凄い!未だにハスクの242XPを使っている方がおられるんだ!!!・・・恐れ入りました〜。
ところで、記事が長くなりそうなのでスチールMS200については、別に記事を立てることにしましょう。
さて、広島のひろしま森づくり安全技術・技能推進協議会(以下、ひろ森あん)の危険木処理のケースワーク二日間講習会の初日のことです。
以前の記事で42ccクラスのチェンソーの話を書いたことがありますが、其の記事内に242XPが載っていますけど、わたしも242XPのユーザです。
また、スチールの020、後継機のMS200のユーザでもあります。
どれも30年前とか20年以上前にリリースされた機種ですね。林業の一線で活躍してきた名機です。
が、何故そんな古い道具を改めて題材にするかというと、未だ手に入る可能性があるからです。わたしも集落のお婆ちゃんに(かつてお爺さんが使ってた形見の品を)貰ったり、格安で譲って貰ったので持っている次第です。
其れ等の機種が現役だった頃は、今と同じく懐が寂しくて是らは高嶺の花で買えなかったんですよ。スチールの日本向けの廉価版021C(35cc)を安くして貰って手に入れてお茶を濁していた頃です。
そして、今となって此の様なものを手に入れて綺麗にして、そして動いた時は感動しますね。島根に来てから、そんな感動を何度味わったことかと。
ハスクの42、242,242XPは共通部品が多いので二個一、三個一で復活します。また、ピストンリングは45ccの346XPと共通ですね。
で、時々書いています様に、このブログは林業者向けの内容ではありません。わたし自身も林業事業体で働く者ではありませんし、周りの仲間も同様です。
周りに居るのは田舎暮らしでの糧を得るために、請負仕事で伐採に関わっている人とか、自伐型の小さな林業を自分たちでやっている人とか、後は持山を自分で整備したり、また里山の整備に関わっている人たちですね。
つまり、本業が別にあり、その都度の要求や必要に応じて山仕事をする人、または個人や仲間で山仕事を動かしていく人たちばかりとご縁があります(各講習会では事業体の人たちとご一緒することがありますが)。
なので、自分の道具は身銭を切って手に入れ、そして燃料代も自分負担というケースが多いでしょう。
ですから、支給された道具を其れなりに扱い、燃料代や部品代の負担が無い人達とは視点が異なることも多いのではないでしょうか(勿論、事業体の人達も自分の道具は自分で手に入れている人も居ることを前提として)。
その様な立場から思うに、チェンソーは複数台あった方が良いです(事業体ではメイン機以外は共有設備の事が多い)、と言うか複数台ないと不便です(刈り払い機も同様ですが)から、古い機種でもご縁があれば手に入られたら良いのでは、と此れから田舎暮らしに参入しようかと思われる方向けに書いてみましょう。
その前提は、ホムセンバージョンのチェンソー(刈り払い機も)は、値段が安いだけあって素材も造りもコストダウンの上で製造されたものだから、山仕事にガンガン使ったら早晩逝かれてくるのが常だからです。
最初から農機具店でカタログ製品を買った方がお金が掛からなかったという事態になりかねません。
此方では益田市にある石見エコーさん(元やまびこ資本の販売店)では、共立、新ダイワ、ハスク、ゼノア、スチール、マキタを扱っているので、全ての機種展示はないものの、各メーカの特色や特性を整備士の視点からも分かり易く教えて貰えます。
その蘊蓄を小出ししているのが此のブログですね。
そして、たまに出物の中古チェンソーや中古刈り払い機があったりします。わたしは貧乏で有名なお得意様なので、多々ご厚情を頂いてそのお陰で良い道具立てができていたりします。感謝!
自分的にはネットで手に入れることとは比較にならないほど物凄くお得な待遇をして頂いていると思います(だから、近所の人たちや仲間たちに鋭意宣伝中)。何と言っても農林業機械の一級整備士が居るお店ですからね。
と言うことで、昔のプロ用の名機にご縁ができたら、自分で掃除して整備すれば良いですよね。昔の道具は造りがシンプルです。車もそうですが、人の手が入ることを拒みません。
部品供給が終わっているものは、其れこそネットで探して手に入れています(博打要素が強いですけど)。
また、此の頃の機種は、構造や機構を勉強するにも向いています。シンプルなので分解し易いです。なので、わたしがチェンソーの特別教育の講師を行うときなどは古いチェンソーを使ってバラして説明しています。
でもって、是等昔の名機は今のものと比べて性能が機能が劣るわけではないんですよ。同じ様に作業ができます。逆にエンジンの始動性が今のものよりも良かったりする場合もありますしね。
ただし、振動は強めです。その辺りの事も含めて書いてみましょう。でも、たまに里山整備とか薪材収集するくらいならば影響ないでしょ。
【名機ハスクバーナ242XPの系譜】
わたしの242XPは此れですね。此の時はオレゴンのスピードカットシステムをつけて軽量化していますけど、バーは色々あるのでその時々に変えています。
確か1990年頃のモデルです。古いタイプなので、アイドリングでオイルポンプが回ってしまうため、古いオイルポンプを苦労しながら外して、部品どり用の新しい方のものからオイルポンプ取って付け替えてあります。
さて、その242XPって単品で持ってみると持ちやすいのですが、実は結構ボディが大きいんです。
一番左が242XP、真ん中は346XP、右側が560XPです。画像だと判りにくいですけど242XPは346XPよりも角ばっていて大きめの感じです。
重量やパワーなどについては、記事の後半に書いてみましょう。
550XPは有りません。その頃にはハスク・スチール教からやまびこ教に宗旨替えしてしまったんです。
うちの様な貧乏協議会が手に入れられる価格で中古の共立のチェンソーを提供してくれる石見エコーさんのお陰でやまびこ製品の良さを体験できたからです。
山陰の湿気が多い夏でもエンジン始動が楽な日本育ちの、ちょっとスタイルは良くないし高級感に欠けるところもあるけれど、その頼り甲斐と安定感は昔からのジャパニーズママの様です(って別にマザコンじゃないからね)。
その日常使用の条件上、安全パイに走ったのは、歳食って体力が落ちている事もありますが山仕事で右肘を傷めていること、また手が振動病の領域に入りつつあり冬場の朝が非常に厳しいことがあるが故です。
確かに今では大型機に於いてスチールがどんどん良くなっていますし、またハスクも相変わらず良いですけど、中型機以下を常用するには国産のやまびこ製品が色々な面で楽だなと個人的に考えております。
色々な面・・・熱間再始動性に於ける始動性の良さとか、スタータを引く時の軽さとか、全装備重量の軽さとか、燃費の良さとかね。日本の山に適合した運用環境、そして日本人向けに重さは操作系の軽さなど、という色々。
手前が共立の大型機の共立のCS73RS、真ん中はハスクの560XPに25インチバーを装着したもの。奥は395XPですね。実は此れらの機種に関してカッティングスピード測定比較とか色々テストしたものがあるんですけど、暇が無いのとあまり面白みが無かったので記事にしていません。
話は戻して、プロ用(ホムセンは対象外)の中型機のエンジン始動は、国産のものは軽くて超楽ですし始動性も良いですね。また、ガタイがデカくて力のある肉食人種向けのプロダクトとは違って、やまびこのプロ用の中型機についてトータルの装備重量が軽いことは前に記事にした通りです。
50ccクラスでバーや燃料装備の条件を同じにすれば、ハスクの550XPmrk IIでは、やまびこの50ccよりも1kg近く重くなるんじゃないですか。
特にわたしの場合には、オレゴンのスピードカットシステムを入れていますから、以前に記事にした様に更に軽量化されていますからね。
もっとも、若い内は体力に任せてガンガンやって貰えば良いですし、作業道近くが現場の人には重い軽いは大して関係のない話です。
でも、樹上伐採だったらエンジンが楽に掛けられて軽量な方が良いですよね。そもそものカッティング能力は目立ての上手い下手で変わってしまいますからね。
と、中型機では最近の外国製品に興味が無くなってしまい、もしかして偏った見方をしているかもしれないそんなわたくしめでも、此の242XPとMS200は今でもアリです。
その242XP。
画像は追いヅル伐りのための突っ込み伐りの練習風景ですね。羨ましいぞ!名機242XPで練習できるなんて。
なので、昔の質が落ちるオイルとの混合でぶん回していたら焼き付きも多かった事でしょう。その上、前掲の分解画像の様にフライホイールに切粉がコビリ着いていて空冷用の風が送れなかったら当時でも十何万円もしたチェンソーがお釈迦になってしまうではないですか。
時々、自慢がてら紹介している以前記事を書いた全林協さんの、エッと、、、ノウハウ図解山仕事の道具だったかな、に、鉈などの刃物が農家や山をやっていた人たちの納屋に眠っている場合がありますと書きましたけど、チェンソーも同じです。
此方では結構転がっているんですよ。
鉈などの刃物は昔の方が今よりも良い鋼を使っている場合があります。もちろん、今のますプロダクションの工場で工業製品として生産されている鉈よりも昔の鍛冶屋が鍛造したものの方が良いものが多いのは当たり前ですからね。
刃物は切れれば良いだけではありません。長(永)切れと言って刃保ちが良い事、それから研ぎ易いこと、あとは靭性が高く衝撃を受けても元に戻りやすいことなどが手道具の刃物の条件としてあるでしょう。
あとは錆びにくいというのもあるでしょうね。でもステンレス系の刃物は研ぎ難く、そして靭性は少なくて手に衝撃が来易いです。また、和鉄でも良い鋼は黒錆が皮膜となって錆びにくいものもありますからね。
またまた能書きが長くなりますけど、タタラ製鉄が盛んだった島根からのお話として、明治時代の刀匠が昔の銘刀と同じ造り(構造)で同じ様相のコピーを作ったそうですが、重量が全然違ったんですって。
昔の銘刀の方が全然軽かったらしいです。鋼の質と精錬の仕方が違ったのでしょう。
ところで、刀は人を切って曲がってしまった場合には、一晩平らな畳の上に置いておけば元に戻ったという話を刀匠について書かれた本で読んだことがあります。また、東京の日野市の高幡不動近くにあった鍛冶屋のオッサンも言っていました(遊びで刀も作っていた人)。
わたしが二十数年前に山形の鍛冶屋さんに作って貰った鉈は、黄紙かなにかの安めの鋼でした(若干錆びやすかった)が、刃保ちは良いし、研ぎ易いし、またうっかり硬いものに当ててしまっても欠け難かったので刃を修復し易かったりしました。
と言うことで、鍛冶屋が居なくなってしまった刃物難民の皆さんは、知り合いの農山村のお婆ちゃんお爺ちゃんと仲良くして、何処かに眠っている刃物を発掘するのが良いのではないでしょうか。
鋼の芯まで錆が入っていないものであれば充分に復活させられます。そしてリペアの仕方は先の本に分かり易く書いておいたのでどうぞ。
と同じことで、チェンソーも名機であれば大事に保存されている可能性が高いです。また下画像の様に大事にされていなくても、切粉でコーティングされた機構を掃除すれば、元は美人さんだったりすることもあります。
Before
でもって、系譜の話ですね。わたしも前に調べて既に記憶が定かではないのですが、42と言う一般向けの今で言うホームユーザ向けのものがあって、242という廉価版があり、その上でプロ用のシリンダーが違うハイパワーの242XP、つまりXPが冠されたスペシャルバージョンがラインナップされていたのだと思います。
その後が、242XP→346XP→346XPne→550XP(少しずつバージョンアップしたが問題解決せず、ついに)→550XP mrk IIという流れだったと思います。
346XPの時代も少しずつバージョンアップして問題解決してきたので50ccの346XPneになる前には相当熟れて安定し、後年名機とも言われたみたいです。
346XPneは、50ccになって200gも重くなってしまったんですよね。200g違うと持ち重り感がハッキリと違いますよ。
ですが、そもそも242XPの時代は材質が全然違ったんですよね。今のものとは違ってもの凄くコストが掛かっているのは有名みたいです。
242系列のキーワード検索して貰えれば、北九チェンソーさんの昔のブログに幾つも記事が色々載っていますし、人気機種だったため他にも色々記事があります。また、北関東の薪ストーブユーザの方達の記事(Dalgon'sさんYahoo!ブログから引っ越されていたんですね。かえるダディさん見付からない)にもたくさん詳しく書かれています。
わたしも先輩たちの記事で勉強させて貰いました(感謝!)。
マニアの所有欲をくすぐります。自分で愛機を整備しない人には関係ない世界です。
その上、うちのチェンソーは吸排気のポートは軽く研磨してあるので、ヒャンヒャンと立ち上がりが良くエンジンが回っちゃいます。
ハスクバーナの官能的なエンジン音は此処に極まれりですね。
【チェンソーの良さって、重量とパワーとエンジン特性のトータルバランスだよね】
それでは、ここでスペックを比較してみましょう。以前に書いた記事から転用してみますね。
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ところで、ハスクのマニュアルを見ると(全てヒートハンドルが付いていないもの)、
・346XP :2.5kW/9600rpm (45cc) (重量:4.8kg)
・346XPne:2.7kW/9600rpm (50.1cc)(重量:5.0kg)
・550XP :2.8kW/10200rpm(50.1cc)(重量:4.9kg)
・545 :2.5kW/9600rpm (50.1cc)(重量:4.9kg)
・550XP :2.8kW/10200rpm(50.1cc)(重量:4.9kg)
・545 :2.5kW/9600rpm (50.1cc)(重量:4.9kg)
因みに、
・560XP :3.5kW/9600rpm (59.8cc)(重量:5.9kg)
・242XP :2.4kW/9900rpm (42cc) (重量:4.7kg)
と、なっている。
550は高回転型ということ。でも、かつての242XPはもっと高回転型で、マキシマムの回転数が15500rpmまで上がる(今の機種は排ガス規制もあるからノーマルではとても無理だし、また材質自体がが落ちているらしい。242XPのシリンダーとピストンの材質は可なりスペシャルであることを販売店の方が書かれている)。
チェンソーに限らずだが、日本以外海外の製品(車両など)では、ネットでパーツリストやマニュアルが手に入れられる。うちの242XPは27年前の機種なので、多分該当品についてでは無いもののネット上にマニュアルがあるので素性が分かる。
さて、スチールのマニュアルでは、
・MS261 :3.0kW/9500rpm (50.2cc)(重量:4.9kg)
・MS261 :3.0kW/9500rpm (50.2cc)(重量:4.9kg)
マイナーチェンジされた新しいMS261は良い道具になった様子。欲しいけど、そんなに何台も50ccクラスは要らないからなあ。。。
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この様に記事に書いたのですが、此処でフィーチャーされている共立のCS500は、此の時点で本懐重量が4.7kgで242XPと同じ重さです。
その後、バージョンアップされたCS500DEは、スタータを軽くする機構が付いて100g重くなり4.8kgとなって45ccの346XPと同じ重さになりました。
国産メーカは皆出力を国内で公表していないので、下記の海外データから引っ張ってくるとCS500DEは多分2.57kwと同等で、かつての名機ハスクの346XPと同じくらいのパワーということです。
そして重量も同じですから、色々な意味でも比較しやすいでしょう。
ですが、車のエンジンと同じ様に、エンジンの出力特性で感覚に訴えるものが違います。エンジンのピックアップ、スロットル開度に対するリニアな立ち上がりの特性とか、後は負荷が掛かった時のトルク感とかですね。
因みにハスクはピックアップが良く、回転が上がって仕事をするタイプですよね。それは、ピストンリングが1本で抵抗が少ないからですし、また石見エコーさんに教えて貰ったのは、クランク軸のベアリング辺りに特許を持っていて高回転に対応できるからだそうです。前にも書きましたね。
他のメーカがハスクと同じ様に高回転を常用するとそのクランク軸のベアリングの固定がケースから外れて動き始めてしまうらしいです(ヒアリングが間違っていたらご免なさい)。
なので、スチールは低中速回転のトルクが強力なエンジン特性(最近のピストンがマグネシュームになったスチールチェンソーは、ハスクの様に回る様になったと樹上伐採の先駆者のアーバンフォレストリーの吉見さんからお聞きしましたが)で、やまびこ(共立・新ダイワ)は其れに近いタイプですね。
でも、やまびこは音が静かです。スチールは排気音がデカくてウルサイので個人的に好きではありません。仲間がスチールを近くで使うと、「うるせ〜!!!」って文句を言っています。
スチールは排気管を太くして排気の抜けを良くすることでパワーを出しているらしいです。
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んで、以前検索して観たことがある動画「ECHO CS-500ES vs Husqvarna 545 vs Stihl MS-261」(2014年)では・・・
・ECHO CS500ES:2.14kW(重量:4.8kg)
・ハスクバーナ545 :2.5kW (重量:5.9kg)
・スチールMS261 :2.8kW (重量:5.2kg)---初期型のMS261
※ECHOはやまびこの海外ブランド
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・ECHO CS501SX:2.57kW(重量: kg)
・ハスクバーナ550mrk II:3kW (重量:5.3kg)
・スチールMS261C :3kW (重量:4.9kg)
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この動画だと、CS500系はやたらとカッティング速度が遅いものでした。でも、それぞれの刃は何を使っているかが明確にされていなかったので、パワーだけの問題かどうかは分かりませんものね。
自分もカッティングスピードテストをやるのですが、その場合には同じものを使うなど同条件に刃の状態を揃える様にしてやっています。
あと、どのゲージの刃とバーを使うかで相当な重量差がありますから、燃費も含めてトータルの装備重量で、使う道具の重さと装備を考えないといけないのは当たり前でしょう。
で、CS500でも、1.3mmゲージのオレゴンの95TXLの刃を付けていればソコソコ仕事をしますし、それにうちのチェンソーは吸排気ポートを磨いてあるので吹けも良い(共立のCS500,CS43RSでもハスク程では無いですが、ピックアップも良く上も良く回ります)ですから、他のメーカのものからそんなに仕事が遅いと言うこともないと思います。
あるとすれば、一日中造材をやっていた時くらいじゃないですか。
このスペック比較からも判る様に、昔は2.4kWの242XPとか2.5kWの346XPクラスのマシンで仕事をしていた訳です。
其処へ、3kWのハスクバーナ550XPmrk IIは良く切れると思うんですけど、本体重量が5.3kgと60ccクラスの560XPの5.9kgに近くなってきていて、その存在意義は?と考えてしまうのはやまびこ教の偏見でしょうか。
大体、高回転型で燃費悪いのがハスクの傾向だしね。そんなに燃料担ぎ上げるのは若い人たちだけで良いわ、と年寄り離れが加速しそう。
だったら60cc使えよ、とか思うのはきっとへそ曲がりなんでしょうね。
で、実際にそんなに太い木ばかり伐る現場じゃなければ、装備重量も軽くて刃が良く切れるチェンソーで機動的に仕事をした方が、トータルの効率と疲労から来る安全性について長い目で観てお得ですよね。
日本の山師の爺さん達はそんなスタイルの人たちが多かったでしょう。
なので、そういった軽さとパワーのバランス、それからカッティングシステムさえ整えれば、わたしは共立のCS500とCS43RSで充分ですし、この242XPとMS200も同様に使える道具だと思っています。
スチールのMS200の件は別記事にしますけれど、本体重量が3.9kgですよ。そしてスチールの此のクラスのカッティングシステム、純正バーとチェーンは軽めです。
燃料、オイルをフルタンクで装備重量が5kg程度ですからね。
それが今のMS201C-EMだと本体重量4.1kg。43ccでハスクの346XPに近いパワー感を持っているCS43RSが4.3kgです。その差は200g。
確かCS43RSに14インチのスピードカットシステムを装着してフルタンクの装備重量が丁度5.5kgくらいだったんじゃないかな。
それにエンジンの始動性も軽さも安定しているし。
わたしは軽さを狙うんだったらCS43RSにスピードカットシステムの短めのカッティングシステムを装備したものか、でなければスチールのMS200の二択ですよね。
スチールの此の頃のは調子が良いやつはエンジンの始動性も安定性もいいからね。
スチールのMS201Cになってから一時使っていたことがあるけれど、エンジン始動にコンプレッション強いから力が要るし、エンジン調子悪いしで往生したことがあります。C-Mになってからも調子悪いのを見ているから、昔の奴の方が良いじゃんとか思ったりすることもあったりして。
おっとっと。また話がずれましたが、今回のお題のハスクの242XP。クラッチケースもマグネシウム合金製で丈夫ですし、中を開ければ質感も良く、そして造りもシンプルで整備し易い道具です。
そして、重量とパワーのバランスも良いですし、エンジン特性は回して切る、というタイプで、その時の音の仕事している感が堪りませんね。
【使用上の注意、デメリットなど】
ですが、昔のチェンソーなので振動が大きいのは確かでしょう。
以前の記事、チェンソーの振動病対策用参考データ---抹消血管が細くなっていて、冬の朝に手が痺れて痛くなる男より、に載せた表を再掲してみましょう。
その上、前ハンドルが若干細めなんです。偶にしかチェンソーを持たない人ならばあまり関係ないと思いますけど、しょっちゅう使うならば振動対策用の手袋を使用した方が安心かもしれません。
違うバージョンも有ったので載せておきましょう。
このゴムブッシュはもう部品扱いが終わっているかも知れませんね。でも、こういった人気があるチェンソーの場合には、海外ではサードパーティが部品を作って売っていますから、242XPは今だにシリンダーやピストンも手に入るみたいです。
ゴムブッシュもあると良いですね。
他に今の時代のものと比較して使いにくいとすれば、オイルタンクキャップが開けにくいことでしょうか。口も小さいですしね。
燃料タンクキャップも開けにくいですけど、どちらも切粉や泥が入りにくい形状ではあります。
あとはエアクリーナーカバーと言うか、本体上部カバーが一体式で外せますけれどネジ留め3本なのでプラグレンチのマイナスドライバーで弛めて外す方式です。
あ、そうそう。致命的な使い難い点がありました。スタータのコンプレッションがメチャクチャ強いんです。
高圧縮高回転型だからでしょう。うちのは特に程度が良いからなのかメチャクチャ圧縮に力が要るもんで、寒い時期の冷間時のエンジン始動にはハスクの560XP並みの力が要ります。
でも、若い人だったら大丈夫でしょう。
まあ、その程度って言えば、ほんと現代のものと違うのはそんなもんなんですよね。あ、あと242XPに限った事ではないかもしれませんが、良いことは、あまりセンシティブではないって事でしょうか。
今回のI本さんに刺激を受けて、講習後の道具の手入れの際に、倉庫に放ってあった242XPを持ち出してきて掃除をしようとしたんです。
そうしたら、先に画像を載せた1年ちょっとまえの特別教育の際に受講者に使わせて上げた儘、なんと放置状態だったんです。口で言うほど大事にしていないのかも知れませんね。ひで〜奴だな、俺って。
でもって、燃料キャップを開けたら、まだガソリンが入っているじゃないですかっ! 最悪。講習の時には、夏場は二週間で混合ガソリンは腐るからね、とか、長期使わない時にはタンクを空にした上でエンジン始動してキャブの中の燃料を使い切る様にとか、偉そうに言っている癖に自分はやっていなかったなんて最低の講師でしょう。
ところが242XP偉い! いやこのキャブはZAMA製かな。兎に角、15回くらいしつこくスタータを引いていたら、なんとブルンっと来たんですよ。。。
チョーク戻してもう一回スタータを引っ張ったら一発で始動。そしてアイドリングも安定。暖気して吹かしたら絶好調です。
1年間放置。それも多分、夏場は40度を超える暑さになっているはずの倉庫に放置ですからね。
いやあ、昔のチェンソーって意外とルーズで扱いが悪くても再生するのは全体に造りがシンプルだから? キャブの孔も太めってことはないだろうけど、今回腐ってヘドロ化しなかったんだね。
あれっ、もしかしてやまびこのFDオイルが良かったんだろうか・・・
I本さんにも必要な部品を上げることになっていますが、果たして其の必要なものがシッカリとしているかどうかですね。
以前みたいに時間の余裕がない最近なので、みんなやり掛けで放置状態です。やりたいこと一杯ありすぎて収拾がつきません。
そうそう、そのI本さんも多趣味の末にツリーワーク他、チェンソー講習や間伐、搬出の講習講師の仕事をされているみたいです。
わたしはチマチマした程度で能書き満載ですが、他の方々を観ていてもかつて色々やってきた人生の後半の終わりに向かってやることは、皆さん山に関わる事に収斂してきますね。
そしてハスクの242XPは、二世代前(ハスク的には四世代?)の名機ですけど、世の中にお金が回っていた頃のものなので材質がよい本物です。
毎度書いてきていますけど、道具や食べ物など身の回りのものなどで本物に触れていないと他人軸のお金軸のインチキ人生に陥ってしまいがちです。
そうすると主要メディアを通したインチキマインドコントロールに踊らされて要らぬことに走って自らの人生を貶めてしまうことになるではないでしょうか。
此れからの時代は特に本物や真実を見抜く力がないと生き抜いていけない様相になっていますから、まずは何があっても自立的に対応できる地力とそして良い仲間とのネットワークを育てていく事が大事でしょうね。
そんな状況の中ですが、道具の歴史を知る事も参考になるかも知れませんし、世の中の動きや事象も歴史の繰り返しだったりしますので、過去の歴史の真実を知ることも大事でしょう。
そして世の中の動きの意味を理解するにはお金の流れを見ていくと、その裏の意図や目的が判るそうです。そういう意味でも、今の日本はNo薬や◇沈など他国で拒否されたものの廃棄物処理場の如くですよね。
皆さんダイジョブですか。危険木伐採などこういった作業においては理論も大事ですけど感覚など感性が拾う信号って大事な話を書いてきています。腑に落ちるかどうかという言い方もできます。
腑に落ちない時には、作業を止める勇気が必要です。この止めるという勇気って困難を乗り越えるには必要な素養なんですよね。物事をジッと我慢して静観しつつタイミングを待つという事ができるかどうか。
自分の内に閃いた時が、ヴィジョンがハッキリと観えた時がゴーのサインですよね。
受け身ではなくてアクティブに止める。皆さんどれだけ実行された事があるでしょうか。時に古き良き道具を愛でて夢想するのも良いかも知れません。以上