先月に記事を書こうと画像を用意しておいたモクズガニ。まだ季節かもしれないので載せてみよう。

【モクズガニ=上海蟹?】
 こちらの地方ではツガニと呼ばれることが多く、鮮魚店に並ぶこともある。
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 上の画像は、9年前の夕暮れに道路脇を歩いていたものを見つけて撮影したもの。台風後の増水した川から上がってものだった。

 でも、獲って食べたというではない。近年心が弱くなって生き物を自分で絞めて食べるのが出来なくなっているために動くものはあまり殺さなくなっているからだ。でも、他人が絞めたものは美味しく頂く、食べて供養ということで、結果狡い人間に成り下がったとも言える。

 前に住んでいた匹見の家では、家の周りにはサワガニさんがいっぱい歩いていたし、梅雨の時期になると湿気でびしょびしょになる土間もサワガニさんの生活圏になっていた。

 つまり共同生活者になってしまっていてサワガニさんとか、さん付けで呼んでいたくらいだから、何時も踏まない様に気をつけて歩くくらいの存在になってしまい、まさか食べるなんてことはとても無理というわけ。

 ところが今回は、お世話になっている樹木医の大先生のS先生が2回の宅急便でたくさん送ってくださったので心置きなく堪能させて頂いたという次第。

 2回目の時は、奥様に冷凍庫を片付けて欲しいと言われ、モクズガニを処分したいので要るか?という有難いお声がけだった。たしか4パックくらい頂いたのだと思う。

 まだ残っていたらしいけれど、残りは隠岐ユネスコ世界ジオパーク事務局の依頼で隠岐の島に行く仕事があったので隠岐にも持って行って上げたとか。
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 それもお手製の説明書入りで。
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 その説明書には、わたしが知らなかったことが書かれていた。モクズガニって中国料理で使う上海蟹と同じだったんだね。前出のwikiにも同族異種と書いてある。

 街場で育った自分がモクズガニを知ったのはアウトドア雑誌のビーパルに白土三平氏が連載記事を書いていた中にあったからだ。だから相当の昔。
 その後、連載記事をまとめたものがムック本になっている。
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 我々が育った横浜なんてのは地方出身者で構成されている街なので特有の食文化なんてないから、こういった地方の食文化は、何方かといえば憧れみたいなものだった。
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 こんな記事を読んでいたから、こちらに来た当初に鮮魚店でモクズガニを見つけた時には高かったけど買ってみて汁にして食べた。
 記事通りに流石に美味しかったけど、カニが小さく手足はほじって食べるほどではないので面倒だからその後食べていなかったのが本当のところ。

 でも、今回S先生からのプレゼントでたっぷりと頂いたのため、じっくりと味わうことが出来た。感謝感謝。
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 二度目の宅急便で来た大量のモクズガニは冷凍にしておいて、それから時折食べていたが美味しかった。ゆで済みのものを冷凍してからでも大丈夫。

 このS先生が送って下さったモクズガニは、島根県東部の斐伊川のもの。大きいものから小さいものまでいっぱい入っていた。

 いやあ、まずいよね。この冬にはS先生の敷地内の高木の枝下ろしと伐採作業を仲間とやらせていただく予定になっているんだけど、前もってこんな美味しいものを頂いてしまっては手間賃をどうやって請求したら良いのだろうか。

 さて、モクズガニさんの腹を割って、先ずは甲羅側の味噌を食べ、時に熱燗を濯いで綺麗に味わってしまい。今度は本体のガニを取ったら、そのまま噛り付いて食べても、残滓は少しなんだよね。食べやすい。
 先生の説明書に書いてあったが、これも知らなかった。

 足はほじって食べたものもあったけど、細かいのはハサミで切ったものを出汁にして頂いた。もちろん、甲羅や本体も入れた時もある。
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 画像のものは玉子綴じにした時のものなので、卵が入っているけれど、入っていないお味噌汁でも何度も頂いたが美味しかったね〜。

 先日も、粘菌と冬虫夏草大好きな島根森林インストラクター仲間の出雲の女性が泊まってくれた時にも朝食にお出ししたし。

 夕飯は洋食にしたが、翌朝は春に炒めて作った具材を冷凍して取ってあったコシアブラ飯を出したので、その時にモズクガニ出汁のお味噌汁をお付けしたということ。

 彼女は自家製の山ぶどう酒から自分で焼いたパンのカンパーニュや、ノビルのピクルス、椎の実ベースのジェノベーゼソースなどなど色々持ってきてくれた。なので、食卓がさらに豊かに。
 そうそう後述するが、その前日も長野からの泊まりのお客さんがあって、その際には国産メンマプロジェクトの日本の竹の幼竹で作られた安心なメンマを長野から持ってきてくれたので、それも一緒に食べた。
 このメンマはワインでもいけるシャキシャキの食感のもの。

 それから彼女が頂いたという西条の賀茂鶴の純米酒も持ってきてくれた。ある意味、対価交換方式だけど気持ちの交換経済でもある。
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 そして、彼女にお出しした出汁をベースに、わたしはモクズガニの出汁を使ったカニ雑炊でご飯を何回も食べた。
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 お腹に優しい雑炊をさらにカニの出汁で食べたら最高!

 さて、そんなモクズガニは、全国各地にいる。それも内水面漁業の資源として漁協が積極的に増やしているところもある。

 かく言うこちらの高津川では漁協が昔から育成を行っている。高津川はダムのない川で清流日本一に何度も選ばれている川だ。

 でも、生活排水が入っていて、流域の年寄りは川が汚くなったと嘆いているが、都市部の川とは比較にならないほど綺麗なのはたしか。
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 うちの近くはこんな感じ。流域で、源流の方へ行くと街があるので川の汚れが結構ある。苔とか汚いしね。

 また、ここの直ぐ上流には、津和野川との出合いがあって観光地の街津和野町の汚い流れ込みがある上に、7年前の激甚災害の際の土砂と、その後の工事によってセメントなど工事素材の毒が流れ込んで天然鮎の遡上が激減してしまった。

 それでも、この辺りは苔の質が良いのだそうで、今でも流域の中ではうちの辺りの鮎が一番美味しいと云われている。
 当家は海の魚にぞっこんなので、ほとんど川魚は食べないけれど、時々近所の人がこの辺りで釣った鮎をくれるのを頂けば、他で食べたものよりも確かに美味しい。

 また、近所のパン屋の社長が栃木の出身で、東京に続きこちらでもパン屋を立ち上げたので、時々近くのイノシシ屋で顔を会わすことが多い(冬場には此方のイノシシを使ったカレーパンを東京で売っているから)が、栃木の鮎釣りで有名な那珂川よりも高津川の鮎は格段に美味しいとベタ誉めだった。

 ま、鮎が激減する以前は、シーズンには関東ナンバーの釣り師の車がメッチャ来ていたしね。
 それに高津川の支流の匹見川のヤマメを貰って食べたことがあるけれど、昔東北六県を一ヶ月半イワナ、ヤマメ釣りして歩いていた時よりも美味しかったから、やはり広葉樹豊かな森を擁する山ばかり(東北もそうなんだけど何故だろうか。此方は海と山が近いので流程が短く、そして過疎が激しく人が居ないからかな)のこちらの水質は抜群なんだろう。

 これは、9年前に漁協を覗きに行った時の画像。
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 色々な大きさの鮎の稚魚が泳ぎ回っている生簀がたくさんあって、その中の一つにがモクズガニ用のものになっていた。

 漁協の人がタワシで掬ってくれたモクズガニの幼生(漁協の人:此方の人ではご存知の人も多いだろう、田中seiちゃんが未だ漁協現役だった頃)。
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 モクズガニは産卵のために海に降るんだよね。そして幼生は海で育った後に川を遡上する。凄いよね、前出の道端を歩いていたモクズガニは、河口から30kmくらいを遡上してきたことになる。

 それをまた繁殖期になると海まで下っていくんだね。下りは流れ下るのだろうか。でも、遡上するのは大変だなあ。

 そんな生活をしているモクズガニを食す時は、心から手を合わせて食べて供養!!! S先生。ご馳走様でした〜!拝