謹賀新年! 本年も宜しくお願いを致します。

 年末年始とも時間が取れずに例年の様なご挨拶が出来ませんでしたが、本日四日の昼に年賀状を投函してやっと記事を立ち上げることになりました。でも、長文の記事になったらリリースは数日後でしょうか。
 って、またまた長くなりそうな気がするし・・・

 さて、今年は癸卯年。癸は陰性の水の性。木火土金水の五つの要素に其々陰陽の性があり、水には壬と癸の陰陽があって十干と云うわけですが、今年は陰性の水を要素とする年回りという事ですね。

 この十干と干支による十二支が巡って本年と同じになった前回の癸卯年は60年前は鉄腕アトムが生まれた年だそうです。今年はどんな年になるのでしょうね。
 って、さらに混沌となりそうですけど、皆様如何お過ごしでしょうか。
2023年賀葉書
 今年の年賀状はこんなですね。

 ブログには、草刈りについての記事を時々載せていますし、また昨年夏には動画を弄れる様になったので初めての動画作品として刈り払い機の安全運用についての内容を動画サイトにリリースしてあります。

 なのに、今更年賀状に草刈り?って。あ、そうそう。書き忘れていたので追記を。草刈り、藪払い、そして山の整備についても、わたしはお祓いのつもりで作業しています。

 世の中さらに混沌としそうと前述しましたが、相似的に野山も混沌とした状態。放置里山は植物同士のせめぎ合いで乱れに乱れています。

 其処へイノシシ君が掘り返し、そして崩し場所によっては人間なんて安心して歩けないくらいに地形が変化していて、バックホーを持ち込まなければ整地できない位にやらかしてくれています。

 閉塞された空間で風も通らず邪気が溜まって気が淀み、ところによっては魔が潜んでいるようなスポットが其処彼処に・・・

 それを綺麗に整えて光が入る様にして美観電圧を高める作業が少しでもお祓いになればと心を込めてやっているつもりなわけです。まあ、時々手抜きしますけどね。

 なので、今年も皆様方にとって安全で佳き事あれと草刈り藪払いでお祓いの年賀状だったわけ・・・かな。毎年、年末か年始の思いつきでデザインを決めているので良く判らないですけど。


【昔の農山村では、野ウサギも害獣だったんだ・・・】
 今年は卯年なので、唱歌の『ふるさと』にある「兔追ひし、かの山」という歌詞を思いつつ年賀状づくりをした訳ではございませんが、昔はウサギも害獣なのでウサギ追いも農山村の風景だったみたいですよ。

 以前、猟をしてウサギさんを食べていた話も本で読んだことがあり、そして島根に越してきた当初住んでいた匹見町の集落の方にウサギご飯というウサギの肉を炊き込んだものを頂いて食べたことがありますけど、申し訳ないのですがそんなに美味しいものではありませんでしたね(頂いていた猪肉は美味しかったし、昔話として、その方の娘さんが成人して広島へ出た時に、初めて豚肉のカレーを食べたという、少し前まではお肉は猪肉メインだったという地域です)。
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 文章書きつつ、その時のウサギご飯の写真が無いかと探しましたけど、無かったですね〜。残念。今は病気で亡くなってしまったその方と獲ったイノシシの写真はありました。此の方は物凄く礼儀正しくて、都会では出会ったことがないタイプの人でした。

 この方のお陰で都会から移住した慣れない山奥暮らしが何れだけ心強かったことか。全くもって感謝の気持ちしかありません。
 格好付ける訳ではございませんが、其れもあって未だに年2回の草刈り参加と年末の年越し蕎麦の贈り物を以前お世話になっていた集落の方々にさせて頂いている次第です(水も毎月貰いに行っていますので...)。合掌

 その方には蜂の子をよく頂いていて、うちの嫁さんはご飯の上に乗せて食べていたので、何れも写真も撮っておけば良かったのですが・・・
 昔、肉が貴重な時代にはウサギさんも大事なタンパク源だったのでしょう。

 此方では、野ウサギは、山道を車で走っていても良く見かけますが、地域のお爺ちゃんお婆ちゃんたちに聞けば、子供の時分にウサギなんて見たことが無かったと・・・

 その頃には、イノシシも集落に出て来ることもなく、よっぽど山奥にまで行かないと見るものでは無かったそうです。
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 まあ、雪が深いところなので、イノシシは冬を越せないケースが多かったのかも知れませんから一世代前の頃は個体数が少なかったのでしょう。
ジムニー2
 其処は私たちが住んでいた3年間には、多くても積雪60cm位でしたけど、その前の年は1.5m。引っ越してしまった翌年には1m位は積もったところですから、越冬するにはイノシシにとって厳しい土地だったでしょう。

 もっとも、東京農大の太田教授が仰るには、今の日本は400年ぶりの豊かな森に満ちている、という事ですから江戸時代から昭和の戦前、戦後に至るまで山は生活に必要な茅や草を得るための草地と、それから資材、燃料のための林地の利用率が高かったため、日本中の里山は禿山が連なる景色だった様です。

 その様な事から、戦後に育った今のお年寄りたちは、熊さんなんて昔は見た事は無かったと言う訳です。

 ですが、我々が住んでいた頃には熊さん、普通に出ていましたね。道路歩いていたし、裏山でバキバキやっていました。
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 要するに近年は放置された山林や里山の藪や草むらが獣たちの住処になって繁殖し、そして獣害が深刻になっているからですね。
 森林ジャーナリストの田中淳夫氏の「獣害列島」という本も大分前に出版されていますしね。

 つまり、植物の再生力も凄いし、獣たちの繁殖力も凄いと言うことではないでしょうか。
 日本列島の位置からくる現代の気候や植生が非常に恵まれているからだと思います。

 その為に、都会に人が流れてしまった日本各地の過疎の田舎に住んでいる人たちには手にあまり、逆に悩ましい問題となっているわけです。本来、有難いことなんですけどね。

 獣害対策のためにイノシシ柵や鹿柵、電柵など獣害対策に相当な税金も投入されていますし、うちの集落もグルっとイノシシ柵が張り巡らされています。広島の安芸高田市では鹿柵の中に人が暮らしている様な場所もあります。

 9年くらい前に行った鳥取の智頭町では、日中も街中に野生の鹿がいましたし、自分が住んでいた神奈川の津久井町は十数年前には日中に大きな角がある雄鹿が国道を横切っていたことがありました。
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 そして、自分自身も仕事で丹沢山塊の標高1000mを超えるところにまで、2m以上の高さの鹿柵を設置しに山奥へ入ったこともあります。
 丹沢は以前から鹿によるヒルの生息域拡大が酷かったですが、最近ますます酷くなったと横浜の仲間が言っていました。

 昔は沢登りとか行っても下山の時にヒルにやられる様なことはなかったんですけどね。此方に越してくる前の十数年前にはキノコ採りで山を歩くと長靴がヒルだらけになりましたし、そういった事を知らない街場の女性が、ハイヒールでハイキング道をちょっと歩いただけで血祭りにされたとかで、笑い事じゃない位です。

 獣害は農作物への食害だけでなく更に色々な問題を引き起こしています。6、7年前のことですが、北陸で起こった熊さんによる凄惨な(メディアに載らなかった)事故もありましたが、新年の記事なので内容は割愛しますけど、その要因は鹿の増殖にも関わっていることだそうです。

 また、私ら夫婦も庭と裏の畑でマダニに食い込まれた話とマダニウィルス対策の話をアップしてありますけど、コロちゃんなんかよりも致死率の高いSFTSウィルスは、獣たちに因って農山村まで持ち込まれているんです。

 知り合い二人はSFTSウィルスに罹患してのたうち回り、隣の浜田市では死亡者も出ています。
 SFTSウィルスは、免疫力が落ちた五十歳以上には危険で若くて体力がある人たちには命に関わる様なものではないと言われていましたが、今はワクチンで免疫力が落ちている人たちが増えましたから若いからといって油断できないのではないかと考えてしまいます。
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 上画像は、再び去年の6月にマダニに気がつかない内に喰い込まれていた時のものです。この時は、何時何処でやられたのか分かりませんでした。山に入っていませんでしたから、家の周りでしょうか。
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 もっとも、集落中の家から離れたところにある草むらや藪がイノシシの巣窟になっているので、マダニの生息域も広がっていることと思います。

 と言う事で、マダニにやられた時に、速攻自分で出来るウィルス対策の方法を前出の記事に書いてありますので、興味がある方はチェックしておいて下さいね。

 マダニウィルスに関しては、喰いつかれてから処理までの時間の長さが勝負だと思いますよ。自分でやれることをやっておかないと間に合わないかも。
 マダニが媒介するSFTSウィルスは医療では対応できませんから。お医者さんは、ただマダニを取り除くことだけですね。

 なので、基礎免疫力が大事です。発酵食品や海藻類、昔からの日本の食事を摂っている人たちは強いでしょう。但し、発酵食品とは言っても、スーパーで売っているお味噌や漬物は熱を入れて発酵と止めているのでどれだけ身体に良いかはわかりませんね。
 お味噌のパックが封をしてあれば発酵を止めているということです。やはり手作りのものが一番・・・

 ん〜、今の時代は、田舎でもサバイバル能力を高めておかないと厳しいかもしれません。仕事づくりや対人能力なども含め色々な側面でもね。

 此方でも田舎暮らしの厳しさ?に耐えきれずに都会に逃げ帰った若い人たちは大勢居ますしね。
 本人は自分の方が見限ったと思っているかも知れませんが、人柄を見抜かれて相手にされなかっただけかもしれません。地元の人たちにそう聞きます。

 自己承認欲求ばかり強くて自立精神やシェアする精神が無いクレクレ人間たちには土台田舎暮らしは無理でしょ。
 お金軸でしか動けない人も無理。そういう人たちは都会でお金を稼いで、時々田舎へ遊びにいくのが平和かも。

 もっとも、田舎の人の中には社会経験が成熟されてない方も少なからずおられますから、筋が通らないことや理不尽なこともあるので、移住者の人たちも大変な思いをすることがありますけど、そういった事を乗り越えられるだけの地力を自分の中に積み重ねておかないとね。

 そういうのに負けてしまうのだったら、負けてしまうだけのものしか持っていないということかも。理屈だけで物事が良くなるんだったら、今の世の中はもっと成熟した佳き世界になっているでしょう。

 出来ることは、今の自分が出来る事を精一杯こなしておくだけ。その上で合わなければ違う機が動きます。機って判ります?シンクロして起きる出来事からの信号ね。

 さてさて、卯年早々に野ウサギさんを獣害認定してしまいましたが、今はイノシシやお猿さん、鹿の被害の方が甚大なので野ウサギさん如きの被害は、他にアライグマや穴熊などの被害に紛れて、誰がやったんだ!状態でしょうね。


IMG_0605のコピー【獣害対策用「飛び道具?」5種】
 大分以前から、当家でもアライグマが屋根に登ってきていて夜中にゴトゴト暴れるので、この間は、山仕事で使っている強力グリーンレーザーポインターでロックオンしてオモチャのエアライフル(生分解性BB弾で)で少しだけ懲らしめておきましたよ。

 いやいや、愛の鞭です。基本的に僕は虫や動物に優しいですから〜。でも、あまり集落で暴れすぎたら、そのうちに排除の動きになってしまいますからね。
 野生の獣たちには、人間をナメすぎない様、適度な距離感を持ってもらう方が良いでしょ。

 それに、最初から人間をナメて掛かっている動物もいますものね。お猿さんです。車で近くまで寄っても、ノロノロと動いて適当に往(い)なされます。

 以前、TV番組のプロデュースで海外の秘境ばかり行っていた仲間が言っていました。森の中で猿を怒らせると、猿は3Dで襲ってくるので怖いよ、と。

 要するに木から木へ空を飛び回って上から襲いかかってくるということです。海外の猿は、石を投げたり飛び道具も使うらしいし。
 でもって、穏便に済まそうと、爆竹とか花火などを猿にやっても、学習すれば効果なし。

 そうそう、9年前に島根県職の鳥獣害対策の人に教わったこと。

・花火、爆竹などは獣の上空で鳴らした方が効果がある。獣は自分の上の方の音を嫌がるからだそうだ。
・また、爆発音が大きいタイプ(許可制)を動物の側で鳴らすと鼓膜が破れてしまう。耳が聞こえなくなった獣は危険。

 その時にプレゼンしてくれた中の抜粋を掲載しておきますね。
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 アライグマは、此の特定外来生物ですね。そしてイヌ科なんですけど、わたしが聞いたのは6年位前でしたが、生息動物数をカウントする行政の仕事を請けて事業をしていらっしゃる兵庫にある会社の社長さんの話で、大阪の淀川の土手か何処かで女性が愛玩犬を散歩させていた時の話です。

 犬が草むらに向かって吠えていたら隠れていたアライグマに襲われたと。そして女性は愛玩犬を守るために抱え上げたところ、自分自身がアライグマに咬まれてしまったそうです。

 問題はそこから。アライグマはイヌ科なので狂犬病が感染るそうなのですが、そのアライグマが狂犬病に罹っていた為に女性が狂犬病になってしまったそうです。日本では狂犬病が撲滅されたと云われていますけど、そうではなさそうですね。

 わたしが狂犬病に罹った犬に遭遇したのは昭和の終わり頃に西丹沢の河原で野営をしていた冬です。よだれを垂らした大型犬だったのですが、きっと捨てられたワンちゃんだったのでしょう。

 当時、那須別荘地の野犬は酷かったですが、丹沢にも少なからず野犬がいましたからね。野犬は群れるし結構危険です。人間慣れしているのでわざわざ寄ってきます。獣よりも危険と何かで読みました。
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 捕獲して殺処分をした野生動物を放置すると30万円以下の罰金なんだ・・・
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 今は、栗の木や柿の木ほか実がなる木を切ってしまうことが多いですね。
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 群には群れで対抗とありますが、此れは猿の群れを追って山に帰すのも、人間側もチームを作って周りを追い詰めながらしつこく追っていかないと、結果嫌がって出なくなるところまでにはならないという意味です。

 猿の行動範囲は結構広いそうです。うちの集落に出る猿の群れにGPSを装着してあるそうですが、山奥で寝ながら6km以上離れた地域と行き来しているとか。
距離
 昔、流行ったフリーソフトのカシミール3Dで測ったら直線距離でその位ありました。途中は山ばかりで家は殆どありません。
 北側の地域との標高差は35m位。同じ位の高さならば季節の植生も同じでしょうから、此方の集落近辺の食べ物が減ったので、今度は彼方へ行ってみようかと移動してくるのでしょうか。

 そして、縄文人の様に標高の高い地域と低い地域を季節に合わせて収穫のために移動していたりして・・・

 カシミール3Dは、その様なデータや、また地形の断面図なども表示してくれます。上画像にあるグラフみたいなものの横軸を伸ばすと地形が観られるんです。
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 で、前出のパワポ画像に「野生動物と人間の緊張感のある環境づくり」、とありますね。獣が嫌がること、ビビることをやらなければ獣に緊張感なんか持たせられないですよね。

 なので、日頃から猿の群れを見つけると此のレーザーポインターでポイントして緊張感を持たせてやっています。

 それ以外には、小動物狩猟用のスリングショットが効果ありますね。30年くらい前、平成の初め頃でしたか、ジムニーで東北六県の山奥を一ヶ月半釣り旅をした時に護身用に持って行ったもので、今はデリカに積みっぱなしです。

 手首に当てるゴムが経年変化で千切れてしまったので、登山用の細引きロープを巻いて代替している年季もの。わたしのはファルコンです。

 当時は二千円台で買ったような記憶がありますが、今は四千円台でネットで買えるみたいです。八千円台で売っているところもあるのでご注意を。
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 猿の群れのボス(メスが仕切っていると云われていますが)に、此のスリングショットで小石を飛ばして少しだけ痛い目に遭わせたら出てこなくなりました。
 やはり、猿は飛び道具でないと効果がないのではないでしょうか。

 それから、此方は県職の人が使っているエアガン。合法なものですが威力があります。弾はBB弾ですが、生分解性のものを自費で買って使っているとおっしゃっていました。
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 9年近く前の写真で、彼女は公民館に居た時の同僚です。大阪からのJターン。
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 川は匹見川。対岸まで20m以上ありますが、狙ったところまで飛びますね。県職の人たちは、ツキノワグマが捕獲された後に、山奥に放獣する際に檻から出して追い払う時にも使っている位に強力なものだそうです(この辺での放獣って、広島県側と押っ付けあっているだけなんだけどね)。

 当時、一万五千円位で買えると言っていました。昨年だったか、うちの集落で県職に来てもらっての鳥獣害対策勉強会がありましたけど、代替わりした若い県職の人たちも此のエアガンは使っていると言っていました。

 ところで、この強力なグリーンレーザーポインターは仲間に教えて貰って手に入れましたが、私が買った時には800円代で電池付きで買えましたので、最初お試しで1本買って、ちゃんと届くのを確認してから追加で数本買った顛末です。
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 此れ、最安値の時は600円代の時もありましたけど、モノからすると、今の2〜3000円代が順当かもしれません(万で売っていた業者もいるので要注意)。
 悪くない道具です。が、特殊な電池と充電器が不安です。
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 後から買った1本千円位した3.7V電池は充電器に挿したままでいたらダメになってしまいました。

 また、販売者の名前はコロコロと変わるし、色々な中国の業者が売っていて、リンクしたところが信頼できるという訳ではありませんので悪しからずです。
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 カラスと猿にはよく効きます。レーザー光が山の奥や木の上まで届くので猿を追い払うにも有効ですね。猫はまるきり効きません。ネコ科の眼は違うのかな。

 結果、うちの集落では営農組合が10本買って山際の農家に此のレーザポインターを配布してますね。熊さんは、うちの集落の周りには居るのですが、その後出会っていないので効果は未確認です。

 さて、お次の飛び道具。此方は超音波(高周波)を飛ばすアイテムです。
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 鹿が嫌いな帯域の超音波を出し、あとはブルーのLEDライトが光るものですが、此れを設置してから鹿の被害は無くなったそうです。
 漆栽培の研究者である広島県三次市の武田先生のフィールドへ伺った時に教えて頂きました。

 電源はこんなです。
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 単一電池四つで6V。太陽光パネルでもいけるみたいです。価格も非現実的なものでは無いみたいでしたが、此れだったらヒットするでしょう。
 そうすれば安く出回る様になりますから、効果的かもしれません。

 でも、超音波ってどの位の帯域なんでしょうね。人間の可聴音は20kHz位までですが、超音波って人間には悪影響はないのでしょうか。そして自然界に対してもですね。

 風力発電の風車やエアコンの室外機が発生する低周波(可聴音域外)振動は、内臓に影響があることが判っていますし、動物達にも良く無いと云われています。

 他の記事に書きましたが、北欧の国の研究では、風力発電の低周波振動の影響は12km以上離れて初めて減衰していくことが判っています。
 でも、高周波の場合には遠くまで飛ばないでしょうから、山の中での運用は差し支えないかも。

 ところで、漆栽培に興味がある方はおられますかね。今年の夏以降に本気の人たちだけ相手の講習会を開催しようと武田先生の了解を頂きました。

 山が好きで木が好きで山づくりをやりたい人、実際にやっている人たちが対象です。山や木をお金としか見ない人はお断りです。
 山や木に愛情が持てる人たちですね。

 自伐型林業とか言って、もう10年以上になりますが、山づくりとしては何れだけの人たちが出来ているのでしょうか。
 林業事業体の多くと大して変わらない素材生産業者みたいな仕事が多くないでしょうか。木を伐って山から出して売るだけならば収奪型の農業と変わりません。

 山づくりは再造林や植生を整える作業をして初めて山のお守りが出来ます。原生林じゃなくて、人の手が入った里山の話ですよ。

 地域の山を整備しながら、それで食べられれば良いのですが、農業と併せても中々厳しいものがあるでしょう。

 でも、それに漆栽培を加えればちゃんと生活できる状況になりそうです。需要はメチャ多いので、出口は確保出来るとのこと。

 ただし、漆は植えて大きくなり樹液が採れる様になるまでには10年近く掛かりますので、腰を据えて取り組む必要があります。
 なので、美味しいとこどりばかりで地元に還元しないような地に足がつかない流れの移住者の人たちはお断りです。

 興味がある人は、今の内から、自分たちが入っている山で漆の木を探しておくと良いでしょうね。
 その上、漆の産地と成れる気候や土壌などの立地条件があります。岩手県が漆栽培を推進していますからネットで沢山の情報が採れますのでお勉強してみたら如何でしょう。

 武田先生は大学などの研究機関とも共同研究されていますし、漆栽培に取り組んでいる森組さんのアドバイスなどもされていますが、西日本でも漆栽培を盛んにしようとネットワークづくりをされていますので、山と共に暮らして行きたい方達には有用な機会となるのではないかと思い企画する次第です。
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 ただ、そういった機会や情報をダダ漏れタダ流ししても良いことにならないのが世の常ですから、高額な講習費を払う気がある人たち、つまり他人が汗水流して自腹を切って積み上げてきた智慧や経験値に対してリスペクト出来て、価値を認められる方に来て欲しいと思っています。

 ネットで調べてご自分で技術を習得し出先も確保出来る優れた方には無用かも知れません。
 取り敢えず、山がある人は自分の山が漆栽培に適しているかどうかを精査し、場合によってはネットから苗を手に入れて栽培も始めたら良いと思います。

 もう数人に声を掛けてみましたが、話は魅力的だけど漆に気触れるからダメと言う人、気触れるけどやりたいと言う人。色々です。

 詳しく決まりましたら、またブログなどでお知らせしたいと思います。が、直感で閃いた人たちは、早速ご自分なりに始めたら良いと思いますよ。

 さて、次の飛び道具。最後はマジに飛ばすやつです。以前にも記事にしたのでご存知の方もいることと思います。
 此れですねん。特大パチンコッ!!!
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 此れはお付き合いがあるアウトドアショップK(ODSK)さんで扱っているテキチューです。
 同じタイプのものに昔からあるビッグショットというものがありますが、テキチューはゴムを引っ張るのに倍力を掛けてやるので半分の力で引っ張れる美点があります。
 三段継ぎで仕舞い長が短めなのも良いですね。
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 上画像のわたしのモノは以前のタイプなので滑車とフリクションノットが設備されたモノですが、今のタイプはもっと簡素化されています。
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 重さが300gなどのオモリ(スローウェイト)を飛ばすものだから実際よく飛びます。45度の角度で飛ばして50mは飛ぶと云われています。

 テキチューは一時品切れで、保守部品のゴムとパウチも無かった時期があります。今のウクライナ問題で、林業関係機械や道具類の部品の流通が滞っていて、ハスクやスチールなどの製品や部品も入らないことがあるため難儀している人たちが多い様ですがテキチューも関係あるのかな。

 最近また入荷して販売が再開されていますけど、円安のせいで何れも価格が高くなってしまっていますね。テキチュー関連も私が買った時よりも1.5倍位になっています。
 今後、どうなるか判りませんから買えるときに買っておいた方が良いかもしれません。

 このテキチューも止まったままかと言われた時があるので興味がある人は早々に手に入れておいた方が良いかも。その際は、保守用のゴム&パウチも買っておいた方が良いでしょう。

 わたしのもそうですが、ゴムチューブは使用頻度が少なくても経年変化でヒビが入って切れやすくなりますから。
 わたしも、最初のゴムは何回も切れて(講習で切られたことも複数回)、その修理方法を記事にしたことがあります(今のタイプとは違います)。

 でもって、島根県雲南市で7年前から開催しているわたしが講師を務める講習の受講者であるお父さん達は、何時の間にか地域グループでこのテキチューを購入していたんですよ。
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 上画像は2019年秋の広葉樹伐採講習でのショットですが、それ以前の今から5年くらい前にもお披露目したことがあって、その時からドングリを沢山詰めて飛ばし、猿を脅かすのに良いなあ、という評判だったんですね。
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 わたしは、唐辛子粉を詰めた袋を飛ばそうと考えて、匹見町の道川地区の絶対ハズレがない超激辛の唐辛子を作るお姉さんから仕入れてあり、ミルで挽こうとしたのですが嫁さんが使わせてくれないんです。

 それ以前に、道川の公民館で私がやりたいことを言ったら、道川地区では既にやっていて、部屋で唐辛子を粉にしようとしたらみんな死にそうになったとか。

 オープンエアで作業しないとやばいそうです。でも、上手に出来て木の上で袋が破裂したら全体に唐辛子の粉が拡散して良さそうじゃないですか。

 獣達と緊張感のある関係が作れそうです。其れには、このテキチューは最高だと思うんですけどね。農山村に一本、テキチューを装備です。キンチョー感がワクワクしますね。

 それで、雲南市のお父さんが年明けに別件で電話をくれた時に、此のテキチューが活躍している話を聞いたんですが、何に使っているかというと・・・

 この後の項に書く、地域の草むらにイノシシが棲み付いて出ていかない件についてお話ししたら、ご自分達は先に書いた許可制の爆音がする花火(とは言っても火が出ないので火事にならないものだそうです)に錘を付けて重たくして飛ばしてイノシシの追い出しに効果があったと教えてくれました。
 そんな使い方もあるそうなのでシェアしておきましょう。

 さてさて、今まで書いた獣害対策の飛び道具の話は、あくまでもエリアに入って来させない嫌がらせ(笑)?のための手法ですね。

 あっ!其れとは反対の飛び道具がもう一つあったんだ。嫌がらせではなくて、愛を飛ばすやり方ね。自分の実績ではなくてやった人に聞いた話でご勘弁を。

 どんなのかと言うと、自分の畑を猿に荒らされて困っていたので、猿達にテレパシーで愛を飛ばして、、、飛び道具でしょ、、、此処からそっちのエリアを食べて良いけど、此処から中は食べないでね、とイメイジしてお願いしたそうなんです。
 そうしたら、頼んだエリアの被害が無くなったと。

 やったのは、25年くらい前かな、仲良くして貰っていた神奈川の厚木にある七沢荘という温泉の初代の社長で縄文人みたいなお顔をされたオッさんです。

 記事を書くにあたってネット観たら息子さんが社長になっていたから、初代の社長は亡くなったみたいね。昔、泊まりながら手伝ったり、イベントで地球村の高木善之さんの講演会の手伝いに行ったりしたことがあります。その時はサンコンさん達も手伝いに来ていましたね。

 また、縄文気功という痛いけど良く効く治療法を始めた人で、わたしの母親はバスを降りる時に足を骨折してびっこを引いていたのですが、行って気功をやって貰ったら普通に歩ける様になってビックリしたことがあります。

 ただ、余りに痛くて懲りたらしく、治療に通わなかったために元に戻ってしまいましたが。そんな方だったので、お猿さんにも念力が効いたのかもしれません。

 でも、動物達って賢いから、もしかするとマジに通じるかも知れないので、愛情が深い人はやってみたら良いかも。人間より素直かもしれないしね。
 うちの嫁さんは、家の中にでるアリさんとかゴキブリにもやっているけど、アリさんは割と素直だけどゴキブリは捻れているみたい。

 そんなソフトな方法とは逆に、他にも駆除という方法も当然あるわけですが、最近では都会の人も知るところになっている様に、猟師の高齢化により駆除が進まないわけです。
 田舎の若い人たちは満ち足りているし、其れ以前に生活が大変ですから猟をやろうという奇特な人は稀です。

 そもそもですけど、地域の山を隈なく知っている年寄り達に教わらなかったら成果も上がらないでしょう。

 其れよりも、最初の方に書きました様に、昔の様に森林資源を地域の人たちが有効に活用して、山が整備された状態だったら獣達は繁殖し難いわけです。

 林内に光が入っていれば獣達も迂闊に出られません。また、猟をするにしても誤射などの事故も防げますしね。

 大分以前から、スマートシティとか言って人間を人工エリアに閉じ込めようとする動きがありますけど、もし山や農村に人が住まなくなり、道路脇の草刈りさえ出来なくなってしまったら放置林、放置田畑ばかりの獣天国になってしまいます。

 そうなると、前述の北陸で発生したクマさんによる被害の様に街の人がハイキングしただけで凄惨な事故が発生してしまう事例が多発してもおかしくありません。
 ソロキャンなんてエクストリームスポーツにカテゴライズされちゃうかも。

 ですから、森林の適正な整備と里山を明るくする整備作業が必要なのはご理解頂けると思います。
 生息域を拡大させないためにも、森林・里山の整備はもっと力を入れていかないと日本の農自体が更に弱くなりそうです。

 以前の記事で人工環境での栽培という一つのカテゴリーもあると思いますが、其れは都会の人たち向けには良いでしょう。
 でもワイルドな生命力のある作物は、広葉樹の山から湧き出でる栄養素、ミネラル豊かな水と土壌から育つものでないと、人の精神活動に悪影響があると思います。

 口から入るものは只のモノ、物質ではありません。其処に宿る生命力、精を頂くものだと思います。
 そういう育ち方をした作物、山菜、野草、お肉を頂くと身体の内から力が湧いてくることを感じます。

 と、言うことで、『以上、現場からの声でした〜!』


【放置里山整備には、山林用の刃と刈り払い機が最強】
 さてさて話を戻して、草刈り&藪払いの話です。

 草刈り作業は、田舎暮らしをする殆どの人たちがやっているのではないでしょうか。とは言っても、お爺さんが居る場合には、子育て世代のお父さんたちには刈り払い機を触ったこともない人たちが多いかもしれません。

 ですから、お爺さんが出来なくなった場合に、若い世代が代打で出たとしても危なっかしいばかりで全然捗(はか)が進まなずにまどろっこしい作業をしていたりします。
 逆にお婆さんの方が上手だったりして・・・
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 ですが、草刈りと言うだけあって、少し手強いところは残してしまうので、そういった頑固なエリアが蔓延ってきてしまう訳です。
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 そうなると、段々と密生して藪化していってしまいます。
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 倒木があれば、其処に草や蔓が絡んでイノシシハウスの出来上がりです。マダニの巣窟ですね!
 こんな状態になったら一回山焼きで綺麗にしたいですよね。マダニの駆除にもなりますし。

 でも、なかなか燃やすことはハードルが高いので、こういう風になったらば、刈り払い機に山林用の刃を付けて枯れ枝から枯れ木も含めて全部刈り払うのが楽で早いです。
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 チェンソーなんか、本当に太いところだけで十分。

 切った大草や木を持ち出すか、または一箇所に集めて燃やすのでなければ、刈り払い機で上の方から細かく刻んで行き、更に地面に倒れているものも横に払って刻めば、歩き易い程に細かく出来ますし、そして浮いていないので大地に還り易い状態になります。
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 篠竹の藪でも高いところから短く刻んで細かくしていけば、上画像の様に其のまま普通に歩けるし、土に還り易いですよね。此の足元には刻んで切りっぱなしにした篠竹が散ってあるだけで、伐った篠竹は持ち出していません。
 また、地際まで伐っておけば安全に歩けます。

 こういった藪で危ないのは、手鎌とか鉈で斜めに切った切り株でしょう。昔は刈り払い機がなかったので、そんな危険な切り株だらけで良く怪我をしたものですが、今では刈り払い機のお陰で安全なフィールドづくりができます。

 此れらの作業動画は撮ってあるので、時間が作れたら放置里山の整備に必要な「刈り払い機と山林用の刃」を使った藪払い、潅木の伐採、枝葉の刻み処理などについての動画をアップしたいと思っているのですが、未だ大分先になりそうです。

 そういった大藪になったエリアを明るく綺麗にするには、前述の様に太い木以外にはチェンソーは要らず、逆にチェンソーは重たいし、そして刃先までが短いために作業時の移動量が大きくて労力が掛かり過ぎます。
 チェンソーでの藪払い作業は腰を屈めたり、腕を伸ばしたりで常に全身に負荷が掛かるからです。
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 この様な伐採作業に於いて伐採木の周囲を整える位ならば、藪をチェンソーで刻むこともやりますけど、広いエリアを本気で綺麗にするには刈り払い機と山林用の刃で作業した方が全然楽で早く、そして安全です。

 ご存知ない方のために書いてみますが、チェンソーを使用して細い灌木や細い枝払いをする時こそ危険なんです。

 チェンソーの切創事故の多くは、細い枝や灌木をナメた気持ちで、動力機械であるチェンソーを振り回した時に起こります。
 構えのフォームも取らず、腕の脇が開いた状態で手先だけで作業を行うからです。

 特に撓(たわ)んで逃げる細い灌木はチェンソーの刃を撥ねがちですね。また、作業者からは見えていない位置の細い枝や灌木にチェンソーのバーの先端部分に触れてキックバックが発生したり、倒れて曲がっている枝を切った途端に応力を溜め込んだ枝にチェンソーごと撥ねられれば、チェンソーの刃が作業者の身体を刻んでしまう事故が発生する場合もあります。

 そして、細い灌木、細い枝でソーチェーンがバーから外れてしまうトラブルも多いですね。特にハードノーズバーを使用している作業者のチェンソーはチェーンの張りが緩いので、この様なボサ刈りに使うとチェーン外れのトラブルが多いでしょう。

 其処へ行くと、刈り払い機でのボサ藪の伐開は作業は比べれば全然楽です。一般市民による事故はチェンソーよりも刈り払い機によるものが多いのはご存知だと思いますが、使用頻度が高いことと共に、刈り払い機による事故原因の事前周知が何もなされていないことにも依るでしょう。

 業務で刈り払い機を運用するための労働安全衛生規則に則った資格取得制度はありますが、一般市民さんのための安全運用研修制度は設けられていないですからね。動力刃物なのにね。

 そう言えば、うちの集落の人も昨夏に草刈りをやっていて大怪我をしていましたよ。

 刈り払い機の草刈り用のアタッチメントには、先ず大きく分けてナイロンコードなどの紐をぶん回して草叩きをするタイプと、鋭い刃が付いたディスクを回転させて草や木を切るタイプがあります。

 紐のタイプは柔らかいコードを振り回す訳ですから、当然の如く石ころが多いところならば優秀な投石機になることは、やったことが無い人でも想像できると思います。
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 そして、刃が付いたディスクタイプは物凄く種類が多いですね。
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 上画像は、ひろしま森づくり安全技術・技能推進協議会(ひろ森あん)さんの刈り払い機の安全運用スキルアップ講習の講師にお呼ばれした時のものですが、ひろ森あんさんは財閥なので刈り刃やメンテ道具類のストックが凄いんです。

 話を元に戻しますが、うちの集落の人が大怪我をしたのが此の2枚刃です。
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 此の刃をぶん回して草刈りをしていたら、草むらに隠れていたワイヤーに刃が当たって二枚刃の欠片が自分の胸に突き刺さったと。
 その欠片を取り出す手術に2時間掛かったそうです。胸もヤバイですけど、取り敢えず眼でなくて良かったですよね。

 他にも益田の石見エコーさん(やまびこ社だけでなく、ハスク、スチールの山林道具を全て扱っている)では、二枚刃を使っていたお客さんが、やはり欠けた刃の欠片の大きいのがお尻に突き刺さったと聞いたことがあります。

 わたしが10年くらい前に使っていた時は、草むらに捨ててある缶カラなどに襲われましたね。

 此の二枚刃もそうですが、刃数の少ないものは障害物に当たった際には欠けやすいんですよね。
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 四枚刃も八枚刃もそうです。上画像は、講習会の際に受講者にお見せするサンプルです。八枚刃は目立てを繰り返して小さくなったものも写っています。

 考えれば解りますけど、刃数が少なければ当然引っ掛かり易いでしょう。その上、二枚刃の様なものだったら大きい障害物にガッツリと食い込みます。
 もしくは、草むらに隠れている缶カラや木の切れ端なんかが物凄い勢いで飛んで行きますからね。

 刈り払い機がパワフルなタイプだったら尚更です。怪我したうちの集落の人は、わたしと同じ共立のSRE2730Pという26ccのプロ用エンジンのものを使っています。自分的には、排ガス規制以前の29cc位パワフルだと思われるタイプです。

 だから、二枚刃がワイヤーに当たった時に破損して飛んできたのでしょう。草刈り、藪払い動画にも載せましたが、刈り払い機のパワー信仰は怪我に繋がる可能性が高いことを知っておいた方がお得です。

 だから、石見エコーさんでは、二枚刃もそうですが、シュレッダーブレードという三枚刃の刃先がL型に曲がっていて、篠竹や小枝などをクラッシュして潰してしまうタイプの刃は売っていません。

 危険なのもそうですが、其れ等のタイプを使っていると刈り払い機本体の先端ヘッド部分の内部、ベベルギアと複数のベアリングが入っている部品代で2万円位するパーツが損傷することが多いからだそうです。

 此の二枚刃のことは以前から時々聞くことがありますね。「二枚刃って、よく切れるらしいね。」、とか。
 わたしは大人なので、『アホか!』、とか口に出しては言いませんよ。

 『石ころや、障害物が無いところだったら良いかもね。刃がめげても安いし・・・』、位でお茶を濁すのが精々です。小心者なもんで・・・

 そもそも、切れないって何?ってことです。チップソーでもササ刈り刃でも目立てしてあれば、エンジン回転を上げなくてもよく切れます。当たり前ですが、回転を上げなければ、飛散物の勢いも弱いことは分かりますよね。

 そして、刃数が多ければ多いほど飛散物も少ないです(デメリットは目立てが大変なこと)。

 危ないのは、切れないからとエンジン回転を上げ、そして棹を振り回すからです。高回転高出力の状態では飛散物が強く、そして遠くに飛ぶのは当然でしょう。
 そして、切れない刃では、キックバックやプルイン現象も増幅します。

 つまり、刈り刃の目立てをしない(出来ない?)で切れない刃を使っている人は、刃付けがし易い二枚刃を切れる、と思っているだけではないでしょうか。

 チップソーの刃付けは、ダイヤモンドディスクを装着したハンドディスクグラインダーを使ってフリーハンドで出来ます。

 木を切る刈り刃の様なアサリを必要としない草刈り用のチップソーならば、その目立ての仕方で葦やススキなどの大草も十分に切れます。

 自分で研げればチップソー代にお金を掛けるよりも、ディスクグラインダー代の元なんか直ぐに回収できるのではないでしょうか。

 こういった智慧のない、間違った認識の連鎖に巻き込まれない様にしないと、楽しい田舎暮らしが怪我をして辛いものになってしまいそうで心配です(動画には載せましたが、わたしの知人の知り合いが裏の畑で刈り払い機を使っていて腹を切って亡くなっています。恐らく、肩ベルトをしていなかったのでしょう)。

 動力刃物を扱うには、如何にコントロール下に置くかどうかがキモです。肩ベルト一本で安全が確保出来るのならば装着しない理由はないでしょう。

 また、先に書きました様に無用なパワー信仰は良いことがありませんから、其れ以前に切れる刃付けが出来る様になってからの話です。チェンソーも刈り払い機も同じです。

 山仕事のオッさんでも仕事が出来る人は、軽いチェンソーと切れる刃で身軽に仕事をこなしていきます。無駄な動きがないので、トータルすれば仕事が早いと。そして身体が疲れにくい訳ですね。

 そうそう、ご参考にうちの集落の人が買った軽い刈り払い機をご紹介しておきましょう。共立のサイトから写真をお借りしました。
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 21cc。3.5kg。わたしも欲しいなあ。棹がちょっと短めの様です。集落の人が奥さん用にと買ったら、軽くて扱いやすいのでメインマシンにしてしまったものです。

 益田市の石見エコーさんを紹介して上げて買ってきたもの。パワーが無いからナイロンコードはダメということで刈り刃だけで使っていますが、これで田んぼの畦などは充分と言って満足しておられました。
 と、申しますのもうちの集落の畦は芝生化に順次入っていて、此処のお宅の畦は大分綺麗に芝生が馴染んでいますから、今後はこういった小型の刈り払い機で充分なのかも。
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 その件は置いておいたとしても、元から綺麗に草刈りをしておられて、畦以外も大草にしないからだった事もあります。そして、ここの奥さんは草刈り上手で旦那さんよりも綺麗に刈る人なんです。

 其の奥さん曰く。「今度の草刈り機は軽いけどしっかりしていて丈夫そう。。。今まで使った中で一番軽いわ!」、とのこと。
 わたしも、石見エコーさんで持ったことありますが、メチャ軽いです。

 で、うちのブログや、此の記事で言っている刈り払い機についてはホムセン物は除外して話をしています。
 ホムセン物で、このエクストリームスポーツ的な使い方をしたら、使い勝手がブヨンブヨンとブレて弱々しく、そして振動も多いし、また棹も曲がってしまうかもしれません。

 そして、安いから軽いってことも無いんですよね。逆にホムセン物は排気量からすると重たい刈り払い機が殆どですね。
 チェンソーもそうですが、ホムセン物は材質を落としているので重たくて弱く、長持ちしないのが通説。

 そんな使い捨ての様な道具を使っていると人間も安くなります。レベルが上がらないですし、トラブって嫌になってしまうことも多いかもしれませんね。素人こそ良い道具を使った方が良いのでないでしょうか。

 そして、道具は軽い方が良いですね。同じメーカの同じ排気量でも金色の棹のタイプは軽かったりします。わたしも1本持っていますが、軽いですね。
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 棹がジュラルミン製なので軽くて、そして強いんです。普通のアルミのものだと林の中で激しいキックバックが起きた際に曲げてしまうことがあります。
 中のシャフトまで曲がったらトータル2万円位の部品代が掛かるのではないでしょうか。
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 わたしは貰ったもの、中古で買ったものを含めて共立の26ccクラスのエンジン刈り払い機を5本を古いタイプからシリーズで持っています(講習会で使うので)が、普通の大草でも刃さえ切れれば23ccクラスのもので十分仕事をします。

 共立と兄弟になるエコーブランドの50Vのバッテリー刈り払い機が、パワー的にも重さ的にも23ccクラスと同じくらいで、それで川横の葦の大草も刈っていますので、刃さえ切れれば23ccでもちゃんと良い仕事しますよ。
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 また、共立だとジュラルミン棹タイプの軽い23ccもあります。ナイロンコードでも草が柔らかいものならば大丈夫。

 もっとも、此れから田舎暮らしをしようという方にお伝えしておきたいのは、刈り払い機って結構貰えることもあるんです。

 但し、古いタイプは固定トリガーなので後述する様に危険なことがあります。この古い方式のものは、新しいものに挿げ替えることができますから、後からでも換えた方が良いと思います。

 刈り払い機を貰ったら、一生懸命地域の道脇とか刈って上げてください。そして家の周囲も綺麗にね。
 そうすれば、一目置かれて何時の間にか玄関前にお野菜やお米が置いてあるなんて嬉しいことも起きるやもしれません。

 以上、ご参考になれば幸いです。

 此れから田舎暮らしをしようとしている人たちにとって、農的に暮らしたいのであれば、此処に書いた様な内容は直ぐに直面する話です。

 何度も書いている事ですが、原生林は其の地域の植生と気候の中で優勢な植物たちが生き残ってバランスが採れている状態なので人の手が入ると荒れてしまうのですが、里山では植物同士が鬩ぎ合っているので人の手が入らないと、植物同士の戦いでカオスになってしまう訳です。

 ですから、里に近い山は、間伐なども含めて資源の有効活用を行いながらの整備作業が必要なんですね。
 木を伐るばかりが里山整備ではありません。それ以前に林地を綺麗にしておかないと伐採作業をより危険なものにしてしまいます。

 チェンソーよりも先ず刈り払い機。その刈り払い機に山林用の灌木も切れる刃を付けて細かく刻んで行くのが楽でそして早いということです。

 其のための安全作業の基本は、

・刃が切れる事:回転を上げなくとも切れる刃で作業する
・肩ベルトは絶対着用。そして肩と両手の三点で保持していれば、キックバックが起こっても自分を切ることはない
・山林の高低差が大きいところでの作業では、肩ベルトの長さ調整が簡単に出来るものを使用。ザックの肩ベルトの長さ調整をするものと同じタイプ
・3D作業では肩ベルトを短く調整して常に肩ベルトに刈り払い機の重量が分散される様にする
・灌木などを短く切っていく際には、敢えて刈り刃のキックバックゾーンを使って切る。そうすると、飛散物は作業者方向に向かわずに、作業者とは反対側の向こう側に飛んで行く
・防護装備の充実。わたしは脛当てを付けて作業を行うことが多いですが、飛散物の防護の意味と共に、転けた時、滑った時の怪我対策の意味での使用
・滑りやすいところはスパイク付きの履物を。滑った時や滑落した時には、刈り刃は空、または頭上に向けること
・斜面の下に向いて刈らない。土手際などで、どうしても下を向く作業になる場合には腰を落とす
・藪払いの作業の時には、上着を綿の丈夫なものを着る時が多いですね。よって、寒いか涼しい時期の作業となる。って、薄着の夏場に藪の中の作業自体は遠慮した方が安全でしょう
・時期によっては忌避剤を塗る。特にマダニ避け。忌避剤についてはリンクのマダニ関連の記事にオーガニックなものを紹介済み
・後は、当然の事だが、他の作業者とは離れて作業をする。中には何故か判らないけれど、側に寄ってくる人もいるので、常に周りには注意をする
 などがあります。

 絶対に安全とは言い切れないのは、作業者自身の精神的な部分とか意識の偏向性、向き不向きがありますし、外で身体を使う作業に対しての経験値の違いや反射神経の錬成度でも違うことからもご理解頂けると存じます。

 わたし自身は怪我をしたことが無いですし、危なかった記憶も今の所ないですね。勿論、飛散物が手に当たったとか腕や足に当たってアザが出来たなどはあります。

 兎に角、回転を上げて作業をすれば飛散物が強く飛びますし、チップソーが石に当たって欠片が自分に向かって飛んでくれば、布などは突き抜けるでしょう。目に当たって失明した事例は一般的な事故例です。

 だから、草むらの中がよく判らない場合には、2段切り3段切りなどで上から刻んで行けばよいので、そういった作業手法を行うかどうかの本人の危険回避マネージメント能力にも関わってきます。

 ところが、視野狭窄的に結果ばかりを追う雑な性格の人は怪我が多くなるのは当たり前の理です。
 怪我が多い人、事故が多い人は運とか言う以前に意識パターンの転換が必要ではないでしょうか。

 年賀状にも書きましたけど、現在の放置里山の整備作業については、安全に草刈りが出来るというレベルを超えているところが多いので、もうエクストリームスポーツとして割り切って楽しんだ方が良いんじゃないかというのが提案です。
 田舎暮らしをしたい若者たちには良いんじゃないでしょうか。

 要するにパッシブセーフティではなくてアクティブセーフティで、自らのスキルアップと道具のブラッシュアップをもって身体も鍛えつつ作業の質を高める可能性と安全性の確保を広げて行くという姿勢です。

 刈り払い機の安全衛生教育という公的な講習の講師を行うことがありますけど、あれはお為ごかしでしょう。

 行政と周りの責任回避のため程度の内容でしかありません。実習が1時間って、人数が多ければ何も教えられませんものね。
 そしてテキストにある事故例。受けたことがある人は知っているはずですが、その事故の原因はというと・・・

・肩ベルトをせずに作業を行い、転倒、滑落、キックバックなどが原因で、刈り払い機が手から離れで刈り刃で自分を切ってしまった
・作業者同士が近くで作業をしていたり、刈り払い機使用中の作業者のすぐ近くを他の人が歩いた時にたまたまキックバックが起こって棹が撥ねられて近くにいる人を切ってしまった

 シリアスな事故の原因は、殆ど上記の様な場合です。また、以前の刈り払い機には、トリガーが固定式で、回転が上がったままになるために、上記の事故の際に高回転で回ったままの刈り刃で切られてしまう訳です。

 今では殆どがスプリングが入った可動トリガー式になっていて、指を離せば回転が落ちるもの、ショックがあるとエンジンが停止するものなどに変わっていますから、テキスト自体が古い内容のままです。

 また、斜面下に向かって草刈りをしていて足を滑らせた場合には肩ベルトをしていても刈り払い機本体がずり上がり、足に近づいた刈り刃で足を切るケースがあります。

 が、そういった作業になる場合には、肩ベルトに付いている腰ベルトを、腰ではなくて股に回しておけばずり上がりを防げるので、同様の事故を防げます。うちの協議会のテキストをアップしておきますね。
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 肩ベルトは、長さ調整が簡単に出来るタイプが腕や身体への負担を減らせ、両手と肩の3点で保持できる様になるので安全です。わたしは、やまびこ(共立・エコー)の刈り払い機に付いてくるものを使っています。

 よく刈り払い機講習などで、ハスクとか海外メーカの両肩に掛ける重量級の肩ベルトがありますが、あれは平らなお庭とか公園などを整備作業をする人向けのものではないでしょうか。
 そして、海外の重たい刈り払い機用かも。

 日本の起伏の激しい、また道脇の壁の草刈りには全然向かないのでは。やってみれば判りますが、高いところ、また畦道の下側の縁などは肩ベルトを短くすると楽に保持ができて棹のコントロールができる様になります。

 平地では伸ばしたいので、簡単に長さ調整が出来る肩ベルトを使うと田んぼの畦の周りは草刈りを自由自在に出来る様になります。
 重量級の肩ベルトでも、簡単に長さを調整して、刈り払い機がアバラ近くまで短く持ち上げられればOKです。調整はその場その場で片手で出来ないとね。

 そうすれば、刈り刃でも危なくなく使えますが、其れが危ないと感じる人はナイロンコードで草が柔らかい内に叩くスケジュールにすれば良いだけです。
 動画には其の作業風景を載せています。

 さて、世界中で様々なエクストリームスポーツを楽しんでいる人たちがいますけど、僕らの若い時よりも、もう次元が何段階も上くらいに内容も道具も進化しています。

 身近なツールの自転車でも、エクストリームライドをする人たちの進化は物凄いものがありますね。
 日本でも行われているダウンヒルレースなんて、自分が若かったら絶対やっていた遊びですが、これなんかもまかり間違えば木に激突して即死するで遊びでしょう。

 わたしの場合は、バイクで空飛んだり山岳アタックや河の渡渉程度、他には沢登りでもそれぞれに痛い目に遭っていますし、場合によったら死んでもおかしくないこともありました。

 そういった瞬間的な判断を求められる遊び?スポーツからすると、時間軸の変化が断然遅い木の伐採や藪払い、草刈りなどでシリアスな状況に陥ってしまうこと自体に不思議に思うことがあります。

 特にエクストリームスポーツについて詳しい訳ではありませんけれど、拙い経験から言っても、失敗した時の構えや逃げ道などを事前に意識下にプログラムをしておいた上で、如何に上手くやるかというヴィジョンの実現にエネルギーを注ぎ込むものだと思います。
 その為に日頃のトレーニングや失敗時の解析や補正の積み重ねを行なっているでしょう。

 自分からアクティブにやろうとしている取り組みなので、心の姿勢自体が違うことは当たり前です。
 その点で言えば、嫌々やっている草刈りとか、生活のためにやっている伐採では漫然とやっているだけで何ら積み重ねになっていないことがありそうですね。

 要するに職人マインドを持てなかった、唯の作業員的雇われ人マインドの人たちがそうかもしれません。
 そうなると、心の向きが前向きじゃないんですよね。

 危険木伐採などもそうですが、危険作業を行う時には、如何に上手くやってやろうか、という前提の下に危険要素を配慮して安全策を施す様な前向きの意識でアンテナを張っていないと直感が働かないんです。閃くとかね。

 だから、里山を綺麗にしたいとか、景色を美しく整えたい、という前向きな気持ちで目的を高く持って作業をしていると危険回避が出来るのでは、と考える次第です。如何でしょう。

 先に書きました様に、鳥獣害の解決方法は、適正な森林資源活用と整備を行い、山を明るくして集落の周りや放置田畑の草むらや藪を無くし繁殖し難い環境を作っていくことが先ず行うことなので、農村、山村に人が住み続けることありきでしょう。

 今は田舎に暮らしたい若い人たちが増えていますよね。その中で農山村に住みたい人たちも大勢居るわけですから、自然と共に里山のお守りをして野山を美しくしたいという奇特な人たちも少なからず居られると思うんです。

 前向きの気持ちを持っている人たちには、此処で書いた様な作業法は危険なものでは無いと思います。
 仕事でお金を得ながら草刈りや藪刈りをされる方は、労働安全衛生規則に則って作業をされて下さい。

 でも、我々農山村に住み、自分たちのエリアを保全していくには、そんな悠長な方法ではとても整備が進みませんから、アクティブセーフティのマインドでスキルを上げて行こうと思います。
 つまりうちの協議会が行う講習のお題目である「森と暮らす:山仕事スーパー素人への道」を目指して安全且つ美しい仕事ができる様に目指して行きたいということです。

 そういう生き方に共感してもらえる方が少しでも増える様にと拙い文章の長文をもって経験値を小出しにシェアしている次第です。
 が、、、こんな長文、読まねえだろうなあっ、と。


【こうなったら食糧危機の際の大事なお宝に。縄文時代のヤジリを作るか...】
 其の様な獣が跋扈する状況の中ですが、うちの集落は五十戸ほどがまとまっているので、集落全体をイノシシ柵で囲ってありますけれども、集落内に放置された藪や草むら、暗い林がある上に放置栗の木や柑橘類の木など食料の成木もあり、農作物も含めてイノシシが自給自足できるらしいのです。

 景色的には綺麗な集落なんですけど、未だ未だ整備が足りません。

 道路や川筋から入ってきて住み着いたイノシシファミリーが居るの目撃されていても、食べるものが潤沢に有るらしくイノシシが罠にまで入らないんですよ。
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 集落内には、こんな草むらや・・・
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 こんな藪がありますから。
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 そして、草刈りをやっていると、下画像の様なイノシシ道が其処彼処にありますし、イノシシの寝床もたくさんありますね。
 下画像は、ずっと続くイノシシトンネル。
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 下画像は、行き止まりになっていて下草が押しつぶされたイノシシの寝床。
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 生活し易そうでしょう?食べ物はあるし棲み家は居心地が良いし、うちの集落は日当たりが良いしで定住したいんでしょうね。

 此のイノシシトンネルってものを初めて体験したのは35年位前かな。東京の日野市に住んで居た頃は、富士山の周りは遊び場だったので朝霧高原(標高800m台)によく遊びに行っていました。

 その前から研修で毎年行っていたのでお馴染みの場所でしたが、湿気が凄くて毛布とかシーツがシットリとしてしまう地域です。
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 其の頃は建物や施設も少なくてバイクで結構遊べたんですね。地元の人に断ってバイクで尾根登りのアタックとかさせて貰えましたし。

 上の画像は其の頃に撮った写真をデジカメで再度撮り直してストアしておいたものですね。一人で2台のバイクを持って行って、そして今で言う車中泊で数泊して走り回っていました。
 
 其の時に、急な尾根に路が付いているのを見つけたので、出直してバイクを置いてから歩いて登りに行ったんですよ。毛無山(1945m)に登る方向だったと思うのですが、其れが段々ドーム状になって立って歩けなくなった訳です。

 あとは、四つん這いになって進むしかなかったのですが、流石に途中で嫌になって引き返しました。
 後から理解したのはイノシシ路だったこと。出くわしたら逃げようもない位の密な藪でしたから、もしイノシシとご対面していたらヤバかったですね。

 その後は、自然が多い地域を求めて段々山寄りの方へ移住していく訳(生まれ故郷の横浜を脱出したのは自然がどんどん無くなって行ったから)ですが、さらにイノシシとの縁が深くなっていきました。

 此処は、当時は神奈川県津久井郡で今は相模原市に併合されてしまったのですが、里山ばかりの城山ダムの下流の地域。
 アパートの道路向こうも放置里山。人も犬も入れないくらいに繁茂した藪になっていました。
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 此処は、秋の夜中になると、ドシーンッ、ドシーンと何か物がぶつかる音が・・・イノシシさんが、栗の木に体当たりして栗を落として食べていたんですね。
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 ある日、夜中の3時頃に真っ暗な中をゴミを捨てようかとゴミ箱に向かって道路を歩いていました。
 すると、闇の奥から『ゔぅ〜っ!!』、とイノシシさんが挨拶の声を掛けてきます。わたしも礼儀正しく、「ゔぅ〜っ!」、っとお返事を。。。

 すると、『ゔぅぉ〜っ!!!』、と更に強い口調で反応が返ってきました。当然、ここで引き下がったら人間がナメられてしまいますので、わたしも更に語気を荒くして応戦します。
 そんな獣とのコミュニケーションをしながらのゴミ捨てですから、都市近郊でも自然が豊か?と言うことでしょう。

 因みに、上の画像はアパートの玄関から撮った栗の木の根元にいるウリ坊です。画角に入っていませんが3頭位が日中にも関わらず栗の木の周りでウロウロしていました。親は捕まってしまったんでしょうね。

 其れから暫くして近くの農家のオヤジさんが、鍋を持ってきて、「猪鍋作ったけど食うか?」、と。
 聞いたら、ウリ坊を獲ったからとのこと。柔らかくて美味しいお肉でしたね。合掌。

 で、津久井に住んでいた時に、一番美味しかった猪肉は伊豆で獲ったものでしたね。みかんを沢山食べたイノシシさん。逆に奥多摩のは硬くて不味かったです。

 個体や処理だけの問題ではなくて、全体に食べているものの問題でしょう。他の人たちも同様の事を言いますからあながち外れではないでしょう。

 ところが、島根の此方のイノシシはとても美味しいんですよ。広葉樹率が高い山ばかり。ドングリ沢山ありますし。水も美味しいとくれば不味い訳はないですよね。
 なので、うちの近くにあるイノシシを扱うお店では、兵庫に年間何千万円も出荷しています。
 
 今後、もしグレートリセットが順調に発動されたら、世の中全体に食糧危機がやってくるかも知れませんけれど、日本の地方農山村には獣が沢山居るので、暫くは影響が少ないかも知れませんね。
 そうしたら、害獣が途端にお宝に。食糧危機になったらあの手この手でシシ追いをするんじゃないでしょうか。狩猟免許どころじゃないでしょう。

 そんな事になれば縄文人の智慧に学ばなければなりません。

 昨年末に山陰合同銀行のCSR活動である山陰ネットワーク会議の研修で、匹見町の元文化財保護専門員だった渡邊友千代氏から匹見町で発掘された旧石器時代、縄文時代の遺構、遺物などから知る歴史と此れからの生き方の講義と実習が開催されました。

 主催者の方が別件でうちの嫁さんのところに来た時に友千代氏が10年くらい前までは子供達相手にヤジリづくりを教えていたから、研修をやって貰ったらと吹き込んでおいたのです。
 キノコ博士でもある其の方の素直なこと。速攻開催してくれました。

 その時の実習で教わったのが、安山岩を使った鏃(ヤジリ)の作り方です。此の彼は上手に作りましたね。指から血を流していましたけど・・・
 黒曜石の様に、安山岩も鋭く割れるので良く切れるんです。
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 動画も画像も沢山撮っておいたので、いずれ公開したいなと思ってはいます。
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 そしてイノシシの的に石鏃を付けた矢を射ると・・・
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 友千代氏は的を外しましたけど、わたしは前足に当てましたね。もっとも、この様な矢ではイノシシの様な動物に致命傷を与えることは無理でしょう。
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 縄文人も落とし穴猟で追い込みとかやって捕まえていたみたいですし。でも、足に傷を追えば動きが遅くなるから、弓矢を使うこともあったでしょうね。
 もっと小動物ならば有効ですし。

 ご存知の方も多いと思いますが、縄文時代には人を殺すための大きな鏃は発掘されていません。
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 小動物やマスなど小さな生き物を仕留めるための小さな鏃だけです。
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 昔は、川のサケ・マスも野の獣も豊かで大層な道具がなくても獲ることが出来たのでしょう。
 他の記事に書いてありますが、40年くらい前だったか南アルプスの聖岳に登った帰りに歩いた林道脇の大井川の源流では、砲弾の様なヤマトイワナがウヨウヨと泳いでいて、人が川に入っても少し逃げるだけで人間を機にする様子もありませんでした。昔は豊かだったことが判ります。

 そして獣に関していうと、もしかすると獲る人が少なくなってしまった今の時代、獣の豊かさは江戸時代なんかよりも凄いのかも。

 やる気さえあれば、金融リセットや食糧危機、はたまた大災害でライフラインが長期ストップしても、美味しいものが食べられる田舎ライフ。皆さんも如何でしょうか。

 って、年始早々、明るいのか暗いのか判らない記事でご無礼を致しました。危険作業は最悪のパターンが発生した時の事を意識下に置いておき、最善の手法を模索しつつイメイジをポジティブに描き、あとは直感に従うのが宜しいかと。生活もね。
 本年も、どうぞ宜しくお願いを致します。

 皆様方の作業のご安全と、関係者様のご健康とお幸せを祈念して此処らで長文をヤメたいと思います。縄文之森協議会 高濱 拝