造林などの次への投資もやっていますが、いま他人が植えた木を伐っているだけの自伐では未来はないことになりますよね。そんな人たちの仕事の質はどうなのでしょうか。現場跡が綺麗なことを祈る次第です。


 豊かな森を擁する山は我々に恵みを与えてくれる一番の源です。生きた山が生物を育み水を浄化して、栄養素豊かな水を川から海へ流して全てを支えてくれています。山を収奪の対象のみで考えない様にしましょう。



【元径90cm弱の杉の製材は海辺で---製材システム構築の注意点など】 
 こちらは、湿気がメチャクチャ多い山陰ですが、田口氏によれば、此処の海沿いの地域は非常に乾燥していて家の中もカビないらしく、製材板を乾かすのにもピッタリだそうです。
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 わたしの家は風通しが良いところですけれども、カビには悩まされていて茶箪笥の中もカビたりするんですよ。そして外で風通しがある様にと乾燥していた杉材もカビましたからね。
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 上画像はその後に日干ししているところなので、ちょっとわかりにくいですが、左側の杉板は黒っぽくなっているところが分かるでしょうか。カンナがけもしてあるので判るのは端の方だけですが。

 さてさて、阿武町での製材ですが田口氏は町の会議で遅れてくるとのことなので、先に出来ることからやり始めました。
 と言うのも、今回の約90cm径材の製材にはうちにある製材セット(395XPとG778-24とレール)だけでは無理で、今回用に田口氏が新しくネットでポチった大型のアラスカンミルのフレームが必要だからです。

 販売者のリブロスデルムンドさんのサイトの表を拝借すると以下の様になっています。
アラスカン
の種類
取り付け可能チェンソーの
ガイドバー長さ
最大板幅
 
G778-24 おおよそ610mm以内 535mm(ガイドバーの長さが610mmの場合)
G778-30 おおよそ765mm以内 685mm(ガイドバーの長さが765mmの場合)
G778-36 おおよそ920mm以内 840mm(ガイドバーの長さが920mmの場合)
G778-48 おおよそ1225mm以内 1145mm(ガイドバーの長さが1225mmの場合)
G778-56 おおよそ1425mm以内 1345mm(ガイドバーの長さが1425mmの場合)

 田口氏は1年くらい前にハスクの最大級のチェンソーの3120XP(118cc)を手に入れてあって、確か1m長のバーと言っていました。

 となると、アラスカンミルがどのタイプなのかということですが、このハスクのバーのサイズが実際の有効長にリンクしていないので現物で確認するしかありません。

 うちにあるハスクの395XPは田口氏が以前平行輸入していたパワーサプライさんから買ったものなので、日本仕様とはバーが全然違います。1.3mmゲージの32インチバーです。ソーチェーン 自体も刃数が少ないので研ぎやすいセミチゼルのスキップチェーンです。刃が薄いので製材向きかもしれません。

 で、バーは32インチとありますが、有効長は75cm程度。スパイクを外して78cmくらいです。
 でも、スプロケットノーズなので、アラスカンミルのフロント部分と取り付けをノーズギリギリにするとチェーンが回らなくなります。
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 上画像よりも若干ノーズよりにしても平気ですが。え〜、因みに縦挽きの場合には切り粉は本当に細かい粉になります。刃が切れていないわけではございません。
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 元の方はというとこの程度までフレームが迫っています。
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 結構余裕がないですよね。これで最大板幅が535mmとなっています。でも、実際にやってみるとギリギリの幅だと材との摩擦でやりにくいです。

 ですから、チェンソーメーカ(もしくはバーを販売しているオレゴンさんとかツムラさん、スギハラさん)のバーの長さ表示だけだと、アラスカンミルとの組み合わせが合わない可能性があるかもしれません。

 因みに下記画像の右側がハスクの560XPにスギハラの25インチバーを装着したものと、真ん中の395XPに32インチバーのものは、アラスカンミルの一番小さいタイプのG778-24で適合します。
 でも、バンパースパイクを外せば、幅に少し余裕が出ますからアラスカンミルのもう一つ上のサイズのG778-30が装着出来るのかも知れません。この件については、スプロケットノーズのバーの場合には、もう少し精査が必要です。

 あと左側のハスクの昔の機種で100ccのものに付いているのは1mくらいのバーです。このチェンソーは振動が酷すぎて少し使っただけで手が痺れて作業に、、、いや人生に差障りがあるくらいです。
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【まずは小径木で基本的なところからお試し練習】 
 その様なこともありつつ、まず最初は私が持っていった一番小さいタイプのアラスカンミルに組み込んだ最大幅50cm強のチェンソー製材セットで練習をすることにしました。
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 とは言っても、チェンソーが95ccのものですから重たいです。わたしは最初に此のレールとフレームのセットにハスクの60ccチェンソーの560XPに25インチバーを組んだもので製材をしていましたが、縦挽きは負荷が高いので高回転型のハスクの60ccではエンジンが焼けてしまいそうになるので止めました。
 チェンソー製材には圧縮率の低い低回転からトルクがあるタイプのチェンソーでないと過負荷になると思います。

 でも、幅の狭いあまり長く無い材だったら560XPでも製材できますよ。けれども、自分の場合には幅広長尺材の製材をしたいので大きなチェンソーが必須です。

 実際に、他の人の話を聞くと小排気量のチェンソーで製材をして焼きつかせた話を聞きます。玉切りなどの横挽きとは違って縦挽きの負荷は段違いに高いですからね。伐採の時に根張りを縦挽きで切るくらいでは、その負荷の具合は分からないと思います。

 それに目立てがちゃんと出来ていなければ、さらに負荷が高くなりますから、立て挽きの際には要注意。わたしは混合比も高くしていますし、また切れなくなったなと感じたら、すぐに目立てをしています。

 チェンソー製材は自分の目立ての腕を試されますよ。あと、チェンソー製材の時の刃付けですね。
 縦挽き用のリッピングチェーンと言うものがありますけれど、自分の使うチェンソーとバーに合うものかどうかが問題です。ゲージとピッチが合うものってなかなかありません。

 で、大抵は皆さん、刃を擦って縦挽き様に上刃目立て角を10度程度にしているそうです。スギなどの柔らかい木は普通の伐採用の刃で大丈夫と、出来杉さんのブログで書かれていたと記憶しますが、その通りで全然大丈夫です。
 今回の3120XPもそのままでしたけど、目立てをして普通に切れる状態ならばOKでした。
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 そして次は、2.7mのEZレールの設置から始めます。此処が一番肝心な作業です。この作業をいい加減にやると後々に響きますからね。

 丸太の木取りをどうするのか、元と末との太さの差などからどんな板の景色を浮き上がらせるのか、色々精査してからカットするかを決めるので、レールの設置が一番手間と時間が掛かります。

 ただし、このEZレールを使うのは側を剥ぐ時だけです。側を剥いでキッチリと平らな面ができたら、その面自体がガイドレール代わりになりますから、あとはフレームとチェンソーのセットのみで、欲しい厚さを設定して製材していけば良いだけです。

 ところが、一枚目で失敗する時もあります。その際には、二枚目(の裏側)で綺麗な平面を作るために、もう一度EZレールを使う必要があります。
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 本番の太い木を製材する前に細めの木でやってみました。95ccのチェンソーとアラスカンミルの一番小さいタイプです。ソーチェーン は縦挽き用のものも持って行っていましたけれど、この冬に伐採用に使った72LPXで全然大丈夫でした。

 でも、このセットだと幅が50cm強なので一番上の側だけしか製材出来ません。また、こんなに短い丸太だと逆にレールがキッチリとセットできないのでやりにくいですね。レールを仲間に抑えていてもらう必要があります。

 ところで、こんな画像を観ると、「俺ならばそんな金かけないで自作してレールも用意するわ。」という人が必ずいます。人によっては単管パイプを組み合わせて作ったりね。

 でも丸い管をクランプで留めるとどうしても捩れが出るみたいですよ。あとは、肝心なのがフレームを丸太の表面に固定する方法と、もう一つはネジで足を作って高さ調整をする機能が一番大事です。このネジの長さが製材精度に関わってきます。

 その点、このEZレールはそこそこ良くできていると思います。ただ、木の外側の皮が極度に凸凹だとネジの長さが足りない時がありますけどね。それから、レールの長さは継ぎ足してもっと長くできますから通し柱も理論的には作れます。

 このアラスカンミルはたしかカナダ製だっと思いますが、あちらのものは日本製品に比べて雑な造りのところがありますけど、価格が3万円くらいですから製材した製品から考えても充分に元が取れる以上の価値はあるのではないでしょうか。

 逆に言えば、レールとフレームで7万円程度が払えないんだったら、大型のチェンソー自体も用意できないわけですから、チェンソー製材はリスクが高いような気がします。チェンソーをパーにしたら元も子もないですからね。

 私の場合にはビジネスに長けた仲間がいるので辛うじて製材が出来ているという運がよい状況なんです。自分のハスクの560XPを製材に使って焼きつかせたくないですからね。製材には低速でトルクがあるチェンソーが必要です。
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 さて、これで一番上の側を剥ぐことができて平面ができました。が、2枚目は幅が60cm程度のところがあるので、此の製材セットでは製材ができませんので作業ストップに。

 幅がさらに広い製材セットを持っている田口氏は会議中で連絡が取れないので待ち状態のために、他のことをやることにしました。


【チェンソー製材機が買えない場合の製材方法について】
 うちの協議会は今でこそ道具が色々揃っていますが、それも生活費を家に入れないで隙あらば道具に投資してきたからで、能天気な妻が温かい目で見守ってくれたからであります。ヒャア〜、冷や汗と感謝の日々ですね。

 移住してきた当初は隣の市の臨時職員(集落支援員)で地域活性化の仕事を3年間していましたが、手取りが10万円ちょっとでしたからね。街のガソリンスタンドまで35km。一番近いお店(ローソン)まで25km。25kmって八王子から新宿くらいですよね。

 で、8年半くらい前に立ち上げた当協議会ですが、基本わたしが貧乏なので、少ない道具で何ができるか、またできるようにするかが根本精神です。
 だから、講習会も知恵と道具の活用を基本として少ない費用で、一般市民さんたちが安全に森林資源活用が出来るようにするところを根幹にして行なっています。

 そんな道具がない頃に行っていた方法です。これは昔、チェンソーはおろかノコギリも無い時代の製材のやり方ですね。矢で材を割る方法です。そして杉はその方法でも素直に割れてくれる材の代表です。
 うちの協議会名は縄文之森協議会ですが、その縄文時代にもやっていたであろう方法です。
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 割りたいところにチェンソー(ノコギリ)で切り口を入れて、そこに矢を打ち込んで割る方法です。矢は鉄矢を使用しました。
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 此れらの道具は、自分が東京の日野市に住んでいた頃、つまり20年くらい前には動力の薪割り機なんて普及していなかったので、太い木や粘る木には斧ではなくて鉄の矢を大ハンマーで打ち込んで材を割っていました。
 右端は中サイズの樹脂製のクサビです。比較すると大きさが分かると思います。

 その時の仲間は、今では田園調布などの洒落たお店も扱っている結構有名らしい木工作家になっていますが、その彼の手伝いで、陶芸家の人に赤松の薪を納入するのにこの方法でやっていました。

 でもって、島根に来てからの7年前にも、頼まれて行った小学校の環境教育の際にも、此の木の割り方を子供達とやったことがあります。ハゲ頭をあまりご披露したくはないですが、此の際だから簡単な製材方法をお見せして仕舞いましょう。

 同じ作業の繰り返しで板ができます。その上で、少し前の時代ならば手斧(ちょうな)、大昔ならば黒曜石の刃物で整えたのでしょう。
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 此の時に、大昔の縄文時代の人たちは、こうやって木を割って舟を作ったりしていたんじゃないかな〜、と昔の人の知恵の話をしましたが、流石小学生には受けませんでしたね。

 杉材ならば結構簡単にできますが、矢は幾つも無いと割れずに食い込んだままになりますから、作業が進まなくなりますのでご注意を。
 そのあとは皮むきをします。
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 今回は板材にするのは後回しにして皮むきを先にやってみました。皮むき器は色々なタイプがありますが、今回使ったのは洋式のピーリングナイフ。日本だとセンというものになります。
 鋼で出来たセンは生鉄も削れるので、昔の鍛冶屋が火入れをして鍛造する前の刃物を整形するのにも使ったものです。今ではグラインダーなどですが、昔のセンで削るやり方ならば削り取った鉄屑を再利用し易かったと思います。
 鍛冶屋は鉄屑からも道具を創り出せる技術を持って居ます。

 少し、こういった手道具の説明もしておきましょうか。25年くらい前から鍛冶屋さん通ったり山仕事の道具を揃えている金物屋さんへよく行っていましたので、たくさんの手道具の画像をストックしています。
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 上画像は手斧(ちょうな)ですね。ですが、これは製材用のものではなくて、臼刳り手斧(うすくりちょうな)と言って、臼を作るときに丸太材に穴を掘るものです。
 確かこの作者は北陸の大野市の安養寺さんだったと思います。すごく良い造りです。

 この手斧を使ったあとは古民家の梁などで見ることができます。昔は表面をハツリ取って材を整えているものが多いでしょう。
 現代では板材の装丁として行い高級材として手斧を使った名栗(なぐり)加工材を作っています。此方のページをご覧いただくと歴史的なことが少し分かります。

 木の皮を剥くのには下の様な和式の道具もあります。
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 両方とも長い柄が付いていて皮を削いで剥ぐ道具ですが、右側は向こうと手前の両方に刃がついています。

 他には皮剥ぎ用にはこんな道具もあります。一番上のものは竹割り鉈なので関係ないです。二番目のものはヘラで皮を剥ぐ時に間に突っ込んで抉るものですね。此れは先端が丸いものですが、角型のものもあるそうです。
 下が皮剥ぎ用の鎌で、これで幹の周りをグルっと切ります。
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 つまり、ヒノキの皮を剥いて桧皮ぶきなどの屋根材として使うために採る専用の道具ですね。そういえば、広島から吉野へ地域おこし協力隊として行って皮むき修行をしてきた仲間がおりますので、今度どんな道具を使っていたのかを確かめてみましょう。

 でも、ちょっとした丸太の皮を剥くだけならば一般的には鉈で十分ではないでしょうか。その場合には片刃よりも両刃の方が必要以上に食い込まずに皮だけ剥ぎやすいです。
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 上の画像は中学二年生の林業体験の時のものですが、女の子も男の子もチェンソーも鉈も上手に扱っていました。

 そんな話を書きますと、高校二年生の子たちの林業体験の時にはスポーツをやっている子たちばかりだったので、覚えが早くて安全にチェンソーワークをやっていたことを思い出します。
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 一人で伐倒までやりました。この伐倒は、朝10時に現場に来て、午後の2時には山を下るスケジュールの中でやりました。その初日のことです。他の子たちも上手にやっていましたが、体技を習うことに慣れているスポーツ系の子供達は素直に反応できるので覚えが早いですね。すごいでしょ?

 チェンソーを持ってのスライスは二日目です。ジット・ネットワークサービスさんたちが教えるエンジンを噴かさないで低速で伐る練習です。この切れる刃をもって低回転で切る技は、受け口・追い口作りの正確さに繋がりますから大事な事ですね。

 子供達はほんと上手にやれますから、若い時から山に入って経験しておけば自給自立的な生活が必要な時の底力になるのではないでしょうか。

 ところが、講習会をやっていて難儀をするのはオッ〇〇たち。言うことは聞かないし(頭では判っても身体が素直に動かないという意味でも)、半端に知っている人は危ないこと平気でやるし・・・

 さて、此処では短い材しか割っていませんが、割れ目に次々と鉄矢を打っていけば長い材も割れます。それを何回も繰り返せば板材が出来るということに。
 あとは表面を刃物で綺麗に整えて行くといくことですね。

 うちの協議会は基本的に原油に頼らずとも最低限のことが出来る道具立を目指していますので、色々な手道具、つまり人力で結果を出せるものを揃えています。
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 これはレスキュー用の道具で「ハイリフトジャッキ(グレードはエキストリーム)」、と言うものです。人力で2t位のものを1m持ち上げられます。
 脱輪車両もそうですが、倒壊した建物やブロック塀などを持ち上げて人が通れる隙間を作る際に使用します。
 オレンジレスキューなど海外でもレスキューのプロが使うものですね。レスキューを待っている間に、自分たちで出来ることはやった方が良いという考え方なので持っています。また記事も一応書いてあります。

 レスキュー的自立の意味では、人力ではありませんが、左下画像の上真ん中に写っているオレンジ色のバッグの中身も大切です。
 中身は40mm径の90m消防ホースです。すぐ横に100ccのエンジンポンプがあって、吸管6mもあります。超小型の消防ポンプセットです。

 揚程が15m位ありますので、山岳消防に活躍します。エンジンとホースで二人いれば背負って運べますからね。
 消防団が来るよりも早く消化活動ができる優れものです。また、65mm変換アダプタがありますので、消火栓や消防車が届かない先のブースターとしてもこのセットは使用できます。田舎暮らしに必要な野焼きにも良いですしね。
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 左上の画像の刃物は和式のものばかりですが、右上はグレンスフォシュの製材の時につかう斧です。買ってはみましたが、ハスクやスチールの道具と同じ体が大きい外人用ですね。ちょっとわたしには使い切れません。
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 他に上画像の左から二番目のヨキは同じくグレンスフォシュのスモールフォレスターだったかな、と思いますが、日本のものと比較して刃が錆びやすい様な気がすますが如何でしょう。

 赤錆の出方が、日本の安い方の鋼の黄紙と同じ様な感じです。鉈と違って斧は打撃道具なのでそんな感じの鋼を使っているんですかね。

 鉈の場合には一般的には安来鋼の白紙か同等の鋼を使っていることが多いですよね。青紙はクロムが多いので錆びにくいですけど、硬く焼きが入りやすいので鉈にはあまり使わないでしょう。研ぎにくくなりますからね。

 和鉄という昔のたたら製鉄でつくられた鉄を使ったものは錆びにくいと云われています。Fe3O4の酸化被膜が出来るかららしいですが、現代の鋼ではそうはならないですよね。

 因みに右から2本目の鉈は黄紙です。鉈の性能としては良いものですけど、使うたびに油を塗っておかないと錆びやすいです。

 と言うことで手道具でも簡単な小屋掛けくらいはできますので、ぜひ遊んでみてください。

 それから太くて重たい丸太を製材する時に必要な準備がありますので追記しておきます。丸太の下に枕を入れた方が材が安定する場合が多いので細めの丸太を用意しておくと良いですね。
 それを枕と呼ぶことが多いですが、その枕には下画像の様に材が安定する様に凹みをチェンソーで刻んでおきます。私の場合には突っ込み伐りで平らな面を作っています。
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 ただ、製材したい丸太が重たい時にはこの丸太の上に乗せるだけでも大変です。重機などなくてもできる様にするには、まず枕の端をクサビ型にして丸太が乗り上げやすい様にすること。
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 それからロープなどを巻いておき、引っ張れば枕側に転がる様にします。巻き数の分だけの距離が転がせます。これは伐倒した材の横移動のときにも使う技です。

 また、人手がなくて人力で上がらない場合には、動滑車の原理で倍力・3倍力を掛ければ良いですし、アンカーを採って滑車で方向転換(リダイレクト)して車両で引っ張っても良いかも知れません。

 人手が多ければ、複数で棒を使ってテコの原理で押し上げるのが順当なやり方でしょう。材によっては一人でも乗せられるかもしれません。

 そんな重量物を扱う時の注意点ですが、重たい材を動かす場合に複数人で持ち上げるなど野蛮なことを格好良くやろうとすると、誰かが力負けした時や躓いた時に材を落として足を潰すとか指を挟むなどすることが考えられます。または、腰を痛めるとかね。

 生木の重さをナメていると一生障害を背負って生きていく事になりますから、労災とはご縁がない一般市民さんの森林資源活用は智慧と道具を駆使して楽に安全にやりましょう。山仕事は多人数でお祭り騒ぎの様に作業するのには危険すぎます。

 自分一人で完結できる仕事方法を持っているもの同士で助け合うのは安全率が高いですけど、自己完結できる方法や経験を持っていない人と連携するときは事前の注意確認を怠らない様にしましょう。

 この丸太は元径が60cmくらいの5m位の赤松でしたが、わたしはエンジンウィンチがあるので、それを使って上げました。画像の機種は700kg引きなので楽勝でした。材が何トンあろうが、転がしは大した力は要らないですものね。
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カタログスペックだけでは見えない部分あり---でも製材はバッチリ】
 さて、昼前に会議が終わった田口氏のところに紅一点のI田嬢が、ハスクの3120XPと大きなタイプのアラスカンミルを取りに行ってきてくれたので、本題の太い材の製材準備です。
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 まずはレールの設置ですが、先に細い材を製材した時の様に、どの様に木取りをするか考えます。と言っても、縦横難しい木取りをするわけではありません。

 が、テーブルにしたいと言うので、末と元とを芯で繋いだら面になった時の景色が面白くないので、少しでも風情のある様に割りたいわけですね。
 そのテーブルにしたいのは、地元阿武町のY田さんで半海半林を始めた人ですが、古民家改修をやっているので、其処に使いたいと。

 この極太杉丸太は、地元のキウイ農家のT原氏が邪魔だから伐って持って行って良いと田口氏たちにくれたものです。
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 製材して良い材になったら、『惜しくなってきたね。』と冗談を言っておられました。皆だいたい丸太の時は邪魔だなと思うのですが、製材して良い材ができると途端に気持ちが変わるんですよね。
 でも太っ腹のT原氏はみんなに使って良いよと、見学楽しかったと帰って行かれました。
 阿武町のT原氏もY田氏も、前回のロープワーク&搬出講習の時に参加しておられた方で、T原氏は掛かり木処理用のロープ&滑車のセットも購入されていました。

 あとは、フレームは2.7mのものが一本しかないので、3mを超える材のどこを使うかがあります。というのは、アラスカンミルのフレームの前後両端がレールの上に乗らないと、板の端が大抵下がって曲がりが出てしまうからです。

 要するに実質真っ平らになる部分が2.5m前後くらいになってしまいがちです。特に大きいチェンソーの場合に、アラスカンミルの後端がレールから外れている時に重量を腕だけでは支えられません。そのために平面が出ずに板が曲がって製材されてしまいます。

 その様なことを留意しながらレールを設置します。このレールの場合には、足となるネジが6本あり、木の表面に打ち込んでレールが動かない様に固定する回転型のスパイクが付いています。
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 レールが捻れていないかを確認するために水平器も必要です。

 もう一方では3120XPのアラスカンミルへの装着準備作業をします。
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 まずはバー&チェーンの取り付けから。重たいので二人掛かりでやっていました。そして田口氏が役場から戻ってきてみんなでお昼です。
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 変わった幌の軽トラは、美しい作業路開設を行うメンバーの有村氏のものです。通うのが大変な現場ではこれで寝泊まりするとか。

 彼は、昨年度から始まった私の住んでいる集落の水路管理道造りにも携わっています。また、昨年末に広島県の事業で行なった『「山に優しい壊れない路づくり」と「近自然林の森づくり」の“広葉樹”里山資源の活用講習会』の際に安芸高田市まで作業道開設作業に来てもらいました。
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 その際には前出の吉野の黒滝村へ地域おこし協力隊として着任していた安芸高田市出身の住吉氏とも友達なので二人で路作りをやって貰った次第です。

 彼は吉野の岡橋さんに教わって、もうしっかりと大橋式の作業路開設ができる様になってきていますが、それでも難しいケースで判らない時には岡橋師匠に相談するとか。結構難しい現場で壮大なルート開設作業をやっていますからね。
ルート案②
 要するに大橋先生からみたら孫世代が手法を引き継いでくれていて、航空写真でも路の在処が判らないくらいに山肌に馴染んだ山に優しい壊れない路づくりによる持続的な森林整備が出来る様になるわけです。

 幅員2.5mまで、法面の切り高1.4mまでの高密度路網の開設は自分たちの手で適度の森林資源活用を行いながら森を保全していく山を守り活用して行く上での大事な手法です。

 そして水が出る良い山があれば自分たちで道をつけて山の上に住むところを作ることができます。それも、自分たちで木を伐採して小屋を建て、薪で暮らすという生活の基本条件を整えられる訳ですから、こんな楽しい遊びはないですよね?

 以前にも、島根東部でも数年前に田口氏を講師に住民の方達向けの大橋式作業路開設の講習を行いましたが、最近は田口氏が忙しくて日程が採れないので、有村氏を講師に講習を開催する予定にしております。

 この作業路開設の講習をやると、日頃講習時に言うこと聞かない?地元のオッさん達は結構マジになります。一般市民とは言っても農家を含めバックホーを動かせる人は沢山いますからやりたい人は多いみたいですし、その上、路づくりなんて、子供の時の泥遊びの延長ですから、頑固なオッさん達も結構素直になるんです。若い彼らの言う事を真剣に聞いています。

 さて、お昼が終わって作業再開。
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 3120XPに1mバーを装着して、アラスカンミルを取り付けてみたら、先端ギリギリにマウントが来てしまう。それでは使えないのでバンパースパイクを外して取り付けることにしました。

 そして、さらに問題点が発覚。バンパースパイクを外しても両端のマウントの位置がギリギリなので、チェンソー本体側のアラスカンミルの厚さ調整機構が本体に当たってしまい、それ以上下がらないために、9.5cm厚以上の板の厚さになることが判明しました。
 って、文章で書くと分かりにくいですよね。

 要するに現場で装着してみるまで判らないことはたくさんあるということで。。。この1mバーはハードノーズバーなので、朝に使った395XPのバーとは違って先端部近くにマウントを留められるのですが、それでもギリギリの長さでした。
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 そして、製材する材の元径の幅にもギリギリ。アラスカンミルをマウントするためにバーの先端部分と付け根の根元の部分が使えなくなりますから、バーの有効長マイナスマウント二箇所分の幅がロスとなります。

 なので、バーの長さで製材できる木の幅が決まるのではなくて、アラスカンミルのタイプ別の製材幅に対してバーがマウントできる長さを持っているかということですね。
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 さて、方針も決まり一枚目の側(がわ)を製材して剥いでみました。ところが此処で問題です。刃が全然進んで行かないんですよね。
 質としては柔らかい方の杉材でも、118ccのチェンソーが入っていきません。確認したら、前回ケヤキを製材した時のままだとか。

 みんなで道具を使っていると管理が悪くなりますね。それでメチャ刃数が多い1mバーですが目立てをすることに。5.5mmの丸ヤスリです。担当者は紅一点のI田嬢。

 彼女はジット・ネットワークサービスのランク4審査で、100点満点近い目立ての成績を持っている人です。ジット・ネットワークサービスご存知ですか?

 全林協さんから発刊されている「伐木造材のチェンソーワーク」の著者の石垣氏が理事長の団体ですが、このジットには島根支部があります。理論的なチェンソーワークと目立て理論は後進を育てるのにも非常に分かりやすく安全作業理論を説明できるところが素晴らしいですね。

 島根では島根ジットが各自治体の事業で、住民の人たちに目立てと伐倒を教えているので、一般市民でもかなりレベルが高いと思われます。

 わたしも一応ランク4審査を3度くらい受けていますが受かりませんでした。わたくしめ気が弱いので試験向きじゃないんです。
 一人で伐採すると上手いのですが、ジットの審査はそういうところを見ているのではなくて一つ一つの安全確認や安定したフォームも点数の内なので、ピンポイントで伐採しただけでは落ちてしまうんですね。

 つまり審査会では、木を倒すことのみを目的としているのではなく、安全に、そして理論の下に正確に作業をして伐採を行うこと、伐採中の安全確認と安全の確保、伐採後の安全確認まで全て採点の対象となります。

 掛かり木なんて発生したらもう大変。その中身や安全確保までよく見ています。チェンソーのキックバックに対応するフォームとか枝払いの際のフォームや安全確保など持ち点300点の中からバンバン引かれるわけです。事業体のプロでもボロクソの場合が多いですね。
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 それでも、自分は目立て審査では93点くらい行っていたと思いますから、もうそれでいいやと・・・でも、自分が不器用な分、他人に教えるのは上手ですが。キッパリ...

 因みに此処にいる彼らもジットのランク4審査会は受けています。ランク4もっている人も居るんじゃないかな。
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 さて、本題に戻して。
 この通り、材が長くてレールの長さが足りません。それでレールの無いところは手持ちでアラスカンミルとチェンソーを動かして挽いたのですが、やっぱりダメでした。

 確認に材の最後の方になると3cm下がってしまいました。これはレールを垂直に立てて置くと、直線を見る際のゲージ替りになりますので測ってみた結果です。
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 あと、大事なのはレールが動かない様にしっかりと固定しておくことと、アラスカンミルのフレームがレールから浮かない様にすることです。
 これは、ガイドと木の外側が触れる時の形状に拠ってフレームが浮いてしまい水平が狂うことが結構あるので注意が必要です。大型のチェンソーを使った大径木の製材の時の注意点ですね。

 その対策のために、もし近くに要員がいるならばレールも動かない様に固定して貰い、さらにフレームが浮かない様に複数名が付いて押して貰っていると本当にキッチリした板が製材できます。

 で、2枚目で材の端が3cm落ちてしまったのを修正するために技を使いました。レールが真っ直ぐに固定されているままの、その一番ギリギリのところまで刃が入ったら、チェンソーとアラスカンミルを二人で持っていて、その間に他の人がレールを外してスライド移動させたのです。
 その時に、3cm落ちている部分にレールを持ち上げるための端材を差し込んでレールが真っ直ぐのままに固定できる様にしました。
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 これは、大勢のスタッフが居たからできた技です。でも、できればもう一本レールが欲しいところです。これは田口氏がいずれ用意するでしょう。
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 で、製材した板を下ろしてみれば、真っ直ぐに水平の面ができていました。レールを当ててスライドしてみながら確認しました。ブロアで吹いて綺麗にして確認です。

 当然ですが、上の平面が真っ直ぐに成らなかった剥いだ上側の板の裏側も、真っ直ぐの水平が出来ています。裏を表にすれば大丈夫。
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 田口氏が箒でお掃除。出来が気に入ったのでしょう。

 お次は反対側から刃を入れることにしました。
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 どうですか?綺麗な平面が出ていますよね。この平面がレールの代わりになりますから、この先の作業は楽になります。ですから、最初の一枚を綺麗に真っ平らに製材できる様にすることが後々全ての板の出来上がりに掛かっているということに。
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 この位の太い木を大きくて重たい機材を使う場合には、人数がいないと綺麗にできなくなる可能性が高いですね。そして、一人はバーのノーズ部分での油注し係です。
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 この3120XPがお昼前に来た時には、チェーンに真っ茶色に切り粉がこびり着いていました。前回使った時にオイル不足になって焼け気味になったのでしょう。
 クラッチ側のケースを開けてオイルラインの周りもチェックしましたが、切り粉が詰まっているわけではありませんでしたから、製材の時にチェーンオイルが足らなかったのだと思います。

 3120XPはエンジンスイッチの横にオイル供給量をブーストするボタンもあるのですが、製材の様な長時間負荷を掛ける場合には1mバーであっても(1.5mバー用の大きなアラスカンミルを使う場合には先端給油ポンプオプションが別途あったはず)先端部にオイルを回した方が良いでしょう。
 それが証拠に、この製材が終わったら、チェーンがピカピカに綺麗になっていましたから。
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 皮を綺麗に剥いだらこんな景色になりました。良いでしょう・・・でも、そうなると伐採の時に落としてしまった枝の部分の膨らみがもっと残っていたら更に味わいのあるテーブルになったのですが。。。と、みんなで反省していました。
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 曲がった木の方が味わいがありますね。板の右側の方が厚めに見えますけれど、測ってみるとおなじ9.5cmです。
 あとは反らない様に重しを乗せて上手く乾燥させることと、早々に割れ留め対策をしておくことです。ヤードに垂木を敷いてこの板を運び込みました。重たくて大変です。

 さらにもう一枚を製材。奥さんから持ち込み許可が出た有村氏が自宅用に製材します。腐れが入っていた半分の部分は不要とのことで切り落としました。
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 此方は、午前中にレッスン代わりに製材した材の、続きの製材です。3120XPのセットでないと別けられないので置いてあったため、その続きの作業で板を仕上げます。
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 設定もそのままなので9.5cmの厚さ。幅は広いところで60cmを超えているでしょう。
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 2枚採れて、これは阿武町の地域おこし協力隊のO氏のお持ち帰り。これも此の太い杉材を下さったT原氏のお陰ですね。

 でも、今後このチェンソー製材を活用すれば、太い木が出た際には自分たちで製材をしてテーブル材など付加価値をつけた製品を販売することも出来るでしょう。
 チェンソー製材の際の注意点や抑えるべきポイントについては、今回の作業でほぼ彼らに伝えられたかと思います。

 これで、阿武町では、ウッドマイザーによる板材づくりと、極太の材が山から出たならば大型チェンソー製材が行える体制になりました(本当はうちの町でわたしが担当時で田口氏が居た時に、一旦は導入することになったにも関わらず、コロっと一転して却下され出来なかった経緯があったりしましたが、結果的に阿武町で田口氏が実現したということに)。

 そうすると、古民家改修用の用材としても太いものを自給でき床材も角材も自在に作れます。
 もっとも、薄めの板を沢山欲しい場合は運搬の手立てがあるのならば製材所さんに持ち込んだ方が楽だと思います。島根の場合には立米2万円前後で製材が可能ですからね。
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 最後は、道具の整備を皆で行い片付けをしました。もう夕方の五時を回りましたが、山陰は首都圏からみると30分近く日暮れが遅いのでまだまだ明るいです。此の時期は七時半くらいまで外作業が可能です。

 夏至の頃ならば夜の八時すぎまで外で草刈りが出来ますので涼しく作業ができて沢山捗ります。
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 帰りには道の駅に寄って買い物を済ませ、それから田口氏の新事務所に回ってみました。愛犬のナギがしつこくご挨拶。2014年の年末の移住の際に田口氏が小さかった頃に連れてきてから早5年半ですからね。
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 上画像のテーブルは田口氏がケヤキを製材して磨いたものです。良いものになっていました。
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 部屋の窓から見える島は1kmくらいの距離だそうです。この間、泳いで渡ったとか。彼はシーカヤックも持っていますが、2馬力のエンジン付きのカヤックフォルムのものも手に入れたらしいです。
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 目の前にはプライベートビーチが。。。と言いたいところですが、シーズンには凄く混むらしいです。でも、カヤックで出て行けば人が入れない断崖絶壁の美しいところが沢山ある素晴らしいロケーションの様子。

 半海半林のビジネスマンは、最近田畑も本格的にやらないとだめかな、と考えているのだとか。だよね、とわたし。
 でも、田口氏は飽きっぽいからな〜。って、わたしもそうなのですけど、こと山に関することは奥が深いので未だ飽きないだけかもしれません。

 ところで、自分の友人に、企業研究所相手の仕事をしていた時代のお客さんだった人で、KDDIでも上の方へ行った後に退職してから今は会社を作って先端分野の開発事業をやっている人がいます。
 その彼の実家は北海道の漁師で、そして、わたしの爺さんも漁師だったためにマインドが似ているねと言う話になります。

 どういうことかというと、漁師は板子一枚下は地獄とか言いますけれど、その代わり海は際限のない宝の山だから無限という感覚があるんですよね。一発何処かで頑張ればなんとかなるしという感覚が何処か持って居ます。

 ところが、農業だと計画的に作付けをしてこつこつと作業を積み上げていかないといけないし、災害があれば全てが吹っ飛んでしまい、それが取り返しのつかない事になります。だからどこか保守的な深層意識が何処かでプログラムされているのではないかと言う話です。

 飽きたから、また違う事をやろう、なんて思わないですよね。

 その点、我々みたいな種類の人間は、面白がっている内が花で、それをどうやってうまく転換して流れに乗っていく能力が必要になってきます。でもって田口氏も多分同類だな、と言う事で・・・
 さて、どうなるか様子をみてみましょう。

 今回の巻は移住者が取り組む森林資源活用を通した山の保全についてと、農山村への還流の流れの一端を俯瞰していただきたく書いてみました。

 住むところの移動については国内の移住者だけでなく国を超えた移民・難民についても相似的な問題点がある様に思えますけど如何でしょうか。

 日本だって先住民と移民がどうやって折り合いをつけてきたか、または乗っ取ってきたかの歴史があるわけですしね。

 その間には、火山の大噴火や地殻変動で住めなくなった土地からの移動があった様子です。その中で、大自然からの恵みの取り合いや譲り合いも行われてきたことでしょう。また技術を持った人たちは割と自由に行き来ができていた様です。

 うちの協議会は正式には匹見・縄文之森協議会ですが、匹見町は縄文銀座と云われるくらいに縄文草創期から末期までの遺跡が全て出土するので、その様に言われているらしいです。他の縄文遺跡では間が抜けているところが殆どだそうですから、その原因に何かしら大移動しなければならない状況にあったのだと推察されます。

 此れからの時代には何が起こるかわかりませんが、1万年以上も大きな争いがなかったと言われる精神性の高かった縄文時代に倣っていきたいものです。
以上